文学座の座付き作家として活躍した森本薫さん(1946年に34歳で亡くなっています)の戯曲の2本立て公演です。残念ながら時間の都合がつかず、前半の『かどで』のみ拝見しました。
上演時間は『かどで』が約1時間、15分の休憩の後、『華々しき一族』が約1時間45分(だったと思います)。
⇒CoRich舞台芸術!『華々しき一族/かどで』
≪『かどで』あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
郊外。サンルームの客間。経済学の学者である外彦(浅野雅博)の妻・とも子が病床に臥してすでに二年。病床の妻の気は荒み、いやみっぽい感情は、強くなる一方である。母・やす子(倉野章子)は、娘婿に対する気兼ねも合って気が重い。とも子の看病にあたっているのは家政婦の千哿子(添田園子)。ある日、やす子の弟・仙二郎(中村彰男)がやってくる。妻に先立たれ商売もうまくいかず、不運続きであるのにどこか開き直ったかのような態度の仙二郎。仙二郎の存在が静寂なこの家にさざなみをたてていく・・・。
≪ここまで≫
木造で洋風のセンスの良い居間。シックで上品。出てくる役者さんも着物(洋服)の着こなしに清潔感があって、さすが文学座だわ~というのが第一印象。演技については4人の調和が物足りない感じでした。浅野さんと添田さん、浅野さんと倉野さんの2人対話シーンが良かったです。
思いやりがあって生真面目で良い人たちばかりだからこそ起きる、悲しいディスコミュニケーション。言葉も丁寧で良いお話だなと思いました。『華々しき一族』が観られず残念。
ここからネタバレします。
外彦に想いを寄せる家政婦の大沢さん(添田園子)と外彦(浅野雅博)が抱き合っちゃうシーンが素敵。それを2階から戻ってきたやす子(倉野章子)が目撃してしまうのもさらに素敵(笑)。
気まずい間の後、2人きりになった外彦とやす子。やす子の後ろ姿を見つめる外彦の視線がものすごく色っぽくて、何事かと思ったら・・・恋心だったのねっ!?・・・これには衝撃を受けました。
倉野さんは大好きな女優さんで、演技もいつも面白いし魅力的なんですが、この設定にはちょっと・・・年齢が合ってないんじゃないかと、正直なところ、思いました。文学座公演では『赤い月』でもそう思ったんですよね。気にならなければOKなのでしょうが、私は気になってしまいました。
「かどで」出演:添田園子、中村彰男、倉野章子、浅野雅博
「華々しき一族」出演:飯沼慧、稲野和子、高橋克明、石井麗子、高橋礼恵、押切英希
脚本:森本薫 演出:戌井市郎(華々しき一族)、森さゆ里 (かどで) 美術:石井強司 照明:古川幸夫 音楽:池辺晋一郎(華々しき一族) 音響効果:秦和夫(華々しき一族) 秦大介(かどで) 衣裳:伊藤早苗(かどで) 舞台監督:三上博 制作:富田欣郎 票券:最首志麻子 宣伝イラスト:オザワミカ 宣伝デザイン:森さゆ里
【発売日】2007/10/29 前売・電話予約4000円 当日4300円 ユースチケット2,500円(取扱い文学座のみ)
http://www.bungakuza.com/hanabanakadode07/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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