五反田団の前田司郎さんがオーディションで出会った方々と、京都で2年がかりで創作された作品です。昨年発表された『ノーバディー』がベースになっているそうです。出演者は18人。
じーっと見つめて、クスクス笑って、自分にあてはめて考えて、最後は涙がこぼれました。観終わった後、すごく幸せになりました。
上演時間は約1時間45分。後方の席はだんだん暑くなってきます。暑さが苦手な方は前方に座られると良いと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『生きてるものはいないのか』
たとえば列車が止まるはずのない所で急停止したら、隣の席の知らない人と「何があったんでしょうね」などと話し合ったりしますよね。複数の人間がある危機的状況を共有すると、平時には起こりえない連帯感が生まれます。それはもう奇跡的ともいえるほどのシンクロ率の。くだらないことにこだわっていられなくなりますからね、地位とか体裁とか。そこでおのずと表出してくる人間のありのままの姿を、滑稽に、ぶざまに、愛らしく見せてくださいました。
「1人はヤだよ」という、真っ裸になった心の声が聴こえた気がしました。私も・・・1人はヤだな。誰かと一緒にいたいです。たった1人になるぐらいなら、どんな人でも、生きてる人と一緒に居て、その存在を感じていたい。お互いに影響し合いたい。・・・やっぱりただの寂しがりやなんですよね、私は。こんなことを素直に認められたことが、ちょっと恥ずかしいけど、嬉しいです。今の自分の暮らしに感謝しなきゃね、って思います。
ここからネタバレします。
なぜかバタバタと突然に人が死んでいきます。咳をしたり腹痛が始まったり症状はさまざまですが、一様にもがき苦しんでから死にます。あっという間に。学生や大学、病院の職員らがおろおろ・ジタバタしながらただ死を待っている内に、世界中で同じことが起こっていることがわかります。
酢昆布を食べてたら咳き込んでバッタリ死んじゃったり。最期の言葉をかっこよく言おうと思ったら全部言い切れなかったり。好きな女に遺言を残したんだけど、テープに録音したのが弾き語りのラブソング(なぜかフラッシュダンスとマイムマイム)だったもんだから、思いっきり嫌がられたり。何種類もの死に様を一気に見て、人間の死に際について色々考えました。「立つ鳥後を濁さず」って大事だな、とか。死んだら本当に終わるんだな、とか。
≪京都、東京≫
出演:浅井浩介、荒木千恵(同志社小劇場)、上田展壽(突劇金魚)、大山雄史、岡嶋秀昭、尾方宣久(MONO)、駒田大輔、鈴木正悟、立蔵葉子(青年団)、中村真生(青年団) 長沼久美子、新田あけみ、野津あおい、肥田知浩(劇団hako)、深見七菜子、松田裕一郎、宮部純子、用松亮、森岡望、※荒木千恵と中村真生はダブルキャスト 私が観た回はどちらが出演だったか不明。11/6(火)のみ松田裕一郎に代わり黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)が出演。
【作・演出】前田司郎 【舞台監督】浜村修司、【舞台美術】@gm、【照明】高原文江(真昼)、【照明オペ】山口久隆(S-B-S)、【宣伝美術】木村敦子、【制作】榎戸源胤 和田克己、【票券管理】三橋由佳、【企画】橋本裕介 丸井重樹、 【企画制作/稽古場提供】京都芸術センター 【主催】五反田団 【提携】(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
チケット発売日 2007年10月1日(月) 料金:2,000円(予約・当日共) 日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付き
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
http://www.tp-kac.com/KAC_TP_j_maeda.html
http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_10/gotandadan.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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