演劇企画集団THE・ガジラは鐘下辰男さんの作品を上演するプロデュース団体です。公式ブログには稽古場写真や舞台写真がいっぱいですよ。
『雨月物語』は江戸時代後期に上田秋成によって書かれた怪異小説短編集で、今作は1953年の映画『雨月物語』(原作:川口松太郎)をもとに、鐘下さんが新たに書き下ろされたそうです。上演時間は約2時間15分(休憩なし)。
⇒CoRich舞台芸術!『新・雨月物語』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
天正15年(1587年)の冬、大和吉野山中にも太閤検地の棹が入り始めた。
陶工・熊野源十郎(山本亨)は山中に妻・宮木(月影瞳)、妹夫婦(石村みか&北村有起哉)と住んでいる。彼らの生活は、陰惨なまでの飢えと闘う日々だった。
野心家の義理の弟・藤兵衛(北村有起哉)は里におりて自分は侍に、源十郎は器を売って稼ごうと無謀な提案をする。
そうして、病弱な宮木ひとりを残し3人は里を目指し、大蛇山に足を踏み入れるのだった。しかしその晩、大雪になり行者堂に身を寄せていると、冬なのに耳をつんざくような蝉時雨が聞こえてくる。
その後彼らを待ち受けている運命とは・・・。
≪ここまで≫
全体的に暗い目の舞台。たいまつやろうそくの炎がよく使われます。役者さんの熱演はよく伝わってきましたが、できればもっと小さな劇場で観たかったな~というのが第一の感想でした。
鐘下さんならではの音と光の演出は、もうちょっと回数を少なめにする方が良いのではないかと思いました。特にエコーは役者さんの演技に説明を加えすぎな気がしました。
ここからネタバレします。
おろち山に入った源十郎(山本亨)と藤兵衛(北村有起哉)は、化生(けしょう)の住処に迷い込みいます。「月雲ではなく土蜘蛛」、そして「土」が「陶器」につながるのはイメージ的に好みでした。
カツラギとは源十郎の妻・宮木(月影瞳)の遊女時代の源氏名で、「よく空蝉を集めている不思議な女だった」と、妖怪たち(若松武史)に捕らえられていたカツラギ(月影瞳)と重なるのが幻想的でした。
出演=山本亨、月影瞳、北村有起哉、森山栄治(*pnish*)、若松武史、石村みか、さとうこうじ、近童弐吉、大石継太、加地竜也、白井圭太、いわいのふ健
川口松太郎原作「雨月物語」より 脚本・構成・演出:鐘下辰男 美術:島次郎 照明:中川隆一 音響:井上正弘(オフィス新音) 舞台監督:白石英輔(クロスオーバー) 殺陣:渥美博 演出助手:坂本聖子 プロデューサー:綿貫凛 宣伝美術:マッチアンドカンパニー 宣伝写真:須藤秀之 主催:有限会社ガジラ
【発売日】2007/11/29 一般S席5,500円/当日6,000円 A席4,000円/当日4,500円 友の会会員割引(S席)5,000円 世田谷区民割引(S席)5,300円 ※シードチケット3,000円(学生割引、コットーネのみ取扱い) 当日受付にて学生証提示(大学生以下学生・専門学校生・演劇養成所の学生に有効)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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