赤堀雅秋さんが作・演出されるTHE SHAMPOO HAT。新劇団員の女優さんも増えた劇団公演です。
初めてシャンプーハットを観たのは『アメリカ』でした。びょーびょー泣いて大変だったんですよね~(笑)。今回は、その『アメリカ』以来の号泣をしてしまいました。改心の一撃!を受けてしまった気分。
⇒CoRich舞台芸術!『その夜の侍』
≪あらすじ≫
妻をひき逃げされた男(赤堀雅秋)が、ひき逃げ犯に復讐しようとしている。決行まであと2日。
≪ここまで≫
シャンプーハットの舞台にしては珍しい抽象空間。床には十字架のようにクロスする道。音楽がすごくかっこいいです。曲だけで泣けてきたりしました。
笑いも少なめですし、非情な暴力やあきらめるしかないすれ違いなど、観ていて胸が苦しくなるほどつらいことが淡々と、生々しく描かれます。男が自分を追い詰めて、追い詰めて、追い詰めた結果、体から出てきてしまった本当の気持ちを吐露した時、涙が止まらなくなってしまいました。
ここからネタバレします。
とうとう犯人・木島(野中隆光)と対面した健一(赤堀雅秋)。包丁を持っていた彼から発せられた言葉は。※セリフは正確ではありません。
「(犯人と)たわいのない話をしたかった。昨日見たテレビの話とか、何を食べたかとか。」
妻が死んでから3年間ずっと、死んだ妻を求め、犯人を恨んできた健一は、死刑執行の日(妻の命日)の1ヶ月前から犯人を観察していました。毎日ポストに脅迫状を残して。
そんな気持ちに支配されて生きるのはつらいですよね。できることなら忘れたい。恨むことから逃げたい。健一は「そのためには殺すしかない」と思っていたけれど、ずっと観察するうちに木島という人間を見るようになってきて、ただの標的じゃなくなったのかなと思いました。
世の中には納得できないことばかり。だから、本気で話をする。それでも解決なんてできないかもしれない。でも、あきらめないで、勝手に決めないで、話し合う。そうすれば解決はしなくても、次には進めるかもしれない。生きることができるかもしれない。・・・そんなことを考えました。
舞台中央奥から客席に向かって、健一がぬぼーっと歩いてくるシーンがきれいでした。
出演=野中隆光 日比大介 児玉貴志 多門勝 黒田大輔 滝沢恵 吉牟田眞奈 梨木智香 赤堀雅秋
作・演出=赤堀雅秋 舞台監督=高橋大輔+至福団/中村貴彦 照明=杉本公亮 音響=田上篤志(atSound) 舞台美術=福田暢秀 舞台製作=F.A.T STUDIO 照明操作=高円敦美 宣伝美術=斉藤いづみ 舞台写真=有賀傑 舞台収録=♀GUCCi♂ 演出助手=武田有史 制作助手=岩堀美紀 谷慎 河野美有紀 web制作=野澤智久 制作=HOT LIPS 武田亜樹 制作協力=西田圭吾 統括=野中隆光 企画製作=HOT LIPS
【発売日】2007/08/19 指定席 前売¥3500 当日¥3700 自由席 前売¥3200 当日¥3400 【平日マチネ(10/4 15時の回)】 指定席 前売¥3200 当日¥3400 自由席 前売¥3000 当日¥3200
http://www33.ocn.ne.jp/~shampoohat/
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