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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年09月13日

FICTION『石のうら』09/06-10新宿シアターモリエール

 FICTIONは山下澄人さんが作・演出・出演される劇団です。山下さんが富良野塾出身だからか、いつも北海道公演があるんですね。私は2度目(⇒過去レビュー)。

 DMに「このDMを書いている時点では何も決まってません」と書いてあると、行くのを躊躇しますよね、ありのままを見せてくださっているのはよくわかりますが(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『石のうら

 ≪あらすじ≫
 いつも罵り合っている老夫婦が暮らすボロアパート。ある朝早く大地震が起こって・・・。
 ≪ここまで≫

 トタンや廃材らしき素材で組み立てられた装置。口の悪い“役立たず”なおじいさん、前科者、知的障害者、小児麻痺(おそらく)の症状のある人など、現代社会においてマイノリティとして扱われがちな人々が登場します。

 汚いしにくたらしいけど、愛らしい人間の姿。目も当てられない惨状を、不謹慎だとはわかっていながらプっと吹き出して笑ってしまいます。あけすけな言葉にスカっとしたりもしました。FICTION独特の世界なんだろうと思いますが、今作はおじいさん役の山下澄人さんに重点が置かれ過ぎているように感じて、ちょっと飽きが来ちゃったりも。

 ここからネタバレします。

 阪神大震災のお話でした。「今はこんな時だからみんな優しいけど、何もかもなくなって新しいものが建てられたら、絶対相手にしてくれなくなる(邪魔者扱いされる)」という言葉に、すごく説得力があります。

 地震でも火事でもなく、おじいさんに頭を蹴られたせいで死んだおばあさんが、天国からちらっと出てくるシーンは、笑っていいのか泣いていいのか、とても複雑な気持ちになりました。

 妻を失った若い男性役と工場で働くまっさん役(小児麻痺?)を1人で演じられていたのには驚き(笑)。

≪東京、富良野、旭川、札幌≫
出演=山下澄人、山田一雄、井上唯我、荻田忠利、大西康雄、竹内裕介
作・演出=山下澄人 照明=高橋秀彰 音響=別所ちふゆ 舞台監督=バタヤン 宣伝美術=西山昭彦 その他全部=FICTION 企画・制作=OFFICE FICTION プロデューサー=白迫久美子 制作協力=井上淳司
前売り 指定席3,300円/自由席3,000円 当日(指定自由とも)3,500円 学割2,500円/複数回割引2,000円 *学割、複数回割引きは自由席で劇団のみの販売
http://www.fiction.gr.jp/

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Posted by shinobu at 2007年09月13日 20:26 | TrackBack (0)