パラドックス定数の野木萌葱さんの戯曲を板垣恭一さんが演出されます。『38℃』を上演予定でしたが、『731』を改訂した『棄憶~kioku~』に演目変更になりました。
野木さんの演出よりもエンターテインメント色が濃く、登場人物の個性がそれぞれに鮮やか。野木さん演出も私好みですが、今作もとても面白かったです。今月末から始まる野木さんの新作、パラドックス定数『東京裁判』も楽しみです。
⇒休むに似たり。
⇒CoRich舞台芸術!『棄憶~kioku~』
≪あらすじ≫ チラシより
1948年。
第二次世界大戦から3年弱が好き、あの部隊に居た男達に一通の手紙が届く。
封筒の裏には「ここ」の住所と日時が記載されている。
差出人名無し。
その場所は旧陸軍軍医学校跡地。
現在は廃墟になった「ここ」に何故彼等は集められたのか。
…あの「棄憶」が蘇る。
≪ここまで≫
辰沢士郎役の大内厚雄さん。ものすごく華があって、立ち姿に見とれました。
ここからネタバレします。※セリフは正確ではありません。
ペスト菌を培養していた日村鉱一(山本佳希)が「私は味方の兵士を殺すために研究していたのではない!」と叫んだ時に、胸がぐっと締め付けられる気がしました。里中恭輔(有馬自由)の「(非道な)人体実験で死んだ3000人のデータで、これから何千人もの人間を救うのだ」という発言にも、息ぐるしさをおぼえました。誰もみな自分なりの正義があります。何かを例外扱いしたり、思考から完全にはずしていく恐ろしさを感じました。
G-up Backup series
出演=大内厚雄、山本佳希、有川マコト、熊野善啓、有馬自由、工藤潤矢、酒巻誉洋(elePHANTMoon)
脚本=野木萌葱 構成・演出=板垣恭一 照明=正村さなみ(RISE) 操作担当=池田智哉(劇団ギリギリエリンギ) 舞台協力=金安凌平 衣裳協力=名村多美子 音響協力=天野高志(Office my on) 志水れいこ 宣伝美術=蛍 web制作=岩根ナイル(mixed) 写真撮影=田中亜紀 制作協力=SUI 制作=G-up プロデューサー=赤沼かがみ 企画・製作=G-up
【発売日】2007/10/01 前売 3,300円/当日 3,500円(整理番号付自由席・日時指定)
http://www.g-up.info/
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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