MCR(エムシーアール)はドリルこと櫻井智也さんが作・演出される劇団です(過去レビュー⇒1、2)。
今回は『慈善 MUST BE DIE』と『マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック』の2本立て公演。初日から4日間はロングラン割引で2500円です。『慈善 MUST BE DIE』初日を拝見しました。上演時間は約1時間25分。
⇒CoRich舞台芸術!『慈善 MUST BE DIE』
≪あらすじ≫
愛しすぎてストーカーまでしちゃってた女の子が目の前で死んだ。どうしよう。でも今となってはそんなことは大したことじゃない。だって部屋の外はゾンビだらけなんだから。
≪ここまで≫
『MCR LABO』シリーズの短編の1つを膨らまして作劇されたようです。ゾンビに囲まれているので「慈善の精神でいても死ぬだけ」なのですね。元気に熱くセリフを語るタイプの演技で、キャラクターもはっきりしています。私にはちょっと懐かしい感じもしました。
登場人物のセリフに表れている、人間の行動の裏にある本音や欲望についての作家(ドリルさん)の考えが面白かったです。お話がどう進むのか、結末がどうなるかよりも。
役者さんの演技はまだ本調子ではないように見えました。初日ですので、これから伸び伸びされていくのだろうと思います。
突然、櫻井智也さんの声が出なくなるというハプニング(事故?)がありました。思いっきり本番中ですから、舞台上で不都合があったのかもしれませんよね(観客にはわかりませんが)。明日の夜には回復されると良いですね。
ここからネタバレします。
ゾンビに噛まれた人はもれなく死んで、すぐにゾンビになってしまいます。“歩いてかわせる速さで動くゾンビ”から逃げつつ愛する人を探していたり、友達がゾンビになってしまうのを力なく待つしかなかったり。死の恐怖と隣り合わせになった者同士が、赤裸々に持論(主に恋愛について)を展開しまくるのが面白いです。ただ、役者さんのセリフが理論の説明みたいに聞こえることが多かったのは残念。ゾンビが増殖して追い詰められている状況ももっと強く感じたかったです。
『慈善 MUST BE DIE』の「MUST BE DIE」は、文法的には「MUST BE DEAD」じゃないのかしら。
「慈善 MUST BE DIE」出演=北島広貴/上田楓子/伊達香苗/宮本拓也/櫻井智也 /有川マコト(絶対王様)/中川智明/小野ゆたか(パラドックス定数)/諌山幸治(ブラジル)/山田奈々子/石沢美和(SQUASH)/星野友紀
作・演出=ドリル 舞台監督=金安凌平 舞台美術=袴田長武(ハカマ団) 照明=久保田つばさ(M Light) 音響=平井隆史(末広寿司) 宣伝美術・映像・撮影=メリケンサック 音楽=木村世志雄 演出助手=松下哲 制作チーフ=丸山かおり(MCR) プロデューサー=八田雄一朗(MCR) 製作=MCR
【発売日】2007/09/01 通常料金:3,000円 ロングラン割引(10/3-10/6全公演):2,500円 2ステージセット券:5,000円
http://www.mc-r.com/
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