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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年08月03日

Studio Life『孤児のミューズたち』07/25-08/05シアターX

 男優集団Studio Lifeの小規模公演。The Other Lifeというシリーズです。ミシェル・マルク・ブシャールさんの戯曲を上演するのは、『LILIES』につづいて2度目なんですね。

 私はいちおしの林勇輔さんが出演される【borne】バージョンを拝見。※舟見和利さんが体調不良で降板されたため、両バージョンともイザベル役は林勇輔さんになっています。上演時間は約2時間20分(15分の休憩を含む)。

 メルマガでもご紹介しておりました「カナダ現代演劇祭2007」ですが、結局行けたのはこの作品だけ(涙)。やっぱりカナダ戯曲って素晴らしい~っ!!(過去レビュー⇒

 ⇒CoRich舞台芸術!『孤児のミューズたち

 ≪あらすじ≫ パンフレットより。(役者名)を追加。
 1965年4月、カナダのケベック州、ラク・サン・ジャン地方の小さな村。カトリック教会の保守主義が色濃く住民の意識を染め上げているそんな村で、小学校教師として勤めるカトリーヌは弟妹の行動に日々頭を抱えていた。周りじゃら知恵遅れと白い目で観ら得ている三女・イザベル(林勇輔)。母親の格好を真似してスカートを履き続け、10年間も小説を書きつづけている自称作家の長男・リュック(小野健太郎)。それぞれの勝手気ままな言動に振り回されながら「この家族はまともじゃない。それを受け入れて生きていくしかないわ!」と諦めにも似た心境の長女・カトリーヌ(楢原秀佳)。そんな時、カナダ軍大尉でドイツに駐屯中の次女・マルティーヌ(倉本徹)が帰ってきた。リュックの葬式に出席するために・・・。
 ≪ここまで≫

 舞台中央には木製のダイニングテーブルとイス数脚。舞台奥の黒い壁にチョークで書かれた窓枠や飾りぶちが素敵。

 密度の高い4人の会話劇を、音楽や照明の工夫で飽きさせないように工夫されていました。楽曲のジャンルが広かったですね~(ポップスやオペラ、賛美歌など)。すべてが作品にフィットしていたわけではなかったと思いますが、いつもの大規模公演よりもセンシティブな使い方で、私はかなり楽しめました。こんなにも悲惨な話を軽い感覚で、前向きな気持ちで味わえたという点で、演出の倉田さんに感謝です。

 生半可な気持ちでは取り組めない戯曲ですよね。役者さんの演技には少々差が出てしまってはいましたが、充分満足できる、内容の濃い4人芝居でした。
 母親が彼らのミューズ(インスピレーションの源)であり、実は彼ら自身も互いのミューズで、そして次の世に生まれる子どももミューズになるんですよね。
 あと、やっぱり人間を動かすのは恋なんだな~とも思いました。

 林勇輔さんの素晴らしいこと!いつも期待どおり魅せてくださいます。今作では期待以上だったかも。「知恵遅れ」(27歳なのに知能は11歳)とバカにされる三女イザベル役。とてつもなくキュートで、大らかな愛情に満ちていました。言葉が舞台で生きてるように感じます。コメディのセンスもさすが。
 イザベル「私はメンソール(のタバコ)が好き♪」

The Other Life vol.7 カナダ現代演劇祭2007 "Les Muses Orphelines"
出演=【abri】坂本岳大、石飛幸治、岩崎大、舟貝和利 【borne】楢原秀佳、倉本徹、小野健太郎、林勇輔 ※abri(アブリ)チーム 、borne(ボルヌ)チームのダブルキャスト公演。
作 : ミシェル・マルク・ブシャール 訳:佐藤アヤ子 上演台本・演出 :倉田淳 美術:松の潤 照明:森田三郎 山﨑佳代 舞台監督:土門眞哉 音響:竹内亮(OFFICE my on) 衣裳:竹原典子 美術助手:渡辺景子 演出助手:平河夏 荒川真寿恵 宣伝美術:及川健 小道具:高津映画装飾 デスク:釣沢一衣 揖斐圭子 大野純也 制作=稲田佳雄 中川月人 麻場優美 大田香織 那須千恵子 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子
【発売日】2007/06/24 前売 4,800円、当日 5,000円 ※「カナダ現代演劇祭2007」4本通しチケット:10,000円
http://www.studio-life.com/stage/muses/index.html

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Posted by shinobu at 2007年08月03日 14:11 | TrackBack (0)