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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年01月30日

青年団若手公演『革命日記』01/30-02/12アトリエ春風舎

 2年に1度という青年団若手公演。『革命日記』は、平田オリザさんさんが1997年に書き下ろした『Fairy Tale』(演出:安田雅弘)を、平田さんご自身が大幅改定して題名も改められたそうです。

 上演時間は約1時間30分。アトリエ春風舎なのに、こまばアゴラ劇場での青年団本公演を観ているような重厚感でした。青年団の新人さんって入団して1年足らずの人もいらっしゃるんですよね。すごいな~。一体“青年団”ってどういう環境なのかしらっ!?

 ⇒CoRich舞台芸術!『革命日記

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 都市近郊のマンションの一室。空港突入と大使館襲撃。
 2つのテロを企てる過激派集団の人々の、日常と非日常が交錯する瞬間を
 平田オリザと新人・若手の俳優たちが春風舎に立てこもって蜂起!
 ≪ここまで≫

 ある左翼グループのアジトは、本棚と簡単な上着かけ、そしてオレンジ色のソファ・セットがある居間。若い夫婦が住んでそうなちょっとおしゃれな内装です。食事はイタリアンと白ワイン、そして運動員もイマドキなファッションの若者。でもしゃべる内容は過激です。そのアンマッチ具合が面白いです。

 高尚な理論をかかげていても色恋沙汰はやっぱり存在するし、感情を切り離せない人間の行動には矛盾が含まれます。
 運動家たちと一般市民が一緒に居たり、かつて運動家だった人も現れたり、立場の違う人が混在する状態がスリリングで、論理も感情もぐるぐるとダイナミックに変化するのが面白いです。そして、誰もがちょっとずつカッコ悪いのが良いんですよね~。

 この舞台の登場人物たちのコミュニケーション方法では、理想は実現できない(革命は起こらない)と思いました。だったら、私達はどうやって革命を起こす(世界を変える)のか?舞台上で語る人たちの裏側に見える世界や、言葉と言葉の交差から生まれる世界を観察して、味わって、思索すること。それがひとつの手段になり得る気がしました。

 『地下室』までとは言いませんが(笑)、できればもっと笑いたかったな~。たぶんこれからもっと面白くなっていくのだろうと思います。追加公演も2ステージ決まって、千秋楽は2/12(火)ですね。

 ここからネタバレします。

 本棚には“夏目漱石全集”的な立派な本と一緒に、ガチャガチャで取ってきたようなオモチャや、子供の写真も並んでいます。紫色の布に包まれた刀(おそらく日本刀?)が入っていて、その内側の壁だけが赤く塗られているのがめちゃくちゃかっこ良かったです。みんな心の中にナイフを持っているよねって思いました。“傷がある”という意味にもなるでしょうし、“日本のどこかに彼らは居るんだ”とも受け取れますよね。

 いろんな意味が込められているように感じて、とても印象に残ったセリフはこちら↓(完全に正確ではありません)。
 増田典子「理解してもらえる可能性があるなら、また来てもらっていいと思います。」

出演=福士史麻、小林亮子、長野海、宇田川千珠子、大久保亜美、海津忠、木引優子、近藤強、齋藤晴香、酒井和哉、桜町元、佐山和泉、鄭亜美、中村真生、畑中友仁
作・演出=平田オリザ 舞台美術=杉山至 照明=岩城保 宣伝美術=京  制作=木元太郎 宮永琢生  企画制作=青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場  主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成19年度文化庁芸術拠点形成事業 
【休演日】2/5 【発売日】2007/12/21 前売・予約・当日共=1,500円(日時指定・全席自由・整理番号付)
http://www.seinendan.org/jpn/info/info071213.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 2008年01月30日 23:46 | TrackBack (0)