コントユニット親族代表の新作公演。豪華な脚本提供陣の5本立てで、演出はピチチ5(クインテット)の福原充則さんです。
嶋村太一さんが怪我のため降板され、ゲスト出演者を4人迎えたんですね。いつもの3人だけでないのが新鮮でしたが、最後まで観て嶋村さんが出てないことが少し寂しくなったりも。
全体的に大人~な、柔らかい感じのコント集でした。上演時間は約1時間30分。
⇒CoRich舞台芸術!『(発電所)』
最近私は、コントとか笑い重視の演劇作品をあまり好んで観ていないんですが、親族代表は笑いよりも呼吸とか計算を観察する気持ちで(笑)観に行きます(←ヘンな客)。
5本とも違う脚本家の作品なので、それを演じ分ける野間口さんと竹井さんをじーっと観ているのが面白かったですね。
ここからネタバレします。
■『ゴリラ』脚本:川尻恵太(SUGAR BOY)
動物園からゴリラが脱走。途方にくれるゴリラ飼育係(野間口徹・犬飼若博)とその上司(竹井亮介)だが・・・。
上司がゴリラに似てるというネタで最後まで。シンプルだからこそ細やかな演技が気になって、「そのセリフをそう言うか!?」と勝手につっこみを入れる気分で観てました。
■『日本代表の男』 脚本:ブルースカイ
線路に落ちた女子高生(野間口徹)を救って右足を切断する怪我を負ってしまったレスリング選手(竹井亮介)。女子高生の兄(野間口徹)と刑事(小村裕次郎)が病院に見舞いに来るが・・・。
自分の命を顧みず女性を救った善人に痴漢の疑いをかける、無慈悲な不謹慎さがブルースカイさんっぽい。小村さんで猫ニャーを思い出したり。
■『コンビニ(または謝罪について)』 脚本:岩井秀人(ハイバイ)
タバコの銘柄を間違えたコンビニの店員(三浦竜一)に「謝って」とすごむ(懇願する)サラリーマン。お互いに意地の張り合い。
さすがはハイバイの岩井さんの脚本で、かなり毛色の違う空気になりました。歌うように話す(私にはそんな風に聞こえた)野間口さんがとても可愛らしかったです。
全体的にもっとじりじりするほどの間を取ったりしても良かったんじゃないかな~とも思いました。
■『ラブ・トライアングル』 脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃)
女1人(植木夏十)を取り合いする男2人(竹井亮介・野間口徹)。
いろんな種類の笑いの種が、セリフの細かい隙間に所狭しと詰め込まれた脚本でした。客席に向かって「コントでしょ?」と話しかけるなどのメタ演劇的な演出や、紅一点の植木さんがコロコロと瞬間的に変化するのも面白かったです。
野間口「僕、お湯になる!」 ←これが一番可笑しかった。
■『虫けらでした』 脚本:福原充則(ピチチ5)
いじめられッ子の男子学生2人(竹井亮介・野間口徹)の負け犬トーク。いきなりミュージカルになったり。
体が入れ替わってしまった2人が、元に戻らずに自分じゃない誰かになったことを受け入れてしまう結末が面白かったです。どん底のさらにどん底だから、カラっと前向きにあきらめちゃったような。
ずっと2人っきりだったので嶋村さんの不在がしみじみと伝わってきて、最後の1本でちょっとしんみり。
出演:野間口徹、竹井亮介、犬飼若博、植木夏十、小村裕次郎、三浦竜一 声の出演:嶋村太一
脚本提供:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃) ブルースカイ 岩井秀人(ハイバイ) 川尻恵太(SUGAR BOY) 脚本・演出:福原充則(ピチチ5) +親族代表 音楽:西山宏幸(ブルドッキングヘッドロック) 映像:保土田浩史 舞台監督:中西隆雄 照明:柳本友紀 音響効果:中村嘉宏 映像オペ:萩原未来 宣伝写真:湯澤幸一郎(天然ロボット) 美術:新族代表 特殊美術:笹野茂之 美術協力:稲田美智子 演出助手:迫田環 木村桐子 徳永眞弓 西尾美鈴 長谷川和恵 制作:森千江子(イマジネイション) 企画製作:親族代表
【発売日】2008/01/05 前売・当日共3000円
http://shinzoku.cool.ne.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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