今年最大の目玉公演と言っても過言ではない、超豪華キャスト&スタッフの公演です。ちゃんと初日に幕も開いて(笑)良かったですよね。
井上ひさしさんが描くチェーホフの人生。もっぱらヴォードヴィル(Wikipedia)。上演時間は約3時間(途中15分の休憩を含む)
平日夜は18:30開演ということもあってか、当日券は完売していませんでした。ご興味ある方は早めに観に行かれることをお薦めします。後半になると当日券も争奪戦になるでしょうから。
⇒CoRich舞台芸術!『ロマンス』
井上ひさしさんの生きた言葉が味わえることが、とにかく嬉しいです。ありがたいです。やはり今作でもチェーホフのセリフで何度も涙が流れました。
チェーホフの妹マリア・チェーホワを松たか子さん、妻オリガ・クニッペルを大竹しのぶさんが演じ、男優さん4人全員がチェーホフを演じます。少年(井上芳雄)、青年(生瀬勝久)、壮年(段田安則)、晩年(木場勝己)という風に。松たか子さん以外の役者さんはその他にも色んな役をかわるがわる演じられて、歌がいっぱいの音楽劇としてリズミカルに展開していきます。※松さんは前半に警官役がありましたね。
無意識にこまつ座の作風を期待していたようで、全体的に私には物足りなかったですね。光輝くような歓待の気持ちが伝わってこず、演技も予定通りにこなしているように感じ、サラっと通り過ぎることが多かったです。
私個人の感覚ですが、役者さんの中では井上芳雄さんと段田安則さんが良かったな~と思います。
ここからネタバレします。
人間だけが生み出せるもの、それは「笑い」。「チェーホフが愛したのはヴォードヴィルだった」ということから、この作品自体もすっかりヴォードヴィルとして作り上げるという趣向だったようですね。でも私が笑えたのは最後のトルストイ(生瀬勝久)ぐらいだったかな~。役者さんが笑わせるための得意技を披露されているように感じることが多かったです。
モルヒネ自殺をしてしまった役人の遺言「感嘆符~~~」で泣いちゃいました。
奔放なオリガの登場でマリアの心がゆらぎ、オリガの「たばこの煙の歌」が響く中のマリアの後ろ姿が良かった。※歌のタイトルは知りません。
壮年チェーホフ(段田安則 )が女優オリガと出会って「三人姉妹」の話をするところの、段田さんの演技が素敵でした。
出演=大竹しのぶ 松たか子 段田安則 生瀬勝久 井上芳雄 木場勝己 ピアノ演奏=後藤浩明
作=井上ひさし 演出=栗山民也 音楽=宇野誠一郎 美術=石井強司 照明=服部基 音響=秦大介 衣裳=前田文子 振付=井手茂太 歌唱指導=伊藤和美 演出助手=豊田めぐみ 舞台監督=三上司 プロデューサー=北村明子(シス・カンパニー)、井上都(こまつ座) 制作=高林真一・谷口泰寛(こまつ座)、荻原朱貴子・李銀京(シス・カンパニー) 提携=世田谷パブリックシアター 企画・製作=こまつ座&シス・カンパニー
【発売日】2007/06/16 全席指定 S席8400円 A席6300円
http://www.komatsuza.co.jp/
http://www.siscompany.com/03produce/18romance/
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