ハイバイの岩井秀人さんの戯曲を小指値(こゆびち)がリミックス!上演時間は約75分。
初日マチネの終演後には、ハイバイ版『霊感少女ヒドミ』(約35分)の上映会と岩井さんを招いてのポスト・パフォーマンス・トークがありました。
両方ともすごかった・・・!ステージ正面と下手の2方向に客席がありますが、正面の方が観やすい気がします。超満員のようですのでこれから観に行かれる方はどうぞお早めに会場へ!
⇒CoRich舞台芸術!『霊感少女ヒドミ』
白い壁の無機質な空間をポップな色使いのおしゃれ衣裳を着た若者たちが闊歩。たらたらしゃべったり踊ったり組み体操したり。手を変え品を変え、観客をどんどん楽しいこと・新しいことに巻き込んでいきます。手作り照明が圧巻。
終演後のトークで岩井さんもおっしゃっていましたが、“作っている作品と、自分との距離感”が独特なのでしょうね。
客席面(つら)側には白い発泡スチロール製の小さなビルたちがぽつぽつと立ち並んでいます。世界をぎゅっと覗き込む視座が、ミクロにもマクロにも自在にフォーカスして、舞台で起こる出来事を多面的に描きます。
バイト、カラオケ、コンビニ、セックス。等間隔に並べられた現実をクールに突き放して眺めつつ、人間1人1人が鮮やかに、生々しく存在しているホットな空間。ものすごく面白かったです。
ここからネタバレします。
≪あらすじ≫
ヒドミ(初音映莉子)は、1Fにコンビニが入っている古いビルの上の階でひとり暮らしをしているフリーター。コンビニに取り憑いている幽霊(三浦俊輔)と話が出来る変わり者だ。ある日ドン・キホーテで若い男(山崎皓司)にナンパされて、付き合うようになり・・・。
≪ここまで≫
複数のヒドミと若い男のキスシーンとか。ヒドミのことが好きだった幽霊の足元を走るチョロQとか。
ヒドミが「ヒロミ」という名前で更新していたブログを、本名の「ヒドミ」に変えたことで、彼女だけの秘密が突然世界中に開けっぴろげになります。このドラスティックな変化(というか変質)がいかにも現代だな~と思いました。残酷です。
≪ハイバイ版『霊感少女ヒドミ』上映会≫ ネタバレします。
美術とぴったり合った映像を演技と合わせるのって、ナイロン100℃ですごいのを観た気がしてたけど、もっとすごいのをハイバイでやってたんだな~と思って感慨深かったです。
「私もです」の繰り返しで落涙。私って単純だ。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:岩井秀人(ハイバイ)/篠田千明(小指値)
岩井「ものすごく褒められてる!っていう気がした。」
岩井「4回ぐらい泣いちゃったんだよね~。」
こまばアゴラ劇場 冬のサミット2007 参加作品
出演:初音映莉子、三浦俊輔、山崎皓司、大道寺梨乃、中林舞、野上絹代、NAGYOLGA
作:岩井秀人(ハイバイ) 作:北川陽子 演出:篠田千明 舞台監督:佐藤恵 美術:山本ゆい 照明:伊藤啓太 照明オペレーション:佐々木文美 音響:星野大輔 衣装:藤谷香子 振付:野上絹代 宣伝美術:天野史朗 写真:加藤和也 制作:山本ゆい 企画:山北健司/篠田千明 映像:佐々木文美 篠田千明 中林舞 野上絹代 パンフレットデザイン:大道寺梨乃
※2/7、8 14時の回終演後、ハイバイ版上映+日替わりゲストによるトークあり
予約2000円 当日2500円
http://www.koyubichi.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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