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Shinobu's theatre review
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REVIEW

2007年09月02日

innerchild『アメノクニ/ヤマトブミ~Children of The Sun~』08/31-09/09吉祥寺シアター

 小手伸也さんが作・演出・出演されるinnerchild(インナーチャイルド)。『アメノクニ/フルコトフミ~八雲立つユーレンシア~』の続編です。前作を観ていなくても大丈夫かと思います。上演時間は約2時間10分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『アメノクニ/ヤマトブミ~Children of The Sun~

 ≪あらすじ≫ CoRichより
 過去・現在・未来を同時通訳的にイメージした架空の世界を描く「〈連作〉アメノクニ」
 ヤスマールの手によって完成した国史(神話)「フルコトフミ」。切られた戦争の火蓋。しかし、「アメノクニ」の巨大な力によって戦争が終結した時、裁かれるべきこの国は、新国家に相応しい新たな「神話」の編纂を迫られた。
 日本神話の世界観を通じて「日本人の心性」を探ってきたinnerchildが今度は「神話を書いた側」に視点を移し、神話という物語の新たな深遠に迫る。
 「神話」は決して「神」のみずから書かれた物ではない。そう…全ての「物語」は物語るため、「人」よって創られる――
 ≪ここまで≫

 吉祥寺シアターの大きな空間を、すっきりとした開放感を保ちつつ、きちんと使いきった美術だったと思います。舞台中央には大きな丸いスクリーンがあり、文字映像や回想(前回公演のシーン)が映されます。前回同様、オープニングの人物紹介がかっこ良かったです。

 言葉できっちり説明していくことに面白みを感じると同時に、言葉ばかりに重点が置かれている状態に退屈したりもして、集中できる時とできない時との差が大きかったです。役者さんの演技にもよるのだと思います。

 小手さんのパンフレットの文章より、一部抜粋して引用↓。
 『生きてるってことはそれだけで「物語」の最先端を記してるってことで、「物語る」ってことは、いつだってその相手がいるってことだ。だから、語る口と聞く耳を持つ限り、孤独なんてありえない。』

 ここからネタバレします。

 人名や史実の呼び方は変えられていますが、ポツダム宣言受託、終戦、GHQ設置、東京裁判・・・という終戦直後の日本の出来事になぞらえ、物語は進行します。
 大昔のような、遠い未来のような、それでいて1945年のような、時代設定のミクスチャーが面白かったです。

 神話だって憲法だって人間が書き残したもの。その裏には色んなドラマ(物語)があったことでしょう。それを読み取ろうとする、聞こうとする耳を持つことが大事だなって思いました。

 高山奈央子さん(KAKUTA)。GHQ総督(?)役。凛としてらして、とてもかっこ良かったです。

出演=小田篤史(東京コメディストアj)、狩野和馬(InnocentSphere)、金順香(劇団アラン・サムセ)、高見靖二(チャリT企画)、松崎映子(マシンガンデニーロ)、三原一太(はらぺこペンギン)、石橋晋二郎、菊岡理紗、古澤龍児、土屋雄、三宅法仁、宍倉靖二、石川カナエ、小手伸也、進藤健太郎(無名塾)、久保田芳之(reset-N)、前田剛(BQMAP)、高山奈央子(KAKUTA)、春名舞、山森信太郎、善澄真記
脚本・演出:小手伸也 舞台監督:筒井昭善 舞台美術:筒井昭善・小手伸也 照明:榊美香((有)アイズ) 音響:尾林真理 衣装:渡辺まり 映像:荒川浩輝(ミヤコハンター) メイク:荻原麻弥 小道具:桜井徹 宣伝美術:土谷朋子(Citron Works) 写真撮影:引地信彦 演出助手:三嶋義信(innerchild) 制作:田中絵美(J-stage Navi) インナーチャイルド制作部 企画・制作:innerchild
【発売日】2007/07/31 全席指定 土日3,800円/平日3,500円 (☆上映会=前売当日共通/500円)  (☆上映会=全席自由)
http://www.innerchild-web.com/

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Posted by shinobu at 2007年09月02日 18:56 | TrackBack (0)