安奈淳さんがエディット・ピアフを歌う、贅沢な小空間。平日マチネは優雅なマダムで満席で、ちょっとル・テアトル銀座みたいなムードの意外なベニサン・ピットでした。
上演時間は・・・忘れちゃいました。すみません。約2時間30分だったように思います(途中15分の休憩を含む)。
ちょうど映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』も上映中ですね。信用できる演劇筋のお友達から絶賛の声が届きました。観たいな~。
⇒CoRich舞台芸術!『PIAF ピアフ』
tptらしいシックな美術。役者さんの演技は残念ながら全体的におぼつかない感じで、演出はちょっと説明しすぎな印象でした。でも、とにかく安奈淳さんの歌が素晴らしい!これに尽きると思います。
エディット・ピアフというと私は美輪明宏さん主演の『愛の賛歌』と、あとはテレビで何度か映像を観たぐらいの知識しかないのですが、もーあの歌を聴くだけで涙がボロボロ流れてしまいます。
ピアフの半生をたどっていく内に、安奈さんの歌う表情が深くなっていって、終わりに近づけば近づくほど声も力強く、感情の表出も豊かになっていきました。
今さらですが、人間の感情って素晴らしいなって思いました。揺れたり膨らんだり、色んな形・色になって身体から湧き出てくるんですよね。それが歌声に乗って大きな波紋を描いて、劇場いっぱいに満ちるのを、全身で味わうことができました。
ここからネタバレします。
ピアフが弱ってしまって車椅子の生活になってから、演技もシーンも面白く観られるようになりました。恋人を欠かすことがなかった魅惑の女性としてのピアフ像を、もっと味わいたかったですね。なぜ若い男性があんなに彼女に惹かれるのか、その説得力が欲しいです。
カーテンコールの後に安奈さんの「愛の賛歌」ソロ。歌詞は越路吹雪さんが歌われた日本で有名なものとは違っていたんじゃないかしら。またもや落涙。
出演=安奈淳、瀬戸口剛、島村勝、TROY、井上裕朗、青山吉良、有希九美、松岡美希、新井祐美、武田優子、石橋祐、小寺悠介、三貴将史、清水隆伍、大和屋ソセキ、ピアノ=阿部篤志
作=パム・ジェムス /訳=常田景子 /演出=亘理裕子 /音楽監督=後藤浩明 /美術=中根聡子 /照明=笠原俊幸/音響=内藤博司・岩楯岳志/衣裳=萩野緑 /ヘア&メイクアップ=鎌田直樹/ステージング=中村音子/舞台監督=森聡/アドバイザー=菅原道則
【発売日】2007/08/23 全席指定6,000円 学生3,000円(TPTのみ取扱い)
http://www.tpt.co.jp/
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