野田秀樹さんが作・演出・出演されるNODA・MAP。12月から1月の2ヶ月間の東京公演はもう恒例ですね。妻夫木聡さんと広末涼子さんというスターを迎えた『キル』の再々演です(初演は1994年、再演は1997年)。
昨年末は妻夫木さんが声を枯らしているという感想をよく聞きましたが、年が明けて復活されたようです。上演時間は約2時間25分(途中休憩15分を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『キル』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
羊の国(モンゴル)の洋服屋の息子テムジンは、父の憎しみを受け成長するが、父はファッション戦争に敗れ命を奪われてしまう。
そんな父の遺志を受け継ぎ、祖先の名を冠したブランド「蒼き狼」による世界制覇の野望を抱き、羊毛の服で大草原のファッション界を制していく。
そして、腹心・結髪の仲介で絹の国(中国)から来た娘シルクと恋に落ちるが、シルクは絹の国に連れ去られてしまう。
怒ったテムジンは、祖国の羊を焼き捨て、敵国に攻め入りシルクを奪い返す。
やがて、妻となったシルクに息子バンリが誕生し、父と同じ宿命を背負ったテムジンは、今度は自分が息子にとって代わられる恐怖に襲われるようになる。
しかし、その後も外征を続け、ついに世界制覇の夢が達成するかに見えた時、西の羊(西洋)の地から、「蒼い狼」という偽ブランドが出現し、「蒼き狼」の行く手を阻む。
その制圧に遣わしたはずのバンリは消息を絶ち、新たなデザインさえも「蒼い狼」に盗まれ追い詰められるテムジン。
果たして「蒼い狼」は一体誰なのか? バンリなのか? 腹心の裏切りなのか?
愛憎が渦巻く果てに、ついに「蒼い狼」が姿を現わし、「蒼き狼」との最後の戦いが始まる・・・・・。
≪ここまで≫
NODA・MAP本公演というと、有名スターや芸達者な舞台俳優さんが揃った豪華な舞台だというイメージが私の中で定着しています。今回の『キル』ももちろんそうですよね。3演目だそうですが私は初見です。
「キル」は着る、斬る、生キル・・・など複数の意味を含む言葉として頻繁に出てきます。野田さんの戯曲ならではの言葉あそびは、細かい部分まで集中して聞くと、勝手な深読みもできて面白いですよね。
個人的には、昨年の『ロープ』や『THE BEE』に比べると、胸にグっとくる瞬間が少なくて残念でした。言葉ばかりで説明されても、私はそんなに興味がそそられないんですよね。
カーテンコールで役者さんが並んだ時、11人しか居ないことにちょっとびっくり。もっと大勢いるように見えていました。11人でフル稼働なのでしょうね。何度も着替える衣裳がとてもかっこ良かったです。
ここからネタバレします。
テムジン役の妻夫木さんがミシンのそばで静かに死を迎える(のであろう?)、最後のシーンが良かったです。モンゴルの平原が見えるような気がしました。
≪東京、大阪≫
出演:妻夫木聡/広末涼子/小林勝也/高橋恵子/勝村政信/高田聖子/野田秀樹/市川しんぺー/村岡希美/山田まりや/中山祐一朗
作・演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 照明:服部基 衣裳:ひびのこづえ 選曲・効果:高都幸男 ステージング協力:謝珠栄 ヘアメイク:河村陽子 舞台監督:瀬崎将孝 プロデューサー:北村明子 提携:Bunkamura 企画・製作:NODA・MAP
S席¥9500/A席¥7500/コクーンシート¥5500 当日券 中2階お立見 ¥3500/2階お立見 ¥2500
http://www.nodamap.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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