2007年07月31日
tpt『三人姉妹』07/27-31ベニサン・ピット
見逃さないようにしているtptの新制作。5月に行われた2週間のオーディション・ワークショップで、100人の中から選抜された若い俳優が出演されます。演出は門井均さん。
『三人姉妹』はチェーホフの代表作のひとつで、超有名な作品です。私も何作か拝見しています。tptでアッカーマンさんに演出されたものが記憶に新しいですね。
きれいな舞台写真はこちら。
⇒CoRich舞台芸術!『三人姉妹』
今回は残念ながら、何を目指しているのかがわからない仕上がりで、大好きな『三人姉妹』の世界が大切にされていないように感じ、途中休憩で帰りました。若手育成を目的にした公演だったからか、チャレンジすることの意義のようなものは感じ取れましたが。
三姉妹はドキっとするほどスタイルが良くて美しい、若い女優さんが揃っていました。演技に惹かれたのはソリョーニ役の小寺悠介さんかな。
【観劇途中で席を立つことについて】
野田秀樹さんが、イギリス留学から帰国された頃のインタビューで、
「日本の観客はつまらなくても最後まで観て拍手までしちゃう。それが日本の演劇が育たない理由(のひとつ)だ。イギリスの観客はつまらなかったら途中で帰るよ。」
という意味のことをおっしゃっていました(どこかの雑誌で読んだおぼえがあります)。
それまで私は「どんな作品も最後まで観るのが礼儀だ」と思っていたのですが、野田さんの言葉に衝撃を受け、自分の考えを改め、イギリスの観客のようになろうと決めました。
※「途中で帰りました」と公表しているレビューは私が観たところまでの感想です。
TPTフューチャーズ -Summer 2007 連続公演
出演=呂美(オルガ)、浜崎茜(マーシャ)、唐沢美帆(イリーナ)、香里菜知子(ナターリャ)、今井華子(女中)、吉岡亜紀子(アンフィーサ)、藤沢大悟(トゥ-ゼンバッハ)、田村元(クルイギン)、小寺悠介(ソリョーニ)、奥山滋樹(フェドーチク)、矢野竜司(ローデ)、廣畑達也(フェラポント)、加治慶三(チェブトゥイキン)、瀬戸口剛(アンドレイ) 、笠原浩夫(ヴェルシーニン)
作=アントン・チェーホフ 台本=広田敦郎 演出=門井均 美術監修=朝倉摂 セット=池田那緒美 照明=深瀬元喜 衣裳=萩野緑 振付=中村音子 ヘア&メイクアップ=梅澤裕子 舞台監督:村田明 演出部:板倉麻美 バイオリン演奏:松尾嘉子 照明オペ:深瀬元喜 衣裳助手:高橋理恵 大道具:(有)C-COM 桜井俊郎/武田寛 背景美術:(有)美術工房拓人 松本邦彦 小道具:高津映画装飾(株) 衣裳製作:照井智樹 伊達環 長谷川典子 中出里美 中澤惠 パイ製作:元祖カレーパン カトレア
【発売日】2007/06/24 全席指定 一般:4,000円 学生:3,000円
http://www.tpt.co.jp/
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【つぶやき】宮田秀明の「経営の設計学」より「もっと、若い人に任せなさい~アポロ計画はなぜ成功したか」
「日経ビジネスのNBonLINEというサイトにお薦めしたい記事がある」と、お友達から教えてもらいました。自分用のメモです。
宮田秀明の「経営の設計学」より
「もっと、若い人に任せなさい~アポロ計画はなぜ成功したか」
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≪締めくくりの言葉≫
繰り返す。イノベーションにとって、最も大切なキーワードの一つは“エンパワーメント”である。それを、忘れてはいけない。
≪ここまで≫
■エンパワーメント【empowerment】とは?(Yahoo!辞書より)
1 権限を与えること。
2 社会福祉政策において、従来のサービスを提供するやり方とは別に、受益者に直接手渡す補助金を増やして、それを選択する権利を与え、政府の介入や裁量を減らそうという考え。
教師に大きな範囲で権限があることが、フィンランドの義務教育現場(関連記事⇒1、2)と日本のそれと違うところですよね。
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2007年07月29日
ハイバイ『再演とプレビュー「兄弟舟」』07/24-08/05アトリエヘリコプター
ハイバイ2連発公演。「ポンポンお前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」に続いて「兄弟舟」を拝見しました。
う~ん、ここまで作風が違うと2本でお腹いっぱいですね(笑)。私は『兄弟舟』の方が好きかも(←変わってるって言われたりも)。
ギリギリ入場だったに今回は運良く(?)正面の席をゲット。上演時間は約1時間50分。「兄弟舟」では終演後にアンケートを提出すると500円で買い取ってくれます。
両演目とも8/1からチケット代が500円高くなるので、早めにご覧になるのがお得。
⇒CoRich舞台芸術!『再演とプレビュー』
レビューは後ほどアップ予定。アップしました(2007/08/09)。
≪あらすじ・作品紹介≫ CoRichより
伝説のヤクザ、若葉はカタギになることを決め、組への恩返しとして、ライバルの親分を暗殺しようと決める。その暗殺作戦のためには、若葉を敬愛する弟分の佐藤の彼女をおとりにしなくちゃいけない。果たして若葉は修羅場を乗り越えて、無事にカタギになることができるのだろうか。謎の若者二人がノンキに事件の渦をかき混ぜ、事態は血で血を洗う凄惨な感じになりそうだ!
≪ここまで≫
どう見てもヤクザらしくない女ヤクザ・若葉(永井若葉)と、彼女を慕って支える、見るからにヤクザな男・山田(田中伸一)。本物のヤクザかと思ったらどうやらちょっと嘘っぽい・・・。
わざとおどけた残酷シーンとか、セリフを少なくした心の葛藤シーンとか、演出内容も盛りだくさんで、ストーリーも込み入ったものでした。戸惑ってしまってついて行けなくなりそうなところもありましたが、思わずハっと驚きの声を漏らしたり、感情が胸にグっと飛び込んで来て涙がこぼれたりもして、豊かな観劇体験になりました。
こういう濃ゆ~い作品は1時間強ぐらいの短時間上演にすれば、より多くの観客に好かれるんじゃないかと思います。
「ポンポン・・・」よりも舞台と舞台の外との境界がはっきりしていて、役者さんもパキっと演技を変化させていたのがカッコ良かったです。特に内田慈さんの酔っ払い登場シーンは素敵でした。
ここからネタバレします。※セリフは正確ではありません。
若葉と山田、そして彼らのライバルとされていた組長(猪股俊明)と殺し屋(坂口辰平)は、実は4人で一緒にヤクザごっこをして生きている仲間でした。ごっこ遊びの方が本当の人生で、食べるためのバイト生活の方がかりそめの姿という、ダメな大人たちだったのです。凝りに凝った設定だな~と関心しましたが、もうちょっと早い内にその仕掛けを知っていれば、もっと楽しめた気がします。
若葉が山田に「ヤクザ(の振りをするこのグループ)から足を洗うかもしれない」と打ち明けるシーンが、一番初めの泣けるポイントでした(ここで泣くのはヘンかもしれないけど)。山田が本気でショックを受けて、(若葉がグループを抜けることを)いやがっているのが伝わってきたからです。山田の若葉への愛情の強さに胸打たれたのではありません。山田の身体から吹き出した本当の気持ちに対して、若葉が(山田が自分を愛しているのだと勘違いして)喜ぶ気持ちを取り繕うようにするという、2人のコミュニケーションが生き生きと伝わってきたからだと思います。
若葉がフリーター2人(師岡広明、岡田昌也)と一緒に幻覚作用のあるキノコをハコぶシーンで、若葉があんなに思いっきりレイプされるとは思いませんでした。「おっぱいが片方ない」とか「化けモンだ(陰毛がちょっとヘンだから?)」とか、セリフも敢えて際どいものを採用していたようですが、私には少々きつかったですね。それはフリーターの2人の存在感がリアルだったからかも・・・。
若葉をレイプして妊娠させた若者(岡田昌也)が、肌に赤い斑点が出てくる病気になって、なぜか奇妙なバットのような形に変化して死んでいたのは可笑しかった。あれは心の奥で笑えました。
若葉から赤ん坊(金子岳憲)が生まれたのにびっくり。大人の男が紙おむつだけ着て出てきちゃったよ(汗)。さらに2人目(黒田大輔)が出てきたのには、びっくりするよりも苦笑するしかなかったですね(笑)。
巨大な双子を生んで瀕死の状態になった若葉は、自分を抱いて支えてくれる山田に、自分が観た夢の話をします。抱き合う2人を観ただけで若葉の切ない片思いの気持ちが痛いほど伝わってきて、じわ~っと泣きそうになったのですが、若葉が語る夢がラブ・シーンにひどくそぐわない内容だったため、すっかりその涙がひいてしまいました(苦笑)。
山田の胸の中で彼への愛を告白したいはずなんだけど、若葉は「(夢の中で)山田さんが呼ぶんだけど、そこには絶対行きたくないの!」などと連呼します。山田もただ無理矢理なだめようとして、全く同意していないのに「そうだね」などと相槌を打ったりするんです。しばらく聞いている内に、あまりの気持ちの通じなさにあきれて、切なくなってしまいました。2人とも伝えたいことは胸の中にちゃんとあるのに(例:若葉「自分はどうなってもいい、報われなくてもいい、ただ、誰よりもあなたを愛してます。」/山田「あなたのことはすごく大切だけど、愛することはできません」)、コミュニケーションが下手すぎてトンチンカンなんですよね。あぁ、こんなに相手のことを思いやって、捨て身で愛しているはずなのに、ことごとく、伝わらない・・・。人間はなんてバカなんだろう、なんて不恰好なんだろう、と、居心地の悪さを通り越して開き直るしかなくなったような感覚で、胸が熱くなりました。
出演=永井若葉、田中伸一(開店花火)、内田慈、猪股俊明、坂口辰平、師岡広明(豚肉3カイキ)、岡田昌也、金子岳憲、黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)
脚本・演出:岩井秀人 照明協力:松本大介(enjin-light) 音響協力:荒木まや(ステージ・オフィス) 特殊衣裳:坂東智代(Chacotto) 本番撮影:TRICKSTER FILM 舞台写真:岩井泉 票券管理:有田真代(背番号零) 当日運営:田辺恵瑠 制作協力:原田瞳(tsumazuki no ishi) 制作:三好佐智子
【発売日】2007/06/15 前半期間(7/24~30)前売り2000円 当日2500円 後半期間(8/1~5) 前売り2500円 当日3000円 ※プレ公演「兄弟舟」では終演後にお客様からアンケートを500円で買い取るキャッシュバックつき!
http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/
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2007年07月27日
小指値『mrs,mr.japanease』07/25-30王子小劇場
小指値(こゆびち)は多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科出身の若者達のユニットです。最近の2作品(⇒1、2)を観てすっかりハマってしまい、初日に伺いました。
若くて元気で、自由!そしてかなりヤンチャ!(笑)
上演時間は約80分の予定だったようですが、それより初日はちょっと長かったような(開演が遅かったのかもしれません)。劇場入り口の天井にご注意を。頭をぶつけそうになる人が多かったです。
「ご新規同伴サービス」はじめ「TSUTAYAはわかってくれない上映会」や「こーじのスコーン」など、新しい観客サービスも面白いですね(詳細はこちら)。
⇒CoRich舞台芸術!『mrs,mr.japanease』
≪あらすじ≫
高校時代に同級生だった男女4人が渋谷で待ち合わせる。もう遠い昔になった青春と、こんなはずじゃなかったかも?な現実を行ったり来たり。渋谷で遭遇した得体の知れない女から、あるものをもらってトリップ(?)もする。
≪ここまで≫
ベニヤ板で囲まれたシンプルな四角い空間。王子小劇場の高さもうまく使っています。なんといっても装置の見どころはあの照明器具!GG公開2次審査でも話題になっていましたが、かなり高度な技術のようです。
ダンスあり、ハプニング的な演出(サーカスみたいな・笑)あり、思いっきり長いセリフをしゃべるシーンもあり、な、パフォーマンス色の濃い演劇作品でした。
演じるのも語るのも踊るのも走るのも叩くのも脱ぐのも、同じ価値として舞台にあったように思います。それが楽しくて刺激的でした。予想外のことが起こるのが嬉しくってたまらないですね。「舞台って自由自在なんだな」って、笑いながら再確認する気持ちでした。
白人女性キャストが1人いらしたんですが、ちょっと驚いたのは最初だけで、すっかり馴染んでいました。エンピツ君のインパクトも凄かったしな~(笑)。一人一人の個性が何とも混ざらないほどヴィヴィッドだったんでしょうね。
クラブ(旧称ディスコ)のシーンで全員が飛んで跳ねて自由に踊っているのを見て、こっちが楽しくなっちゃった。こういうことって珍しいと思うんです。“クラブのノリで踊るだけ”みたいなシーンは、舞台上の人ばかりが楽しそうで観客が取り巻きファンみたいになっちゃうことがあるんですよね。それが小指値には全然なかった。媚びない、だけど、えらそうじゃない。この存在の仕方がものすごく気持ちいいです。“自由”って、野放図だとか、勝手気ままだとか、他の色んな言葉に翻訳できますけど、そこに一人で立っている自分を肯定するという責任感が、小指値の核になっているのかもしれないと思いました。
初日はまだまだ模索中のようでしたし、毎日どんどこ変化・進化していきそうですが、どの段階で見ても楽しめると思います。舞台芸術初心者にも体験してもらいたい、新しい気軽な演劇かもしれません。
ここからネタバレします。
山崎皓司さんが火をいっぱい使ってびっくり(笑)。しかもかなり危険(苦笑)。火吹くしジャンプするし便所になるし、しなやかな肉体とはこのことだ。
未来から2匹のハチ公像の間を通ってタイムスリップしてきた女(篠田千明)の存在が、説明的になっていたことはちょっと残念でした。彼女から「モテる錠剤」、「過去に戻れる錠剤」などをもらった若者たちが、そのクスリの効能どおりにトリップします。でも別に錠剤がなくてもそのままイっちゃってOKだったんじゃないかな~。また、終盤は登場人物それぞれの現在について説明するシーンが、暗転を挟んで順番に上演されました。まるで「フツーのお芝居」のようになって、もったいない気がしました。ブっ飛んだまま、浮遊して、スライドして、突然消えて、生まれて・・・何でもOKだと思います。
最後は「『魅力もなくって、価値もないダメ人間の私なんだけど、それでもやっぱり私のことを見て欲しい、愛して欲しい』・・・なんて思ってるんだろ、そんなヤツ死んぢゃえ!」みたいな言葉を、面と向かって相手に突き刺して終幕。ん~・・・そういう終わり方にするなら、その前に浮遊感および祝祭ムード満点のシーンとかがあって欲しいなと思いました。今回はそういうぐぐぐ~~っ!っと盛り上がってトんでイっちゃうシーンが、絶好調になる前にしぼんでしまうことが多かった気がします。もっともっと上まで!
『mrs,mr.japanease』なのか『mrs mr japanease』なのか正式なタイトルは不明。
出演=天野史朗、大道寺梨乃、中林舞、野上絹代、山崎皓司、NAGY OLGA、篠田千明
作:小指値 演出:北川陽子 ドラマドクター:篠田千明 美術:佐々木文美 衣装:藤谷香子 照明:上田剛 音響:篠田千明 振付:野上絹代 調理:山崎皓司 宣伝美術:天野史朗 写真:加藤和也 制作:辻村優子 山本ゆい 舞台監督:山本ゆい(mon) 協力:石田亮介 木元太郎
□「TSUTAYAはわかってくれない上映会」28日(土)16:00~/東京デスロック「再生」(30分)/16:40~ ハイバイ「ヒッキー・カンクーントルネード」(80分)/29日(日)16:00~ ハイレグジーザス「VOONOO you , jesus me」(75分)
□「こーじのスコーン」30日の楽日には小指値のシェフ修行中、山崎皓司が作るスコーンを各回限定30個で配布します。
【発売日】2007/06/17 前売:2000円 当日:2500円 (全席自由)
http://www.koyubichi.com/
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2007年07月25日
ハイバイ『再演とプレビュー「ポンポンお前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」』07/24-08/05アトリエヘリコプター
岩井秀人さんが作・演出・出演されるハイバイの『再演とプレビュー』2連発公演(ハイバイおよび岩井さん関連記事⇒1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11)です。
まずは再演「ポンポンお前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」を拝見しました。上演時間は約1時間45分。
客席が舞台をL字型に囲みます。私は側面の席で拝見しましたが、たぶん正面の席の方がいいんじゃないかな~。
⇒CoRich舞台芸術!『再演とプレビュー』
≪あらすじ≫ CoRichより
ファミコン好きの少年が、恐ろしいファミコン屋で騙された(違うカセットをつかまされる)ことから、おしっこをもらしたり兵隊さん達の妄想に襲われたりといった超常体験を経て、家族や友人のありがたみを知る。お母さんは町内新聞の記者として、品川カンパニーという市民劇団に行き、演劇のおそろしさを知る。地味ながらも、ハイバイが「年齢ギミック」「トラウマ遊び」という、一つの方向を見いだした記念碑的作品の再演!
≪ここまで≫
劇場に入るとすでに舞台では演技が始まっていました。アトリエヘリコプターには何度かお邪魔しているので、仲間が集まる隠れ家的なムードを味わって「いつもの場所に帰ってきた」ような気分にもなりました(あつかましくてすみません)。でも同時に、あまりにリラックス・ムードが漂いすぎているようにも感じました。「これ、本番だよね?」ってちょっと不安になったりも。
2つの家族が描かれるシーンでは勝手にいろいろ悩んでしまって、楽しむよりも考える状態だったのですが、“品川カンパニーという市民劇団”の稽古場シーンで悩みも何もかも吹っ飛びました。ヘナチョコ稽古はものすごくシュールで何度も苦笑・失笑しつつ、人間観察をするようにじっくり深く拝見できました。舞台の外で待機する役者さんとの関係も、劇中劇の入れ子構造がさらに広がったものとして効果的に感じました。
岩井さん演じる演出家・品川(私は初見)は受け入れづらい人物ではあるのですが(苦笑)、「そんな信条があるなら、そう考えるのは当然だよね」と共感(っていうか納得?)できるところが何度もありました。これは新しい発見だったし、すごく面白かったです。
元祖ファミコン関連グッズがいっぱい登場しました。しかもちゃんと動いてるし(笑)。私は世代的にど真ん中ですけど、10代の人は見たことないのかも。スーパーファミコンも今となっては懐かしいですものね。
ここからネタバレします。
最初に目に入ったのは懐かしいファミコン(GOONIES)をする小学生らしき男の子2人(黒田大輔&浜田信也)と、落ち着いた女の人(大久保亜美)でした。女の人が姉なのか妹なのか母なのかわからなかったんですが、セリフを聞くと母親役でした。
若い女性に若々しいまま母親を演じさせるという「年齢ギミック」かと思ったら、次のシーンでは存在そのものがお母さんらしい女性(市子嶋しのぶ)と、ちょっとお父さんには見えづらい若い男性(金子岳憲)が登場して、夫婦を演じられました。ここで演出の意図がわからなくなって、どのように受け取ればいいのかを迷ってしまいました。私の考えすぎなのでしょうけど。
劇団(品川カンパニー)のお稽古シーンで、私は初めて岩井さん演じる“品川さん”を見ることができました。岩井さんの品川役は負けずぎらいの暴君というキャラクターをわかりやすく表現するだけでなく、色んなものを背負って数十年生きてきた人物として味わうことができる演技を見せてくださいました。感情の触れ具合や(彼の信じる論理的)思考の方向などを追うことができ、結果、そのシーンで演技する全員について一人一人の人間像を観察できることになりました。
吾郎(黒田大輔)をいじめているとしか思えないサディスティックな態度をとっていた欽一(浜田信也)が、最後はファミコンの道具を持って吾郎の家に行き、吾郎がやってしまったのと同じように自分もおしっこをもらして「一緒に遊ぼうよ」と言います(セリフは正確ではありません)。わかりやすくてちょっと微笑ましいエンディングで、現在のハイバイの作風とは少し違うように思いました。劇団の変遷を感じられて良かったです。
劇団員の山田(師岡広明)が偽のタバコを吸ったり握ったりするのが超おもしろかった(笑)。あと、ガオウ役を演じる劇団員・米田(永井若葉)の、あの付け鼻と言葉も強烈ですよね(笑)。あきらかに日本語じゃないのに通じてるし。とにかく劇団の稽古場シーンはツボに入ることが多かったです。
出演=黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)、浜田信也(イキウメ)、大久保亜美(mon)、金子岳憲、市子嶋しのぶ(カムカムミニキーナ)、岩井秀人、三浦俊輔、師岡広明(豚肉3カイキ)、永井若葉
脚本・演出:岩井秀人 照明協力:松本大介(enjin-light) 音響協力:荒木まや(ステージ・オフィス) 特殊衣裳:坂東智代(Chacotto) 本番撮影:TRICKSTER FILM 舞台写真:岩井泉 票券管理:有田真代(背番号零) 当日運営:田辺恵瑠 制作協力:原田瞳(tsumazuki no ishi) 制作:三好佐智子
【発売日】2007/06/15 前半期間(7/24~30)前売り2000円 当日2500円 後半期間(8/1~5) 前売り2500円 当日3000円 ※プレ公演「兄弟舟」では終演後にお客様からアンケートを500円で買い取るキャッシュバックつき!
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【情報】「T★1演劇グランプリ」の応募は79団体!
昨日で「T★1演劇グランプリ」の募集が締め切られました(関連記事⇒1、2)。合計79団体が名乗りを上げてくださいました。ありがとうございます♪
さて、私は「CoRich舞台芸術まつり!2007春」でも審査員をさせていただいたので、この形式のネット審査は2度目になります。今回は残念なことに、「CoRich舞台芸術!」に写真や動画を登録していない団体が多いですね。「CoRich舞台芸術まつり!2007春」に参加した団体は既に過去の情報がそろっているので、最初からちょっと優位な気がします。
まず、応募公演の画像を登録していない団体は急いで画像を登録すべきでしょう。「CoRich舞台芸術!」のTOPページにランダムに表示されるのに、それを利用しない手はありません。公演のチラシ画像がなければ団体のロゴマークでもいいと思いますよ。
助成金のように書類を郵送するのではなく、応募内容が広く公開されるのがこのネット審査の特徴です。広報・宣伝のセンスを問われていると言っても過言ではないと思います。
今回の応募団体ではありませんが、AND ENDLESSの動画はしっかり編集されていてすごいですね。私もいくつか家族と一緒に観て楽しみました。
「T★1演劇グランプリ」概要より↓
■審査基準
下記の項目を総合的に評価します。
・団体のみどころ&意気込み
・公演情報の登録内容
・舞台写真、動画
・当サイトでのクチコミ数、盛り上がり具合
・過去の実績
・今後の期待度
など
■第一次審査 結果発表
2007年8月10日(金)
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2007年07月23日
劇団ダンダンブエノ双六公演『砂利』07/21-31スパイラルホール
ダンダンブエノは近藤芳正さんを中心に結成された劇団です(過去レビュー⇒1、2、3)。
脚本:本谷有希子、演出:倉持裕という組み合わせに、主演が坂東三津五郎さんという豪華公演。びっちり満員のスパイラルホールでした。上演時間は約2時間10分(休憩なし)。
⇒CoRich舞台芸術!『砂利』
≪あらすじ≫
北の地方のとある民家。男2人兄弟(坂東三津五郎&近藤芳正)が一緒に暮らしている。兄の身重の妻(田中美里)と肺病持ちの居候(山西惇)も同居していて、質素ながらも平和な生活が営まれている・・・ように見えるが、実は父親が死んでから、兄は“空っぽ”になってしまっていたのだ。
≪ここまで≫
前半は「坂東三津五郎がこんなこと、あんなことヤっちゃうから面白い」みたいなムードを盛り上げているような気がして、ちょっと入って行きづらかったんですが、片桐はいりさんが登場して坂東さんと対話する頃からグっと面白くなりました。
本谷有希子さんの脚本はやっぱり狂ってて面白いな~と思い、その脚本をイイ大人がはしゃぐエンタメ作品に仕上げた倉持さんも素敵だな~と思いました。ただ、私の好みの作風ではなかったですが。
ここからネタバレします。
心が空っぽの男(坂東三津五郎)とか、痛いと思った気持ちを箱の中にいれる男(酒井敏也)とか、誰かをダシにして暇を潰さないと生きていけない男(山西惇)とか、それぞれにおかしな性質をもった登場人物ばかりでしたね。でも深刻になりすぎず愛嬌があるので、好きになれるキャラクターばかりでした。
「空しい!」とさけびながら砂利の上で地団太踏むのがすっごく良かったな~・・・。「全く何もない」と感じた時、そこから「空しい」っていう感情が生まれちゃうんだから、人間って可愛いですよね。
必死で隠そうとしていた(酒井敏也さん演じる男の)箱の中身が実は“空っぽ”でした。ラストは箱の中に入っていたさまざまな“感情”が一気に外に飛び出して、男(坂東三津五郎)がそれを全身で味わっているように見えました。
面白くなったり、怖くなったり、可愛くなったり、色んな存在に変化していらした、片桐はいりさんが素晴らしいなと思いました。
≪亀有、水戸、岐阜、愛知、山口、東京≫
出演=坂東三津五郎、田中美里、片桐はいり、酒井敏也、山西惇、近藤芳正
脚本=本谷有希子 演出=倉持裕 美術=松岡泉 照明=清水利恭(日高舞台照明) 音響=高塩顕 衣裳=今村あずさ 演出助手=山田美紀 舞台監督=村岡晋 宣伝美術=タカハシデザイン室 宣伝写真=清水博孝 宣伝=吉田由紀子 制作=藤野和美 制作協力=トータルステージプロデュース、トップシーン プロデューサー=近藤芳正 企画=劇団ダンダンブエノ 『砂利』オリジナル・サウンド・トラック=ハンバート ハンバート
【発売日】2007/05/06 前売6500円 当日6800円(未就学児童の入場不可)
http://www.dandanbueno.com/
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NEVER LOSE『廃校366.0【後日譚】』07/18-22東京芸術劇場小ホール1
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」の最終審査10団体に選ばれたNEVER LOSE『廃校366.0【後日譚】』の東京公演です。名古屋から東京へのツアー最終日に伺いました。
メインのキャストが1人増えていたのがわかりやすい変更点でしょうか。名古屋公演のレポートはこちら(劇場写真などあります)。
CoRich舞台芸術!⇒『廃校/366.0【後日譚】』
会場ロビーには公演の劇評などをまとめたファイルが置いてあり、自由に閲覧できるようになっていました。名古屋公演同様、会場でのホスピタリティおよび広報が行き届いていますね。春に名古屋でお会いした方々に、池袋でお会いできたのも嬉しかった。
千種文化小劇場とは打って変わってプロセニアム(額縁舞台)の東京芸術劇場小ホール1。装置はほぼ同じで、やはり美しい空間でした。枯れ木が天井から垂れ下がり、散った桜の花びらがステージいっぱいに敷き詰められています。
音楽が鳴るタイミングや大きさなど、音響効果の面での独自色が自在に出せていたんじゃないかと思いました。また、役者さんもリラックスして存在していたように見えて、長期間の企画ならではの落ち着きがあったように思います。
2度観てあらためて感じたんですが、乱暴な言葉がよく出てくる脚本ですよね。なにかと「バカ」って言うし、怒鳴るし。「そういう言葉を話す人たちなんだ」と思うよう心がけたんですが、個人的に受け入れづらく、人物を愛するまでは行けなかったです。
怒鳴り声がつらかったな~・・・。「なぜここで、こんな声で、いきなり怒鳴るのだろう?」という疑問が湧きました。役者さんの演技の質感にもよるのだと思います。私が観た回が特にそう感じるような演技だったのかもしれません。千秋楽でしたしね(私は千秋楽が苦手なのです)。
ノリのいいロックの音楽と、無音の時間の対比がNEVER LOSEの特徴なのかなと思いました。これは好みが分かれるところだと思います。私は無音の時間が強調されすぎて、ちょっと引き気味になっちゃいました。
ここからネタバレします。
ストーリーについては名古屋で観た時と同じところで腑に落ちませんでした。殺人事件の現場にいた教師が今もその建物(廃校になった学校)の管理人をやっていること、「帰る」と言って去った人が何度も戻ってくることなど。これは仕方が無いので今回は気にしないように拝見しました。
「帰る」とふてくされて去った人がなぜか戻ってくると、主人公のケンジ(谷本進)がぶっきらぼうに謝ります。それに対して怒鳴って返すんですよね(例:ケンジの妻)。このような、すぐに怒鳴って返答するという会話が受け入れづらかったです。
最後はステージの下の蛍光灯が光って祝祭ムードになりました。やっぱりこの装置はきれいだと思います。
≪名古屋、東京≫
出演=谷本進/山本祥子/長谷川弘樹/戸枝政志/川渕優子(shelf)/舘智子(タテヨコ企画)/好宮温太郎(タテヨコ企画)/西山竜一(無機王)/代田正彦(北区つかこうへい劇団)/藤井義浩(P in uncH)/砂原かづき/フタヲカルリ/松本信一
作・構成・演出=片山雄一 舞台監督:佐藤恵 松下清永+鴉屋 舞台監督助手:柴田頼克 舞台美術:杉山至+鴉屋 照明:池田圭子 音響:飯塚ひとみ 音響協力:EAGLE SOUND 衣装協力:摩耶/JAM HOME MADE & ready made/MAMORU SHIMIZU anglasad/EMMETT BROWN 楽曲提供:POUND ROCK/GOOFY'S HOLIDAY/PATHFINDER 宣伝美術:オクマタモツ チラシ写真:西岡真一 写真撮影:ワタベマユミ WEB制作:櫻井晋 制作:松丸琴子 共同制作:矢野靖人(shelf) 主催:NEVER LOSE
日時指定、全自由席、前売・当日券同一料金 一般3000円・学生2000円 小学生以下のお子様はご入場いただけません
名古屋公演公式=http://www.haikou.jp/index.php
東京公演公式=http://www.neverlose2007.info/
劇団=http://www.neverlose.jp/
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2007年07月21日
子供のためのシェイクスピアカンパニー『夏の夜の夢』07/16-23東京グローブ座
大、大、大好きな子供のためのシェイクスピアカンパニー♪夏休みのお楽しみです。東京グローブ座に子供がいっぱいでした。
※過去作品のレビュー→2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年3月、2006年7月
『夏の夜の夢』といえばつい先日、新国立劇場で観たばかりだな~。
⇒CoRich舞台芸術!『夏の夜の夢』
オープニングがいつもと少し違ってて楽しかったっ!!上手な客いじりと演劇ならではの導入で、子供も大人もすっかり気持ちよくなって、『夏の夜の夢』の世界に入っていけました。雰囲気もすごく良かったんですよね。「好き」の気持ちが光って放射されているように感じて、こまつ座のオープニングを思い出しました。
シェイクスピアならではの長いセリフを1人で言うのではなく、黒マントの数人も含めて分けて語るのが良かったですね。とてもわかりやすかったし、子供でも飽きずに聞いていられると思います。
前半は面白かったんですが、後半はちょっと・・・。妖精のシーン(おもにパックとオーベロン&黒マント)は楽しかったのですが、御前芝居などの人間のシーンはあまりうまくいっていないように感じました。
いつも可愛らしい衣裳ですが、今回はちょっぴり疑問アリ。特にハーミアが履いていたピンク色のブーツは不恰好じゃないかな~。
ここからネタバレします。
最初からイエローヘルメッツが登場しました。工事現場の人々の会話に『夏の夜の夢』で御前芝居をする町人のセリフが混ざってきたかと思ったら、パックがひょっこり顔を出し、徐々に現実から離れた世界へと連れて行ってくれます。最初にパックの口上があったのも素晴らしかったですね。
ハーミア(キム・テイ)、ライサンダー(土屋良太)、ヘレナ(伊沢磨紀)、ディミートリアス(戸谷昌弘)のシーンが笑えない作りになっていたのが意外でした。そういう意図だったのでしょうけど、私の好みではなかったですね。ヘレナが深刻に暗いキャラクターで、伊沢さんの演技も真に迫ったものだから、どうしても気持ちが落ちる方向にいきます。人間たちの醜い戦争を表しているのかな~と思いました。「人によって幸せがこうも違うとは」という言葉は良かったです。
御前芝居のシーンは、シーシアスとヒッポリータなどの観客がチャチャを入れて、原作どおりに劇中劇の入れ子構造を生かす方がいいんじゃないかな~と思いました。ドタバタなだけではちょっと退屈しちゃうんですよね。
パック役が大内めぐみさんだったことにプチびっくり。だってヘレナかハーミアかと思ってたんですよ~。笑顔の輝きと澄んだ声が素敵でした。
≪埼玉、茨城、東京、香川、大分、茨城、山口、福岡、三重、愛知、神奈川、滋賀、韓国≫
出演=伊沢磨紀、福井貴一、佐藤誓、山口雅義、戸谷昌弘、土屋良太、キム・テイ、大内めぐみ、山崎清介
脚本=ウィリアム・シェイクスピア 演出=山崎清介 照明=山口暁 音響=角張正雄 衣裳=三大寺志保美 演出補=小笠原響 舞台監督=堀吉行 主催=華のん企画
【発売日】2007/05/07S席4800円(1,2階席) A席4000円(3階席) 子供3000円(中学生以下・各席同料金) ジーンズシート(学生割引)3500円 ※当日のみ取り扱い(要学生証)・3階両脇各回10席
http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
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【情報】「T★1演劇グランプリ」申し込み締め切りは7/24(火)!
TOKYO★1週間7/3号
フジテレビ・TOKYO★1週間・こりっちによる「T★1演劇グランプリ」の公募が始まっています。
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」は公募締め切り日にアクセスが殺到しました。参加を検討されている団体の方には、お早めのご登録をお薦めします。
★ただ今の応募総数は37団体。締め切りは7/24(火)です!
第1次審査(8/3結果発表)で選ばれた20団体が第2次審査(観劇審査・脚本審査)に進み、その中から約10団体がフジテレビ社屋にあるマルチシアターで行われる決勝大会「お台場SHOW-GEKI城」へと進出します。
本広克行監督がお薦め劇団を紹介する連載
※フェスティバルの詳細は公式サイトをご覧下さい。
※「お台場SHOW-GEKI城」の内容に関するお問い合わせについてはTOKYO★1週間編集部(03-5395-3474)までお願いします。
私は第1次審査と第2次審査の審査員をさせていただきます。大手マスコミの方々が演劇に興味を持たれ、支援してくださることを嬉しく思い、微力ながらお手伝いさせていただくことになりました。
昨年の「お台場SHOW-GEKI城」に出場した団体の中には、お台場での公演がきっかけで執筆や出演の仕事につながった方もいらっしゃいるそうです。ご興味のある方は、ぜひ応募してみてください。
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ブラジル『天国』07/18-22ザ・ポケット
ブラジリィー・アン・山田さんが作・演出されるブラジル(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12)。ご縁があって4年前から拝見してきました。今回の『天国』は色んな作風を経てここに到達したんだな~と感じられる作品でした。「ブラジルの演劇」としての成熟を見せていただけた気がします。
上演時間は2時間・・・より短かったような。すみません、うろ覚えです。
⇒CoRich舞台芸術!『天国』
≪あらすじ≫
自動車工場で働く男たちが美人女将(山田佑美)目当てに毎晩のように通う居酒屋。厳しい肉体労働に耐える男たちには、それぞれに人には言えないワケがあるようだ。女将にもどうやら秘密があるようで・・・。
≪ここまで≫
まず、リアルな舞台装置にプチびっくり。絵に描いたような居酒屋です(絵じゃないけど)。
身体をはったアクロバティックかつアドリブ的な演技・演出と、綿密に練り上げられた脚本とが組み合わさっていることに、ブラジルのオリジナリティを感じました。「わぁ、そうなるんだ~♪」と何かが起こる度にその面白みを味わいました。
前作『恋人たち』では役者さんの個性と個性のぶつかり合いが目玉の一つでしたが、今回は役者さんの息を合わせたアンサンブルを楽しめて嬉しかったです。
たとえば幕開け最初の、居酒屋で安酒をあおりながら、とりとめもないことをしゃべって笑うブルーカラーの男たち・・・というシーンがすごくリアルで、一瞬でその世界を信じることができました。
先の見えない男たちの吹き溜まりのような場所で、暗い話題ばかりがのぼるのに、常に明るくおどけたムードがありました。また、悲惨な状況におかれた登場人物みんなを愛することができました。
最後のひとことと、その幕切れのあっけなさが素敵。
ここからネタバレします。
マコト役のこいけけいこさんはモデルもしていらっしゃる背が高い女優さんです。ほかのキャストとの対比のためにか、さらに背が高く見えるワンピースを着て、ハイヒールを履いているのがあからさまで面白かったです。
元野球選手のコウサカ(諌山幸治)が「インターネットっ!!!」って叫んだのが可笑しいし悲しいし。
金を持って逃げた女将をサトウ(西山聡)が追わなかったのが良かったです。「追いかけても・・・」と言ってちょっと笑った西山さんの顔には、あきらめなのか安堵なのか、色んな気持ちが入り混じっていて、「あぁ、人間って可愛いな」と微笑ましい気持ちになりました。そこでサッと暗転して終幕したのもかっこ良かったです。
出演:辰巳智秋、西山聡、諌山幸治、若狭勝也、中川智明、山本了、山田佑美、こいけけいこ、本間剛
【脚本・演出】ブラジリィー・アン・山田【照明】シバタユキエ 【音響】島貫聡 【舞台監督】主侍知恵(HOZO) 【舞台美術】仁平祐也(HOZO) 【衣装】中西瑞美 【宣伝美術】川本裕之 【宣伝写真】名鹿祥史 【演出助手】岡崎貴弘(アンティークス)・伊藤雅典(劇団ガンダム) 【票券管理】スギヤマヨウ(QuarterNote) 【制作】恒川稔英・池田智哉(feblabo)・ブラジル事務局
【発売日】2007/06/16 前売2,800円 当日3,000円 ※初日・平日マチネ割引 前売/当日2,400円(全席指定)
http://www.medianetjapan.com/10/drama_art/brazil/
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2007年07月20日
tsumazuki no ishi『犬目線/握り締めて』07/19-23ザ・スズナリ
スエヒロケイスケさんの脚本を寺十吾さんが演出されるtsumazuki no ishi(つまづきのいし)の公演は、年1回ペースだそうです(過去レビュー⇒1)。
妥協のない現代群像劇でした。上演時間は約2時間30分(休憩なし)。つ、疲れた・・・。でも、登場人物一人一人の背景をしっかり描くには、それぐらいの時間が必要だったのかもしれません。
⇒CoRich舞台芸術!『犬目線/握り締めて』
舞台は古びた団地のエレベーターホール。コンクリートの壁に囲まれた、じめじめした空間です。遠近法で斜めになった柱や天井のハリなどのおかげで、奥行きが広く見えました。照明がかっこ良かったな~。
コンクリートに囲まれた空間で声が反響する効果があったり、セミの声、救急車のサイレンなど、音には深いこだわりを感じました。
登場人物のことを少しずつ知れば知るほど、「えええぇぇ~・・・(ちょっと引きつつ、びっくり)」みたいな、肌がひりひりするような切迫感のある、暗い作品でした。でも、先が見えない、どん詰まりの生活が目の前に広がっても、「そこまで堕ちたらもう笑うしかないよね」って思って、プっと吹き出しちゃうことが多々ありました。
演劇ならではの演出も面白く、ストーリーを追いかけるというよりは、シーンごとの空気を味わう観劇でしたね。小さな対話の一つ一つを大切にされているのだと思います。でも、できれば2時間ぐらいにおさめて欲しい・・・というのが、終演後の第一の感想でしたね。内容が濃いので余計にそう感じるのかもしれません。
私は比較的前の方の席だったので、それほど問題にはならなかったですが、後ろの方には役者さんの声が聞こえづらかったんじゃないかな~。意図的かもしれないですけど。例えば管理人室の中で話すのは、もうちょっと声を大きくしてもいいんじゃないかと思いました。
ここからネタバレします。
幼児への性的虐待の罪で刑務所に入っていた男(中村靖日)とその彼氏の警官(松原正隆)、夫に浮気されたせいで小学生の娘に家庭内暴力を振るうようになった精神科医(原千晶)、働かない父親、母親の介護をしない長男、コスプレ好きの管理人・・・箇条書きするだけで胸にウっとくるぐらい、濃いバックグラウンドを持った人物ばかりが登場します。ものすごい個性でしたね、一人一人が。
アニメ「機動戦士ガンダム」のセリフを言って(猫田直)、それがどのキャラクターのセリフかを当てるという、ナンセンスなシーンがありました。セリフが全部ファースト・ガンダム(っていうのかな)のものだったような・・・?世代がかぶってるな~と思いながら楽しく聞きました。「ランバ・ラル!」とか(笑)。
出演=原千晶(ワタナベエンターテインメント) 寺十吾 釈八子 宇鉄菊三 猫田直 日暮玩具 杏屋心檬 松原正隆 太田晶子 鈴木雄一郎 岡野正一 松嶋亮太 中野麻衣 蒲公仁(個人企画集団*ガマ発動期) 中村靖日
脚本=スエヒロケイスケ 演出=寺十吾 照明=Jimmy((株)フリーウェイ) 音響=岩野直人(ステージオフィス) 舞台監督=田中翼 舞台美術=小林奈月 宣伝美術=立花文穂 宣伝写真=久家靖秀 舞台写真=nana 演出助手=岡野正一 制作=原田瞳 J-Stage Navi 企画・製作=tsumazuki no ishi
【発売日】2007/06/01 前売り3500円、当日3800円(全席指定席)
http://tsumazuki.com/
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2007年07月19日
パルコ『The Last Laugh(ラスト・ラフ)』07/11-22パルコ劇場
三谷幸喜さんの二人芝居『笑の大学』(1996年読売演劇大賞“最優秀作品賞”受賞)の、英語プロダクションです。ロンドンのウエスト・エンドのロングランに先駆けた来日公演ということで、英国人キャストによる充実の2時間強(休憩15分を含む)。
チケット代は8,400円と高いですが、観に行ってよかったと思える贅沢な作品でした。すごい脚本だと思います。喜劇って何なのか、劇場ってどんな場所なのかを、はっきりと言葉で教えてもらえました。
⇒CoRich舞台芸術『ラスト・ラフ』
レビューをアップしました(2007/07/21)。
≪あらすじ≫
戦時下の国にて。劇団で喜劇を上演したい劇作家が、自作戯曲の検閲を受ける。ガチガチの軍人が担当になってしまったから、さあ大変。
≪ここまで≫
三谷幸喜さん作品ならではのドタバタな笑いも、ウィットに富んだかっこいいジョークも、英国人紳士2人がエレガントに披露してくれました。最前列の端の席だったので字幕を追いかけるのがちょっと大変でしたが、幸せな2時間だったな~・・・。
私が観た回の観客には外国人(英語を母国語とする方々)が多かったのか、笑い声が大きめだし、中盤は暗転の度に拍手が起こって、いつもと違ったパルコ劇場でした。
暗転(薄暗い)する場面転換の回数が多くて、集中が途切れることがありましたが、それはそれで役者さんと一緒に休憩しつつ、気持ちを入れ替えて次のシーンのための心の準備をする気分にもなれたので、新鮮な楽しみ方ができたように思います。
検閲官役のロジャー・ロイド・パックさんがものすごくキュートでした。
ここからネタバレします。
左手が義手になっている検閲官は、最初は劇作家をけんもほろろに扱いますが、徐々に喜劇の毒にあたって(笑)、自ら演技をするようになっていきます。“検閲”が行われるはずが、2人が協力しあって戯曲がブラッシュアップされていくという、本末転倒ぐあいが楽しいです。
笑いを作る方法から発展して、笑いとは何か、演劇とは何かという深いテーマまでも、作品を通じて知ることができます。登場人物が実際にやって見せて、語って教えてくれて、そしてこの作品自体も“喜劇”なんですよね。ものすごくうまくできた脚本です(私なんぞが言うまでもないですが)。
笑いは一瞬でも現実を忘れさせてくれる・・・。その笑いが自由に生まれるのが劇場なんですよね。劇場に集まった人々は、「嘘の世界にいる」という約束をみんなで共有している間、その嘘(夢)の中で生きることができます。現実世界でどんなに過酷な、悲惨な環境に生きていても、お芝居という嘘のもとで人は心を自由にできるのです。そこでは笑えるし、泣ける。人の悪口も言える、政府にたてつくこともできる。だってお芝居(嘘)なんだから。
統合前の東ドイツの劇場の話を思い出しました。家族同士で互いを見張る(スパイする)ような言論の自由がない社会で、人々は劇場の中でだけ、感じたままに笑ったり泣いたりできたそうです。
戦況が悪くなっていくことが装置や音響で表現されます。窓の外に徐々に高くつまれていく土のう。大きくなる爆音。最後には古くて立派なシャンデリアも爆破の衝撃で揺れて、天井からはチリが振り落ちてきます。そんな絶対絶命の状況で、検閲官は作家が書いた戯曲を読みながら静かに笑います。シニカルでスマートなエンディングでした。
≪The Theater Royal Windsor、Everyman Theater,Cheltenham、Milton Keynes Theater,Milton Keynes、Richmond Theater,Outer London、Theater Royal,Newcastle upon Tyne、東京、大阪、2008年1月、LONDONウエスト・エンドでオープニング予定≫
出演=作家:マーティン・フリーマン(Martin Freeman)/検閲官:ロジャー・ロイド・パック(Roger Lloyd Pack)/
脚本=三谷幸喜 演出=ボブ・トムソン(Bob Tomson) 脚色=リチャード・ハリス(Richard Harris)、プロデューサー=ビル・ケンライト(Bill Kenwright)
【発売日】2007/06/09 8,400円(全席指定・税込)
http://www.parco-play.com/web/page/information/lastlaugh/
http://www.parco-mitanikoki.com/web/last_laugh/
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2007年07月18日
ツィンテル『ループ』7/14-16シアターD
知り合いが多数参加しているグループなので観に行きました。ダブルキャスト公演だったので、ロリータ男爵の大佐藤崇さんが出演されている回にお邪魔しました。
⇒CoRich舞台芸術!『ループ』
短編コント集のような形式ではあるものの、最終的には1本の筋がとおった作品でした。
基本的にコントなので笑いを狙いに行っているのですが、客席で具体的な笑いがおきなくても、舞台上の役者さんはしっかりと演技を続けていたのがとても良かったです。笑い声がおきなくても、観客は充分に楽しんでいたりするものですし、ウケるかウケないかで演技が変わってしまうのは残念なので。
シュールな空気もあって、私好みの作風でした。
独特のセリフ運びと呼吸があった、花火職人の2人コント(小島フェニックス&かあきじいんず)が好きですね。
役者さんでは倉沢学さんが観ていて楽しかったです。レストランの店員とか、スター侍の役とか。
オープニングの役者紹介CG映像は無くても良かったんじゃないかな~と思いました。名前だけ見ても誰が何をやるのかわかりませんし、同じCGを繰り返し流されるのはちょっと・・・。特に時間のかかる舞台転換もなさそうでした。ただ、最後の映像は必要でしたね(笑)。
ここからネタバレします。
心にトゲが刺さったマサオを村島リョウさん(小さいマサオ)と勢登健雄さん(大きいマサオ)の2人で演じます。最後は“マサオ”から横棒一本のトゲ抜いて、“マリオ”になるという落ちでした。マリオ・ブラザーズってグローバルですね。
紅一点の女優さん、百花亜希(ももか・あき)さんは“吉冨亜希子”から改名されたんですね。桃子、ピーチ姫、そして百花とリンクしていました。
出演:勢登健雄 倉沢学 伊藤大輔*M かあきじいんず 小島フェニックス 百花亜希 大佐藤崇(ロリータ男爵)*L 村島リョウ ※伊藤大輔は Mバージョン(14, 15日)のみ、大佐藤崇は Lバージョン(16日)のみの出演。
脚本:ツィンテル 構成:かあきじいんず 演出:小島フェニックス 舞台監督:杉江聡(Z.A.P) 照明:板山大介 音響:広田靖幸 メイク:仲西瑞美 映像:ワタリ 山下直樹 宣伝美術:盛岡ケンイチ イラスト:たかさわ亭 制作:山本喜彦 妃秋成 プロデューサー:ノムラヨーコ 企画・製作:ツィンテル
6月24日(日) 前売開始(全席自由・日時指定) 前売 2,000円/当日 2,300円 高校生以下(当日のみ・要学生証)1,000円
ツィンテル:http://www.twintell.com/
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2007年07月17日
NODA・MAP番外公演『THE BEE(ロンドンバージョン)』07/12-29シアタートラム
日本バージョンに続いて、ロンドンバージョンも拝見してきました。いや~・・・怖かったっ!!!めっちゃ面白い!と思いながら、超おびえました~・・・。今回もやはり、贅沢な体験でした。上演時間は約1時間10分。なぜか日本版よりもずっと長く感じたな~。
役者さんは皆さん素敵。野田さんは日本版同様に素晴らしい演技を見せてくださいました。
⇒当日券情報:電子チケットぴあ当日券専用ダイヤルです。
⇒CoRich舞台芸術!『THE BEE』
≪~Story of THE BEE~≫公式サイトより。
1970年代の東京。 平凡なサラリーマン・イドは、息子の誕生プレゼントを手に家路を急いでいた。
自宅に近づくと、警官たちが非常線を張り、マスコミのリポーターたちが押し寄せている。
聞けば、脱獄犯・オゴロが民家に押し入り、女と子供を人質にして立てこもっているらしい。
「どこの家だ?」と思った途端、リポーターたちがマイク片手にイドを取り囲んだ。
リポーター 「イドさんですか? イドさんですか? 今のお気持ちは?!」
マスコミからは苦悩する犠牲者の姿を演じることを求められ、頼るべき警察は高圧的で無能な連中・・・。
ある瞬間から、被害者であるイドは、残虐な加害者へと姿を変え、常軌を逸した行動へとひた走る。
そして、報復の連鎖の行き着く果てにあるものは・・・・・?
≪ここまで≫
赤いつるつるした床。壁はマジックミラー。日本版の“紙”とは全く違う世界が、シアタートラムに生まれていました。それだけでちょっと興奮しちゃいましたね、私。登場するのが英語を話すイギリス人だったことにも、わくわくしました。なんか・・・勝手に、すごく、嬉しかった。日本版、イギリス版と続けて観たことで、いろんな意味で視野が広がった気がします。どちらが好きかというと・・・私はロンドン版かな。この刺激が好き。
井戸を女(キャサリン・ハンター)が、ストリッパーを男(野田秀樹)が演じていることで、性的な暴力がさらに激しく感じられたのが意外で、刺激的でした。野田さん、きれいだったわ~・・・そしてセクシーでした。ハンターさんとの呼吸がすごく合っていたように感じました。いや、それは全キャストについてかも。自立した大人が舞台という嘘の世界で、全身全霊かけて本気の嘘をついていた、というのか・・・。成熟の空間でした。
身体がガクガクして、思わず声が出てしまいそうになるぐらいショック(っていうのかな)を受けたり、何かに気づいて愕然としたりする瞬間が何度かあり、その度に意味不明な涙が流れたりして、かなり疲れました(苦笑)。だから突然ねむけに襲われたりも・・・。ヘンな客だな、私。
作品中は終始ひきつり気味の表情だったハンターさんが、3度目のカーテンコール以降に見せた笑顔にも感動。「あぁ、ようこそ、日本まで来てくださいました。長い期間滞在して、濃密かつ上質なステージを見せてくださって、本当にありがとうございます」・・・っていう感謝の気持ちで胸がいっぱいになった帰り道でした。
ここからネタバレします。
一番ぞくっと来たのは、小古呂の妻(野田秀樹)が最初に蜂の羽音を声で表現した時。日本版では映像で巨大な蜂が出てきたんですけど、ロンドン版では野田さんの声だけでしたね。井戸(キャサリン・ハンター)がその音に反応し、実際には見えない(存在しない)蜂に過剰におびえる姿が、なんともいえない異常なムードを持っていました。声と演技だけで舞台空間に異物が現れ、そのせいでこれまでに作り上げたストーリーと空気に瞬間的な断絶が起こったように感じ、しびれました。
そして(順番は前後するかも)、礼儀正しかった井戸(ハンター)が小古呂の妻(野田)に邪険にされて、被害者から加害者に変身する、そのきっかけとなる感情が生まれた瞬間!あの時の、ハンターさんの、顔!身体!ものすごい説得力でした。
セリフのない繰り返しのシーン(井戸が女を犯し、子供の指を切る)で流れていたのは、オペラ『蝶々夫人』第2幕で蝶々さんがピンカートンを待っている時の音楽だったんですね。「あぁ、これは蝶々さんだ!」と気づいた瞬間、ぶるぶると震えが来てしまいました。だって・・・怖い。恐ろしいよ。行われていることは『蝶々夫人』とはかけ離れていて、だけど“待つ”という意味では共通している気がして、肩ががくがく震えました。
日本版・ロンドン版に共通して使われた、あの「刺す~♪刺す~♪」という強烈な曲は、ハチャトゥリアン作曲「剣の舞」におバカな歌詞をつけた「剣の舞」(尾藤イサオ&ドーン)by おバ歌謡 だそうです(「かんげきゆうの観劇三昧」より)。てゆーかこのCD、持ってるな、私。衝動買いしたのを思い出した。1回聴いたっきりだ・・・(苦笑)。
~筒井康隆 原作「毟りあい」(新潮社)より~(英語上演・日本語字幕あり)
出演:キャサリン・ハンター(Kathryn Hunter)/トニー・ベル(Tony Bell)/グリン・プリチャード(Glyn Pritchard)/野田秀樹
原作:筒井康隆 脚本:野田秀樹&Colin Teevan 演出:野田秀樹 美術・衣裳=Miriam Buether 照明=Rick Fisher 音響=Paul Arditti プロデューサー:北村明子 プロダクション・マネージャー=Nick Ferguson 演出部=Sarah Buik Lizzie Wiggs 奥野さおり 劇場プロダクションマネージャー=山本園子 照明助手=Christoph Wagner 劇場照明=三谷恵子 照明操作=武井由美子 音響助手=Ross Chatfield 音響操作=遠藤憲 衣裳スーパーバイザー=Jackie Orton 字幕製作・機材=(株)イヤホンガイド 国際貨物輸送=ケイラインロジスティックス(株) 技術通訳=大島万友美 法務アドバイザー=福井建策(骨董通り法律事務所) 制作協力:SOHO TEHATRE 劇場協力=高萩宏 穂坂知恵子 矢作勝義 三上さおり 提携:世田谷パブリックシアター 企画・製作:NODA・MAP
5/13発売 6500円
http://www.nodamap.com/
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2007年07月16日
文学座付属演劇研究所47期昼間部発表会『わが町』07/16文学座アトリエ

パンフ写真
文学座アトリエは、舞台美術によって客席も何もかも、空間自体がすっかり変身する劇場です。民家の玄関のようなエントランスを入るのもわくわくします。靴箱に座員の方々の名前が貼ってあって、それを見るのも楽しいです(←ただのミーハー)。

文学座アトリエ
今回の発表会は知り合いが出演されていたのでお邪魔しました。エントランスを入ったらすぐに客席があったのには驚きましたね。それでも立見が出るぐらいの満席でした。
第1幕の出演=三好祐輝/櫻井香織/高野秀則/金松彩夏(レベッカ)/高屋正光/板倉悠理/島田朋加/遮那千尋/矢野めぐみ/吉田真理/備本愛香(ローラ・ソームズ)/深沢真樹/香月健志/和気輝雄/鈴木光博/佐々木万里/増岡裕子(ボックス席の婦人)/原口紘一/西岡ひと美/西村俊彦(進行係・1幕前半)/大森謙治/ほか
原作=ソーントン・ワイルダー 訳=森本薫 演出・上演台本=岩村久雄 歌唱指導=竹澤嘉明 協力=文学座演出部
入場無料 全席自由 上演時間は約2時間50分(途中5分、10分の休憩を含む) 13:00開演
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2007年07月15日
蜻蛉玉『たいくつな女の日』07/13-17プーク人形劇場
蜻蛉玉(とんぼだま)は島林愛さんが作・演出される劇団です。私は『ニセS高原にて』を拝見しただけで、劇団の本公演は初見。
プーク人形劇場の舞台備え付けの器具をうまく使った美術でした。上演時間は1時間10分ほど。
⇒CoRich舞台芸術!『たいくつな女の日』
スイカとトマトが生っている不思議な場所。上手奥にらせん階段。階段で上に行ったり下に行ったりする女たち。
不思議カワユイ系の衣裳&空間で、女の子たちが「水がほしい」とか「上に行きたい」とか、隠喩めいたセリフをとぼとぼと口にします。詩のような言葉が多かったですね。
静かで単調で、観客へのアピールも敢えてしないような演技および演出だったように見えました。私が自ら進んで劇中に入っていきたくなるような魅力は感じられず、また、芝居の方からも観客の方に近づいてくる気配がなかったので、全体的に寂しい観劇時間になってしまいました。プロセニアム(額縁)の舞台を小さなベンチ・イスから見上げる状態だったのも、舞台が遠く感じた一因かもしれません。
シトミマモルさんは男性なのに、普通に、当たり前のように女の役で、それが面白かったです。
ここからネタバレします。
「スリジャヤワルダナプラコッテ」はスリランカの首都ですね。中学校の時、必死で憶えたな~。名前の響きは面白いですが、なぜヘビの名前にしたのかしら。インドの横の島国のことを連想する必要はなかった気がするので、できれば実在しない名前をつけた方が良かったんじゃないかな~。まあ、あのヘビを溺愛していた女の子が、ペットに付けた名前だと思えば解決ですかね。
終演の時に、プーク人形劇場の小さくてかわいらしい緞帳が下りるのが、ムードがあって良かったです。
出演=打田智春 神林裕美 北村延子 安村典久 伊藤羊子 熊埜御堂彩 坂本絢 シトミマモル 墨井鯨子 武田力 島林愛
作・演出:島林愛 舞台監督:藤本志穂(うなぎ計画) 舞台美術:松村知慧(青年団) 照明:富山貴之 企画・制作:蜻蛉玉
【発売日】2007/06/12 前売り・当日ともに 2,500円(日時指定・全席自由・整理番号付き)※早割りあり(劇団予約のみ)6月12日?6月19日までご予約・入金の方は2,200円
http://www.tonbodama.org/
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青年団若手自主企画Vol.33『スネークさん』06/20-25アトリエ春風舎
ツキムラニホさんの戯曲を木崎友紀子さんが演出される芝居ダンス演劇企画の第1弾です。1年以上のワークショップを経て作り上げられた、演劇ともダンスともカテゴライズできない作品でした。
途中までは少々退屈だったのですが、中盤から突然、身体と声と心が一緒になって動き出し、空間全体が命の息吹で満ちたように感じられて、涙が止まらなくなりました。
⇒CoRich舞台芸術!『スネークさん』
レビューをアップしました(2007/07/21)。
公演が終了しているのでネタバレします。
爽やかカラフルな色合いの衣裳の女の子たちが、おしゃべりしたり、踊ったり、歌ったり。
実は中盤までは退屈で眠気に襲われたりしてたんです。意味不明の言葉のやりとりや、奇妙な動き(動作)がぽつぽつと起こって、女の子だけの閉じた世界(“オリーブ少女”っぽい感じ)のように感じたので。でも終盤の歌が始まったところから、もー涙が止まらなくなっちゃっいました。
目の前に、生きる体と声。動くこと、歌うこと、弾む息と汗。愛と喜びでつながった、いのちの、やわらかな、のびやかな、その姿。そこで起こっていること全てが、いのちを喜び、いのちを生きていた・・・。
脚本および出演のツキムラニホさんが母親であることも大きな核になっていると思います。毎月血を流して、新しい命を生み出す「女」だからこそ作ることができた作品なのではないでしょうか。
服を脱いだり着たりするのが、脱皮するヘビ(スネークさん)を表していたのかな~。服をどんどん脱いで下着姿になっちゃったのはちょっとびっくりしましたね(笑)。
この作品はダンスなのか演劇なのかというと、どちらとも言えない(どちらとも言える)ものでした。ダンス公演との圧倒的な差は、顔と声の演技の在りかただったと思います。声を出す瞬間の俳優さんの状態が、ダンサーとは全然違うんですよね。何らかの感情が必ずその身体にありました。
パンフレットに書かれた演出の木崎友紀子さんの言葉です↓
≪引用≫
またツキムラはこう書いています。
「世界では端的に言葉にできないことが沢山起こっている。」
心の中でもそれは同様に起こっているはず。
ただそれはエスカレーターの手すりのようにほんの少しスピードが違うだけなんだろう。
≪ここまで≫
この「言葉にできないこと」を表そうとするのが芸術ですよね。ちょうど宮沢章夫さんが富士日記2に「言語化されないなにものか」について書かれていました。私が演劇などの舞台芸術のおかげで教わったのは、このことなのだと思います。
≪引用≫
「人の会話は、ほんと、でたらめである。けれど人はなぜか、それでもコミュニケーションが取れている。なぜなんだろう。つまりそれが、「身体言語」というものだろう。人は「言葉」がなければコミュニケーションがはかれないと思いこんでいるが、それこそが「近代という病」である。別役さんが『ベケットと「いじめ」』で書いているのもそのことだ。」
(富士日記2 12:51 Jun. 17 sun.「仕事を終えて、あるいは、<言語化されないなにものか>について」)
≪ここまで≫
「言葉で表せるのは氷山の一角でしかない」と、チェルフィッチュの稽古場公開で岡田利規さんもおっしゃっていました。言葉では伝わらないことがあまりに多すぎて、しゃべればしゃべるほど後悔する・・・なんてことが、私の実生活の中で増え続けています(汗)。そんな時期にこの『スネークさん』に出会って・・・涙が止まらなかったのかな。まずはだまって、にっこりすること。それでいいんじゃないかって今は思います。
出演=井上三奈子 川隅奈保子 工藤倫子 申そげ 鈴木智香子 月村丹生 兵藤公美 松田弘子 田畑真希(フリー)
演出=木崎友紀子 作=ツキムラニホ 照明=岩城保 音楽=やぶくみこ 衣裳プラン=ツキムラニホ カブリモノ=斎藤栄治 舞台監督=桜井秀峰 宣伝美術=京 当日運営=林有布子 撮影=深田晃司 制作=スネークさん制作部 総合プロデューサー=平田オリザ 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画製作=青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
アフタートークゲスト:6月20日(水)伊藤キム 6月22日(金)多田淳之介(東京デスロック)
予約・当日共 2,300円(日時指定・整理番号付・自由席)
http://www.seinendan.org/jpn/info/wakate070408.html
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青年団リンク・青☆組vol.6『おやすみ、枇杷の木』07/11-16アトリエ春風舎
青年団リンク・青☆組(あおぐみ)は吉田小夏さんが作・演出されるユニットです。私は初見。アトリエ春風舎に凝った日本家屋が出現していました。
渡辺源四郎商店『小泊の長い夏』とチラシビジュアルが重なっているため(夕日の写真)、『サンセット“半券”割引』が実施されています。
⇒CoRich舞台芸術!『おやすみ、枇杷の木』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。改行を変更。
木下家の庭には、大きな枇杷の木がある。
二十数年前の初夏に、家族で食べた枇杷の実の種を、父と娘達が植えたのだ。
種はあっという間に芽吹き、葉を茂らせ、今では庭に大きな影を落としている。
二十数年の間に、父は他界し、娘達は少女ではなくなった。
二十数年と少したったある日、その男はやってきた。
枇杷の木は、未だ実をつけたことがない。
濡れた緑の枝先は、あの日の記憶を置き去りにしたまま、
遠い空に向かって、にょきにょきと伸びてゆく・・。
≪ここまで≫
客席に対して少し斜めに建てこまれた、少々年季の入った日本家屋。かなりリアルに丁寧に作られていましたが、ところどころ抽象的な部分もあってとても良い雰囲気です。特に格子のデザインが牢獄に見えたりして面白かったです。
女性が作ったのがよくわかる、非常に女性らしいお芝居でした。前半までは胸がムカムカするほど女の匂いがたちこめており(笑)、気分的にも少々困り気味に見物していたのですが、中盤以降に女たちの裏側がほろり、ほろりとほどけて見えてきてホっとしました。
終演後に何人かの知り合いと感想を話し合ったら、ストーリーの解釈がいろいろに分かれていて驚きました。そういえば「わかる人にしかわからない」ぐらい、おぼろげな演出が多かったかもしれません。
でも私には、物事を説明するためのセリフや演出が、いかにもさりげなさそうに準備されていたように感じ、残念な気持ちもありました。たぶん装置がリアルに作られていたので、細かい部分まで気になってしまったのでしょう。もっと抽象な部分が前面に出てきても良かったのではないかと思います。
お誕生日のケーキのシーンが幻想的でした。言葉を使わずして関係性や背景をはっきりと示すことができていて素晴らしいなと思いました。
ここからネタバレします。
いい年をして結婚していない(子供が生まれる気配がない)三姉妹と、その母親のお話でした。おそらく都会で一人暮らしをしていたのであろう次女が、仕事をやめて実家に帰ってきます。そこに母の新しい恋人がやってきて、平穏なはずだった女家族の生活にあからさまな波風が立ちます。
長女はお隣りの奥さんと仲良くしながら、その夫と不倫をしている。次女は小学校の頃に露出魔(下半身を露出して「愛してください」と言う)に遭遇し、今もトラウマになっている。三女はフリーターの彼氏とのプチSM関係にハマっている。料理ができない母親は元教え子と恋に落ちて、娘たちのことなど二の次になっている、などなど・・・。後半はダメなムードが蔓延してきます。
実ができない枇杷は、子供を生まない姉妹のことを示しているのかなと思いました。この「不毛」が、方向は違いますが『小泊の長い夏』と重なったように感じました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:吉田小夏/岩井秀人(ハイバイ・主宰/青年団演出部)
ハイバイの岩井秀人さんがのっけからトばしてくれて、笑いの絶えない楽しいトークでした。
吉田「女性が強いことを見せたかった。」「でも、動物的には(男性よりも)弱いということも。」
タイトルの意味について観客から質問がありました。吉田さんは「受け取ってもらったままで結構です」とおっしゃって、ご自身がどういう意図でそのタイトルにしたのかはお話されませんでした。「答えを言うようなことになるのは良くない気がする」という理由からのようでした。
それに対して岩井さんが「作家の意図は言ってもいいと思う」という意見をおっしゃいました。私も岩井さんと同意見です。観客が受け取ったままで良いのなら、作家の意図は“答え”ではないのですから、ネタバレしても問題もないと思います。
出演:足立誠 天明留理子 髙橋智子 熊谷祐子 二反田幸平 山口ゆかり(フリー) 羽場睦子(フリー)
作・演出:吉田小夏 舞台美術:濱崎賢二 照明:伊藤泰行 音響:薮公美子 宣伝美術:空 宣伝写真:浜田綾 制作:青☆組制作班+宮永琢生 総合プロデューサー:平田オリザ 企画制作:青☆組/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
トークのゲスト→7/10:岩井秀人(ハイバイ・主宰/青年団演出部)/7/11:多田淳之介(青年団リンク 東京デスロック・主宰)
日時指定・全席自由・整理番号付 予約2,300円 当日2,500円
青年団リンク・青☆組×渡辺源四郎商店 共同企画『サンセット"半券"割引』
http://aogumi.org/05-biwanoki07/nabegen.html
http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_07/aogumi.html
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2007年07月14日
空想組曲vol.3『小さなお茶会』07/13-17王子小劇場
空想組曲はほさかようさん(過去レビュー⇒1、2、3、4、5)が作・演出されるプロデュース・ユニットです。
個性派キャストが適材適所に揃った作品でした。喫茶店の舞台美術がすごい!使い方もとても面白いです!上演時間は2時間強。
この3連休は面白いお芝居が揃いすぎて、一体何をお薦めしたら良いのやら・・・全部面白いッス!明日は台風かしら・・・電車が止まったりしませんように!
⇒CoRich舞台芸術!『小さなお茶会』
レビューの続きをほんの少しだけアップ。舞台写真もあります(2008/01/15)。
≪あらすじ≫
ある喫茶店が舞台。マスターやアルバイトの店員、常連客らが、ちょっぴり少女趣味なほんわかラブ・コメディーを繰り広げるが・・・。
≪ここまで≫
急勾配の八百屋舞台は、段差なしで1階と2階を表現します。この美術が素晴らしかった。マジカル!
そしてアルバイターの森下亮さんのサドっぷりに悶絶しました。マジで。惚れてしまいそうだった。
出演=堀池直毅、生井景子、森下亮、金崎敬江、中谷千絵、古市海見子、松崎史也、紫村朋子、飯島俊介、中田顕史郎
作・演出=ほさかよう 舞台美術:松本わかこ 舞台監督:木村篤 音響:天野高志(OFFICE my on) 照明:正村さなみ(RISE) 宣伝美術:金属女王 映像:岩根ナイル(mixed) 制作:一ツ橋美和 企画・製作:空想組曲
前売 2800円 当日 3000円
http://www.k-kumikyoku.com/
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G-up+MCR『MCR LABO #4 「愛憎」』07/11-16新宿村ライブ
ドリルこと櫻井智也さんが作・演出されるMCR。前回から2ヶ月も経たない内にまた新作を発表されました。装置は特にないLABO公演とはいえ、すごいペースだと思います。
で、櫻井さんのストーリーものを初めて拝見したのですが、とーーーーーーーっても面白かった!アグレッシブなコント風の会話に吹き出して笑いながら、言葉の面白さに引き込まれ、そして最後のメッセージに元気付けられた、約1時間20分の爽快な時間でした。
あぁ、それにしても・・・・なんでこんなに面白い作品ばかり、この3連休に集まっているのぉっ?!しかも台風だしっ!!
小劇場、盛り上がりすぎです。皆さん、何を観に行くか(何をあきらめるか)、迷いに迷いましょうっ!
⇒CoRich舞台芸術!『#4 「愛憎」』
レビューの続きはアップできるかどうかわかりません。
≪あらすじ・作品紹介≫ CoRichより
あずきちゃんには10歳年下の彼氏が居るんですが、あずきちゃんは自分の事があまり好きではないから彼が好きだと言ってくれることが信じられなかったりして、年甲斐もなく乙女のメンタリティを振り回したりする面倒くさい人です。 あずきちゃんの友達は既に死んでしまっていたりするので新しい友達を作ろうと頑張ったりするんですが、友達募集サークルかと思って入った所が「被害者の会」だったりして、フルスウィングで三振みたいな結果になったりする迷惑な人です。 あずきちゃんが可愛いと思うモノは大抵世間から眉をひそめられるモノだったりするので、自己主張がみんなよりワンテンポずれた時点で発動したりする慎ましさを備えているのですが、最後の最後どうしても譲れない部分があると急に大きな声で反論しだしたりするので周りから見れば「最初から言えよ」と思われたりする損しがちな人です。 でも、みんなはあずきちゃんの事が大好きです。あずきちゃんは、そんな人達をあまり好きじゃなかったりします。 上記のような軽薄にも見えかねない演劇をやります。どうぞお楽しみに。
≪ここまで≫
出演:小椋あずき・黒岩三佳(あひるなんちゃら)・松下哲・生見司織(本田ライダーズ)・清水康栄・川島潤哉・有牛望・北島広貴(MCR)・江見昭嘉(MCR)・宮本拓也(MCR)・櫻井智也(MCR)
作・演出=ドリル(MCR) 舞台=小林英雄 照明=シミズトモヒサ 音響=志水れいこ 制作=八田雄一朗(MCR)/丸山かおり(MCR) プロデューサー= 赤沼かがみ(G-up) 企画+製作=G-up +MCR
【発売日】2007/06/20 前売・当日共通2000円(日時指定・全席自由)
http://mc-r.com/
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【寄稿】wonderland『岡田利規 × 中野成樹「チェルフィッチュ、世界的超感染力のゆくえ」』
岡田さん×中野さん
劇評サイト“wonderland”に記事を書かせていただきました。
6/29(土)に急な坂スタジオで開催されたマンスリー・アート・カフェvol.7『チェルフィッチュ、世界的超感染力のゆくえ』のレポートです。7000字近くの大量の文章をそのまま掲載してくださいました。太っ腹!
仲良しの岡田さんと中野さんがざっくばらんに、1時間30分みっちりおしゃべりされたことを、なるべく言葉どおりに記録することを心がけました。
※メルマガ週刊「マガジン・ワンダーランド」へのご登録はこちら。
■開催概要
【ゲストスピーカー】岡田利規(チェルフィッチュ)/中野成樹(中野成樹+フランケンズ)/瀧川英次/山崎ルキノ(チェルフィッチュ)
【日時】2007年6月29日(金)19時開場/トーク:19時30分~21時20分頃/トーク後に懇親会あり(22時ごろ終了)。
【会場】横浜アートプラットフォーム 急な坂スタジオ1Fラウンジ
【入場料】1000円(1ドリンク付)
【主催】急な坂スタジオ(NPO法人アートプラットフォーム)
【協力】プリコグ
【助成】アサヒビール芸術文化振興財団
公式=http://kyunasaka.jp/topics/mac/mac07/
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椿組07年夏・花園神社野外劇『花火、舞い散る』07/13-22新宿花園神社境内特設ステージ
ラジオでもお薦めしました、椿組の花園神社野外劇(過去レビュー⇒1、2、3)。作・演出はONEOR8の田村孝裕さん。わくわくしながら初日に伺いました。上演時間は約2時間10分。雨もなく、涼しくて快適でした。
夏にぴったりの花火のお話です。何度か伺っている花園神社野外劇の中で、一番泣いちゃったかも。
⇒CoRich舞台芸術!『花火、舞い散る』
レビューをアップしました(2007/07/15)。
≪あらすじ≫ CoRichより
“トンボにハチマキ”という意味のトンパチ。頭の大半が目のトンボがハチマキをすると何も見えなくなることから、後先を考えない危険な人物を指す。そんなトンパチな花火師達が揃う煙火会社「前園火工」。とそれらを取り巻く近隣の人達。競争会社の花火工場の人達・・・・・。・ ・・工場閉鎖を決めた前園火工が、今年最後の花火大会を迎える。花火工場を舞台に、花火師たちの夏を描く群像劇。
≪ここまで≫
花火職人のお話です。花火という華やかさの裏側にいてそれを支える、日の目を見ない人々を徹底的に描き出していました。あぁ、書いててせつない・・・。
でも終始暗くじめじめしているわけではなく、夏らしいあっけらかんとした、風通しのいい空気が流れている作品でした。
たまたま一緒の回を観ていた演劇関係のお知り合いが、「30人もの登場人物をちゃんと書けているのが凄い」とおっしゃっていました。確かに印象に残らない人がいなかったかも!(警察の人はちょっと薄い目だったかな・・・)。
モロ師岡さん(職人・火が怖い八重樫役)と井之上隆志さん(職人・冗談ばっかり言ってる野田役)が大人で素敵でした。
ここからネタバレします。
普通のお涙頂戴芝居だったら、父親(外波山文明)は息子(大関真)に「継いでくれ」って言うんですよね。でもこの作品では、「俺の目に狂いはなかった。お前はダメだ」と言い放ち、次女(高橋麻理)に後を継がせます。この命がけの頑固さが運命を狂わせて行きます。父親は、そういう性格だったからこそ奇跡の花火を作ることができたのでしょうし、手術をせずに失明してしまうことにも、悲しいけれど納得です。皮肉なめぐりあわせに説得力があります。
下手な漫才をするカップル(伊藤俊輔&浜野まどか)が幕間に登場します。ものすごく深刻なシーンの直後に場違いと言いきれるほどおマヌケな空気が流れますが、男の方が「プロポーズ花火」を注文していたという文脈が用意されていました。すごいな~。
最後は装置が消えて花火の打ち上げ現場が登場します。闇夜に打ちあがる花火自体は全く見えないまま、職人達の頭上には黒い燃えカスがパラパラと舞い落ちる・・・。徹底してますよね。
出演:井之上隆志、恒松敦巳、田渕正博、木下藤次郎、麻乃佳世、中原三千代、内田もも香、井上カオリ、長嶺安奈、犬飼淳治、西條義将、野本光一郎、伊藤俊輔、大関真、星野園美、高橋麻理、和田ひろこ、伊藤新、林英次、平塚真介、宮本翔太、鳥越勇作、根本大介、李峰仙、和泉歩、岡村多加江、浜野まどか、一柳みる、モロ師岡、外波山文明
[脚本・演出] 田村孝裕 [照明]沖野隆一[美術]加藤ちか[音響]青蔭佳代[衣装]小原敏博[振付け]伊藤多恵[殺陣]山田一善[舞台監督]吉木均[宣伝美術]黒田征太郎・長友啓典+K2 [プロデュース]椿組・外波山文明
【発売日】2007/06/05 指定席=前売り4.500円 (毎ステージ限定50席・椿組のみ取り扱い) 前売り4.000円 当日4.300円(日時指定・整理番号付き自由席)
http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/hanabi.html
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2007年07月13日
劇団フライングステージ『サロン~彼女の生き方、ゲイの生き方~』07/12-17シアターグリーンBIG TREE THEATER
桜沢エリカさんの人気漫画『サロン』を関根信一さんが演出されます。脚本も舞台用に書き加えられ、関根さんならではの世界を見せていただけました。
上演時間は約2時間30分休憩なし。少々長いですが、使われる音楽がツボだったりもして、私は楽しかったです。
⇒fringe blog『これはいい企画だ』
⇒CoRich舞台芸術!『サロン』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
田舎の温泉宿に育った15歳の少女─直は、いつも夢で“ばらの匂いのするパリ”、そして“エッフェル塔”を見続けている。
「なぜ自分はパリに生まれなかったんだろう」と、退屈な日々を送っている毎日で、しまいには母親の愛人にも手を出されそうになってしまう。「ここには居場所がない」そう思う直は自分の居場所を捜し続けていた。
ある時、電車に乗っている彼女は「この線路がパリまで続いていればいいのに」と思ったまま眠りについてしまう。
ふと目が覚めると、そこは東京。夢の中でのパリのエッフェル塔は東京タワーという形で目の前に現れた。
昔、東京へ出て行った従兄弟を思い出し、彼女は代官山のマンションを訪れてみると、そこには見知らぬ男が出てきて、初対面にも関わらず、直を快く部屋へ招き入れる。しばらくすると、直の従兄弟は帰ってくるが、その見知らぬ男とお帰りのキスをする現場を目撃してしまい、あまりのショックで気を失ってしまう。
それから、彼女とそこに不思議と集まってくるゲイ達の「サロン」の物語が始まる。
≪ここまで≫
原作を読んでから伺ったので(←私にしては珍しい♪)、どういう脚色をされているのか、誰がどの役なのかなども楽しめました。“サロン”が舞台にしっかり存在していて、私は漫画よりも感情移入ができましたね。
関根さんをはじめ、出演者の方々は何度も着替えて楽しませてくださいます。ヒロイン直(なお)役の菜月チョビさんも、もちろんキュートなハスキー・ヴォイスを披露してくださいました。
唯史役の數間(かずま)優一さん。美形なんですよね~。イケメンであることがとても生かされていて、観ていて嬉しかったです。
ここからネタバレします。
『三文オペラ』の「モリタート」(だったよね?)がBGMでかかって、それだけで涙が出そうになっちゃった。「君の瞳に恋してる Can't take my eyes off of you 」(←音が鳴ります)は個人的に好きで好きでたまらない曲で、直(菜月チョビ)が堂々と歌うシーンは聴きごたえがありました。
10年経ってノーマ(関根信一)の「サロン」もなくなり、東京の仲間関係は様変わりしていました。当たり前に目の前に、いつもそばにあったものが、突然消えてなくなるんですよね。そうやって人も世界もどんどんと変わっていくことをサラリと描き、「それでも欲しいなら求めればいいんだよ」と優しく背中を押された気がしました。同じものを求めても決して叶うことはないんだってことも、ちゃんと含みつつ。
女装をしなくなったノーマはノンケの吾郎(伊庭拓哉)と暮らしていました。ノーマが「誰かを激しく求める恋愛ではなく、ただ一緒に居たいと思う気持ち」について語ったのにジーンと来ました。
ファッション・ショー「シンデレラ」のシーンでは、豪華な衣裳と歌を楽しませていただけましたが、歌う人だけじゃなくて観客役の人々も舞台上に居る演出の方が良かったんじゃないかな~と思いました。“関根さん&菜月さん・オン・ステージ”というだけで楽しめる方もいらっしゃると思いますが、できれば劇世界の中のイベントとして受け取りたかったです。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:桜沢エリカ/菜月チョビ/関根信一/樺澤良(プロデューサー)
ゲイの人々を描いた桜沢エリカさんの漫画は、90年代からゲイ・コミュニティーに大きな影響を与えていたんですね。
出演=菜月チョビ/関根信一/數間優一/今井克己/石関準/早瀬知之/野口聖員/森澤友一朗/坂本遼/鈴木綾/安井実生/しいたけを/ますだいっこう/西田夏奈子/伊庭拓哉/羽田真/大門伍朗
原作:桜沢エリカ 【作・演出】関根信一 【美術・衣裳】小池れい 【照明】黒尾芳昭 【音響】中村嘉宏 【舞台監督】中西輝彦 【宣伝美術】武田雲 【撮影】鏡田伸幸/サトウカオル 【ビジュアルレコーディング】宇田誠之 【WEB】有賀純子 【制作】三枝黎/伊藤愛/遠ちあき 【プロデューサー】樺澤良
【発売日】2007/05/24 全席指定席…前売り3,500円 当日3,700円 中高生2,500円 昼ギャザあり
http://seisakusya.jp/stage/stage/index070716.html
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【演劇教育】こまばアゴラ劇場・(有)アゴラ企画 「ワークショッププログラム開発のための研究講座」参加者募集
こまばアゴラ劇場で主催する「ワークショッププログラム開発のための研究講座」の募集要項が発表になりました。
募集人数:10名程度、参加費無料、締め切りは7月20日(金)です。
先日のシンポジウムは「演劇教育でガッコーを面白く!」の会のキックオフ集会だったのですが、その場でおっしゃっていたことが早々と実現されるようです。素晴らしい実行力!
こちらのページで募集要項と申込用紙がダウンロードできます。
下記、こまばアゴラ劇場ホームページより転載いたします。
■こまばアゴラ劇場「ワークショッププログラム開発のための研究講座」参加者募集のお知らせ(主催:こまばアゴラ劇場・(有)アゴラ企画)
近年、演劇の現場で培われた手法を、ワークショップを通して、社会の様々な分野で展開していくことの重要性が増しています。特に教育分野では、地域社会との協力も視野に入れながら、「コミュニケーション・ティーチャー」と呼ばれる演劇のプロが授業に参加して、子どもたちが持つ「学ぶこと」への意欲を引き出していく活動に大きな注目が集まっています。
こまばアゴラ劇場では、2003年から2005年に「オリジナルのワークショッププログラムを創る研究会」を運営し、大きな反響を呼びました。その成果を受けて、今年度より、新たな研究会を組織します。この会では、国内外の様々なアーティストや学識経験者を講師としたワークショップやアートマネジメント講座を開催する予定です。
隔週で講師を招いて行うワークショップ・講習会や各自の実践の場としての研究会に参加し、将来、コミュニケーション・ティーチャーとして、表現教育の現場での活躍をめざす方々からのご応募をお待ちしております。
■実施期間 2007年8月~2008年3月
■開催日時
【ワークショップ・講習会】
原則として、隔週水または木曜日の18時~22時 *初回は8月15日(水)
【研究会】
9月以降参加者の予定に合わせて定期的におこなう
■会場 こまばアゴラ劇場5階稽古場・スタジオ走り穂、都内稽古場など
■講師 「オリジナルのワークショッププログラムを創る研究会」のメンバーを中心とする
■参加費 無料
■対象
コミュニケーション・ティーチャーを目指すアーティスト
教育現場に携わる方
原則として毎回参加できる方
■募集人数 10名程度(応募者多数の場合、選考あり)
■締め切り 7月20日(金)
■発表日 7月下旬
■申し込み方法 指定の申し込み用紙(PDF形式/word形式)に記入の上、こまばアゴラ劇場まで、FAXまたはEメールでご送信ください。
FAX: 03-3467-2984 Eメール:agora-ws07(アットマーク)komaba-agora.com
公式=http://www.komaba-agora.com/wsken2007.html
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2007年07月12日
渡辺源四郎商店『小泊の長い夏』07/12-16ザ・スズナリ
畑澤聖悟さんが作・演出されるプロデュースユニット、渡辺源四郎商店の新作です。やっぱり泣いちゃったよぉ~っ!
勢い余って最前列に座っちゃったんですが、せめて3段ぐらいは上の方が観やすかったかも。全席自由席ですので、これからご覧になる方はお早めに劇場へどうぞ。上演時間は約1時間40分。
2日前に拝見した青年団リンク・青☆組『おやすみ、枇杷の木』とチラシビジュアルが重なっているため(夕日の写真)、『サンセット“半券”割引』が実施されています。
⇒CoRich舞台芸術!『小泊の長い夏』
レビューを最後までアップしました(2007/07/15)。
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。
畑澤聖悟、待望の書き下ろし。地球温暖化の進む20XX年。青森県小泊(こどまり)にある大照神社(おおてるじんじゃ)に暮らす老宮司の元に、行方知れずの息子が30年ぶりに帰ってきた・・・・。
≪ここまで≫
ザ・スズナリにシンプルな抽象舞台。低い丸テーブルを囲んだ会話劇です。笑いが起こるところも沢山用意されているのですが、舞台の設定がかなりシビアだったので、私はあまり笑わなかったですね。お話の奥の方をぐっと見つめて探りながら、じっくりと作品世界を味わう時間でした。そして静かなクライマックス(と言っていいと思います)ではずっと泣いてました。
流暢な津軽弁を軽やかに話す人物が数人登場するので、意味がわからないセリフも多いですが、それはそれで「言葉が通じない(わかりあえない)」ということが自然と起こっていて良かったなと思います。
畑澤聖悟さんの演出作品(特にストレート・プレイにおいて)には、最初から最後までずーっと続く、ある独特の空気があるように思います。舞台上では人間がさまざまな感情を起こして心で七転八倒するのですが、その下(なのか奥なのか)に、どっしりと落ち着いた青黒い岩のような、重たくて優しいものが鎮座しているような気がします。それは舞台で起こることも観客のことも、ずっと無言で見守ってくれていて、同時に堂々と対峙してくるような、いい意味で頑固な塊です。今日もそれに触れて、どっぷりと浸かって、渡辺源四郎商店の劇空間を堪能しました。
チラシだけでなく、『おやすみ、枇杷の木』と重なるメッセージがあったように感じて(方向性は違いますが)、やはり演劇は今を描く芸術だなと思いました。
ここからネタバレします。アップしました(2007/07/15)。
近未来の架空のお話です。目の前で人が演じるのを見ることによって、「地球温暖化が進んだら何が起こるの?」「その時の生活はどうなるの?」と想像するのが容易になると思います。新聞記事や研究発表を読むことももちろん有効ですが、演劇は、自分の実生活のレベルに当てはめて考えるきっかけになる気がします。
温暖化が進んで東京の大部分が沈み、住む場所を失った人々が難民となって東北地方に溢れている日本。青森の小泊にあるとされる大照神社が舞台でした。青森駅周辺が東京のようにネオンきらめく街となり、津軽弁が横柄な人の代名詞のような印象を与える時代。恐ろしいですが、想像に難くない近未来です。
死期が近づいた80歳の宮司(宮越昭司)の息子(ささきまこと)が、偽の家族(3人の子供とその妻・夫など)を連れて30年ぶりに帰省し、父親を喜ばせようとします。実はそれには裏があり・・・。
※u-noさんのネタバレBOXに詳しい設定が書かれています。
いい大人がニセ家族を演じるシーンは、大げさな演技でわざと戯画的に作られており、裏にある正視するのがつらい事実(環境破壊がもたらした危機的状況、宮司が息子に自分の安楽死のほう助をさせようとしていること等)を際立たせます。
小泊は実際に夕日が美しくて有名な場所だそうです。「丸い大きな太陽が海に沈むとき、ジュ!って音が鳴るんだよ」と言って、登場人物は何度も夕日を観に行きます。太陽のせいで温暖化が促進されますが、太陽のおかげでバナナは繁殖します。神社の名前が大照だったり、宮司が孫に「太陽」と名づけたり、チラシのビジュアルもストレートに夕日の写真だったり、そこかしこに“太陽”がちりばめられています。
産んでも育てられない(難民だから)環境なのに、誰の子なのかわからないのに、「子供ができた」と喜ぶ女(山上由美子)。その腹に手を当てて祝詞をあげる宮司・・・。ここから涙が溢れて最後まで止まらず~・・・。
宮司は沈み行く太陽でした。日本の神話の天照大神のイメージですよね。最後は死を覚悟した宮司が、息子に車椅子を押してもらい、徐々に赤くそまっていく舞台の中央からゆっくりと去ります。去り終わる頃に波の音が流れました。海に沈んだ太陽が「ジュ!」と鳴ったように感じました。126代続いた神社も、これで終わり。まさに斜陽のお芝居でした。
ニセ家族が「津軽海峡冬景色」(←音が鳴ります)を歌いあげる時、歌詞をじっくり味わいました。こういう風景が全く見られなくなったんですね。そのシーンの後、宮司が「ダニーボーイ」をハミングで歌います。べたべたの日本の歌謡曲をプレゼントしたのに、宮司が口ずさむのは色んな国で歌われているアイルランド民謡でした。そこにも宮司がグローバルな存在(=太陽)であることが表されている気がしました(深読みしすぎかも)。
≪青森、東京≫
出演=森内美由紀(青年団) 工藤由佳子 佐藤誠(青年団) 高坂明生 萱森由介 工藤静香(劇団夢遊病社) 宮越昭司(劇団雪の会) 藤本英円 三上晴佳 山上由美子 ささきまこと
作・演出/畑澤聖悟 音響/藤平美保子 舞台美術/畑澤聖悟 照明/葛西大志 プロデュース/佐藤誠 制作/工藤由佳子 制作助手/野宮千尋 ドラマターグ・演出助手/工藤千夏 装置/萱森由介 宣伝美術/木村正幸(ESPACE) 主催・企画制作/渡辺源四郎商店
チケット発売日 2007年5月19日(土)全席自由・日時指定・税込 予約:一般3,000円/学生2,000円/高校生以下1,000円 当日券:一般3,300円/学生2,300円/高校生以下1,300円
http://www.xbb.jp/wgs/
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日本テレビ・キューブ・北九州芸術劇場『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』07/05-16天王洲銀河劇場
小説からテレビドラマ、映画と色んなメディアで作品が作られている、リリー・フランキーさん原作の『東京タワー』。私は舞台版で初めて出会いました。
上演時間は約3時間40分(休憩15分を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
作品紹介はこちら。東京で一人暮らしをしているボク(萩原聖人)が、独白しながら物語が展開します。役者さんが軽快に楽しませようとしてくれますが、ストーリーをこつこつ説明していくような作りで、私は退屈でした。
客席では涙を流してらっしゃる方が多かったみたいですよ。鼻をすする音が何度も聞こえました。
オカン役の加賀まりこさんがとても可愛らしかったです。最前列で堪能。
ここからネタバレします。
誰かが亡くなることで生まれるドラマとかが、私は苦手なんですよね(それだけではなかったですが)。病院も苦手。だから本も映画も避けてきたんですが、やっぱり舞台となると、ね。観たくなっちゃうんですよ(苦笑)。特に蓬莱竜太さんの脚本ですし。
雑居ビルの管理人役で八十田勇一さんが登場されたのは可笑しかったな~(←モダンスイマーズ『ゆきてかえらず~稲上荘の寄るべない日々~』)。
最後はボクとオトン(林隆三)がオカン(加賀まりこ)の遺影を連れて東京タワーに登ります。背後の巨大なパネルの窓枠が東京タワーみたいに見える、という演出だと思いますが、もうちょっと東京タワーらしい形になって欲しかったな~。
オカンが、ボクの同居人(津村知与支)のジーンズにアップリケを縫い付けるシーンで、加賀さんは本当に「穴が空いてるから繕っている」演技をされていて、それがとても可愛らしいし、微笑ましかったです。
≪北九州、東京、大阪、名古屋、新潟≫
出演:萩原聖人/加賀まりこ/石田ひかり/千葉雅子/三上市朗/八十田勇一/新谷真弓/津村知与支/林隆三
原作:リリー・フランキー 脚本:蓬莱竜太(モダンスイマーズ) 演出:G2 美術:古川雅之 照明:小川幾雄 音響:井上正弘 音楽:佐藤史朗 衣裳:堀口健一 ヘアメイク:武田千巻 振付:本山新之助 劇中歌:瓜生明希葉 方言指導:岡田幸子 演出助手:高野怜 舞台監督:榎太郎 林和宏 宣伝美術:東學 宣伝写真:須佐一心 協力:ガンパウダー・扶桑社 制作協力:G2プロデュース プロデューサー:関川悦代(日本テレビ) 高橋典子(キューブ) 津村卓(北九州芸術劇場) 制作:茅野亜希(日本テレビ) 仲谷正資(キューブ) 北里美織子(キューブ) 広報:米田律子(キューブ) 製作:柏木登(日本テレビ) 北牧裕幸(キューブ) 企画・製作:日本テレビ キューブ 北九州芸術劇場
S席7,500円 A席6,500円(全席指定・消費税込)※未就学児童児童入場不可
http://www.g2produce.com/other/tokyotower/
http://www.tokyotower-stage.jp/
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2007年07月10日
新国立劇場・高校生のためのオペラ鑑賞教室『蝶々夫人』07/09-14新国立劇場オペラ劇場
新国立劇場による「高校生のためのオペラ鑑賞教室」は毎年7月の好例だそうです。2,100円で観られるなんて贅沢極まりなし!残席がある場合は当日券4,200円で一般(大人)の方も購入可!時間と仕事の都合で「オペラ断ち」を敢行中の身なのですが、素敵な企画に惹かれてお邪魔して参りました。
やはりこの豪華スタッフのプロダクションは必見でしょう(演出:栗山民也/美術:島次郎/衣裳:前田文子/照明:勝柴次朗)。第1幕は涙ダダ流れ状態(汗)。ラストは「なんと、そう来るか!」といわざるを得ない、衝撃の演出が用意されています。
⇒公式ブログで残席状況がわかります。まだ大人も入れそうですよ!
⇒2005年初演のレビュー
⇒CoRich舞台芸術!『蝶々夫人』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
時は明治の頃、長崎の海を望む丘の上で、アメリカ海軍士官のピンカートンは、結婚斡旋人ゴローの仲介で15歳の芸者、蝶々さんを身請けする。純情な蝶々さんに対してピンカートンは日本に滞在する間だけの軽い気持ちで結婚式を挙げ、長崎駐在のアメリカ領事シャープレスに不誠実だとたしなめられる。やがてピンカートンは帰国、彼との間にできた3歳の息子と女中のスズキは蝶々さんと3人で彼の帰りを待ちわびている。蝶々さんは「ある晴れた日にピンカートンはきっと帰ってくる」とその日を夢見て、ゴローが新しい結婚相手を薦めても耳も貸さない。一方、シャープレスはピンカートンがアメリカで正式に結婚したことを知るが、ピンカートンを信じきっている蝶々さんにその真実が語れない。そして運命の時がやってくる。妻ケートをつれて長崎に立ち寄ったピンカートンは、蝶々さんが彼の帰りを待っていたことを知り、居たたまれなくなってその場から逃げてしまう。全てを悟った蝶々さんは、我が子をケートに渡す決断をすると、父の形見の短刀で自害して果てる。
≪ここまで≫
第1幕の初めのシーン。アメリカ人のピンカートンとシャープレスを演じる日本人歌手のイタリア語の歌を聴きながら、大粒の涙がどんどん溢れました。
『蝶々夫人』(Wikipedia)は日本の長崎を舞台に、日本とアメリカという2つの異なる国(と文化)の間で翻弄される人間を描いた、イタリア人プッチーニによる1904年初演のオペラです。今、日本人が製作した『蝶々夫人』を、日本で、日本人の私が観ている・・・時代を越えた異文化交流ですよね。オペラって本当に素晴らしい!久しぶりにオペラ劇場に行けただけでも嬉しかったし、「オペラ生活、ちょっと復活させよっかな~」なんて思い始めちゃいました。
公式サイトの舞台写真ではわからないのですが(意図的なのかな~)、抽象的な舞台美術が壮観です。この装置のためだけでも観に行く価値ありです。舞台奥に丸く弧を描くように大きな壁がそびえたち、舞台の上手袖から下手袖までの周囲をぐるりと囲みます。壁も床もクリーム色に統一されているので、膨張色で広がりはあるものの、ずしりとした閉塞感のある空間になっています。その壁のほぼド真ん中あたりに四角い穴が空いていて、出演者の出入り口になっています。穴の位置は3階分ぐらいの高さがあるのではないでしょうか。その穴から下手の壁に沿うように、大きな階段が床まで続いています。
白い世界の底に沈むようにポツンと存在する蝶々さんの家は、階段2段分ぐらいの高さの四角い台に、少しの家具とふすまがあるだけのシンプルなデザイン。上手手前の角に立つ1本の四角い柱の存在感が大きいです(墓標に見えたりしました)。
効果的かつ雄弁な照明でした。全体が白い世界ですから、照明でいくらでも模様がつけられるのです。たとえば歌の途中で感情が大きく動く瞬間に、照明の色を切り替えてさらにドラマ性を付加することなどがありました。歌い手だけでなく、舞台空間の演出が独自の解釈を表現しているんですよね。そこが醍醐味だと思います。
そして2度目の号泣ポイントは(←泣きすぎだって)、蝶々さんの登場シーン。大階段から大勢の着物姿の女性コーラスに守られて、純白の花嫁衣裳の蝶々さんが歌いながら降りてきます。そのコーラスの美しいこと!!!柔らかく、優しく、奥ゆかしく、しっとりとした小さな色気もあるという、まさに日本人女性ならではの、声!
蝶々さんは健気で一途な少女ですが、決して媚びることはない誇り高い人物です。第2幕からの深い紫色の着物は、日本人女性の気高さを上品に表していたと思います。両手を横に広げる演技が何度かあり、着物の大きな袖がきれいに垂れて広がり、美しかったです。十字架にも見えました。
第2幕は第1幕に比べるとちょっと盛り上がりに欠けたかな、という印象でした。蝶々さんの独唱が多く(「ソプラノ殺し」と言われる演目でもあります)、登場人物が少なかったせいかもしれません。やっぱり日本人女性コーラスや、文化を超えた心のやりとりが見える、大勢が登場する白い混沌シーンの迫力には、敵わなかったのかも。
ここからネタバレします。
第2幕で蝶々さんの家をたずねたシャープレスが、蝶々さんに促されて2段分の高さの家の床に腰掛けようとします。そこで、あまりの低さに体がよろけるという演技がありました。シャープレスはアメリカ人ですから、イスに座る文化なんですよね。さらりと軽やかに正座する蝶々さんとスズキに比べて、シャープレスはずっと居心地が悪そうでした。そんなちょっとした演技から、異文化間で係わり合おうと奮闘するぎこちない人間関係が鮮やかになります。きめ細やかな演出だと思います。
また、ピンカートンを待ち続ける蝶々さんを不憫に思ったスズキが、まるで土下座をするかのように小さく丸まって正座をする演技も印象に残りました。あれは日本人じゃないと出来ないんじゃないでしょうか。体型を真似できたとしても、あの空気を出すのは難しいと思います。そもそもこんなに正座シーンがいっぱいあるってことが、日本人にしか作れない『蝶々夫人』であることの証明なのかもしれませんね。
歌はなくオーケストラの音楽だけで、蝶々さんがピンカートンの帰りをずっと待ち続けるシーンがあります。ふすまの裏側に蝶々さんが居て、シルエットで見せる演出が多いのですが、今作では蝶々さんが一人で大階段を途中まで登って、客席に背を向けたまま静かに立ち止まり、そこで黒い幕が下ります。しばらくオーケストラだけに照明が当たっている状態が続いて再び幕が上がると、なんと、蝶々さんは先ほどいた場所にそのまま立っている!彼女が一人で夫を待ちわびていた時間は、なんと長いことだったのか・・・。しかも、じーっと見つめていた四角い穴の奥には、星条旗がたなびいていました。
アメリカで正式な結婚をして、新しい妻ケートを連れて長崎に戻ってきたピンカートンですが、蝶々さんが今だに自分を信じて待っていたことにショックを受けて、一度は家に来たものの、また去ってしまいます(私はそのように受け取りました)。そして蝶々さんはピンカートンの裏切りを知って、父親の形見の刀で自害します。その自害の瞬間に(死んでしまった後に)、「蝶々さん!」と叫んでピンカートンが戻ってくる・・・というのが、いつもの悲劇的なラストシーンです。
しかしながら、今作では違う結末が用意されていました。なんとピンカートンは声が聞こえるだけで登場しません。上手手前で舞台に背を向けて毅然と自害を果たした蝶々さん。彼女がバタリと仰向けに倒れた瞬間に、舞台奥のふすまを開けて登場したのは、蝶々さんとピンカートンの間に生まれた小さな息子でした。アメリカ人の父親によって死に至らしめられた母親と、それを見つめ、立ちすくむ少年。そこに彼らを裏切った父親の「蝶々さん!」という呼び声だけが力なく響きます。壁の中央の穴から、はためく星条旗が見えています。
2人の男女の悲恋物語だけでは終わらせない、強い主張が表れていました。蝶々さんの悲劇は息子へと確実に引き継がれ、彼は決してそれを忘れないでしょう。『Jr.バタフライ』を思い出しました。
どちらの国が悪いとか、誰が正しいとかではなく、人はそうやって子へ孫へと心をつないで受け取っていきます。何かが起こったら、それはそこだけで完結するのではありません。水面に落ちた水滴が起こす波のように、同心円状に人を介しながら広く影響をおよぼしていきます。
でも同時に、人間は必ず忘れるように出来ているのも事実ですよね。憎しみの連鎖のためではなく、自分の人生の教訓として、何度も思い出してつなげていくことが大切なのではないかと思いました。オペラを観ることでそれが出来るんですよね。幸せなことだと思います。
出演(7月9・11・13日)=蝶々夫人:橋爪ゆか/ピンカートン:成田勝美/シャープレス:米谷毅彦/スズキ:三輪陽子/ゴロー:大野光彦/ボンゾ:志村文彦/神官:大森一英/ヤマドリ:工藤博/ケート:前田祐佳/ほか
作曲 : ジャコモ・プッチーニ 台本 : ルイージ・イッリカ/ジュゼッペ・ジャコーザ 指揮 : 三澤洋史 演出 : 栗山民也 美術 : 島次郎 衣裳 : 前田文子 照明 : 勝柴次朗 再演演出 : 菅尾友 舞台監督 : 大澤裕 合唱 : 新国立劇場合唱団 管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団 主催 : 新国立劇場 特別協賛 : ローム株式会社 協賛 : 株式会社損害保険ジャパン
全席指定 2,100円 お求めの際には、学生証をご用意ください。また、残席がある場合に限り、当日券として4,200円で一般(大人)の方も購入可。(高校生以下2,100円)
http://www.nntt.jac.go.jp/season/H19highschool/index.html
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KAKUTA『神様の夜・Dプログラム「さようなら」』07/07-15ギャラリーsite
6月から始まっているKAKUTA(カクタ)のリーディング公演は、なんと4演目連続です(再演作品を含む)。私はDプログラムを拝見しました。
リーディングといっても朗読ばかりがメインなのではなく、本およびそれを読むことが題材になっている、わかりやすいお芝居だったと思います。
⇒fringe blog「川本裕之氏の場内整理」
⇒CoRich舞台芸術!『神様の夜~プログラムD「さようなら」』
恵比寿というおしゃれな街の、ビルの地下にある小さな白い空間で、優しいおもてなしを受けました。
KAKUTAは桑原裕子さんが作・演出される劇団です。KAKUTAの公演に行き、劇場で作品とそれに関わる人々に出会う度に、劇団であることの意味をいつも考えさせられ、「あぁ、やっぱり劇団って素晴らしい」と再確認します。あのホスピタリティに包まれたいから、KAKUTAに行きたいと思うのだと思います。
「花野」は死んでしまった叔父と姪との語らい、「草上の昼食」はくまと人間とのピクニックということで、現実には存在しない(と思われる)世界を描いた作品でした。その2つとオリジナルの「さようなら」というお芝居が入れ替わりながら上演されます。
当日パンフレットに掲載されている詩「まだ見ぬあなたへ」は桑原裕子さんのオリジナル作品で、4プログラム全てにおいて共通に使われるそうです。この詩が素敵だったな~。
私は朗読公演というスタイルがどうやら苦手で、なんとなく避けがちになっちゃうのですが、このシリーズは役者さんがセリフを覚えて演技をして、セリフ以外の部分を語りの人が読むという形式なので、非常にとっつきやすい演劇作品でした。
ただ、私が拝見したのが初日だったからかもしれませんが、動作や感情が予定調和(相手のセリフを聞く前から、聞いた後の感情が出てしまっている等)になっている方や、自分自身のことに意識が行っていて相手とコミュニケーションが成立しづらくなっている方など、演技の面で残念なことが多かったです。
「さようなら」で彼女の引越しを手伝う彼氏役の三浦知之さんの演技がとても良かったです。その場で起こったことをその場で、その時に感じて、そこで反応されていたように見えました。また、ワイルドでかっこ良くて、それでいて柔らかい、女の子にすごくモテそうな若者に見えたのも良かったですね。衣裳と役の狙いがばっちり合っていたのもあると思います。
そう、皆さん、サンダル(および靴)がとっても可愛かったですね。特に「草上の昼食」での語り役の原扶貴子さん白いサンダルと、私役の水野美穂さんのサンダル(っていうのかな)が可愛かったです。麻生美代子さんの爪が美しかった。
06/23-07/01(プログラムA、B)、07/07-15(プログラムC、D)
「花野」出演=語り:麻生美代子/叔父:志賀廣太郎 (青年団)/私:桑原裕子
「草上の昼食」出演=語り:原扶貴子/くま:川本裕之/私:水野美穂
「さようなら」出演=祖母:麻生美代子/リョウ:後藤飛鳥 (五反田団)/三浦知之 (InnocentSphere)
アンサンブル:佐藤滋/横山真ニ/前有佳/野澤爽子/ほか
読本=川上弘美「神様」(中央公論新社) 構成・演出=桑原裕子 プラネタリウム・東急まちだスターホール=矢吹浩 イラストレーター・映像クリエーター=KOJOPOM 漫画家・イラストレーター:柊ゆたか 映像クリエーター:土橋大輔 照明=西本彩(青年団) 音響・音響操作=島貫聡 音響操作=佐藤春平(sound cube) 舞台美術=横田修(タテヨコ企画) 舞台監督=金安凌平 選曲=真生 演出助手=田村友佳/高橋裕子 宣伝写真=相川博昭 宣伝美術=川本裕之 制作協力=佐竹香子(InnocentSphere) 制作=前川裕作
料金 (日時指定・全席自由)前売: 2,500円 当日: 2,700円 [通し券]2プログラム: 4,800円 3プログラム: 7,000円 全プログラム: 9,000円
http://www.kakuta.tv/kamisama/
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ポツドール『人間・失格』07/06-16三鷹市芸術文化センター 星のホール
三浦大輔さんが脚本・演出されるポツドールの新作です。“太宰治作品をモチーフにした演劇第4回”ということで、タイトルどおり「人間失格」が題材になっています。「・」にはハートマークが入ります。「人間失格大好き!」っていう意味だそうです(笑)。←どこかのインタビューで読みました。
ずいぶん昔に「人間失格」を読んだ時の感動(感傷?)を思い出しました。読んでから観に行かれる方が面白いかもしれませんね。上演時間は約1時間50分。R20ぐらい?
⇒CoRich舞台芸術『人間・失格』
少々ネタバレします。読んでから観に行かれても問題ない程度だと思います。
自称25才の男・イサム(岩瀬亮)が一人暮らしをしているアパートの一室。どうやら2階のよう。イサムは1週間連続でバイトを無断欠勤し、風俗系の有料ダイヤルに電話したりして、ずーっと部屋から動かない。生活のお金は母親からせびっている・・・。
イサムは現代日本のダメな若者の典型なのかもしれません。でも、普通に礼儀正しくて大人しい好青年な部分もあり、外見もほどほどに良いので、「人間失格」の主人公に重なります。
絶対的に無事なところ(客席)に居ながら、すぐ隣りに居そうな若者(電車の同じ車両に乗ってたり、映画館でとなりの席だったり、コンビニの客と店員として出会っていたり)の生々しい生活を、高みの見物することになります。淡々と過ぎる、一人の若者の生活をずーっと覗き見する感覚なので、禁断の甘い蜜をすするような(笑)愉しみがありました。電話を通じての会話を耳をそばだてて聴くのは、ちょっと新しい感覚のような気がしました。
テレビ、コンビニ、携帯電話、上っ面の会話・・・。『恋の渦』で感じたのと同じように、貧しいな~と思いました。そうやって客観的に人物や出来事を観ていられるのは、役者さんの演技がとても自然だからだと思います。
生々しい性交シーンや乱暴な事件がいつもより控えめかと思いきや・・・。
三鷹市芸術文化センター・星のホールという劇場を生かした装置や内容ではなかった気がして、そこは残念でした。
ここからネタバレします。
テレフォン・セックス(っていうのかな)するのを覗き見するのは、も~爆笑でした。テレクラ(っていうのかな)でひっかけた女(白神美央)に騙されて、ガラの悪い男(米村亮太朗)にタカられて、友達に何度も嘘をつくはめになって、イサオは目も当てられない情けない状態に陥ります。でも昔の彼女(深谷由梨香)からの勧めで小説「人間失格」を読んで、復活のきざしを見せます。
その後に、“復活しなかった(どん底まで落ちた)場合”が描かれ、それがいわゆるポツドールっぽい残酷かつ刺激的なものでした。「来た来た~っ!」という、わくわく・どきどき&冷や冷や・おそるおそるな感覚でしたね。
女を集団レイプして、女を助けに来た男を絞め殺し、そこに昔の彼女がばったり出くわすという、最悪の中の最悪を絵に描いたような、「うまくお膳立てされすぎだよ!」って冷ややかに笑いながら突っ込みを入れたくなるような(笑)、どん底。「人間失格」な風景。いつも思いますが、ものすごいバイオレンス、です。観ている途中で役者さんのことが心配になったりもしました。
さらにそのシーンの後、「あの惨劇は夢だったかもしれない」と匂わせるエンディングが用意されており、「なるほどな~」と頷きながらの終演でした。そうやって腑に落ちたことは私にとっては物足りなかったですね。
太宰治作品をモチーフにした演劇第4回
出演=岩瀬亮、米村亮太朗、古澤裕介、白神美央 岩本えりが怪我のため降板し、代役は深谷由梨香(柿喰う客)。
脚本・演出=三浦大輔 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響=中村嘉宏 舞台監督=清沢伸也 舞台美術=田中敏恵 映像・宣伝美術=冨田中理(selfimege produkuts) 小道具=大橋路代(パワープラトン) 衣装=金子千尋 演出助手=富田恭史(jorro) 写真撮影=曳野若菜 広報=石井裕太 協力=(有)マッシュ Y.e.P 制作=木下京子 森川健太(三鷹市芸術文化センター) プロデューサー=三浦大輔 森元隆樹(三鷹市芸術文化センター) 主催・製作=(財)三鷹市芸術文化振興団体 製作=ポツドール
【発売日】2007/06/07(前売・当日共に全席指定) 前売3300円(財団友の会会員 3000円) 当日3600円(財団友の会会員3300円) 高校生以下 1500円※未就学児の入場はご遠慮下さい。
http://www.potudo-ru.com/
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2007年07月09日
TBS/ホリプロ『お気に召すまま』07/05-29シアターコクーン
2004年8月に彩の国さいたま芸術劇場で初演された作品です。好評だったのに見逃したので、再演してくれてラッキーでした。上演時間は約3時間15分(15分の休憩を含む)。
オールメール(出演者全員が男性)シリーズの第1弾だったんですね。⇒第2弾『間違いの喜劇』、第3弾『恋の骨折り損』
⇒CoRich舞台芸術!『お気に召すまま』
≪あらすじ≫ 公式ブログより。結末までネタバレしています。
若き騎士オーランドーは、父の遺産を着服した長兄オリヴァーと仲違いしている。フレデリック公爵も兄を追放して領地を奪っていた。公爵主催のレスリング大会で優勝したオーランドーは、ロザリンドに一目惚れするが、公爵は兄の娘であるロザリンドを追放しようとしたので、彼女は公爵の娘で大の仲良しのシーリアとアーデンの森に逃れる。
家を出たオーランドーは、森で男装したロザリンドと出会い、本人とは気付かずにロザリンドへの恋の告白の稽古相手になってもらう。ライオンに襲われそうになってオーランドーに助けられ、改心したオリヴァーは、初対面のシーリアと恋に落ち、羊飼いとして生きる決心をする。ロザリンドも元の姿に戻り、オーランドーと結婚する。最後はフレデリックも改心して修道生活に入り、領地を兄の元公爵に返上することが伝えられ、喜びの中、たくさんの恋人たちの結婚式がおこなわれる。
≪ここまで≫
「イケメンが、あんなことやこんなことを必死でやってくれちゃうから笑っちゃうし、嬉しい♪」、みたいに楽しむには絶好の企画ですよね。私はそれ以上のところが観たかったので退屈でした。4回目のカーテンコールでスタンディング・オベーションされてる方、多数。ん~・・・。
「恋が~~ならば」というセリフを4人(成宮寛貴/小栗旬/大石継太/山下禎啓)で言うところは素敵だったな~。シェイクスピアの言葉をじっくり味わって、恋についてのうっとりするような想像をたくさんできました。
シーリア役の月川悠貴さんはコケティッシュな魅力もあって、冷静な演技が四谷シモンの人形みたいでかっこいいです。オールメールシリーズには欠かせない方かもしれませんね。
フィービー(羊飼いにホレられる器量の良くない女)役の山下禎啓さんの一人セリフが良かったです。
≪東京、大阪、静岡、仙台≫
出演=ロザリンド:成宮寛貴/オーランドー:小栗旬/前公爵:吉田鋼太郎/タッチストーン:田山涼成/ジェイクイズ:高橋洋/シーリア:月川悠貴/シルヴィアス:大石継太/清家栄一/妹尾正文/飯田邦博/岡田正/塚本幸男/二反田雅澄/大富士/山下禎啓/外山誠ニ/鈴木豊/篠原正志/髙山春夫/田村真/宮田幸輝/杉浦大介/西本健太郎/桝井賢斗/鵜澤正太郎
作:W.シェイクスピア "As You Like It" 演出:蜷川幸雄 翻訳:松岡和子 美術:中越司 照明:原田保 衣裳:宮本宣子 音響:井上正弘 ヘアメイク:佐藤裕子 音楽:笠松泰洋 ファイトコレオグラファー:國井正廣 振付:広崎うらん 演出助手:井上尊晶 舞台監督:白石英輔 主催:TBS/ホリプロ 提携:Bunkamura 企画:彩の国さいたま芸術劇場 シェイクスピア企画委員会 制作:TBS/ホリプロ お問合せ:ホリプロ 03-3490-4949
S席9,000円 A席7,500円
http://blog.e-get.jp/ayli/
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=89
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TBSラジオ954「宮台真司と考える裁判員制度」07/01 19~21時放送
日本で裁判員制度が実施されたら・・・という内容の朗読劇でした。脚本はサンプルの松井周さん。声の出演には青年団の俳優さんが勢ぞろい。面白かった~♪
個人的には被告役の岩井秀人さん(ハイバイ)の声がツボでした。
日本における裁判員制度については『評決-昭和三年の陪審裁判』で拝見し、刑事裁判についてはちょうど『それでもボクはやってない』を観たばかり。
宮台真司さんは「演劇教育でガッコーを面白く!」の会「演劇人が、ガッコーを変える? 学びの場の最前線」シンポジウムでお見かけしていました。7/5に新宿で鈴木寛さんが街頭演説をされているところに遭遇し、平田オリザさんのインタビューも7/6にアップされて、なんだかオンタイムな出来事がいっぱいです。
TBSラジオ954「宮台真司と考える裁判員制度」
ラジオ出演=宮台真司、有村美香 ゲスト:梓澤和幸(弁護士)
ラジオドラマ出演:古屋隆太(木村・サラリーマン)/辻実奈子(木村の妻)/古館寛治(部長&三上の二役)/篠塚祥司(裁判官)/岩井秀人(被告)/山本裕子(検察官)/猪俣俊明(弁護士)/松田弘子(主婦斉藤)/小林亮子(ギャル田代)/多田淳之介(ホスト今井)
脚本:松井周
宮台真司:http://www.miyadai.com/index.php?itemid=521
松井周:http://sampleb.exblog.jp/6003982/
多田淳之介:http://jnsk.blog14.fc2.com/blog-entry-354.html
2007年07月08日
【演劇教育】佐々木かをりのwin-win対談/『こまばアゴラ劇場支配人』劇作家・演出家 平田オリザさん(前半)07/06公開
働く女性サイト「イー・ウーマン」社長の佐々木かをりさんと、平田オリザさんとの対談(前半)がアップされています。
特に演劇に興味がない人が初めて平田オリザさんのことを知るには、最適の内容かもしれないと思いました。
演劇教育、注目を浴びてノリにノってますよっ!
後半は7月13日(金)午前11時公開です。
2007年07月07日
【お知らせ】7月7日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。
今回はNODA・MAP番外公演『THE BEE』についてお話し、7月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
7月7日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
FM 84.2MHz
⇒PodCastingあり!放送終了後にアップされます(数日後だったりも)。
⇒アップされました(2007/07/12)
2007年07月05日
3団体コンボ公演『ゴールデントリオ』07/04-06新宿ゴールデン街劇場
むっちりみえっぱりの吉田麻生さんが作・演出されるということで、久しぶりに新宿ゴールデン街劇場にお邪魔しました。フリーカンパ制っていうのも超久しぶり!カンパは新宿区社会福祉協議会に全額寄付されるそうです。けっこう楽しめたので、わずかですがカンパしてきました。
3団体のコンボということで3本立てでした。ここからネタバレします。
■ボノボ研究団『発砲スチ、ロール。』
作・演出=原・パチョレック(活劇工房)
出演=すねこすり/木念じん/郭泰源/原・パチョレック/狂牛病 ※皆さん、活劇工房の方だそうです。
めちゃくちゃ無気力な大学生が暮らすアパートの一室。なぜかずーっとビデオカメラを回しているカメラマンもいる。後輩なども集まってきて「吟遊詩人になろう会」みたいなサークルの練習を始める。
この自主練が面白かった~。緑の帽子は「ムーミン」のスナフキンですよね(なるほど詩人だ)。つぶやいたり、息声を使ったり、小さな声のセリフのバリエーションがとても面白かったです。
下に住んでいる凶暴な男が勝手に部屋に入ってきて揉めるのと、カメラマンがドキュメンタリー撮影するのと、サークル崩壊を嘆いて泣くのと(だったかな?)、3つの出来事が同時に起こるところは、静かな演劇的盛り上がりがあってゾクっと来ましたね。
録画されていた映像がYouTUBEに垂れ流されていたという結末はものすごく現代的で、私の学生時代とは全く世界が変わってしまっているんだとしみじみ実感しました。
■内ゲバ『R26』
作・演出 吉田麻生(むっちりみえっぱり)
出演=栗田法正/吉田大紀/西田麻耶(五反田団)/齊藤庸介/星野明子(騒動舎)/澁谷美香(騒動舎)
・その1 多摩川
たこ焼きバーベキューをする人たち。勘違いする女(西田麻耶)。星野明子さんのリアクションがいちいち面白い。
・その2 東京都演劇二千年祭
演劇人を表彰する会。前説に石原慎太郎(齋藤庸介)。演劇・グランプリにナイロン100℃(有頂天のライブ)。ダンス・グランプリに珍しいキノコ舞踊団(西田麻耶/星野明子)。そして特別賞にク・ナウカ!!宮城さんが出てきてひどいコメント。美加里さん(西田麻耶)が・・・美加里さんだった。爆笑ですよ。もーたまりませんよ。
・その3 結婚式 二次会
結婚式の晴れの日なのにいろいろ場違いな客。ドレスがかぶって気まずい(澁谷美香/星野明子)。
ケーキの生クリームに顔をつっこんで熱演でしたが、これはあんまりだったかな。
■黄金世帯『釣られた奴ら』
作・演出=峰崎亮介
出演=峰崎亮介/黒柳貴仁
自殺未遂をして病院に運ばれた20才の青年(黒柳貴仁)。なぜか見舞いに来たのは1人の漁師(峰崎亮介)。彼は青年の“寿命”で、身体から出てきたのだという。だから青年はどんなに死のうとしても死ねない。
展開が行き当たりバッタリで、何がやりたいのかわからなかったですね。長かった。
全席自由 フリーカンパ制
活劇工房:http://www.geocities.jp/katsugeki2002/
むっちりみえっぱり:http://mucchirimieppari.com/
黄金世帯:http://www.geocities.jp/ougonsetai/
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2007年07月03日
劇団コーヒー牛乳『0号~ゼロゴウ』06/27-07/01シアターグリーン BIG TREE THEATER
柿ノ木タケヲさんが作・演出される劇団コーヒー牛乳。初めて拝見しました。1998年旗揚げで第19回公演ということでした。もうすぐ10年ですね。
「上演中の写真撮影は他のお客様のご迷惑にならない程度なら可!」っていうのには驚きました(笑)。レビュー(revue)のシーンでデジカメで写真を撮ってたお客様、いらっしゃいましたよ。ちょっとうらやましかったな~。でも勇気ないよー。
→CoRich舞台芸術!『0号~ゼロゴウ』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
時代は昭和。舞台はキネマの撮影所。
嗚呼、懐かしきは我が青春。
昭和初期、映画がまだ「キネマ」とか「活動写真」なんて呼ばれていたころ、それは文化の花形だった。
活気ある撮影所は、その「キネマ」に青春を懸ける若者たちであふれていた。
明日のスターを夢見る役者。作品で名を上げようとする監督。腕のいい職人気質のスタッフたち。
しかし、時代の背後には大戦の足音が近づいていた・・・。
劇団コーヒー牛乳の新境地、青春群像活劇「0号(ゼロゴウ)」乞う、ご期待!!
≪ここまで≫
わかりやすいお話で、殺陣にレビューにとても頑張ってるお芝居でした。前説やカーテンコールでは大衆演劇っぽい雰囲気。お客様からの掛け声も飛びます。
昭和初期の映画撮影スタジオが舞台で登場人物もその時代の日本人ですが、今の若者の等身大の反戦の気持ちとして伝わってきて、ちょっぴり不本意な心持ちがありつつも、何度か涙が流れちゃいました。なぜ不本意だったかというと、ギャグがあまりに笑えなかったから(苦笑)。※私のツボじゃなかっただけで、客席では笑いがいっぱい起こっていました。
殺陣を初めて取り入れたそうですが、初めてとは思えないみどころがいっぱいありました(殺陣:大八木八大)。右手に持った刀を相手の肩と首の境目に当ててから、左手で刀を上から押さえながら切るとか、かっこ良かったな~。バック転などのアクロバットが出来る役者さんもいらっしゃいましたね。
レビュー・シーンではヒロイン千代子役の三枝奈都紀さんが、網タイツ姿で美脚を披露!めっさキレ~っ!!女王を囲んで踊る紳士たちのダンスの振付も、アメリカ映画に出て来そうな本格的なスタイルで楽しかったです。
ここからネタバレします。
取り壊しが明日にせまった撮影所に2人の老人が現れます。千代子(ザンヨウコ)と後藤(岡田一博)はその昔この撮影所で出会った恋人同士で、待ち合わせの約束を果たすためにやってきたのでした・・・と、ここまでで「あぁ、2人の内どちらか(もしくは両方)が亡くなっていて、幽霊になって出会ってるんだなぁ」とわかります。
その仕組みがわかっていても特にがっかりすることはなく、熱の入った回想シーンでわいわい騒ぐ若者達を見て、楽しむことができました。ただ、役者さんの演技は全体的におぼつかないものではありました。
千代子(ザンヨウコ)が南方戦線の悲惨な状況を説明する中で、こんなセリフがありました。
「しまいには鍋ややかんなどの日用品も供出することになり、人を殺す道具になったのよ。」(ことばは完全に正確ではありません)
戦争のせいで貧しい暮らしを強いられたり、望みどおりの人生を生きられなかった(死ぬことを無理やり選ばされた)という表現は、戦争映画などでもよく見られます。「それでも愛する人のために命を捧げた」という美談になるのがひとつのパターンです。
でもこの作品では、自分たちが使っていた生活のための大切な道具が人を殺す武器になる嘆きを描いていました。平和ボケだとかいろいろ言われる“戦争を知らない世代(私自身も含めて)”が、本当に自分自身の身になって戦争について考えた時に浮かんできた気持ちを、素直に伝えてくれたように感じました。
主人公の後藤(持永雄恵)をはじめ撮影所にいた若者たちは、ただ映画が作りたかっただけだし、ただ大好きな人と一緒にいたかっただけです。だけど赤紙が届いてしまい、死ぬとわかっている戦地に向かうことになります。映画を作る楽しさや、大勢の仲間と一緒に居る喜びを、全身で汗だくになって役者さんが盛り上げていたからこそ、その理不尽さを実感することができたのだと思います。
最近、若い人が描く戦争もののお芝居で泣けることが多いです。
出演=阪本浩之、西川康太郎 伊藤今人、渡辺毅、鈴木ハルニ、中村須摩子、二瓶恵、こなきG.G、持永雄恵、三枝奈都紀(Afro13)、鈴木ハルニ、石黒圭一郎、中山貴裕、藤田佳奈(嶋アイランド)、高橋征也(劇団芋屋)、岡田一博(嶋アイランド)、ザンヨウコ(危婦人)
作・演出:柿ノ木タケヲ 舞台監督:渡辺陽一 舞台監督補:小野哲史 舞台美術:袴田長武+鴉屋 照明:宮崎正輝 音響:岡田悠(SoundCube) ミュージカル音楽:百瀬悠介(嶋アイランド) ミュージカル演出:岡田一博(嶋アイランド) 殺陣:大八木八大 衣裳:車杏里 振付:伊藤今人 宣伝美術:細田美装 写真:横山武 龍画:柿ノ木タケヲと愉快な仲間たち 制作:浅倉良徳 吉田千尋 大橋沙香 企画・製作:劇団コーヒー牛乳
http://www.coffee-milk.com/
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三条会『ロミオとジュリエット』07/02千葉市美浜文化ホール
関美能留(せき・みのる)さんが演出される三条会(過去レビュー⇒1、2、3、4、5、6、7、8)。は、千葉県を拠点に活動する劇団です。極度の方向音痴の私ですが、三条会に会うためなら千葉まで遠征いたします(遠征って大げさだけど)。案の定スムーズには会場にたどり着けなかったのですが(涙)、開演には間に合いました。
あまり演劇に親しみのないお客様向けの工夫と、コアな演劇ファンがにやりとする隠喩とが、奇妙だけれど良いバランスで混ぜ合わさった演出でした。三条会はやっぱり凄い!って思いました。観に行ってよかった~。
⇒CoRich舞台芸術!『ロミオとジュリエット』
※南房総市シェイクスピア・カントリー・パーク/シアターホールで上演された作品の再演です。
劇場内は客席も含めて黒色で、ほぼブラックボックスの状態です。学校の教室の勉強机が舞台の4隅に置かれ、舞台奥のスクリーンに文字映像が映し出されるシンプルな装置。
三条会版「ロミジュリ」は、ベンヴォーリオ(中村岳人)が口上役としてあらすじをドンドコしゃべっていく4幕ものでした。セリフが部分的にスクリーンに表示され、それを朗読したりもします。三条会でこんな演出は初めて観ました。ベタなギャグもたくさんありましたね。公共ホールの開館記念公演ということで、小さなお子さま連れや演劇をよく知らないお客様のための戦略だったのでしょう。見事に機能していたと思います。
ベンヴォーリオは前説で、客席との距離を近づけるためにダジャレを連発しますが、それはシェイクスピア作品の特徴を表現するのと兼ね合わせられています。今回もやはり邦楽のポップスが大胆に使われました。それもまた同じ効果があります。
舞台4隅の席についている女性4人は、全員がジュリエット。ガムを噛んでいてとてもお上品とは言えない姿勢でイスに座っているジュリエットたちは、現代の若者を現しています。特に上手前でノートパソコンを触っている(文字映像のオペをしている)女の子などは、いわゆるイマドキの女の子っぽいサラリとしたふてぶてしさがありました。
蜷川版「ロミジュリ」では若さゆえの無鉄砲さ、劇団「木花」版「ロミジュリ」では熱に浮かされてうっかり命を落とす瞬間などが特に印象に残っています。『ロミオとジュリエット』の重要なキーワードは若さと情熱、それが引き起こす人の死(殺人・自殺ともに)なのかもと感じておりました。三条会版でも同じことが描かれているように感じながら、その表現方法のスマートさに唸りました。
残念だったのは音楽の音が大きすぎてセリフが聞こえないシーンが多かったこと。役者さんによって声が聞こえたり聞こえなかったりするのは、それが意図的な演出だったとしても、もったいない気がしました。
ここからネタバレします。
4人のジュリエットの衣裳は左側は赤、右側は白のドレスなので、真ん中で紅白に分かれています。特に下手前の赤いドレスの女(大川潤子)と、上手奥の白いドレスの女(寺内亜矢子)が対になっており、大川さんは人間の本性・本能(内側)で、寺内さんが人間の行動(外側)を体現しているように思いました。ロミオがいとこのティボルトを殺してしまったシーンで寺内さんは嘆き悲しみますが、大川さんはぎらぎらとした笑いを浮かべて興奮しながら、その殺人事件を楽しんでいるようでした。
下手から上手へと走り去り、次はまた下手から登場するという演出が何度もありました。『ニセS高原から』でもありましたが、俳優の動線が時間という数直線上を走っているように見えるので、物語が過去から現在、そして未来へと時間を越えて普遍的なものに感じられます。また、俳優がありえないところから再登場するので、空間を越える効果もありますよね。
男優さんは包丁を手にしており、戦う時に剣として使ったりしますが、ベンヴォーリオはそれをマイクに見立てたりします。マスコミの暴力(『THE BEE』でも感じました)や現代の若者がおこすナイフによる殺人事件なども連想されます。
三幕では大声でお茶の間の家族芝居(ジュリエットのキャピュレット家)が演じられました。家族という人間関係を風刺する、いわゆる茶番劇だったと思います。ここで声が聞こえなかったのが残念。
使われた音楽はTMネットワーク「SEVEN DAYS WAR」(映画「ぼくらの7日間戦争」主題歌)、安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」、そしてglobeのテクノ曲(曲名わからず)でした。小室哲哉シリーズですね。ミスマッチに苦笑しつつも、歌詞があまりにストーリーに合致しているため感嘆のため息が出るという(笑)、観客泣かせの選曲です。たまりまへん。
≪千葉市美浜文化ホール開館記念公演≫
出演=大川潤子、榊原毅、橋口久男、中村岳人、舟川晶子、立崎真紀子/寺内亜矢子(ク・ナウカ)、牧野隆二(ク・ナウカ)
原作=W.シェイクスピア 構成・演出=関美能留 照明=佐野一敏 制作=久我晴子 主催=千葉市、アートウインド運営企業体
1,000円 ※上演時間60分
http://www.sanjoukai.com
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2007年07月02日
NODA・MAP番外公演『THE BEE(日本バージョン)』06/22-07/09シアタートラム
小さな劇場で約1時間の異世界体験・・・あぁーもー最高!こういう演劇体験を心から楽しいと思います。贅沢だ・・・贅沢ってこのこと!
※描かれている題材は刺激が強いため、お好みは分かれると思います。
カーテンコールで野田さんより「演出、キャスト、装置もすべて違うロンドンバージョンが7月から始まります。この作品を気に入られた方は、チケットがロビーで販売されていますので、どうぞお買い求め下さい」とのご挨拶あり。すっごく楽しみです。
⇒CoRich舞台芸術!『THE BEE』
レビューをアップしました(2007/07/03)。
巨大な紙を使った演出がダイナミックでライブ感もあり、小学校の図工の時間のような遊び感覚も得られて、新鮮なワクワク感がありました。でもお話はとっても狂気じみた恐ろしいものなので、そのギャップにもゾクゾクします。
舞台奥の紙に映写される動画で、家の中や人の影などが表現されます。映像を使う演出はここ数年でほぼ常識のように多くなっていますが、だからこそセンスが問われるんですよね。緩急があって役者さんとのコンビネーションも粋な感じに決まっててかっこ良かったです。
冒頭から導入は踊りの振付のような身体表現でとってもリズミカル。ただ、いかにも振付な感じで私はちょっぴり冷め気味だったかも。めまぐるしく場面転換する前半から一ヶ所にとどまりじっくり見せる後半になると、作品のムードは一気に変化します。でも、ごく普通のサラリーマンだったはずの井戸(野田秀樹)が凶行に走る過程は、非常にスムーズでした。意外ななめらかさで、何のギャップもなく、“自然に”暴力に訴えるようになります。
パンフレットに野田さんが書かれて文章を少し引用します。
「暴力って理屈がないんですよ。人は世間の事件に対してどうにかして解釈を施そうとするけれど、実は暴力というものは頭で解することができない。なんとなくの体感でしか受け止め得ないものなんです。だからここで描かれる井戸の暴力も、どこからそれが始まっているのか明確にはわからない。蟻地獄みたいにずるずるっと段々と抜けられない穴にはまっていって、ふと気づくと圧倒的な“恐怖”が沈黙を支配している。」
暴力については劇団「木花」の『ロミオとジュリエット』で描かれていた、ティボルトとマキューシオの決闘シーンに重なりました。そして「いつのまにか、慣れていること」の怖さを、身近な自分の問題として受け取りました。
野田さんは静かに何もしないで立っている時、知的な輝きとそれに相応しくない(はずだった)暴力性が重なり合い、矛盾をはらんだ身体から何とも表現しがたい空気を発してらっしゃいました。秋山菜津子さんにひどいことをするシーンも、エロティックなムードがあって良かったです。『2001人芝居』(2001年の私のベストアクター)を思い出しました。
ここからネタバレします。
ある脱走犯に妻と息子(6歳)を人質に取られ、自宅に立て篭もられた男・井戸(野田秀樹)が、犯人の妻と息子(同じく6歳)を人質に、犯人の家に立て篭もります。報復の連鎖が起こり、一見単調な繰り返しから世界の表と裏が同時に見えてきます。
前半はマスコミの暴力や警察権力の腐敗などをコミカルかつ簡潔に描き、ピリっとした刺激が心地よかったです。
女(秋山菜津子)を犯して、寝て、ゴハンを食べて、子供(近藤良平)の指を切って、女に封筒に入れさせて、それを運び屋(浅野和之)に渡す。また女を犯して、寝て・・・の繰り返しはセリフなしで動きだけで表現します。何度も繰り返しますが、少しずつ変化が現れて(子供が死んだり、女から進んで動くようになったり)、何の変化も無いようでいて実はじわじわと確実に変化している、日常のしたたかさ・恐ろしさを感じました。
指の入った封筒を届ける男・百百山(浅野和之)は警部ですが、だんだんと武器商人のように見えてきて、小古呂(脱走犯)と井戸が彼の被害者であるように思えてきました。
映像で巨大な蜂(BEE)が飛び回り、最後の方は無数の蜂の群れが舞台全体を覆います。これが、なんとも・・・・わくわくしました。得体の知れない恐ろしさが、奇妙な快感になったのかもしれません。
出演:野田秀樹/秋山菜津子/近藤良平/浅野和之
原作:筒井康隆 原作「毟りあい」(新潮社)より~ 脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン 演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 照明:小川幾雄 音響・効果:高都幸男 映像:奥秀太郎 舞台監督:瀧原寿子 美術助手:秋山光洋 照明操作:熊崎こずえ 音響操作:近藤達史 映像操作:(株)NEGA 舞台部:高原聰 磯崎珠奈 企画・製作:NODA・MAP
5/13発売 6500円
http://www.nodamap.com/
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2007年07月01日
メルマガ 2007年07月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2007年7月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 38 2007.7.1 1,135部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◎2004年7月のメルマガ発行開始から3周年を迎えました♪
おかげさまで最初は152人だった読者数が、今では1,135人!
ご愛読くださり、本当にありがとうございます!!
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
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○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→NODA・MAP番外公演『THE BEE』
日本バージョン&ロンドンバージョン連続上演
06/22-07/29シアタートラム
http://www.nodamap.com/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→音楽座ミュージカル・Rカンパニー『アイ・ラブ・坊っちゃん』
06/01-10東京芸術劇場 中ホール
≪東京、名古屋、大阪、静岡、山形、神奈川、
茨城、高知、徳島、松山、福島、北海道≫
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0607011448.html
◆3【カナダ現代演劇祭2007が開催されます!】
◎シアターX(カイ)でカナダの現代戯曲が4作品連続上演されます。
http://www.canadiandramafestival.com/
◆4【編集後記】
◎“CoRich舞台芸術まつり!2007春”のグランプリが発表されました!
◎雑誌「TOKYO★1週間」が演劇フェスティバルを開催!
◎7月7日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL・コメント
▽座種の記述がない公演は全席指定。
★1.NODA・MAP番外公演『THE BEE』
06/22-07/29シアタートラム
☆日本バージョン6/22-7/9(日本語上演)
出演:野田秀樹/秋山菜津子/近藤良平/浅野和之
ロンドンバージョン7/12-7/29(英語上演・日本語字幕あり)
出演:キャサリン・ハンター/トニー・ベル/グリン・プリチャード/野田秀樹
原作:筒井康隆「毟(むし)りあい」(新潮社)より
脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン 演出:野田秀樹
全席指定6500円
http://www.nodamap.com/
当日券は電子チケットぴあ当日券専用ダイヤルにて全ステージ販売。
詳細⇒ http://www.nodamap.com/02thebee2/ticket.htm
●お薦めポイント●
日本版は高密度で爽快な約1時間でした。
ロンドン版はキャスト、演出、装置など、すべてが違うそうです。
主演女優のキャサリン・ハンターさんが凄いらしいですよ。楽しみ♪
※ロンドンバージョンは7/12より開幕。残席あり(2007/7/1時点)。
2.TBS/ホリプロ『お気に召すまま』
07/05-29シアターコクーン
≪東京、大阪、静岡、仙台≫
☆出演=成宮寛貴/小栗旬/吉田鋼太郎/高橋洋/他
作:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
S席9000円 A席7500円
http://blog.e-get.jp/ayli/
蜷川幸雄さんが演出するシェイクスピア。
オールメール(全員男性)シリーズで好評だった作品の再演です。
3.ワタナベエンターテインメント
『ミュージカル「ザ・ヒットパレード ~ショウと私を愛した夫~」』
07/10-31ル テアトル銀座
☆出演=原田泰造/戸田恵子/堀内敬子/瀬戸カトリーヌ/RAG FAIR/他
脚本=鈴木聡 音楽=宮川彬良 演出=山田和也
S席10,000円、A席8,000円、BOX席20,000円(2名様)
4歳以上有料、3歳以下入場不可。
http://www.hit-parade.jp/
クレージーキャッツやザ・ピーナッツが登場するミュージカル。
懐かしい曲がいっぱい楽しめそう。脚本はラッパ屋の鈴木聡さんです。
4.パルコ『The Last Laugh(ラスト・ラフ)』
07/11-22パルコ劇場
≪東京、大阪≫
☆出演=マーティン・フリーマン,ロジャー・ロイド・パック
脚本=三谷幸喜 演出=ボブ・トムソン
全席指定8,400円 日本語字幕付・英語上演
http://www.parco-play.com/web/page/information/lastlaugh/
三谷さんの傑作2人芝居『笑いの大学』の英国版です。
5.椿組07年夏・花園神社野外劇『花火、舞い散る』
07/13-22花園神社
☆出演=椿組/ほか 作・演出=田村孝裕
指定席=前売り4.500円
(毎ステージ限定50席・椿組のみ取り扱い)
前売り4.000円 当日4.300円(日時指定・整理番号付き自由席)
http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/hanabi.html
椿組の花園神社野外劇は、いまや東京・新宿の夏の風物詩!
今年の作・演出は注目の若手、田村孝裕さん(ONEOR8)です。
6.劇団ダンダンブエノ『砂利』
07/21-31スパイラルホール
≪亀有、水戸、岐阜、愛知、山口、東京≫
☆出演=坂東三津五郎、田中美里、片桐はいり、酒井敏也、山西惇、近藤芳正
脚本=本谷有希子 演出=倉持裕
前売6500円 当日6800円(未就学児童の入場不可)
http://www.dandanbueno.com/
ダンダンブエノは近藤芳正さんが主宰される劇団です。
本谷有希子さんの脚本を倉持裕さんが演出し、坂東三津五郎さんが主演。
7.ホリプロ『錦繍 KINSHU』
07/21-08/12天王洲 銀河劇場
☆出演=鹿賀丈史、余貴美子、馬渕英俚可、西川浩幸、西牟田恵、高橋長英、他
原作:宮本輝 著「錦繍」 脚本・演出:ジョン・ケアード
S席9,000円 A席6,000円 ※未就学児入場不可
http://www.gingeki.jp/special/kinshu.html
宮本輝さんの小説を舞台化。往復書簡の形式だそうです。
「レ・ミゼラブル」等で知られるジョン・ケアードさんの演出。
8.劇団昴『うつろわぬ愛』
07/25-29紀伊國屋サザンシアター
☆出演=宮本充/朝倉佐知/田中正彦/久保田民絵/西本裕行/内田稔/他
原作=アントン・チェーホフ 脚色=ロミュラス・リニー
演出=ジョン・ディロン 訳=沼澤洽治
一般5,000円 学生3,500円(大学生以下・劇団扱いのみ)
http://www.theatercompany-subaru.com/
1900年に執筆されたチェーホフの小説「谷間」を戯曲に(1988年)。
劇団昴のベテラン名優さんらが出演。
9.Piper『ひーはー』07/26-08/12本多劇場
≪東京、仙台、名古屋、福岡、広島、大阪≫
☆出演=川下大洋/後藤ひろひと/山内圭哉/竹下宏太郎/腹筋善之介/
楠見薫/平田敦子/水野美紀/片桐仁(ラーメンズ)
作・演出=後藤ひろひと
http://www.nelke.co.jp/stage/piper10th/index.html
後藤ひろひとさん率いるパイパーの本公演。元気に笑えそう。
※追加公演→7月29日(日)18:00 & 8月5日(日)18:00
10.TPTフューチャーズ -Summer 2007『三人姉妹』
07/27-31ベニサン・ピット
☆出演=オーディションで100人超の中から選ばれた若い俳優
作=アントン・チェーホフ 台本=広田敦郎 演出=門井均
一般4,000円 学生3,000円
http://www.tpt.co.jp/
選抜された若者たちによるtptのチェーホフ。みずみずしさを期待。
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
前売3000円台以下のお薦め作品を6本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
【1】ポツドール『人間・失格』
07/06-16三鷹市芸術文化センター 星のホール
☆脚本・演出=三浦大輔
前売3300円 当日3600円 その他会員割引などあり。
高校生以下1500円 ※未就学児の入場不可。
http://www.potudo-ru.com/
★【2】渡辺源四郎商店『小泊の長い夏』
07/12-16ザ・スズナリ
≪青森、東京≫
☆作・演出/畑澤聖悟
全席自由・日時指定
予約:一般3,000円/学生2,000円/高校生以下1,000円
当日:一般3,300円/学生2,300円/高校生以下1,300円
http://www.xbb.jp/wgs/
【3】ブラジル『天国』
07/18-22ザ・ポケット
☆作・演出=ブラジリィー・アン・山田
前売2,800円 当日3,000円
初日・平日マチネ割引 前売/当日2,400円
http://www.medianetjapan.com/10/drama_art/brazil/
【4】tsumazuki no ishi『犬目線/握り締めて』
07/19-23ザ・スズナリ
☆脚本=スエヒロケイスケ 演出=寺十吾
前売り3500円、当日3800円
http://tsumazuki.com/
★【5】ハイバイ『再演とプレビュー「ポンポン」と「兄弟舟」』
07/24-08/05アトリエヘリコプター
☆作・演出:岩井秀人
日時指定・全席自由
前半期間(7/24~30)前売り2000円 当日2500円
後半期間(8/1~5) 前売り2500円 当日3000円
※2本立て公演です。プレ公演「兄弟舟」では終演後に
アンケートを500円で買い取るキャッシュバックつき。
http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/
【6】三条会『三条会の「秘密の花園」』
07/20-25千葉公園内特設三条会屋外劇場(護国神社脇広場)
☆作=唐十郎 演出=関美能留
前売/一般:3,300円、学生:2,300円
当日/一般:3,500円、学生:2,500円
http://www.sanjoukai.com
≪夏休みこども向け≫
○子供のためのシェイクスピアカンパニー
『夏の夜の夢』07/16-23東京グローブ座
≪埼玉、茨城、東京、香川、大分、茨城、山口、福岡、三重、
愛知、神奈川、滋賀≫
☆脚本=ウィリアム・シェイクスピア 演出=山崎清介
S席4800円(1,2階席) A席4000円(3階席)
子供3000円(中学生以下・各席同料金)
ジーンズシート3500円※当日のみ・要学生証・3階両脇各回10席
http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
○シーエイティプロデュース『ミュージカル「フロッグとトード」』
≪東京、名古屋、大阪、山縣、福島、仙台、岩手、静岡、浜松、岡山≫
07/27-08/12博品館劇場
☆出演:川平慈英 石丸謙二郎 他
原作:アーノルド・ローベル 上演台本・訳詞:高橋亜子 演出:鈴木裕美
一般7,800円 子供5,000円(3歳以上小学校6年生まで)※3歳以上から入場可
http://www.stagegate.jp/performance/2007/frogandtoad/index.html
○新国立劇場こどものためのオペラ劇場『スペース・トゥーランドット』
07/28-30新国立劇場 中劇場
☆オペラ「トゥーランドット」(プッチーニ作曲)による 全1幕
編曲・指揮=三澤洋史 台本・演出=田尾下哲
全席指定 2,100円 ※日本語上演
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000042.html
≪ミュージカル≫
○ブロードウェイ・ミュージカル『ヘアスプレー』
07/18-08/05オーチャードホール
S席¥12,000 A席¥10,000 B席¥8,500 ※未就学児の入場不可
※英語上演 字幕付 ※生演奏
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/orchard/lineup/07_hairsp/index.html
◎しのぶの今月の全予定(30本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
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◆2 【先月のベスト3】
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1.音楽座ミュージカル・Rカンパニー『アイ・ラブ・坊っちゃん』
06/01-10東京芸術劇場 中ホール
≪東京、名古屋、大阪、静岡、山形、
神奈川、茨城、高知、徳島、松山、福島、北海道≫
☆7年ぶりに観て、やっぱり最初っから泣きどおし・・・!
劇中劇の構造に深みがあります。ずっと観続けていきたい和製ミュージカル。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0607011448.html
多地域公演は8/5まで続いています!
2.東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』
06/08-08/27帝国劇場
≪東京、福岡≫
☆恥ずかしながら、最後までちゃんと観たのは初めてでした。
一度聴いたらしっかり耳に残る音楽。豪華な装置、衣裳、キャスト。
「赦すこと」の偉大さを見せつけられ、何度も涙しました。
リピートされる方々のお気持ちがよくわかりました。
http://www.toho.co.jp/stage/lesmis/top.html
8/27まで東京で上演中!福岡・博多座公演は9/4から10/24まで。
3.東京ノーヴイ・レパートリーシアター『かもめ』
06/01東京ノーヴイ・レパートリーシアター
☆役柄として自然に生きている役者さんを目の前に観ながら、
ゲラゲラ笑って、ぼろぼろ泣きました。『かもめ』は喜劇だと実感。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0602215812.html
上記3つの他にもBunkamura『三人吉三』、新国立劇場『氷屋来たる』、
NODA・MAP『THE BEE(日本版)』、青年団若手自主企画『スネークさん』など、
6月は嬉しい出会いが沢山ありました♪
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2007年6月(観劇数27作品)は残念ながら発行しませんでした。
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◆3 【カナダ現代演劇祭2007が開催されます!】
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◎この7月、カナダの現代戯曲が4作品連続で上演されます。
http://www.canadiandramafestival.com/
カナダの演劇作品は何作か拝見しておりまして、とても面白いです。
『月の向こう側(the far side of the moon)』
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2002/1023232923.html
『ハイ・ライフ(High Life)』
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/1213142401.html
『やとわれ仕事(Odd Jobs)』
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1016172835.html
『生殖行為によって家族は作られる
(Families are formed through copulation)』
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0310004505.html
『不寝番(Vigil)』
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0528183419.html
4本通しチケット(10,000円)もあるんですね。
両国のシアターX(カイ)に毎週でも通いたくなっちゃいます。
シアターX:http://www.theaterx.jp/
≪1≫メープルリーフ・シアター『リタ・ジョーの幻想』
07/05-08シアターX
☆出演=内藤安彦/小金井宣夫/泉拓允/麻志那恂子/ほか
作:ジョージ・リガ 翻訳:吉原豊司 演出:貝山武久
全席指定 前売:4,000円 当日:4,500円 学生:3,000円
http://www.geocities.jp/mapleleaftheatre1/
≪2≫流山児★事務所『ヘレンの首飾り』
07/11-15シアターX
☆出演=伊藤弘子、甲津拓平、里美和彦、水谷ノブ、中田春介、立原麻衣
作:キャロル・フレシェット 英語訳:ジョン・マレル
翻訳:吉原豊司 演出:小林七緒
整理番号つき自由席 前売り3,200円 当日3,500円 学生2,000円
http://www.ryuzanji.com/r-helen.html
≪3≫マシュマロ・ウェーブ『You Are Here』
07/17-22シアターX
☆出演=松本紀保、久松信美、由地慶伍、坪井美奈子、古川悦史、
片岡正二郎、小林麻子、小橋豊
作:ダニエル・マカイバー 翻訳:吉原豊司 演出:木村健三
全席自由 前売・当日3,000円
http://marshmallow-waves.com/
≪4≫Studio Life『孤児のミューズたち』
07/25-08/05シアターX
☆出演=abriチーム:坂本岳大、石飛幸治、岩崎大、舟貝和利
borneチーム:楢原秀佳、倉本徹、小野健太郎、林勇輔
作:ミシェル・マルク・ブシャール 訳:佐藤アヤ子 台本・演出:倉田淳
全席指定 前売4,800円、当日5,000円
http://www.studio-life.com/stage/muses/index.html
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◆4 【編集後記】
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◎“CoRich舞台芸術まつり!2007春”グランプリは・・・
http://stage.corich.jp/html/fes_grand_prix.html
東京の劇団、風琴工房が受賞されました!おめでとうございます!!
100万円スポンサード公演は8月に北海道、10月に東京で上演されます。
http://www.windyharp.org/
◎雑誌「TOKYO★1週間」が演劇フェスティバルを開催!
CoRich舞台芸術!が全面的にサポートします。詳細は7/3発表です。
http://stage.corich.jp/html/next_fes.html
◎7月7日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
http://takegaki.k-free.net/
※PodCastingブログに↓アップされます(放送終了数日後)。
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2007年6月は下記の4作品を拝見しました。
・「それでもボクはやってない」←日本人必見かも。
http://www.soreboku.jp/index.html
・「長い散歩」
http://eiga.com/official/nagaisanpo/index.html
・「恋するトマト」←意外に波乱万丈。シビアで面白い。
http://theres.co.jp/tomato/
・「子宮の記憶/ここにあなたがいる」
http://www.shikyu-kioku.com/ ←音が鳴ります
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
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◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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