マキノノゾミさんが作・演出される劇団M.O.P.(エム・オー・ピー)。思いっきりウェスタン(西部劇)でした。楽しかったぁ~~~っ!!
上演時間は約2時間40分(途中10分の休憩を挟む)。長いようで実際はアッという間でした。だって色んなサービスが満載で・・・♪ これから観に行かれる方はどうぞ遅刻しないでください!
今回は大人気の小市慢太郎さんは出演されていませんが、劇場ロビーの物販コーナーにいらっしゃいました。ファンの方に握手までしてらっしゃって、「あぁ、劇団っていいな~」と思っちゃいました。
≪あらすじ≫1992年公演のあらすじより、途中まで引用。
1887年、アリゾナ州トゥームストーン。かつてOK牧場の決闘が行われた街。
寂れていく街、失われていく西部魂を惜しんで、少年新聞記者・エリオット・ホープは作家・サミュエル・クレメンズ(サム=マークトゥエイン)に手紙を書く。サムは、有名なガンマンやギャングを呼び集め、「OK牧場の決闘」を再現することを提案する。
噂を聞いて集まってくるガンマンたち……ワイアット・アープとドク・ホリデイ。炎の女ガンマン・カラミティ・ジェーン。ビリー・ザ・キッドを撃ったと言われるパット・ギャレット。バリー・ハグレーJr.率いるバリーズ・ギャング……。その中に、記憶を失って荒野をさまよっていた謎の青年もいた。
街の写真屋にしてギャンブラーのチャーリー・スカイの協力もあり、街は活気を呈する。苦言を呈するのはお堅い女教師のミス・サラ・ブラウンくらい。そして、夥しい見物人が見守る中、「OK牧場の決闘」が再現される……。
≪ここまで≫
派手なウェスタン・ルックで拳銃をあやつる悪党。胸元が大きく開いたドレスで挑発する娼婦。スーツに帽子でカチっと決めた保安官と市長。乾いた土に閉ざされたへき地を連想させる舞台で、物語は酒屋から始まります。設定は“OK牧場の決闘”から6年経ったトゥームストーン。
いかにも西部劇らしいムードでドンドコ盛り上がっちゃうのが楽しいです。いい大人が思いっきりガンマンになりきって、ギャグやって、本気の遊び心が痛快!東京公演初日ということで、巨大な装置が動かなくなる事故がありましたが(笑)、別に平気だったぐらい面白かったです。
西部劇のスターを勢ぞろいさせるという大胆なエンタメ脚本なんですね。もしかしたらストーリーに無理がある所もあったかもしれませんが、私は深く考えることなくスカっと楽しめました。西部劇を知っていれば、それはそれで細かいところをじっくり楽しめるんじゃないかしら(残念ながら私は西部劇のことはよく知らないんですが)。
ニセの「OK牧場の決闘」の後にも驚きの展開が待ってます。『黒いハンカチーフ』『虚飾の街に別れのキスを』を思い出しました。
保安官ワイアット・アープ役の浅野雅博さん。イイ格好しいでズルくて情けない男なんだけど、どうしても憎めない、可愛いらしい保安官でした。笑わせてくれます。
バーテンダーのマーシー役の片岡正二郎さん。色んな弦楽器を愉快に、軽やかに演奏してくださいました。
ここからネタバレします。
オープニングは出演者総出で楽器演奏&合唱!こりゃびっくり&嬉しいですよ!カーテンコールでも演奏があったんですよね~、しかもトランペットやトロンボーン、サックス、ドラム、エレキギターなど新しい楽器も多数登場して。役者さんは皆さん芸達者ですね~。
棒に馬の首がついたギャロップ(?)と呼ばれるおもちゃをまたいで、真剣に馬に乗っている演技をするのが可笑しいです。でも最後の死闘に挑む時は、全員が横一線に並んで勇ましくパッカパッカする姿にホロリと涙するぐらい、カッコ良かったんですよ~!
ドク・ホリデイ(神農直隆)とカラミティ・ジェーン(キムラ緑子)が助けたジェロニモ(田尻茂一)が、最後に2人を助けに来てくれたのがタイムリー。コケにしたゲイリー少尉(本郷小次郎)もちゃんと復讐に来ましたね。きちんと“お約束”をキメてくださって、素直に面白いです。
“エンジェル・アイズ”とは、飢えてボロボロになっていた少年(木下政治)の名前で、彼の正体はビリー・ザ・キッドでした。
≪京都、東京、大阪≫ “THE LAST DAY AT TOMBSTONE”
出演=キムラ緑子 三上市朗 林英世 酒井高陽 木下政治 奥田達士 勝平ともこ 白木三保 岡村宏懇 友久航 塩湯真弓 永滝元太郎 竹山あけ美 塩釜明子 神農直隆 岡森諦(扉座) 浅野雅博(文学座) 平良政幸 田尻茂一(アクションクラブ) 片岡正二郎 海部剛史 大原やまと 斎藤栄作 藤元英樹 本郷小次郎
作・演出=マキノノゾミ 舞台美術=奥村泰彦 音楽=川崎晴美 清水一雄 音楽製作=鈴木ひさし ミキシングエンジニア=宮原弘貴 Bass=田中豊雪 振付=前田清実 振付助手=河野有紀子 照明=大川貴啓 音響=堂岡俊弘 衣裳=三大寺志保美 ヘアメイク=武井優子 ヘアメイク協力=プロメイク舞台屋 演出部=岸京子 舞台監督助手=橋本律子 舞台監督=藤吉成三 宣伝デザイン=鳥井和昌 写真=山脇孝志 制作=橋本香苗(コマンドエヌ) 制作助手=こばちえ(コマンドエヌ) 制作協力=加藤昌史(ネビュラプロジェクト) 山中歌子(ネビュラプロジェクト) 奥井美樹 主催・企画・製作=劇団M.O.P.
前売開始 2007年7月15日(日) 5,500円(全席指定・税込)
http://www.g-mop.com/
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