2008年03月31日
わらび座『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」プレビュー』03/28-29パルテノン多摩 大ホール

(C)フォト スタジオ アクア
秋田県角館を拠点に、全国でオリジナル・ミュージカル公演を行っているわらび座の新作です。
演出家の栗山民也さんらビッグなスタッフ陣を向かえ、手塚治虫の名作漫画『火の鳥~鳳凰編』をミュージカル化するという、わらび座史上最大のプロジェクトのプレビュー初日に伺いました。
⇒制作発表 ⇒稽古場レポート ⇒わらび座の拠点・たざわこ芸術村レポート
まっすぐに響く澄んだ歌声に圧倒され、何度も涙しちゃいました~・・・!
洗練されたおしゃれなミュージカルというより、地に足のついた、飾らない愛情がこもったミュージカルです。上演時間も2時間弱とコンパクト!
本公演は4/25(金)に新宿文化センター大ホールで開幕します。セリフも歌詞も易しい日本語なので、言葉の意味は聞き取りやすいですし、お子様(小学校中学年以上推奨)も問題なく理解できる作品だと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」』
≪あらすじ≫
舞台は8世紀、奈良時代の日本。盗賊の我王(パク・トンハ)と仏師・茜丸(戎本みろ)は、不老不死の神の化身“火の鳥”を探す道中、数奇な出会いを繰り返す。彼らと彼らを支える2人の女(速魚:碓井涼子、ブチ:今泉由香)を軸に物語は進む。
≪ここまで≫
オープニングの大合唱でいきなりノックアウトされました↓ 役柄の身分をはっきり示す衣裳(着物)を着た役者さんたちが、まっすぐ客席を向いて“火の鳥”を追う気持ちを歌い上げます。ポロポロ流れる涙を拭う気もおきないまま、会場全体を圧倒する歌声に浸りました。
素直で、邪心のない、清らかな声の波が、舞台から観客へと(1人の人間から世界へと)放射されます。自分の出番だからじゃなく、作品のために、歌のために歌ってる役者さんによって作られているミュージカルだと思いました。↓写真提供:フォト スタジオ アクア
壮大な物語が2時間弱にまとまっているため、ストーリーが畳み掛けるように進むこともありますが、2人のカップルに焦点が絞られているので問題なくついていくことが出来ました。4人のメインの登場人物の葛藤を自分に重ねながら、輪廻転生するいのちを描く『火の鳥』の世界に入り込みました。
「いのち」とか「愛」とかって、文章にするちょっと恥ずかしい気もするのですが、それを素直に受け入れさせてくれるのがミュージカルの力だと思います。
我王役のパク・トンハさん↓麗しい王子様役のイメージが強かったので、最初はトンハさんだと受け入れづらかったです(笑)。役柄について細かく作りこんでらっしゃると思います。がらがら声のセリフとか、全くもってトンハさんっぽくなくて(笑)新鮮。写真提供:わらび座
茜丸役の戎本みろさん↓ 清廉潔白な好青年の印象。コミカルな演技も魅力です。声は真っ直ぐ、とにかく真っ直ぐに伸びて来ます。正直さ、真面目さがビシビシ伝わってきて「あぁ、私なんて不真面目でズルくって、勇気が無くって、ホントごめんなさいっ!」って反省しちゃいました(笑)。写真提供:わらび座
速魚(はやめ)役の碓井涼子さん↓ もーーーーー・・・めちゃくちゃ可憐!!NHK朝ドラのヒロインになって欲しいタイプ!高く澄んだ声ははかなさと憂いも含んでいて、胸がせつなくなるほど。声量もばっちりです。速魚の登場を待ちわびてしまいました。写真提供:フォト スタジオ アクア
ブチ役は今泉由香さん↓ 東京での大規模ミュージカルに出演歴がある方なんですが、私は初めて拝見して、すっかりファンになってしまいました。バネのある健康的な身体と、すいすいと呼吸をつかむ演技で、彼女が登場すると空気が弾むんです!歌と演技と素(?)の境目が見当たらないんですよね。だから歌っても踊ってても、怒っても恋しても、いつも“ブチ”なんです。鈍感な茜丸と単刀直入なブチのコンビが微笑ましかったです。写真提供:フォト スタジオ アクア
今までに観た栗山さん演出のミュージカルや音楽劇に比べると、歌い出す前の前奏や、場面転換などにちょっとした余裕を持たせている気がしました。例えば豪華キャストで高額なチケット代のミュージカルのように、次々とスターが登場して見せ場が連発するのではなく、作品世界を伝えるためにシーンがコツコツ積み上げられていきます。だから作品全体のリズムはゆったり目に感じました。秋田県でじっくり創作するから生まれる、わらび座ならではの味わいなのかもしれません。
4/25(金)の新宿公演開幕日にも伺うつもりです。あと約3週間でどんな進化を見せてくれるのか、楽しみに待ちたいと思います。↓写真提供:フォト スタジオ アクア
ここからネタバレします。漫画「デスノート」についてのネタバレもあります。セリフは完全に正確ではありません。
速魚とブチという対照的な2人のヒロインが、一体になるシーンが凄かった。聖女と娼婦が神(火の鳥)になるんです。
焼け死んだ茜丸が「俺は死んだのか。死んだらもう何も彫ることはできない」と気づくことで、死の意味が伝わります。死は無なんですよね。漫画「デスノート」のキラの死と同じ、真っ黒な闇なんだと思います。
それに対して生には無限の可能性があります。黒幕がバサっと落ちて表れた空を見て、両腕を失った我王が「世界は美しい」とつぶやくシーンでは、会場中が静まり返りました。客席は小さなお子様がとても多かったんですよ。大火の後の焼け野原におとずれた心の静寂を、太陽の光と空の神々しさを、全身で味わうことができました。
手塚治虫生誕80周年記念企画
出演(わらび座):椿康寛/岡村雄三/長掛憲司/戎本みろ/平野進一/森下彰夫/飯野裕子/遠藤浩子/碓井涼子/田郷真友/小林すず(小林涼子あらため)/末武あすなろ/山口貴久子
客演:パク・トンハ(2008年4/25~5/15まで)/内田勝久/中山城治/本間識章/森山晶之/渡部徹/今泉由香(2008年4/25~5/15まで) 声の出演(火の鳥):新妻聖子
原作:手塚治虫 演出:栗山民也 脚本:齋藤雅文 音楽:甲斐正人 美術:妹尾河童 演出助手:栗城宏 振付:田井中智子 振付助手:高田綾 歌唱指導:矢部玲司 歌唱指導助手:紫竹ゆうこ 舞台監督:石井忍・板子光男 稽古場助手:黒木いづみ 制作:渡辺澄子 広報:押久保陽子/尾﨑隼 協賛:手塚プロダクション・角川書店
プレビュー公演:一般2000円 小・中学生1000円 東京本公演:S席6000円 A席5000円
http://www.warabi.jp/hinotori/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月28日
TBS『祝祭音楽劇「トゥーランドット」』03/27-04/27赤坂ACTシアター
赤坂ACTシアター
赤坂に新たに誕生した赤坂ACTシアターのこけら落とし公演です。嬉しがって初日に伺っちゃいました~。開演前のエントランスにはレッドカーペット&大勢のカメラマン。続々とスターが到着していたようです(私には見えませんでした)。
美術と装置がめちゃくちゃ豪華、でした(笑)。さすがS席13500円也!ただシアタークリエの時と同様、休憩時間は外に避難するしかなかったですが・・・。写真を撮ってきましたので、どうぞチラ見してくださいませ。上演時間は約2時間45分(途中休憩20分を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『トゥーランドット』
地下鉄の赤坂駅から直結しています。めちゃくちゃ便利!赤坂Sacas(あかさかサカス)という新しく出来た商業施設(っていうのかな)のスペース内にある劇場なんですね。劇場までの坂には出店が出ていたり、おしゃれなレストランが入ったビルも。
↓地下鉄からの階段です。段がテレビになってる・・・・!
↓劇場が見えました。なんと桜がほぼ満開!!サカスって「咲かす」の意味なんですね。
↓エントランスです。劇場の2階になります。
ロビーは1階と2階にありまして、1階にカフェと物販スペースがあります。パンフレット以外にグッズがいっぱいありました。Tシャツ、携帯ストラップ、アロマキャンドルなどなど。
劇場の中は赤と黒で高級感があります。イスは問題なかったですが、足元のスペースは狭い目。・・・すみません、新しい劇場だし、10,000円以上払ってるとどうしても気になっちゃうんです。
で、休憩時間は・・・芸能人も一般人ももみくちゃでした(汗)。階段の上り下りも一苦労。ロビーは見渡す限り人の頭、頭、頭・・・。物販スペースでは何が売ってるのか全然見えないし、カフェの最後列もどこだかわからない(涙)。喫煙スペースの横に少々空間がありましたが、タバコの匂いが・・・。
なんとか混雑をかきわけて2階へと避難したら、だいぶん空いていました。壁が窓ガラスなので開放感があるんですよね。↓外側と劇場内の階段が同じなので、さらに広く感じられます。これって素敵なデザインですよね。
そのまま外に出たところ、気分爽快~♪寒くなし、桜は咲いてるし、広々してるし、出来たばっかりの商業施設だからとにかくキレイ!ちょうど向かい側はakasaka BizTowerというレストランやお店が入っているビルなんです。建物の中まで足を伸ばしてみたところ、1Fにセレブ気分になれるトイレがっ!これは休憩にぴったりかも(2幕の開演時刻には気をつけましょう)。
それに、終演後の食事には困らないですね。誰かと一緒だったらぜひディナーに利用したいです。半券を持ってたら何かサービスあるみたいですよ↓
ふぅ。なんだか劇場の話ばっかり書いちゃいました。「もうしばらくは来たくない」とまでは思いませんでしたが、それは今日が晴れてたからかも。雨だったら・・・(汗)。↓帰り道に撮ってみました。TBSと、桜と、劇場です。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
東方の島国の皇太子カラフ(岸谷五朗)は、側近のティムール(小林勝也)と侍女のリュー(安倍なつみ)を伴い、海を越えた黄金の都にたどり着く。女帝トゥーランドット(アーメイ)が治めるこの国では、美しいトゥーランドットとの結婚を望んで各国から王子が訪れては、条件である3つの質問に回答できず、満月の夜ごとに首をはねられていた。
今夜も広場では、必死に命乞いをするさる国の王子を、ワン将軍(中村獅童)が容赦なく処刑。トゥーランドットは、氷のように冷たい表情でそれを見つめ、民衆は、逆に祭りのように大はしゃぎしている。
「狂っている!」驚愕し憤るカラフに、「おっしゃる通り」と、この国の事情に通じた物売り(北村有起哉)が飄々と応じる。トゥーランドットの夫になるためには、血筋が正しく、女帝が出す3つの謎を解くことが条件と物売りから聞いたティムールは、カラフに謎への挑戦を促す。
秘かにカラフへ想いを寄せるリューは必死に止めるが、兄との政争に敗れ、国を追われた捨て身のカラフは、興味を抱き始める。翌朝、謎への挑戦者として名乗りを上げたカラフは、ティムールの教えに従い、見事に3つの質問に答えてみせる。が、トゥーランドットを慕うワン将軍は正解を認めず、無理やりカラフを投獄してしまう。
一方トゥーランドットは、ひと目見た時から、カラフのことがなぜか気になる。そこで唯一、素直な気持ちを吐露できる相手である宦官のミン(早乙女太一)に、頼みを託す。「あの男を逃がして」と…。
≪ここまで≫
劇場に入るなり、舞台の額縁の装飾および緞帳のデザインの豪華さに目を奪われましたね。『ウィキッド』を思い出しました。アンサンブルの役者さんはいったい何人いらっしゃるのかしら・・・30人以上!?衣裳も何度も着替えられますし、とても華やか。
登場人物や最初の設定はオペラ『トゥーランドット』に似ていますが、完全にオリジナルの物語です。いろいろ腑に落ちなかったです・・・。
歌詞とセリフが私にはどうもしっくり来なかったですね。使い古された、いわばポピュラーな言い回しが多くて、全体的に漠然としています。胸にぐっと迫ってきてくれないんですよね。
歌はミュージカルのレベルを期待しない方がいいですね、音楽劇ということで。
トゥーランドット役はケリー・チャンさんからアーメイさんに代わったんですが、なぜ中国人キャストにしたのかしら。アーメイさんのハスキーボイスは良かったですが、日本語がどうしてもおぼつかないので、セリフをしゃべられる度にドキドキしちゃいました。
装置が・・・大きく動きます。どうぞ役者さんが怪我をされませんように。
ここからネタバレします。
舞台の3方から大きな階段が迫ってくるんです。急ですし高さもあるので、階段の上での演技にはハラハラします。殺陣のシーンは残念な仕上がりでした。『浪人街』を思い出しました。そういえば『浪人街』もTBSですね。過酷な環境でのアクションシーンが好きなのかな~。
トゥーランドットが5年かけて1人で国を建て直し、自ら君主制から民主制へと変革。そして祝祭ムードが盛り上がる中、なぜかタイミングよくカラフが帰ってくるって・・・よくわからないな~。
1幕終了直前の合唱が良かったです。役者さんでは北村有起哉さんがやっぱり素敵でした。
≪東京、大阪、愛知≫
出演:アーメイ、岸谷五朗、中村獅童、早乙女太一、安倍なつみ、北村有起哉、小林勝也、ほか多数
原案:ジャコモ・プッチーニ「トゥーランドット」より 演出:宮本亜門 作曲・音楽監督:久石譲 衣装:ワダエミ 脚本:鈴木勝秀 作詞:森雪之丞 振付:ダレン・リー 岡千絵 美術:松井るみ 照明:中川隆一 音響:山本浩一 殺陣:渥美博/亀山ゆうみ 演出助手:坂本聖子 眞鍋卓嗣 音楽監督補:池上知嘉子 歌唱指導:北川潤 技術監督:堀内真人 舞台監督:芳谷研 制作協力:Promax.Inc./シーソー プロデューサー:河出洋一
※ケリー・チャンにかわってアーメイが出演。
【発売日】2008/01/19 S席13,500円 A席9,500(税込)
http://www.tbs.co.jp/act/event/turan/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月25日
らくだ工務店『だるまさん、ころんだ』03/25-30 THEATER/TOPS
らくだ工務店は石曽根有也さんが作・演出される劇団です。前作から客演の役者さんに渋いメンツが揃い始め、とうとうTHEATER/TOPSに初進出です。
上演時間は約1時間30分。レビューは記録のみです。
⇒CoRich舞台芸術!『だるまさん、ころんだ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
小さな畳屋に集まる人々の滑稽な日常と静かな感情のお話。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
だるまさん(朝倉伸二)が事故で偶然に出会った女性(瓜田尚美)の前で照れまくるの可愛くて可笑しかったです。
出演:朝倉伸二、林和義、古川悦史、塩湯真弓(劇団M.O.P.)、恩田隆一(ONEOR8)、河口高志、今村裕次郎、瓜田尚美、石曽根有也
脚本・演出:石曽根有也 舞台美術:福田暢秀(F.A.T STUDIO) 音響:田上篤志(atSound) 照明:山口久隆(S-B-S) 舞台監督:青木規雄 宣伝美術:石曽根有也 道具:志村小道具 舞台写真:村上裕也 演出助手:高嶋伶奈 制作:山内三知 伊藤理絵 企画製作:らくだ工務店
【発売日】2008/02/18 前売 3,300円 当日 3,500円 [全席指定・税込]
http://www.rakuda-komuten.com
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月24日
【稽古場レポート】the company『バーム・イン・ギリヤド』03/23都内某所
ボブさん(左)とシュレイさん
演出家ロバート・アラン・アッカーマンさん(通称:ボブさん)らが立ち上げたthe companyが、4月4日に開幕する『バーム・イン・ギリヤド』で本格始動します。
⇒ワークショップ・レポート
⇒the company関連作レビュー:1、2、3、4
初日まであと2週間を切った稽古場にお邪魔いたしました。通し稽古を繰り返していく最終仕上げの段階に入ったようです。
⇒チケット購入ページ
⇒【学生限定!当日劇場で2,000円のキャッシュバック!】最後列ベンチシートのみ・要予約
⇒CoRich舞台芸術!『バーム・イン・ギリヤド』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
マンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドに位置するオールナイト営業のダイナー。そこにはいつも、ドラッグディーラーやジャンキー、娼婦やギャングといったニューヨークの底辺で生きる負け犬たちがたむろしている。
昨日と同じ笑い話、他愛のない無駄話、麻薬取引の駆け引きや叶わない夢物語を語り合う常連客たち。そんな中で出会ったジョーとダーリーン。二人は、互いの人生を変えるきっかけとなりうるのか──。
30名にも及ぶキャストが織りなす群像劇『バーム・イン・ギリヤド』。
にぎやか、なのに孤独。
居場所を探している、でも身動きが出来ない。
そんな若者たちが懸命に生きようとする姿を真正面から見つめた、アメリカ現代戯曲の傑作がいよいよ本邦初上陸!
≪ここまで≫
本番と同じサイズの舞台と小道具がしっかり揃った稽古場で、第1幕の後半を拝見しました。
『バーム・イン・ギリヤド』の舞台はニューヨークにある24時間営業のダイナー。娼婦やジャンキーらの“吹き溜まり”です。小さな店の中で落ち着くでもなく立ち去るでもなく、それぞれにその場に居つづける人々。知った者同士も知らない者同士も、はたと出会ったりサラリとすれ違ったりを繰り返して、その場所の空気がざわざわ、わさわさと絶え間なくうごめいています。
総勢30名の出演者の中には小劇場で活躍する若手俳優と、大きな舞台でよく拝見するべテラン俳優さんも名を連ねています。この座組みを新宿シアターモリエール(客席数200席以下)で観られるなんて・・・!
ボブさんと動きを確認する中川安奈さん(右)↓
演技について話し合うパク・ソヒさん(左)とボブさん↓
最初は1対1で会話をしているカップルを観ていました。会話の端々から彼らのこれまでの人生、現在の生活環境がわかってきます。同じシーンをもう一度繰り返して観ることになった時、そのカップル以外の人々に自然と目が行きました。カウンター席でじっと座っている女、キッチンでかいがいしく働く店員、奥の方の席でなにやらもめている人々、店の外でぶるぶると震える若者・・・。会話中のカップルの周りで沢山のドラマが同時に生まれていたんですね。
それに気づいてからは、この舞台で起こることをできるだけ多く知りたい、見逃したくないと思い、必死で目を凝らして、耳を澄まして集中しました。すると、なんだか楽しくなってきてしまったんです、私(笑)。誰も止まらず、動き(生き)続けるお芝居。それを支える大勢の俳優の緊張感が空間全体にみなぎっています。登場人物は人生のどん底にいる人ばかりで、みんな見るからに悲惨な佇まいなのに、なぜかわくわくする気持ちが沸いてきて、笑いさえ込み上げてきました。
水野顕子さん(左)とチョウソンハさん(中央)。水野さんの右横奥は玉置孝匡さん↓
役者さんは舞台上で膨大なきっかけ(歩く、立つ、セリフを話すなどの動作の決まり)を守りながら、自分が演じる役柄そのものとして存在していなければなりません。これって俳優にとってすごく大変なことなんじゃないでしょうか?
ボブさん「そうなんだ、この作品は舞台の上でやるべきことがとんでもなく多いからね(笑)。若い俳優にはとても良い訓練になると思うよ。この戯曲は登場人物の大半が20代前半の若者で、その意味でも今回のキャストにはぴったりだしね。」
出演者の方にちょっぴり今の気持ちを聞いてみました↓
「めちゃくちゃ緊張します・・・1人が間違えたらみんなが止まっちゃうから。」
「キャスト全員で手をつないで崖から飛び降りる!みたいな感じ(笑)。」
全身全霊をかけた集中力で常に舞台全体を見渡し、一緒に舞台に立っている仲間の意識を感じながら、演じる役柄としてたった1人で舞台に居ること。それを全員同時にやるってことなんですね。その日のお稽古の最後のシーンでは、大勢の俳優がそれぞれに徘徊しながら1つのうねりを生み出す瞬間を観られたような気がしました。
新宿の小さな小さな劇場で、どん底の奇跡に出会えるのが楽しみです。
出演:青山みその/今村洋一/江前陽平/遠藤典史/岡野真那美/カトウシンスケ/香里菜知子/倉本朋幸/斉藤直樹/眞藤ヒロシ/鈴木剛生/鈴木信二/瀬川亮/玉置孝匡/チョウソンハ/中川安奈/中嶋しゅう/野口卓磨/パク・ソヒ/羽田昌義/浜田学/深貝大輔/前田剛/町田マリー/松田愛子/水野顕子/宮光真理子/矢内文章/有希九美/呂美
作:ランフォード・ウィルソン 翻訳:薛珠麗 演出:ロバート・アラン・アッカーマン 美術:加藤ちか 照明:沢田祐二 音響:高橋厳 衣裳:伊賀大介 ヘア&メイク:鎌田直樹 舞台監督:小川亘 プロデューサー:伊藤達哉
2008年2月23日[土]10:00一般発売開始 前売:6,000円/当日:6,500円/学割:4,000円(全指・税込)※未就学児童の入場はお断りいたします。
http://www.thecompany-t.com/
http://balm.thecompany-t.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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tpt『ミステリア・ブッフ』03/22-31ベニサン・ピット
とっても面白かったです!
感想はCoRichにちょこっとアップ。
レビュー執筆はしばらくできなさそうです。ごめんなさい。
TPTのTOPページで舞台写真が見られます(2008/03/25加筆)。
⇒CoRich舞台芸術!『ミステリア・ブッフ』
CoRich舞台芸術!にアップした文章です↓
台本・演出が素晴らしい!
90年前のロシアの戯曲が今を描く演劇として新しく生まれていました。
上演時間は約2時間45分(15分の休憩を含む)と少々長い目ですが、こんなに壮大な世界ですから納得です。対面式客席のベニサン・ピット。衣裳が豪華でおしゃれ!
ここからネタバレします。
言葉遊びが面白い!今時の言葉も頻発。ドロンジョさまとか(笑)。
温暖化で世界が水没するが船に乗って生き残った支配者たちと労働者たち。生きのこった労働者たちは地獄、天国、廃墟へと旅します。まるでロールプレイング・ゲーム。そして行き着いたのはモノと人間とが手を取り合う世界。でも21世紀を生きる私たちは、モノが人間を幸せにしてくれないことをよくわかっています。原作とは違う結末になっているのもかっこいい。
出演:池下重大 いとうめぐみ 井上裕朗 植野葉子 上田和弘 内田亜紀子 沖田乱 大沼百合子 奥山滋樹 河野由佳 加治慶三 汐見ゆかり 木暮拓矢 武田優子 岸田研二 玉井夕海 熊本昭博 かりん 小谷真一 根岸絵美 小寺悠介 濱崎茜 小林高朗 田村元 土田祐太 鶴牧万里 久松信美
台本・演出:木内宏昌 音楽監督:後藤浩明 美術:深瀬元喜 照明:笠原俊幸 衣裳:萩野緑 ムーヴメント:若松智子 舞台監督:桑原淳
全席指定5,000円 学生3,000円※TPTにて取り扱い
http://www.tpt.co.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月22日
新国立劇場演劇研修所2期生 シーンスタディ『夏の夜の夢』03/22-23新国立劇場演劇研修所 実習室
拝見したのはAキャスト
出演:岩澤乃雅(スナウト・からしの精)/熊澤さえか(Aキャスト ヒポリタ・ティターニア)/佐々木抄矢香(Aキャスト 召使い・妖精)/滝香織(スターヴリング・蛾の精)/保可南(ハーミア)/深谷美歩(ヘレナ)/藤井咲有里(クウィンス・蜘蛛の糸)/吉田妙子(スナッグ・豆の花)/阿川雄輔(イジーアス・フルート・従者)/宇井晴雄(シーシアス・オーベロン)/角野哲郎(ボトム・従者)/西原康彰(ライサンダー)/遠山悠介(フィロストレイト・パック)/西村壮悟(ディミートリアス)/ギター:北川響(1期生)
作:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出・台本:松本裕子 演出助手:河合杏奈(1期生) 北川響(1期生) 舞台監督:宇井晴雄・保可南・ 照明:賀澤礼子(文学座) 角野哲郎 西村壮悟 音響:北川響 滝香織 衣裳:阿川雄輔 岩澤乃雅 深谷美歩 小道具:遠山悠介 藤井咲有里 吉田妙子 制作:熊澤さえか 佐々木抄矢香
http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月21日
G2プロデュース/パルコ・リコモーション『MIDSUMMER CAROL~ガマ王子VSザリガニ魔人~』03/21-04/06パルコ劇場
後藤ひろひとさんの脚本をG2さんが演出された人気作品の再演です(⇒初演のレビュー)。 ⇒G2プロデュース内公式
山内圭哉さん以外は新キャストですね。主役の頑固じじい役を演じられた吉田鋼太郎さんが素敵でした。Studio Lifeの笠原浩夫さんが今までにない役柄でびっくり(笑)。上演時間は2時間30分(途中休憩10分を含む)。
なんと映画化されるそうです!⇒「パコと魔法の絵本」
「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督なんですね。ぜひ舞台版と見比べたいです。
⇒当日券情報(毎ステージ出るそうです)
⇒追加公演あり(東京4月4日(金)13:30~、大阪4月14日(月)18:30~)
⇒CoRich舞台芸術!『MIDSUMMER CAROL』
≪あらすじ≫
高慢で偏屈な入院患者・大貫(吉田鋼太郎)は病院の嫌われ者。ある日パコという少女に出会い・・・。
≪ここまで≫
これから長いツアーに出る公演の初日に伺いました。前半はやはり少々硬い印象でしたが、休憩をはさんで後半からは役者さんも生き生きとされてきて、客席も巻き込んでどんどん暖かいムードに。
笑いももちろんサービス満点に用意されていますが、初演よりもしっとりした仕上がりのような気がします(気のせいかもしれませんが)。わかってるのに何度も涙が出ちゃうんですよね~。
吉田鋼太郎さん演じる大貫がとても感情豊かで、必死になるればなるほど可愛らしく見えてくるのが良かったです。
ここからネタバレします。
病院でタニシやヤゴを被っていたおかしな患者・堀米(春風亭昇太)がおそらく数十年後のある日、大貫(吉田鋼太郎)の甥・浩一(戸次重幸)の息子・浩二(戸次重幸)を訪ね、病院での出来事を語る形式で展開していきます。
最後に、堀米は絵本「ガマ王子対ザリガニ魔人」の作者だったことがわかります。実はこの病院のお話もまた堀米の創作だったかもしれない・・・と匂わせるエンディングは素敵ですよね。なぜかメルヘンチックなつくりの病院も、記憶が1日しか持たない少女パコの存在も、全てがフィクションだと思えば納得ですし、こんなお話が人間の想像力だけで生まれているんだと実感できるのも幸せなことだと思います。
「お前が俺を知っているというだけで腹が立つ」というのが口癖だった大貫が、パコに自分のことを覚えていてほしいと願うようになるのは感動的です。
ヤクザの龍門寺(山内圭哉)がサルに撃たれて入院したエピソードは可笑しかったです。
龍門寺「ジュンペイ(サル)にイチゴもっとあげたらよかった~」
≪東京、新潟、宮城、大阪、広島、福岡、愛知≫
出演:吉田鋼太郎 志村玲那 笠原浩夫 新妻聖子 山内圭哉 中山祐一朗 戸次重幸(TEAM NACS 佐藤重幸改め)月船さらら 楠見薫 春風亭昇太 岡田浩暉 ※内田朝陽は急性腰痛症の為、降板。同役には笠原浩夫が出演。
作:後藤ひろひと 演出:G2 美術:古川雅之 照明:小川幾雄 音響:井上正弘 音楽:佐野史朗 衣裳:前田文子 ヘアメイク:小島裕司 音楽:瓜生明希菜 演出助手:髙野玲 舞台監督:榎太郎 宣伝美術:河野真一 プロデューサー:高橋典子 大西規世子 制作:仲谷正資 北里美織子 制作助手:前本のりこ 広報:米田律子 票券:佐々木嗣美 荻純子 協力:谷村篤 高石由紀子 製作:北牧裕幸 企画:(株)パルコ/リコモーション 製作:キューブ G2プロデュース
【発売日】2008/01/26 8,500円(全席指定・税込)※未就学児の入場不可
http://www.g2produce.com/parco/msc2008/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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2008年03月18日
みつわ会『螢/暮れがた』03/13-19六行会ホール
みつわ会は久保田万太郎作品を上演し続けているカンパニーです(⇒過去レビュー)。
第11回目を迎えた今回は「螢」と「暮れがた」の2本立て。上演時間は約1時間45分(途中15分の休憩を含む)。
しっとりと明治と昭和の日本人の心を味わえました。久保田万太郎作品は本当に素敵。装置も衣裳も本格的だし、座席のクッションもゆったり。贅沢な観劇になりました。明日3/19(水)14:00の回で千秋楽です。
⇒CoRich舞台芸術!『蛍/暮れがた』
昨年よりも今回の方が面白かったです。理由はたぶん役者さんの演技の違いだと思います。今回はセリフがある時間もない時間も、しっかりとお芝居の世界が生まれていたように感じました。
今は平成20年・・・平成になってからあっという間に20年なんですね。久保田万太郎作品は、初演された時は“現代劇”だったんですよね。明治~昭和の現代劇がいま上演されることで、平成を生きる私たちがその時代の生活や人々の心を、体から感じ取れるのだと思います。演劇だから出来ることですよね。
役者さんは言葉も所作も一から勉強しなくてはならないでしょうし、美術や小道具だって現物をそろえ続けるのは簡単ではないはずです。ありがたいことだと思います。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
■「暮れがた」(明治45年初演・久保田万太郎23歳)
5月の夕方5時ごろ。町は祭りの真っ最中。舞台は浅草の三味線屋。
経営に失敗して貧乏になり、気の進まない肉体労働に明け暮れる元・若旦那が、三味線屋の女将から丁寧なもてなしを受けます。ふさぎこんでいた若旦那の気持ちが、女将の思いやりに触れて明るくなるのを、今にも大雨が降りだしそうな曇り空が、すっかり晴れて星空になるのと重ね合わせます。
若旦那「ご近所さんにお酒をすすめられて、ここを離れたくなくなった」
同じ土地(同じ町内・同じ商店街)で長年一緒に暮らしていることって、人間にとってとても大切なことですよね。今、私の家の周辺では大規模な再開発(?)が行われていて、気づかない内によく知っていたはずの家やお店が更地になっています。「あらら、なくなってるな~」と軽くやり過ごしてしまうことで、実は大きなものを失っているんだと思います。
■「蛍」(昭和10年発表、昭和14年に文学座にて初演)
昭和2~3年ごろ。6月。浅草鳥越付近。
夫(鈴木)の浮気に傷ついた妻(よし子)が、義理の姉夫婦(とき&舟木)に相談に行きます。「飲んだくれで博打好きでしかも浮気するなんて、なんてひどい夫なの!」と思わせておいて、実は・・・って展開がめちゃくちゃ上手い!しかも色っぽいのです~。じんわり、うっとりですよっ♪
夫・鈴木は前科者でした。刃物沙汰で刑務所に入り、前妻のときと離縁します(ときはわかりづらいのでトキとします)。職場の親方に「トキを誰かまっとうな奴と結婚させてください」と頼んだため、トキは鈴木の弟分・舟木と再婚しました。
無期懲役になるだろうと思って入所した鈴木でしたが、恩赦もあって5年で出所。鈴木は親方のありがたい計らいで、舟木とトキが探してきたよし子とすぐに再婚します。
真面目に働いていた鈴木でしたが、親方が死んでからまた酒に溺れ、賭け事にはまり、仕事に精を出さないようになります。さらに髪結いの女・しげ(以下シゲ)のところに入り浸って、よし子が待つ家には帰らないようになります。その理由は・・・
鈴木「つっかい棒が折れればどうしようもなくなるのだ。親方は俺のつっかい棒だった。」
そして髪結いのシゲと一緒になる理由も、
鈴木「つっかい棒のいる者同士が互いのつっかい棒になるんだよ。」
さらにラストシーンでダメ押し!シゲがトキにそっくりなんです!!もー泣けるっ!!
まさか舞台がぐるりと回転して、居間の裏側(=玄関)が見えるようになるとは思いませんでした。豪華!
トキとシゲを1人の女優さんが演じているのも良いですね。着物の早替えが見事です。
「暮れがた」出演:片岡静香 伊和井康介 蔵一彦 松原美穂 中平良夫 田村勝彦 袴塚真実 大根田良樹 吉岡健二 浅川麗心 榊原悠祐 佐堂克実
「蛍」出演:大原真理子 世古陽丸 菅野菜保之 佐藤麻衣子 前田真里衣
作:久保田万太郎 演出:大場正昭 美術:中嶋八郎 照明:古川幸夫 効果:泰和夫 舞台監督:藤森條次 宣伝美術:美香(Pri-graphics) 制作協力:Habanera 企画製作:みつわ会
前売4,000円 当日4,500円 学生2,500円※要学生証・Habaneraのみ扱い(税込)
http://www.habanera-pr.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】サンプル2008年8月公演『家族の肖像(仮)』出演者ワークショップオーディション3/30(日)〆切り
松井周さんが作・演出されるサンプルのワークショップオーディション情報です。松井さんの最近の作品のレビュー⇒『パイドラの愛』
詳細は公式サイトでご確認ください。
★サンプル『家族の肖像(仮)』8/22-31アトリエ・ヘリコプター
ワークショップオーディション
応募〆切:2008年3月30日(日)24:00(原則としてPCのEメールのみ)
募集人数:若干名
オーディション日程:
一次書類審査
二次ワークショップ審査(会場:都内)2008年4月5,6日
三次ワークショップ審査(会場:都内)2008年4月12,13日
決定通知 4月末
2008年03月17日
JACROW『斑点シャドー』03/12-19 OFF OFFシアター
JACROWは中村暢明さんが作・演出される劇団です。劇団といっても所属俳優は女優さんお1人だけで、毎回ほぼプロデュース形式ですね。
トリッキーな進み方をする愛憎劇。上演時間は約1時間45分。
⇒CoRich舞台芸術!『斑点シャドー』
≪あらすじ≫
古びた団地。別居することになった夫婦(今里真&蒻崎今日子)の部屋に、夫の妹(木村美月)が訪ねてきた。昨日から兄(=夫)と連絡がつかなくて心配だからやってきたと言う。妻の方は「いつものことだ」と気にしていない様子だが、妹の態度はちょっとおかしい。何やら隠し事があるような・・・。
≪ここまで≫
下手が古びた団地の入口付近、上手が建物の中のある部屋という風に、舞台はおおまかに言うと2つのスペースに分かれています。部屋は3階以上なので、ベランダから下を覗く演技と1階の入口から見上げる演技とで、舞台に高さが生まれるのが面白いです。
ミステリーだとかハードボイルドだとかはあまり思わなかったですね。2組の夫婦に傷害事件がからんでくる、いわば男女の愛憎ドラマですが、見どころは物語の進み方です(ネタバレになるので後ほど)。
イレギュラーな場面構成であるがゆえに、「いったいこの先はどうなるんだろう?」と引き込まれます。だから、たっぷりとやる思わせぶりな演技が少々気になりました。おおげさにしなくても、そのシーンで起こることをそのまま演じるだけでドラマティックになる、うまい仕組みになっていると思います。
ここからネタバレします。
妻と義理の妹が出会った台風の日から、転換する度に過去にさかのぼっていきます。3~4回さかのぼった後に現在に戻ってきて、そして4年前が描かれて終幕という凝った構成です。
また、夫婦の住んでいる部屋の真上に、夫の部下夫婦(加藤敦&菊地未来)が住んでいるという設定で、1つの部屋を2組の夫婦が同時に使うのが面白かったです。
妻が夫の浮気を疑って私立探偵(三浦知之)を雇い、1階上の部下夫婦の部屋に盗聴器をとりつけたおかげで、傷害事件の真相が暴かれるという展開にはスカっとしました。なので、最後のシーンで妻の嫉妬および懐疑心がクローズアップされるのには共感できず。スムーズに離婚できたとしても、その後が泥沼だろうな~と思ったり。
妹(本当は夫の部下で、愛人)がつぶやく「真っ赤なトマトになっちゃいな」の引用元はやはり漫画「童夢」だったようで、個人的にツボでした(笑)。
他に笑ったのは↓
新米刑事(三浦英蔵)が「アオシマっす!」と上機嫌で「踊る大捜査線」の青島のマネをするところ。
夫(今里真)「できれば韓流みたいなメロドラマがしたい」と言って、「~~~ハムニダ」と無理やり「ハムニダ」を付けたところ。
出演:今里真、仗桐安、成川知也、木村美月、三浦知之、加藤敦、菊地未来、三浦英蔵、蒻崎今日子、黒田朋子(声のみの出演)
【作・演出】中村暢明 【舞台美術】吉川悦子 【照明】シミズトモヒサ 【音響プラン】筧良太 【音響操作】佐藤春平 【衣装】中西瑞美 【小道具】湯田商店 【撮影編集】TRICKSTAR FILM 【宣伝美術】川本裕之 【舞台監督】吉田慎一 【舞台監督補】横川奈保子 【制作】黒田朋子 【制作補】塩田友克 【企画】JACROW
【発売日】2008/02/02 前売2500円、当日2800円
▼初日&平日マチネ割引…12日(水)20:00/14日(金)14:30/18日(火)14:30の回は前売2000円 当日2300円 ▼先行予約割引…1月31日(木)24:00までに予約申込した場合、全公演とも前売料金から500円割引。
http://www.jacrow.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月16日
MCR『シナトラと猫(改訂版)』03/11-16駅前劇場
MCRは櫻井智也さんが作・演出される劇団です。「CoRich舞台芸術まつり!2008春」審査員として観に行きました(⇒応募内容)。
「椎名」「虎雄」「猫」の3本立て公演で、私は「椎名」を拝見。上演時間は約1時間30分。MCR初のポスト・パフォーマンス・トークもありました。
⇒CoRich舞台芸術!『シナトラと猫(改訂版)』
※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:櫻井智也、おがわじゅんや、江見昭嘉、杉浦理史(司会)
「こんなに“素”でいいの??」と心配になるぐらい素のままの劇団員の皆さんに、あたふたする司会の杉浦さん、という構図が面白かったです(笑)。
出演:櫻井智也、おがわじゅんや、上田楓子、江見昭嘉、北島広貴、福井喜朗、渡辺裕樹、小野紀亮、伊達香苗、宮本拓也、関村俊介(あひるなんちゃら)、黒岩三佳(あひるなんちゃら)、根津茂尚(あひるなんちゃら)、中川智明、山田奈々子、高橋優子、吉田久代(ククルカン)
作・演出:櫻井智也 舞台監督:金安凌平 舞台美術:袴田長武(鴉屋) 音響:平井隆史(末広寿司) 照明:久保田つばさ(M Light) 宣伝美術:GEWGAW ビデオ撮影:メリケンサック 写真撮影:伊藤祐一郎 協力:あひるなんちゃら 制作:丸山かおり(MCR) 中川加奈子(あひるなんちゃら) プロデューサー:八田雄一朗(MCR) 製作:MCR
【発売日】2008/02/16 前売/当日共通:3,000円 2ステージセット券:5,000円(MCRのみ取扱い) 3ステージセット券:6,000円(MCRのみ取扱い)
※3/11-3/14の終演後、MCRで初めての「アフタートーク」を行います。
http://www.mc-r.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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tpt『ある結婚の風景』03/05-17ベニサン・ピット
『ある結婚の風景』は映画監督としても有名なイングマール・ベルイマンの作品です。もともとは1973年に放送された人気テレビシリーズだったそうです。
イギリスのある1組の夫婦の波乱に満ちた数年間を描いていきます。夫婦(村岡希美/天宮良)とインタビュアー役(鬼頭典子)の3人芝居。演出は鈴木裕美さん。上演時間は約2時間45分(途中15分の休憩を含む)だったと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『ある結婚の風景』
≪あらすじ≫
マリアンヌ(村岡希美)とヨハン(天宮良)は金持ちのインテリ同士で、非の打ち所の無い夫婦、のはずだった・・・。
≪ここまで≫
西洋人らしい、饒舌なカップルの言葉の戦争が知的好奇心をくすぐります。超辛口な赤裸々トークって、日本人はあまりしないですよね。でも、夫婦(人間)のすれ違いは万国共通だなと思いました。無理やり抑えていたらいつか爆発しちゃうし、嘘は必ずバレるし。
ほとんどがマリアンヌ(村岡希美)とヨハン(天宮良)のシーンなので、2人の俳優さんは大変だと思います。私が拝見した3/11(火)の時点では、まだまだ面白くなる余地があるような気がしました。
ひし形の何も無いステージに家具を置いたり片付けたりして、次々に違う部屋へと場面転換していきます。まるで引越し屋さんが来たみたいにドンドコ家具が運ばれていくのが楽しいです。舞台奥に、片付けられた(出番を待っている)家具が置いてあるのも面白いですね。
衣裳がおしゃれ!季節や身分(登場人物の状況)に合わせて変わっていくのも効果的です。特にマリアンヌの春服が個人的にはお気に入りでした。
ここからネタバレします。
ヨハンが浮気を告白し、突然家(別荘)を出て行ってから大波乱になります。幕が変わるごとに夫婦の立場が激変しているのが面白いです。
子供のことを無視しててヤな両親だなと思ってたら、ちゃんと(?)子供がわがままに育ってて納得(笑)。
結局2人は殴り合いのケンカの末に離婚しますが、違う相手と再婚してからも肉体関係は続けているという結末で、なんだかもう、うらやましいやらあきれるやら、どう反応していいのか困ったんですが(笑)、最後は別荘のベッドルームが岩に囲まれ、1組のカップルの話が地球に暮らす人類全体の話へと広がりました。素晴らしかったです。さすがは鈴木裕美さんの演出だと思いました。
出演:村岡希美/天宮良/鬼頭典子
作:イングマール・ベルイマン 台本:広田敦郎 演出:鈴木裕美 美術:中根聡子 衣裳:関けいこ 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美 舞台監督:瀬川創 ヨガ指導:岡千絵 演出助手:大久保遼
全席指定6,000円 学生3,000円 ※TPTにて取り扱い
http://www.tpt.co.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ホリプロ/メジャーリーグ『身毒丸 復活』03/07-04/10彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
藤原竜也さんのデビュー作としても有名な『身毒丸』は、これまでに何度も再演されたのに私はずっと見逃しておりまして(涙)、「復活」してくださったおかげでやっと観られました。アメリカ公演が大絶賛だったようです。
上演時間は2時間強。2002年版の公式サイトが充実しています。
⇒CoRich舞台芸術!『身毒丸』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
母を売る店で買い求められた女・撫子(白石加代子)と、死んだ実母を慕い続ける義理の息子・身毒丸(藤原竜也)。
“家”という呪縛の中で、憎しみあい、愛しあい、拒絶しあい、求めあう二人の、宿命の出会いと禁断の恋。
≪ここまで≫
1978年初演の寺山修司さんの戯曲を1995年に蜷川幸雄さんが新しく演出されて(主演:武田真治・白石加代子)、1997年版で藤原竜也さんが身毒丸役に抜擢されたんですね。いわば藤原さんの原点となる作品なわけで、やっと観られたことがまず嬉しいです。
電動工具から飛び散る火花、ちょうちんを持った白無垢の花嫁、赤ん坊を背負った新聞配達、自転車に乗った紙芝居屋、裸電球がともる電信柱・・・これでもか、これでもかと迫ってくる昭和のモチーフ。
音楽の鳴るタイミングと種類、そして歌詞が強烈でした。演歌なのかポップスなのかロックなのか、メロディーもリズムもひとつのジャンルに納まらない破天荒さで、音が鳴る度にどぎまぎさせられました。どちらかというと私の好みのタイプの音ではないのですが、そんな好き嫌いのレベルなど飛び越えた、圧倒的な強さのある演出だったと思います。
ただのわがままなのですが、できれば音楽は生演奏で聴きたかったですね。せめて歌だけでもライブだったらな~♪
セリフはドキっとするような奇抜な単語がよく出てきて、詩的です。次々に繰り出されてくるダイナミックな演出に、口をポカーンと空けて圧倒されるがままになることが多かったかも(笑)。結局ストーリーはよくわからなかったんですが(汗)、生で観られただけでも充実していました。
白石さんと藤原さんが2人で居るだけで、舞台全体がすっかり彼らの世界に染め上げられました。それだけ大きな存在感のある母子(恋人?)でした。
ここからネタバレします。
仮面売りからもらった持ち運び用の“穴”に堕ちて、身毒丸が地下世界(彼の空想の世界?)へと入り込む場面が面白かったです。ろうそくの火がたくさん灯った山車がステージをぐるぐる回るのが、きれいなんだか怖いんだか。
卒塔婆に藁人形をくくり付け、呪いの釘を打ち込む“母”が大勢!戦慄ですよっ。その釘で身毒丸の目がつぶされるんだから、さらに恐ろし・面白い。
撫子(白石加代子)が「これが私の家」と言って指差した“家”の模型を、さっと一蹴して壊してしまったのがかっこ良かったです。
家族が崩壊してすっかり気を落としてしまった父(品川徹)が、乳母車で運ばれます。その後に家族を象徴する“ハンコ”が踊り狂うのも凄かった。
作品を良くご存知の方が「(この作品は)もう歌舞伎みたいなものだから」とおっしゃっていたのに納得でした。
≪海外、愛知、大阪、東京≫
出演:藤原竜也 白石加代子 品川徹 蘭妖子 石井愃一 中曽根康太(せんさく役ダブルキャスト) 渡部駿太(せんさく役ダブルキャスト) 日野利彦 マメ山田 飯田邦博 福田潔 桜山優 澤魁士 本山里夢 秋山拓也 羽子田洋子 山口詩史 村中玲子 妻鹿有利花 中島陽子 太田馨子 難波真奈美 星野園美
脚本:寺山修司、岸田理生 演出:蜷川幸雄 照明:吉井澄雄 作曲:宮川彬良 美術:小竹信節 衣裳:小峰リリー 音響:井上正弘 振付:前田清実/花柳錦之輔 ヘアメイク:高橋功宣 演出助手:井上尊晶 舞台監督:明石伸一 技術監督:堀内真人 主催:財団法人埼玉県芸術文化振興財団 ホリプロ メジャーリーグ 企画制作:ホリプロ メジャーリーグ
【発売日】2007/11/10 S席 9,000円 A席 7,000円 B席 5,000円
http://hori.e-get.jp/99.html
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五反田団『偉大なる生活の冒険』03/06-16こまばアゴラ劇場
『生きてるものはいないのか』で岸田國士戯曲賞を受賞したばかりの前田司郎さんの新作は、ご自身の小説「グレート生活アドベンチャー」の舞台版です。
ゲッラゲラ笑って、素朴に感動しました。前売・当日ともに1500円で約1時間30分の演劇です。「あぁ、五反田団というのは演劇のジャンルのひとつだな」と思いました。
⇒CoRich舞台芸術!『偉大なる生活の冒険』
≪あらすじ≫
元彼女カナコ(内田慈)の家に転がり込んだムラカミ(前田司郎)は、毎日だらだらとファミコンばかりやっている。
≪ここまで≫
ちらかった部屋。布団はしきっぱなり。ゴミは転がりっぱなし。劇場の床にそのまま道具が置いてある、五反田団のスタンダードなスタイルです。
ここからネタバレします。
4年前に死んでしまったムラカミの妹(石橋亜希子)が登場して、布団の中で言ったセリフがすごく良かったです。「なんで生きてるんだろう?」だったかしら。涙が出そうになりました。
報われない不倫の恋をしているカナコのために、ムラカミが大切なカメラを売ってカニ缶を買ってきたのにプチ感動(あぁ、なんて簡単に感動するんだよ、私ったら)。ぎゃーぎゃー泣きわめきながら「うまい~っ!」とカニを食べるカナコに爆笑。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:前田司郎/内田慈/石橋亜希子
前田さんのトークはいつもすごく楽しいです。率直に、いっぱい話してくれるから。もちろん意図的にサービスされてるのもあるでしょうけど、ここまで話してくれるならトークのある日に行かなきゃ損!って思えます。案の定、客席は超満員でした。私は開演ギリギリに到着したので最前列のはじっこ桟敷席でした。でも大満足。
前田「年収3000万円以上の人も、そうじゃない人(たとえばこの芝居の主人公)も、生まれた時から死に続けているという点で差はない。」
前田「いつ死んでもいい人生なのに人は生き続けている。それだけで偉大だと思った。」
前田「(日常で思いついた)ネタを書きとめておいて、それを使おうとすると、作家に都合のいい脚本になっちゃう。それだとつまらない作品になる気がする。」
前田「自分が役者をやる時は、本番中にどんどん演技を変えていくので、たとえば安倍健太郎さんのようにしっかり安定した演技をされる役者さんに出演してもらうことにしています。アンカー(碇)になってもらうために。」
出演:安倍健太郎(青年団)、石橋亜希子(青年団)、内田慈、中川幸子、前田司郎
作・演出:前田司郎 照明:山口久隆(S-B-S) 宣伝美術:吉田悠軌 制作:榎戸源胤 票券管理:三橋由佳 制作補:清水建志 主催:五反田団
【発売日】2008/02/01 予約・当日とも1500円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.komaba-agora.com/line_up/2008_03/gotannda.html
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月15日
東京室内歌劇場『オペラ「流刑地にて」』03/14-16新国立劇場 小劇場
地点の演出家・三浦基さんがオペラを演出されるとのことで、ものすごく久しぶりにオペラ鑑賞に行って参りました。
『流刑地にて』はカフカの小説をフィリップ・グラスが作曲した、2000年世界初演のオペラです。歌詞は英語。今回が日本初演です。
あ~も~やっぱりオペラは素敵でした!あの客席の緊張感が好き♪そして三浦さんの演出も大迫力でした。
プレトーク(各公演30分前に開催)がとても充実してました。これからご覧になる方はぜひ。上演時間は第一部が40分、休憩20分、第二部(オペラ)が90分。プレトークを含めて合計3時間だと思えば良いと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『流刑地にて』
◆第Ⅰ部 《カフカ・プラス―流刑地への空想旅行<歌曲編>》
ソロもしくはデュエットで歌曲を5曲ほど披露されました。伴奏はピアノ、ヴァイオリンのソロ、弦楽四重奏。
星川美保子さんの独唱と山田百子さんのヴァイオリン演奏がとても良かったです。
◆第Ⅱ部 オペラ《流刑地にて》
東京室内歌劇場の「実験オペラ・シリーズ」は、
『単に同時代の作品を採り上げるシリーズというだけではなく、気鋭の演出家や演奏家を積極的に登用し、かつ演劇や映像などのジャンルを横断する舞台創造を試みることで、「劇場」と呼ばれる場を活性化させるプロジェクト』
だそうです(公式サイトより)。三浦基さんを演出に抜擢されるなんて素晴らしい!(←勝手に喜んでる私) オペラの世界はすごく自由で、観客も寛容でかっこいいなと思いました。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
旅人が、砂漠の真ん中の寂しい処刑に立ち会う。その方法は、かつての司令官が発明した機械により行われる。囚人は何も知らされず、機械にかけられる。囚人は、その機械に服することで、刑を知るのだ。読解不明な刑が機械の「製図屋」(a designer)の部分に設置されると、機械の「馬鍬(まぐわ)」と呼ばれる針千本によって12時間掛けて囚人の体に刑が描かれる仕組みなのだ。6時間も経つと苦しみが消え、囚人の顔に悟りの境地が現れるという。囚人は、自らの刑も処刑の仕組みも理解できない。士官はこの処刑方法を維持を強く願い、新しい司令官は廃止したがっている。旅人はこの残虐な刑に反対の意を表した・・
≪ここまで≫
全体的に黒くてシャープな印象の舞台。舞台を上下(かみしも)に横切るように設置されたキャットウォークに、旅人と士官が立っています。高さは2階分ぐらい。彼らの背中側に字幕用の白いスクリーンがあって、文字以外に映像も映し出されます。
半透明の白いビニールの雨合羽を着た人形が、ステージ上に何体も置かれています。ぶらぶらと揺れる構造になっていてちょっと不気味。床にはところどころ四角い穴が空いていて、“彼”が出入りします。
人形たちと同じく白い雨合羽を着た“彼”が、死刑囚に見えたり為政者に見えたり。ごてごてと説明せずに、あくまでもシンプル&クールなやり方で、たくさんの意味が伝わってくるのがスリリング。三浦さん演出のオペラがまた観たいと思いました。
同じ旋律を繰り返すのが特徴のフィリップ・グラスの音楽は、「モーツァルトやプッチーニのオペラが好き♪」な私にとってはとっつきやすいものではなかったですが、とてもドラマティックな演奏だったので(視覚的にも)、比較的スムーズにオペラの世界に入ることができました。
ここからネタバレします。
処刑装置について説明するのに90分のうちの30分が費やされるという、なんとも斬新なオペラ。劇場全体がその機械であるという演出は見事でした。演奏中の弦楽器をアップでスクリーンに映し出すと、それが“機械”に見えてくるんです。スクリーンに映った指揮者さんがまるで死刑執行人(=機械)に見えたのも面白かったな~。あ、士官が盲目的に慕う故・前司令官(登場しない)に見えた瞬間もありました。
最後は照明器具がずらりと吊り下がったバトンが、ぐんぐん天井から降りて来ました。なんと「馬鍬(まぐわ)」の針が士官に刺さるという演出!すっごく迫力があったし怖かった~!真っ赤な照明もタイミングが凄かったです。
演奏中に“彼”が拡声器で声(息の音)を出したことに驚きました。だってオペラなのに(笑)!でも、弦楽器の音色と拡声器のノイズがとても合っていたんです。オペラの寛容さに感動。
第Ⅰ部 出演:ソプラノ 醍醐園佳/前川朋子/髙橋節子(14日、15日夜)/星川美保子
ピアノ:中川賢一 ヴァイオリン:山田百子 弦楽四重奏:クァルテット・エクセルシオ(ヴァイオリンⅠ西野ゆか/ヴァイオリンⅡ山田百子/ヴィオラ 吉田有紀子/チェロ 大友肇)
第Ⅱ部 オペラ《流刑地にて》〈In the Penal Colony〉(日本初演)全1幕/字幕付原語[英語]上演
出演:旅行者(テノール):経種廉彦 士官(バリトン):青戸知 彼(俳優):石田大
演奏 弦楽五重奏 クァルテット・エクセルシオ&山本修(cb)
原作:フランツ・カフカ 台本:ルドルフ・ヴルリッツァー 作曲: フィリップ・グラス 指揮:中川賢一 演出:三浦基 美術:杉山至 衣裳:堂本教子 照明:吉本有輝子 映像:山田晋平 演出補佐:村川拓也 舞台監督:津田光正 字幕:三ヶ尻正 制作統括:竹澤嘉明 主催:東京室内歌劇場 特別支援:平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業 助成:財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団
S席¥10000 A席¥8000 B席¥5000 ※学生割引…各席種30%割引
http://www.chamber-opera.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月14日
東京国際芸術祭2008・TIFパフォーマンス『ムネモパーク』03/14-17にしすがも創造舎 特設劇場
『溺れる男』に続いてTIF公演に伺いました。今回はスイスの模型職人のおじいさま、おばあさまが主役の“脱力系”ドキュメンタリー演劇。
めっちゃくちゃ面白くて、楽しかったです!!上演時間は約1時間30分。公演終了後に模型を間近で観られて、出演者との交流もできます。
3/17(月)まで。残席あり⇒TIFチケット予約ページ(当日朝まで受付してくれるみたいです)
⇒CoRich舞台芸術!『ムネモパーク』
≪作品紹介≫ 公式サイトより
出演者は鉄道模型マニアの老人たち。舞台装置は1/87スイス模型。シュテファン・ケーギが仕掛ける脱力系ドキュメンタリー・パフォーマンス、日本初上陸!
出演者の4人の老人は、第二の人生を鉄道模型づくりに没頭するホンモノの模型マニアたち。舞台装置は、老人たちが自ら丹念に制作した1/87スイス模型。精巧な鉄道模型の上を、小型カメラを搭載したミニチュア電車が、「ムネモパーク」に込められた記憶や想いを切り取ってゆく。そこに映し出されるのは、美しい自然の国スイスというイメージに隠された、意外な国家と個人のドキュメンタリー?
アーティスト、シュテファン・ケーギと老人たちが祖国スイスに捧ぐ、ユーモア溢れる脱力系パフォーマンス! 06年アヴィニョン演劇祭でも大ブレイクした超話題作。
≪ここまで≫
87分の1の大きさのスイスの山や街をリアルに再現した模型の中を、列車が走ります。列車の先端部分に取り付けられたカメラから撮影するリアルタイムの映像が大画面に映し出され、若い女優さんと模型職人の老人3人の“脱力系の演技”とコラボします。もーおじいちゃま、おばあちゃまが可愛らしすぎ!素敵すぎ!ナビゲイターの女優さんも魅力的でした。
「私の名前は●●。初めて手に入れた列車は○○だった。」というセリフを聞いただけで涙が出てしまいました。おじいさんたちが作ったスイス模型が目の前にしながら、彼らが暮らしているスイスのことを語ってくれます。リアルってこのこと!
アナログとデジタルの融合もここまで手作り感丸出しだと微笑ましいし(笑)、そもそも技術の進化って人間のためにあるものだよなと思いました。
“模型”を眺めることは、世界を客観的に見つめることにつながります。こういう作品こそ友達と、恋人と、家族と一緒に観に行きたいですね。相変わらず私は1人観劇でしたが(汗)、初日は終演後に出演者・演出家を迎えたレセプションがあって、偶然会えたお友達と「面白かったねーっ!!」と感動を分かち合えました。
≪川崎、東京≫ 【ドイツ語上演/日本語字幕付き】
出演:ラヘル・フバッハー、マックス・クラス、ヘルマン・レール、ハイディ・ルイーズ・ルーデヴィッヒ、ルネ・ミューレターラー、ニキ・ニーケ
構成・演出:Stefan Kaegi <シュテファン・ケーギ> 映像:Jeanne Rufenacht < ジャンヌ・ルフェナハト> Marc Jungreithmeier <マーク・ユングライトマイアー> 音響:Niki Neecke <ニキ・ニーケ> 照明:Minna Heikkila < ミナ・ヒキーラ> 舞台監督:Michael Jann <ミヒャエル・ヤン> 演出助手:Anna K. Becker <アンナ・ベーカー> ドラマトゥルク:Andrea Schwieter <アンドレア・シュヴィーター> 制作:Maria Kusche <マリア・クーシェ> 製作:Theater Basel <バーゼル劇場>(スイス) 主催:NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)
【発売日】2008/01/18 一般 4,000円/学生 2,000円(当日要学生証提示)(全席自由・日時指定・税込)
http://tif.anj.or.jp/mnemo/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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赤坂RED/THEATER『赤坂RED/REVOLUTION第一弾「東京」』03/13-23赤坂RED/THEATER
当サイトで度々ご紹介しております、赤坂RED/REVOLUTION第一弾『東京』初日を拝見しました。上演時間は約2時間。⇒告知、⇒fringe blog ⇒最終オーディション・レポート ⇒稽古場レポート
劇場で配布されるパンフレットに寄稿させていただきました。パンフレットが入ったチラシ束は客席のシートの裏側のポケットに入っていますので、ぜひご覧ください。
⇒CoRich舞台芸術!『東京』
≪あらすじ≫
関西の港町から東京に出てきた高校時代の同級生3人組。東京に行きさえすれば何かがあると信じていたが・・・。
≪ここまで≫
客席のムードが独特でした。その、演劇界で有名な方々が、いっぱい・・・!シアターコクーンのような大劇場だったら気にならないんですが、赤坂RED/THEATERは小さい劇場なので、開演前に客席で無駄に緊張しちゃいました(汗)。
そして開幕した時に早速驚かされました。THE SHAMPOO HATっぽくないんです。赤堀雅秋さんの作・演出作品はこれまでに10作品以上拝見していますが、そのどれにも似ていません。そして、なぜか映画みたいだったんですよね。
書きかけの油絵のキャンバスのような壁が、舞台の三方を囲みます。色合いはブルーグレーを基調にした少々暗いイメージ。舞台奥の壁に空いた2つの四角い穴は、部屋の窓になります。でも枠の形がいびつで、斜めに倒れ掛かった上手側の壁とともに、危うさや居心地の悪さなどを感じました。
役者さんは大きな声で話しますし(つまり“静かな演劇”ではありません)、客席に向かって独白したり、薄暗い明かりの中で大道具を運んで場面転換したり、いわばスタンダードな演劇的演出でした。なのに私はずっと、映画を観ているように感じていました。そんな不思議な感覚が終演まで続き、カーテンコールで出演者全員が舞台に並んだ時に、アハハと笑いがこぼれました。あぁ、何か得体の知れない、新しいものが生まれたんだって思ったんですよね。
『東京』は、有名・無名に関わらず、色んな業界から集まった若い俳優による青春群像劇です。赤堀さんが戯曲やご自身の得意とされる作風にこだわらず、この企画に最適だと考える作品像を示されたのではないかと思いました。
オーディションで選ばれた役者さんはそれぞれに、演じる役ならではの個性を発揮してらっしゃいましたが、初日は硬さも感じました。まだまだこれから伸びていくのだろうと思います。
主役の元・ひきこもり少年を演じた清水優(しみず・ゆたか)さんの存在に独特の空気を感じました。舞台ではあまり観ないタイプの男優さんだなと思ったら、やっぱり映像関係の方でしたね。また舞台に出られることがあったらぜひ観たいです。
自分が関西出身なので努力中の関西弁は少々気になりました。でも気にしない方が楽しめるのはわかってますから、序盤に「方言は気にしないモード」に頭を切り替えて(笑)、最後まで問題なく楽しみました。
ここからネタバレします。
まず驚いたのは開幕の時の音楽です。メロディアスな曲が大音量で流れます。ユーミンの「春よ、来い」(←音が鳴ります)に似た、切なさを高めていくような音楽をバックに、高校生時代の回想シーンで幕開け。そして現在のシーンへと移る時には、波が打ち寄せる音がこれまた大音量で劇場を埋め尽くします。ここでグっと引き込まれました。THE SHAMPOO HATでは味わったことの無い感覚です。
映画みたいだと感じた原因は1つではないと思いますが、照明の効果が大きかったと思います。全体的に暗く感じる舞台で、役者の顔にわざと光が当たらないようになっているのです(そう感じました)。でも2つの窓からさす光は床に反射して少々眩しくも感じます。つまり、セリフを言っている役者の顔は見えないんだけど、目に光は感じている、そして言葉は大きな声で耳もとまで届いてくる・・・。だから舞台は遠いんですが、言葉は近いんです。それが映画っぽかったのかなと考えています(あくまでも私個人にとってですが)。
小さな劇場だというのもありますが、いつもステージ全体が視界に入っている状態でした。特定の誰かに注目することが少なかったです。華の有る役者をわざと目立たせたり、露骨にストーリーを説明したりすることなく、作品そのものを舞台上に生み出すことを重視した演出意図の成果でもあったんじゃないかと思います。
ラストは、元ひきこもり劇団員(清水優)が隣の犬にエサをあげる事で自分の殻をやぶり、好きになったキャバクラ嬢にキスしちゃいます。全身の力がストンと抜けたようになって、お腹から笑ってしまいました。すごく可愛らしくて、滑稽なんだもの。そしてすっきりしないムズムズ感と、ひりひりとした痛みも残してくれました。これって青春ですよねっ!(笑)
赤坂RED/REVOLUTION第一弾!
出演:いせゆみこ、井筒大介、井端珠里、海老原礼子、粕谷吉洋、木村悟、小林愛、佐藤幾優、佐藤晴彦、清水優、新田めぐみ、野本光一郎、松永裕子、ゆかわたかし、吉牟田眞奈
作・演出:赤堀雅秋 照明:杉本公亮 音響:田上篤志(atSound) 舞台美術:福田暢秀 照明操作:高円敦美 音響操作:井上直裕(atSound) 衣裳進行:熊井絵理 演出助手:相田剛志 演出部:戸田美江 舞台監督:棚瀬巧 稽古場代役:佐藤皓 演出部協力:根岸みさき 音響協力:田島誠治 大道具製作:F.A.T STUDIO 衣裳協力:山本有子(ミシンロックス) 運搬:帯瀬運送 稽古場:本多スタジオ 宣伝写真:長谷川洋三 宣伝美術:いちのへ宏彰 WEB:新藤健 票券:西川絵悦代 制作助手:井手江夢 山田裕美 制作:佐々木康志 制作協力:HOT LIPS 企画・製作:上谷忠(J-clip) 伊藤達哉(ゴーチ・ブラザーズ) プロジェクトメンバー:山家かおり(Me&Her コーポレーション) 石井久美子(石井光三オフィス) 田窪桜子 主催:赤坂RED/THEATER パンフレットデザイン:いちのへ宏彰 パンフレット寄稿:高野しのぶ 稽古場写真:引地信彦 印刷:グラフィック
【発売日】2008/02/16 前売4,200円 当日4,500円(全席指定・税込)
http://www.tokyo-red.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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メルマガ号外 MONO『なるべく派手な服を着る』
MONO『なるべく派手な服を着る』
03/06-16ザ・スズナリ
≪大阪、東京≫
※公演詳細はこちら。
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⇒CoRich舞台芸術!『なるべく派手な服を着る』
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“しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.34 2008.3.14 1,283部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
MONO『なるべく派手な服を着る』
03/06-16ザ・スズナリ
≪大阪、東京≫
☆出演:水沼健/奥村泰彦/尾方宣久/金替康博/土田英生/
亀井妙子(兵庫県立ピッコロ劇団)/本多力(ヨーロッパ企画)/
松田暢子(ヨーロッパ企画)/山本麻貴(WADERINGPARTY)
作・演出:土田英生
一般3,800円 学生2,800円 (当日券は各200円UP)
※未就学児童入場不可
http://www.c-mono.com/
土田英生さんの新作。客演俳優を迎えたMONOの空気を味わいたい。
◎観劇後のコメント◎
MONO(モノ)は京都を拠点に活動する劇団で、作・演出の
土田英生さんは、テレビドラマや大規模なプロデュース公演への
脚本提供などもされている、今、大人気の劇作家・演出家です。
男5人の劇団MONOが13年ぶりに客演俳優を迎えた新作は、
個性豊かな(?)男6人兄弟の可笑しくて悲しいお話。
お芝居を観て、こんなにスカっと笑って、しみじみ感じ入って、
心底ハッピーな気持ちになったのは久しぶりでした。
笑いが絶えないほがらかムードが漂う中、残酷な現実が
ひょっこりと顔を出し、兄弟たちに未曾有の大事件が訪れます。
過去が塗り替えられ、想像し得なかったことが起こり、
人間関係が激変するのがとてもスリリング。
そんなドラスティックな展開があっても、
舞台の空気はどこかのどかで優しいのがMONOの世界。
仲良し家族のとぼけた会話には何度も爆笑させられました。
コントのように計算されたネタも、自然な言葉のやりとりも
絶妙のアンサンブルです。
男芝居も好きですが、やっぱり女優さんが出ると世界が広がりますね。
登場人物1人ひとりがいとおしくて、優しい音楽が流れる暗転中に
胸がいっぱいになって涙が流れました。
次にMONOのお芝居を観られるのは来年になるようです。
どうぞこの公演をお見逃しなく!
※上演時間:約1時間50分
【チケット情報】
全席指定 一般3,800円 学生2,800円 (当日券は各200円UP)
※未就学児童入場不可
★3/14(金)19:30と3/15(土)19:30は残席あり!
・劇団公式サイトからのチケット予約は公演前日23:59まで受付。
http://www.c-mono.com/
・電子チケットぴあ http://t.pia.jp/
0570-02-9999[Pコード381-746]
・イープラス http://eplus.jp
【お問い合わせ】
キューカンバー
TEL 075-525-2195
http://www.c-mono.com/
劇場(ザ・スズナリ)ロビー
03-3467-7554
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
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◆ 【編集後記】
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◎今年2月29日以来のメルマガ号外です。前回はこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0229012217.html
◎4月5日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
http://takegaki.k-free.net/
※PodCastingが始まっています↓
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
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それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
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※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
出演:水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生、亀井妙子(兵庫県立ピッコロ劇団)、本多力(ヨーロッパ企画)、松田暢子(ヨーロッパ企画)、山本麻貴(WADERINGPARTY)
作・演出:土田英生 舞台監督: 鈴木田竜二(東京)・米谷有理子(大阪) 舞台美術: 柴田隆弘 照明: 葛西健一 音響: 堂岡俊弘 衣裳: 權田真弓 大野知英(iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA) 演出助手:磯村令子 イラストレーション: 新山景子 宣伝美術: 西山英和[PROPELLER.] 宣伝写真:清水俊洋 Web製作:FLAT-FIELD(ブログ) 竹崎博人(映像) 制作助手:田平有佳 制作: 垣脇純子・本郷麻衣 企画・製作・主催: キューカンバー・MONO
【発売日】2008/01/12 一般 3,800円 学生 2,800円 (当日券は各200円UP) ★3/6・3/7は割引料金→一般 3,300円 学生 2,300円 (当日券は各200円UP)【全席指定】※未就学児童入場不可※学生券はMONO・キューカンバーのみでの取り扱い
http://www.c-mono.com/
2008年03月13日
【稽古場レポート】赤坂RED/REVOLUTION『東京』03/06下北沢某スタジオ
『東京』稽古場
赤坂RED/REVOLUTION『東京』の稽古場にお邪魔してきました。⇒告知 ⇒fringe blog ⇒最終オーディションレポート
完全公募のオーディションで613名から選ばれた若い俳優15名が、赤堀雅秋さんの作品にどう向き合い、舞台でどう生きるのか。笑いが絶えない、でも緊張も途切れない、真剣勝負の稽古場でした。
赤坂RED/REVOLUTION『東京』
3/13-23赤坂RED/THEATER 本日開幕!
⇒CoRich舞台芸術!『東京』
赤堀「ここはシリアスなシーン。それでもフザけてやってみて。」
赤堀「なんだか真面目に芝居してる。薄氷の上を歩くように、おそるおそるやってる(それではだめだよ)。」
赤堀さんは余計な飾りの無い短い言葉で、穏やかに指示を出されます。それが稽古場で起こっていることの核心に触れるひとことなので、発言の度にピリっと緊張が走ります。
もちろん、ただ厳しいだけではなく思わず吹き出しちゃうユーモアもいっぱい。赤堀さんのオモシロ提案はこちら↓
赤堀「“アホのサカタ”でやってみて。」
赤堀「Vシネみたいにやってみて。」
それにちゃんと応えて演じる役者さんに爆笑(笑)。皆さん本当に器用だな~!その後、“登場人物がふざけること”の意味を探っていきます。
ただ振り返るだけだったり、ただまっすぐ歩くだけの演技が、お稽古を繰り返す度に全く違う意味を持っていくことに目を見張ります。こうやってお芝居はひとつずつ積み重ねられていくんですね。
赤堀「油断してたら、ただ言葉を吐くだけになる。ナチュラルにセリフを言えばいいわけじゃないからね。」
赤堀「なんとなく出来ると思ったら大間違いだから。並々ならぬ準備があってから、初めてお客さんのパワーと対峙できる。(このシーンは)冒頭から尋常じゃないテンションだから、ドラマになるんだからね。」
赤堀さんの演劇に対する真剣さに触れて、見学席で身動きできなくなる瞬間がありました。なんて正直で、熱い人なんだろう。もともと赤堀さんの作品のファンではありましたが、今回は演出家・赤堀雅秋に魅せられました。
赤堀さんと一緒に作品作りをしている15人の役者さんは、毎日が命がけの戦いだったのかもしれません。613人から選ばれたことにも相当なプレッシャーを感じてらっしゃることと思います。一観客として(観客は本当に気楽なものです)、この勇敢な企画の目撃者になることが楽しみです。
最後にひとつ、若い役者さんに赤堀さんがおっしゃった言葉です。
赤堀「本を読め。いっぱい。1日1冊読みなさい。」
写真提供:赤坂RED/REVOLUTION制作部
出演:いせゆみこ、井筒大介、井端珠里、海老原礼子、粕谷吉洋、木村悟、小林愛、佐藤幾優、佐藤晴彦、清水優、新田めぐみ、野本光一郎、松永裕子、ゆかわたかし、吉牟田眞奈
作・演出:赤堀雅秋 赤坂RED/REVOLUTIONプロジェクトメンバー:上谷忠(J-clip) 伊藤達哉(ゴーチ・ブラザーズ) 山家かおり(Me&Her コーポレーション) 石井久美子(石井光三オフィス) 田窪桜子
http://www.tokyo-red.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月11日
【ワークショップ】アクターズワークス・時間堂共催「俳優のためのアクティングワークショップ エクササイズクラス」04/13-27都内某所
柚木佑美(ゆうき・ひろみ)さん が主宰するActors Worksのワークショップが、時間堂との共催で4月に開講します。⇒ワークショップのレポート ⇒柚木さんインタビュー ⇒2007年12月のワークショップ情報
柚木さんは新国立劇場演劇研修所の講師をされています。
申込締切:2008年3月29日
※アクターズワークスからいただいた情報です。詳細は公式サイトでもご確認ください。
■アクターズワークス・時間堂共催「俳優のためのアクティングワークショップ」
【コース】エクササイズクラス
【日程】全10回 18時30分から
4月13日(日)・14日(月)・17日(木)・18日(金)・19日(土)・20日(日)・23日(水)・24日(木)・26日(土)・27日(日)
※予備日程(災害・事故など緊急の事態に備えた日程):
4月30日(水)18時30分~
5月1日(木)18時30分~
5月2日(金)18時30分~
【会場】東京都内(受講決定時にお知らせします)
【定員】最多12人 最少8人
【受講資格】18才以上(高校在学中は不可)のプロの俳優、もしくはプロの俳優を目指す方で、心身共に健康な男女。
【申込締切】 2008年3月29日
※定員になり次第締め切り。最少人数に満たない場合中止の可能性あり。
【受講料】年会費3,000円 受講料35,000円
※本年分の年会費を既に支払われた方は受講料のみ。
【申込方法】氏名、住所、電話番号、年齢、プロフィールを記入のうえ、郵送・メール・ファックスにて申し込み
【連絡先】
〒151-0066東京都渋谷区西原3-17-4第2西原フラット201
アクターズワークス アクティングクラス係
FAX:03-3465-0705(10時~21時まで)
E-mail:qa_2oo7-5w1hactorsworks(アットマーク)yahoo.co.jp
URL:http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/6040/
【支払方法】上記の受講料・年会費等を申込締切日までに下記へご入金下さい。
振込み先:三菱東京UFJ銀行 代々木上原支店 普通 0705117 アクターズワークス
※お手続き後のキャンセルはご遠慮いただいております。あらかじめご了承ください。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月10日
日本テレビ/Bunkamura『さらば、わが愛 覇王別姫』03/09-31シアターコクーン
1993年にカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した映画『さらば、わが愛 覇王別姫』(Wikipedia)の世界初の舞台化です。主演は少年隊の東山紀之さん(“少年隊の”って今はもう言わなくてもいいのかな??)。
ある京劇役者の人生から中国の歴史が見えてくる壮大な長編ドラマが、なんと上演時間2時間(休憩なし)の音楽劇になっていました。すっごく感動~♪
⇒CoRich舞台芸術!『さらば、わが愛 覇王別姫』
≪あらすじ≫ goo 映画より。(後の役名)を追加。
1925年、北京。娼婦の母親に連れられ、孤児や貧民の子供たちが集まる京劇の養成所に入った9歳の少年・小豆子(後の蝶衣)。新入りの小豆子は他の子供たちからいじめられたが、彼を弟のようにかばったのは小石頭(後の段小樓)だけだった。
≪ここまで≫
長い歴史映画の重要な出来事を切り取って、ひとつひとつのエピソードが等価に並べられているように感じました。登場人物の心の揺れを詩的につづったセリフが、そぎ落とされた部分をちゃんと伝えてくれます。シンプルな構造だからこそ、容赦なく過ぎていく時間、激変する時代を感じ取ることができたのかもしれません。パンフレットで宮川彬良さん(音楽)がおっしゃっている「岸田さんの台本はそれ自体が音楽だから」という言葉にとても共感しました。
演出も蜷川さんのこれまでの作品と比べるとシンプルな方だと思います。最初の京劇のシーンで役者さんが歌を歌われた時は、本物の京劇とあまりに違うので戸惑ったんですが、後から“歌”が演出の面で大きな効果を発揮していくのが見事だな~と思いました。
舞台はカーテンのような白い幕に囲まれた形。透き通った幕がふわふわと風に揺れるのは、時代に翻弄される人間を想像させます。上下(かみしも)の幕のすそ部分がギザギザに破れているのが良かったです。時間の経過(歴史)を感じました。
ここからネタバレします。
子供の頃の蝶衣(テイエイ・東山紀之)がナイフを持った母親に追いかけられるシーンから開幕します。スローモーションで舞台中央奥からじわじわと迫ってくる母子。も~この時から映画のシーンが次々と思い出されてきて、胸が一杯になりました。
「覇王別姫」という京劇の演目で歌われる歌、登場人物の心情を切々とつづっていく歌、子供にある政党を賛美するように歌わせる歌、共産党の党員たちの気持ちを鼓舞する歌・・・。全部“歌”なんですが、同じ“歌”でも歌われ方(使われ方)によってこんなに違うということを思い知らされます。
京劇の舞台上で衣裳をまとった蝶衣たちを、時代によって違った制服(軍服、人民服など)を着た人々が侮辱します。国旗が変わる度に制服が変わる。でも衣裳は変わらない。きらびやかな衣裳とカーキ色の軍服が同じ舞台の上にあることが、つらかった。
蝶衣が袁世凱からもらった剣で自ら死ぬシーンでは、剣の扱いにじっくり時間をかけていたのがかっこ良かったし、説得力がありました。本当に何も思い残すことなく、虞姫として死ぬんだなと、涙しながら東山さんを見つめていました。
東山さんが演じられた女形・蝶衣役は、映画ではレスリー・チャン(Wikipedia)が演じていました。今もよく覚えています。強い心を持っていて、なまめかしい美しさがあって、でも存在ははかなかった。素晴らしい映画でした。この舞台も良かったので個人的に嬉しいです。
出演:東山紀之 木村佳乃 遠藤憲一 沢竜二 西岡德馬 中村友也 沢竜二 戸井田稔 張春祥 任喜涛 馬燕超 星智也 井面猛志 篠原正志 宮田幸輝 下塚恭平 安田栄徳 西田健二 岡田純一 石井則仁 千田真司 のぞみ 山田拓実 柴一平 岩本淳也 北原秀太朗 牧野雄也 川手大輝 ほか子役(ダブルキャスト)
原作:李碧華(リー・ピクワー) 脚本:岸田理生 演出:蜷川幸雄 音楽:宮川彬良 美術:中越司 照明:勝柴次朗 音響:井上正弘 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 振付:広崎うらん 京劇指導:張春祥 歌唱指導:北川潤 演出補:井上尊晶 演出助手:大河内なおこ 舞台監督:小林清隆 主催・企画・製作:日本テレビ Bunkamura
【発売日】2007/12/16 S11,000円 A9,000円 コクーンシート6,000円http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_haou.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月08日
あなざーわーくす『2010年のエレクトラ』03/06-09遊空間がざびぃ
わたなべなおこさんが作・演出するあなざーわーくすは、観客参加型のお芝居を発表している劇団です。
岩井秀人さん、中島美紀さん、西田麻耶さんら豪華客演陣を迎えた15回公演に“参加”してきました。私、観客参加型って苦手なんですが、ムリなく楽しませていただきました。
⇒CoRich舞台芸術!『2010年のエレクトラ』
まんまと踊らされたり、知らない人と手をつないで笑いあっちゃったり。なんか、乗せられて楽しんじゃった♪、みたいな体験。こんな感覚が日常にあれば、軽い気持ちで幸せになれるんじゃないかな。
かぶりものが凄かった。岩井さんが着てたあのタコみたいなの、気持ち悪い(笑)。中島さんがかぶっていた女王さま(?)の被り物も意味不明で面白かったです。たしかハトが飛んでた。
ここからネタバレします。
岩井秀人さんと中島美紀さんの愛の冷めた夫婦(だったかな)の演技に鬼気迫るものがあり、笑いをこらえきれず。いえ、こらえなくてもいいんですが(笑)。
あなざーわーくす第五回杉並演劇祭 参加公演
出演:髙木雅代、髙橋美貴、大西智子、岩井秀人(ハイバイ)、中島美紀(ポかリン記憶舎)、西田麻耶(五反田団)、油絵博士
脚本・演出:わたなべなおこ 照明:鈴村淳 しかけ:岩田暁(チュウルス) 受付運営:新野彩子(ダムダム弾団) 宣伝美術イラスト笹野茂之 宣伝美術デザイン:高雄一徳(自己非難ショー) 小道具 かぶりものデザイン・製作:笹野茂之 記録撮影:小口宏 高橋里恵子 主催:あなざーわーくす
【お芝居】日時指定・全席自由 前売 2,000円 当日 2,500円 高校生以下 1,500円
【ワークショップ】参加費 1,500円
お芝居・ワークショップに関する問合せ・予約先:あなざーわーくす わたなべ090-9244-7446 anazanowa(アットマーク)nifmail.jp
http://www.anaza.c-o.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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東京国際芸術祭2008・TIFパフォーマンス『溺れる男』03/06-09にしすがも創造舎 特設劇場
TIF2008が招聘する海外のカンパニーの作品です。アルゼンチンの演出家ダニエル・ベネロッセさんによる『溺れる男』は、チェーホフ『三人姉妹』の男女入れ替え版。イリーナ、マーシャ、オーリガが男3人兄弟になっているんです。
めっちゃくちゃ面白かった!!メルマガ号外を出せないのは、原作を知っていないと理解が難しそうだから。上演時間が約1時間20分ですから大幅にカットされていますしね。『三人姉妹』がお好きな方は、必見!
残すは3/8(土)14:00/19:30、3/9(日)15:00の3ステージ。千秋楽は完売間近。3/8(土)はマチネとソワレの間にベネロッセさんのレクチャーがあります(16:00~)。
⇒CoRich舞台芸術!『溺れる男』
レビューはアップできないかも(涙)。ごめんなさい。ポスト・パフォーマンス・トークの覚え書きのみアップしています。
レビューを少しだけですがアップしました(2008/03/18)。
開演前から役者さんは舞台上でリラックスしています。ものすごく自然な、優雅な、自由な、時間。そのままの雰囲気で本番へ。
ここからネタバレします。
みんなが去ってしまって、残された三人兄弟。オリガが最後の長いセリフを語る時、ズラリと横一列に並んだイスに全出演者が腰掛けています。1人1人の人生がしっかり独立して並んでる・・・『リハーサルルーム』でも感じた感覚でした。でもセリフが語られている時に伝わってきたことは、『リハーサルルーム』とは全く違うものでした。
死者が、今を生きている観客に向かって、語りかけているようだったんです。死んでいった人々の魂が、目の前にあって、彼らが生きてきた人生の全てについて、私たちに語ってくれていた。涙が溢れて出て止まらなくなりました。これが俳優の仕事なんじゃないかと思いました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:ダニエル・ベロネッセ(演出)/クラウディオ・トルカチール(イリーナ)/ルシアーノ・スアルディ(マーシャ)/クラウディオ・ダ・パッサーノ(オリガ)/マルタ・ルボス(チェブトゥイキン)/通訳/司会
役者A「(登場するのは)幸せになるために何をやるべきかわかっているのに、やらない人々。」
役者B「不幸、つらさ、孤独、苦しみというのは、誰でも感じることで、国籍も男女も関係ない。」
役者C「夢、痛み、苦しみなどは、全人類が感じるものだと理解できた。そうして役柄の深みに触れることができるようになったと思う。みんなと一緒に、同時に深みに辿りついていけたように思う。」
ベロネッセ「私は直感を大事にしています。直感に流されれば、何らかの可能性が出てくるのではないかと思っているのです。何かはわからないけれど、常に何かを生み出していこうという気持ちでやってきた。」
ベロネッセ「チェーホフを純粋に、そのままやるのが好きな人には、あまりわかってもらえないかもしれないけれど、違う形でも上演できることの証明になったと思う。」
ベロネッセ「作品を観た観客が、新鮮な気持ちで劇場を出られればいいと思う。」
観客「俳優の生理と演出意図とは、どうやって折り合いをつけているのか?例えば開演前に舞台上に役者がいて、まるで稽古場にいるような自然な状態だったことについて。」
ベロネッセ「役者が何らかの動きをした時、『なぜ、そうなるのか?』と聞くことにしている。先入観(原作『三人姉妹』のイメージなど)をもってやることに危機感がある。例えば新しい“オリガ”を発見できなくなるから。今までの持ち物を捨て去って、新しく作っていくことが大切。」
ベロネッセ「戯曲を掘下げていくと文学になってしまう。私が作るのは文学ではなく舞台。舞台は何かを発見していく場だから。」
ベロネッセ「役者には、観客と向かい合う危険性と喜びの両方を味わって欲しいと思っている。まずは(役者の)安心材料を取り除くこと。例えば役者にとって幕は、自分を守ってくれる毛布だったり、救命用の浮き輪だったりする。それを取り除きたい。」
ベロネッセ「リハーサル(稽古)を友達に観てもらいながら作って、それが良かったので、そのような上演形式にした。ステージ衣裳もありません(役者は私服で舞台に立っている)。」
Un hombre que se ahoga【スペイン語上演/日本語字幕付き】2004年初演。
出演:クラウディオ・トルカチール、ルチアーノ・スアルディ、クラウディオ・ダ・パサーノ、アナ・ガリバルディ、パブロ・メシエス、フェルナンド・ジョサ、マルタ・ルボス、マレーナ・フィーゴ、シルビナ・サバテール、エルビラ・オネット、マラ・ベステッリ、アドリアナ・フェレール
原作:Anton Chejov <アントン・チェーホフ>『三人姉妹』 演出:Daniel Veronese <ダニエル・ベロネッセ> 舞台監督:Diego Curatella <ディエゴ・クラテージャ> 制作:Sebastian Blutrach <セバスチャン・ブルトラッチ> 舞台監督:寅川英司+鴉屋 照明:佐々木真喜子(ファクター) 音響:内田伸(サウンド・ウィーズ) 字幕制作:幕内覚(Zimakuプラス) 翻訳・監修:寺尾隆吉(フェリス女学院大学准教授) 翻訳:浜田和範 通訳:川口隆夫 佐藤空子 TIFクルー:柴田智子 中野三希子 三井果苗 米山淳一 インターン冨地菜緒子 制作アシスタント:早川卓亜 中山大輔 制作:及位友美(ANJ) 制作統括:相馬千秋(ANJ) 主催:NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)
【発売日】2008/01/18 一般4,000円/学生2,000円(当日要学生証提示)(全席自由・日時指定・税込)
http://tif.anj.or.jp/hombre/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月07日
【お知らせ】3月8日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第1土曜日のレギュラーです。今月は都合により第2土曜日の出演になりました。
ニ兎社『歌わせたい男たち(再演)』についてお話し、3月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
3月8日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
FM 84.2MHz
2008年03月06日
reset-N『黎明』相鉄本多劇場03/05-09相鉄本多劇場
横浜SAAC(横浜舞台芸術活動活性化実行委員会)の「再演支援プロジェクト」の第一弾です。
reset-N(リセット・エヌ)は夏井孝裕さんが作・演出される劇団で、『黎明』は代表作の一つです。reset-Nファンの私としては、観たことのなかった作品の実際の上演を観られる嬉しい機会になりました。
上演時間は約1時間25分。ポスト・パフォーマンス・トークがありました(出演:夏井孝裕・ハセガワアユム)。
⇒CoRich舞台芸術!『黎明』
私がreset-Nを初めて観たのは、2000年に吉祥寺スターパインズカフェで上演された『MARKET』(⇒舞台写真)でした。題材がかなりハードだったんですよね。『黎明』もいわばそういう方向性の脚本だったので、ちょっと懐かしい気持ちがしました。ただ、残念ながら私が期待していたものとは違いましたね。
ここからネタバレします。(2008/03/10追加)。
言葉の裏側の悲痛さが伝わってこなかったんですよね・・・。例えば自称マゾヒストの女性(タテイシの妻リツコ)がマゾに見えないとか。漫画家が編集者に告白するんだけど、本当に好いているように見えないとか。また、笑えるはず(だと私が思う)のポイントで笑えないとか。
reset-Nの世界は、長年この劇団で活躍してきた役者さんたちが支えていたんだなと思いました。今回は半数が客演の役者さんで、どうしてもそのハードルが高かったんじゃないでしょうか(憶測に過ぎませんが)。
ポスト・パフォーマンス・トークで「次もエロティックな題材になるかも」と夏井さんがおっしゃっていましたので、夏の新作を楽しみにしたいと思います。
出演:綾田將一、丸子聡美、山前麻緒(劇団夜想会)、足立由夏(InnocentSphre)、平家和典、原田紀行、長谷川有希子
脚本・演出:夏井孝裕 グランドデザイン:massigla lab. 音響:荒木まや 舞台監督:藤本志穂(うなぎ計画) 宣伝写真:山本尚明 宣伝美術:quiet design productions. ウェブ:笹香和 制作協力:beyond. 藤田晶久(palette-bullet) 主催:reset-N 共催:横浜SAAC・横浜市市民活力推進局
【発売日】2008/02/11 前売り・当日とも3,000円 学生2,000円(身分証の提示が必要です) 日時指定あり 全席自由
http://www.reset-n.org/jp/reimei08/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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チェルフィッチュ『フリータイム』03/05-18 SuperDeluxe
岡田利規さんが作・演出されるチェルフィッチュの新作です。SuperDeluxeでチェルフィッチュというと、再演の『三月の5日間』以来ですね。
色んなメディアに大きく取り上げられている話題沸騰の公演初日は、当日券にも列が出来て熱気ムンムンでした。外国人が多かったですね。開場時間までに到着して、なんとかイス席をゲット(整理番号順入場・自由席です)。上演時間を失念。15分の休憩がありました。
チケットはほぼ全て完売で、当日券は毎ステージ発行予定。ただし「立ち見もしくは入場できない可能性もある」とのことでした。4/4~5に北九州公演があります。
⇒CoRich舞台芸術!『フリータイム』
ファミレスの風景。ウェイトレスの西藤(さいとう)さんとお客さんと・・・。チェルフィッチュならではの若者言葉と脈絡がなさそうな身体の動き。語る対象を変えていく長い独白が続きます。『三月・・・』のようにラブ・アフェアや戦争、デモなどの刺激的な出来事が起こるわけではないので、全体的に淡々としています。
装置が不思議で面白かったです。見た目がまず「あらら?」って感じで、役者さんが触ることでまた違う意味を持ちます(デザインはトラフ建築設計事務所)。衣裳も含めて全体的な色彩はおしゃれな東欧デザインっぽかったですね。ファミレスのイスとテーブルのはずなんだけど(笑)。
「演劇」を観るんだという心積もりで観ない方が良い気がしました。もちろん「演劇」という言葉は人それぞれとらえ方が違うんですけどね。
上手く説明できないのですが・・・ここに、自分が居ること。ここで、誰かと一緒に、ある話を聞いたこと。それが確かに、そこに、あったのだと思いました。そこに「時間」というものがあった、というか。逆に言うと、確かなものなんてそれぐらいしかないよねってことを、受け取りました。
下西啓正さん(メガネをかけた男性)が左手を左胸の前あたりでぐるぐる回すのが、すごく面白かった。あと、安藤真理さん(ショートカットの女性)が片足を挙げる動作も(←細かっ!・笑)。
ここからネタバレします(20080609加筆)。
イスとテーブルが床に埋まっていました。パンフレットによると、床から50cmのところまでをバッサリ切り落とした形です。役者さんはその低いテーブルの上に乗ったり、もはや背もたれしかないイスに触りながら演技をします。それをイスだと思ってないのが面白いです。見たままそのものとして扱います。
早番のファミレスのウェイトレスが、ほぼ毎朝来る常連客の女性と、自分をナンパしてきた2人の男性客について話します。常連客は出勤前の30分の自由時間を大切にしていて、その間は日記を書いています。その日記はペンでぐるぐると円を描き続けるだけの落書きのようなもの(ページが真っ黒になるまで円を書き続ける)。彼女はガンになってしまった父親が入院している病院に週1回は通っていて、最近よく一緒にゴハンを食べる男の人に、そのことを話そうかどうか迷ったりしています。
でも中盤を過ぎた頃に「それは嘘です」って、突然誰か(山崎ルキノ)が言っちゃうんです。今まで舞台で語られてきたことが本当なのかどうかなんて、わからないって。もしかしたら全てはウェイトレスの想像かもしれない・・・。
男になったり女になったり、誰かについて話している内に話題にのぼっている誰かになったりして、舞台上の役者さんはゆるやかに変身しながらも、存在はとてもヴィヴィッドに保たれています。彼らが語ってきたことが「嘘」だったことで、私はスーっと気持ちを後ろに引いて、作品の外郭を眺めるような気持ちになりました。
最後に「フリータイムとは・・・」とはっきり意味を説明するようなセリフが用意されていたことに、少々驚きましたね。それを聞いて、生き生きと存在している役者さんが目の前に居ることや、誰かの無限の想像の世界の出来事や、個人的な悩み、自慢などなどをすべて含んだ「時間」が、今、ここに、ある、ということなのかなと思いました。・・・あれ?もしかするとこれは、細胞から宇宙、過去から未来、空想と現実、時間、空間・・・のすべてを、つまり“世界”を演劇で表現したってことなのかも・・・?んー、まだよくわかりません。でも、そうだとすると凄い。
可笑しかったのは男2人がアフロ・ヘアの女性の話するシーンと、マイクを持って会話する3人(動かない女と会話する男2人)のシーン。照明もきれいでした。
あと、男2人でファミレスに来てたスズキくんとアズマくんは、『三月・・・』の登場人物にもいましたね(笑)。
≪東京、北九州、海外≫
出演:山縣太一、山崎ルキノ、下西啓正、足立智充、安藤真理、伊東沙保
作・演出:岡田利規 舞台美術:トラフ建築設計事務所(鈴野浩一、禿真哉) 音楽:小泉篤宏(サンガツ) 照明:大平智己 音響:牛川紀政 舞台監督:鈴木康郎 制作:中西茜 但馬美菜子(プリコグ) 主催:チェルフィッチュ 国際共同制作:KUNSTENFESTIVALDESARTS08 Wiener Festwochen Festival D'Automne 企画・制作:precog
【発売日】2008/01/12 (日時指定 入場整理番号付き自由席)前売 ¥3,500 当日 ¥4,000 学生前売 ¥3,000(入場時に学生証を提示のこと)*セット券(フリータイム+特別イベント3/11)¥5800(プリコグWEBのみ取扱い)
http://chelfitsch.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月04日
アマネク『終焉ヶ原で逢いませう』03/04-09スタジオあくとれ
『大恋愛』に出演されていて気になった森田匠さんの作・演出で、脚本が第13回劇作家協会新人戯曲賞一次選考通過作品です(今回が初めての上演だそうです)。バラエティに富んだ若手出演者の面々にも惹かれて、久しぶりに中野の小さな劇場に伺いました。
タイトルは『おわりがはらであいましょう』と読むのだと思います。タイトルのロゴがかっこいいな~。上演時間は約1時間30分。
⇒CoRich舞台芸術!『終焉ヶ原で逢いませう』
≪あらすじ・作品紹介≫ 劇場サイトより
東京郊外の大学――。
解体間近のサークル会館から引っ越しに追われる学生たち。
その最中に見つかった数葉の写真。
そこには数年前に事故で亡くなった学生が写っていた。
雪国の言い伝えをもとに描かれる青春群像。
少し冷たい春のお話。
第13回劇作家協会新人戯曲賞一次選考通過作品。
≪ここまで≫
舞台はサークル会館の談話室・・・なのかしら。旅行研究部の部室は下手のドアの向こうにあるようだったので、おそらくそうだと思います(ちょっとわからなかった)。
幕開けで「“決して上手いわけではない静かな演劇”ってこういう状態なのね?!」という恐怖をちょっぴり味わいました(苦笑)。表情なく、声の起伏もなく、ただ静かに、機械的に話すだけではコミュニケーションは生まれないんですよね。
「あぁ青年団ってやっぱり凄いんだなぁ」とか思いつつ、こわごわ眺めていたところ、登場する度にどうしても笑ってしまうキャラ(大学の職員役:植村宏司)が出てきたんです(笑)。「ダメだ、面白すぎるっ!!」と苦笑・失笑しまくってる内に、なんとなく演出の意図が読み取れてきました。
これもまた「静かな演劇」を土台に新しく生まれてきた、次の世代の演劇なんでしょうね(例えば田上パルとか)。日常の一場面のように自然な会話が生まれているように見えても、そこかしこに演劇的で不条理な遊びが組み込まれています。森田さんは桜美林大学卒で、出演者もその周辺の方々が数名いらっしゃいますね。今後が楽しみです。
セリフは語尾が「・・・て」で終わることが多く感じて、それが気になりました(演出のせいかもしれませんが)。人の名前を何度も(意図的に)間違える、ことば遊びが面白かった。
ここからネタバレします。
事故で亡くなった男子学生の双子の弟が、兄が写っている写真を受け取りにやってきます。でも実は亡くなった本人の幽霊だったんです。また、関係ないのにずっとうろちょろしている体格の良い留年生(ギリコツカサ)も、学内で亡くなった学生の幽霊だったことがわかります。照明や音響で「幽霊ですよ」などと説明しないのが良いですね。“静かな演劇”ならではの味わいがありました。自称留年生の幽霊が清掃員の女性を連れ去ってしまうのも、ちょっと怖くて良かったです。
パラドックス定数でいつも難しいセリフをきびきびと流暢に語っている植村宏司さんが、ギャグ担当(と言っていい気がする)になってたことが衝撃的(笑)。パラドックス定数ならではの渋い味が、こんなに滑稽になるんて破壊的な可笑しさですよっ!はじめの「歌舞伎役者みたいな顔でいい声なのに・・・」という紹介からして可笑しかった。
出演:平岩久資 田代尚子 鶴川春男(タテヨコ企画) 齊藤庸介 高橋智子(青年団) ミギタ明日香(東京タンバリン) 下薗琢磨 堀内真奈美 植村宏司(パラドックス定数) 飯島蕗 ギリコツカサ(野獣会JAPAN) 森田匠
作・演出:森田匠 舞台意匠:濱崎賢ニ(青年団) 音響:泉田雄太×森田匠 照明:富山貴之 舞台監督:木村光晴(劇団GO AHEAD) 宣伝意匠:家常善光(かげわたり) 宣伝文句:古崎篤 制作:遠山亜希子(雑貨団)
一般前売り 2,500円 一般当日 2,900円 学生・シニア 2,300円(要証明書) ※アマネクーポン 2,300円 ※リピーター割引 1,200円
http://actre.hp.infoseek.co.jp/actre6.html
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2008年03月03日
イキウメ『眠りのともだち』02/27-03/09赤坂RED/THEATER
前川知大さんが作・演出されるイキウメの本公演です。先月末から開幕してまして、ひなまつりにやっと観にいけました。あ~面白かった♪
身近な生活と隣り合わせのSF世界にぐっと引き込まれて、「この先、どうなるのかしら??」とのめり込んだまま、最後まで楽しく拝見しました。こんな風に物語自体の面白さを満喫できる小劇場演劇って珍しいと思います。赤坂レッドシアターという場所も魅力ですね。
上演時間は約1時間45分。今日は追加公演で補助席もいっぱい出ていました。平日はまだ空席あるようです。3/9(日)まで。
⇒CoRich舞台芸術!『眠りのともだち』
≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。(役者名)を追加。
早坂水穂(小島聖)は夫の郁夫(浜田信也)と別居中。半年前友人の寺越(岩本幸子)宅へ引越し、ルームシェアをしている。郁夫は諸事情により、三日前からその部屋に厄介になっている。寺越は数日前から行方がわからず、水穂は警察に電話をした。水穂が郁夫に夢の話をすると、二人は同じ夢を見ていることに気がつく。
≪ここまで≫
前川さんの脚本の中では筋道がスっとまっすぐ通っていて、わかりやすい方なのかもしれません。複雑・高度なSFも好きですが、今作のようにロマンスがしっかり生まれるお話も大好き!SFでもホラーでも、人間の心が描かれているお芝居に惹かれます。
行方不明になった寺越のエピソードは探偵が登場する推理小説のよう。そんな要素もしっかり組み込まれていて巧いな~と思います。
照明効果を駆使した演出でした。舞台美術はあるシンプルな“部屋”で、特に大道具の移動などの大々的な転換はありません。でも場面は夢の中や他の部屋など色んな場所に変わりますので、それを照明で表現するのです。薄いオレンジに水色、赤、青、黄緑など色彩鮮やかで、ビジュアル面でも意味づけの面でも大活躍でした。
ここからネタバレします。
水穂は夢を見ている時に「ここは夢だ」と気づきます。それが“明晰夢(めいせきむ)”という状態。水穂はその状態からさらに眠ってしまい、“夢のまた夢”の世界に行ってしまいます。夢にいくつものレイヤー(層)があるという設定が面白いです。
水穂に目覚めてもらおうと、郁夫は病室で昏々と眠り続ける彼女に向かって懸命に語りかけます。ここで郁夫の本音がスルスルと出てきてしまうのが良いんですよね~。水穂も夢の中で郁夫と会えた時は、素直な気持ちを伝えることができていました。人間って、何か大きなものを失った時に、心の底の本当の気持ちが飛び出てきてしまうんですよね。これも脚本の巧妙な仕組みだと思います。
現実に戻ってこられるかどうか・・・のぎりぎりのところでの、車椅子に座った小島さんの演技が良かったな~。首が動いたのかどうか、あまりに小さな動きでなかなかわからなかったんです。それが美しかった。
水穂がレイアー4(無意識の世界)に堕ちるのを、暗転中の大音量の音響で表現したのも効果的だったと思います。最後はカラスの鳴き声みたいなのも聞こえたような。不気味で良かったです。
出演:浜田信也、盛隆二、森下創、緒方健児、宇井タカシ、岩本幸子、日下部そう、奥瀬繁、小島聖
作・演出:前川知大 舞台美術:土岐研一 照明:松本大介(enjin-light) 音響:鏑木知宏 楽曲提供:安東克人(MARS NEON) 衣裳:今村あずさ(SING KEN KEN) ヘアメイク:前原大祐 演出助手:矢本翼子 舞台監督:谷澤拓巳 棚瀬巧 宣伝美術:末吉亮(図工ファイブ) web:渡邊由布 宣伝写真:taro 宣伝スタイリスト:古池慶次郎 宣伝ヘアメイク:高橋まゆみ 運営協力:サンライズプロモーション東京 制作協力:エッチビイ 制作:中島隆裕(HB) 吉田直美 後援:TOKYO FM 提携:赤坂RED/THEATER 助成:平成19年度文化庁創造活動重点支援事業 企画製作:イキウメ
【発売日】2008/01/12 前売3,200円 当日3,500円(消費税込・全席指定)*未就学児童入場不可
http://www.ikiume.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月02日
【情報】おすすめワークショップの申込み〆切り間近!
ちらし写真
昨年から当サイトTOPで宣伝してる俳優向けワークショップです。新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチの池内美奈子さんの授業が受けられます。2月は研修生の舞台を2つ観ました(⇒1、2)。池内先生は優しくてほがらかで素晴らしい方ですよ。
■芸団協・新国立劇場NNTドラマスタジオ
「現役俳優ワークショップ~リフレッシュコースのためのお試し2日間」
期間:3/17(土)~18(日)の2日間
会場:芸能花伝舎(2008年)
★〆切り⇒ 3月4日(火)まで。郵送必着。
ニ兎社『歌わせたい男たち』02/29-03/23紀伊國屋ホール
永井愛さんが作・演出される『歌わせたい男たち』は、2005年の初演で朝日舞台芸術賞グランプリ・読売演劇大賞最優秀作品賞・秋元松代賞(戸田恵子)を受賞しました。今回が待望の再演で、キャストもそのまま!大盛況の初日に伺いました。
最初から笑わせてくれます。安心して観客になって楽しめます。そして、なぜかものすごく悲しくなって涙があふれたりします・・・。カーテンコールでは紀伊國屋ホールが暖かい拍手に包まれました。上演時間は約1時間50分。
★ポストパフォーマストーク開催!ゲストは→3/6(木)夜:秋元康さん 3/21(金)夜:野田秀樹さん
⇒公式ブログ
⇒CoRich舞台芸術!『歌わせたい男たち』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
仲ミチルは、ある都立高校の音楽講師。
四十代の半ばまでを“売れないシャンソン歌手”として気ままに過ごしたミチルだが、仕事は激減、そろそろカタギになろうと、ようやく今の仕事にありついたのだった。
今日はミチルが初めて迎える卒業式。国歌斉唱の際、伴奏をするようにと校長の与田から命じられていた。だが、ミチルはピアノが大の苦手、おまけにアガリ性でもある。「私のせいで厳粛な式が台無しになっては……」と、ミチルは早朝から音楽室にこもり、伴奏の稽古に励んだ。
だが、極度の緊張のせいか、指が震えだし、おまけに眩暈までしだした。保健室に飛び込み、ベッドに横たわるミチル。「本番で間違えたらどうしよう」と、焦りはつのる一方だ。
与田が保健室へやって来た。英語教師の片桐、社会科教師の拝島も出入りして、ミチルはおちおち寝ていられない。
実は、今日「君が代」の伴奏が無事に行われることは、ミチルだけの問題ではなかった。都議会委員、教育委員会関係者も列席する中で、「君が代」の斉唱を拒否し、着席してしまう者が出たら、校長の指導力が問われかねない。与田や、「君が代・日の丸」推進派の教師にとって、肝心のピアノ伴奏者に不調が生じてはまずいのだ。しかし、教師の中には、「君が代」斉唱に反対の者や、全く無関心の者もいて、今回のハプニングに対する彼ら・彼女らの反応は様々である。
それぞれの思惑が交錯する中、卒業式の時間は刻一刻と迫ってくる。
≪ここまで≫
三月。卒業式。もだえ苦しむ教師たち・・・。おかしなことだと思います。歌を歌う・歌わないでこれだけ苦しまなきゃだめなんて。少なくともこの作品を観れば、そういう視点を持つことができます。
「歌ってチョ~っ!」と懇願する男たち。あぁ、まさに、何が何でも、いやがおうにも、「歌わせたい」んだなぁ、この人たちは・・・と思って、情けないし可笑しいしで、妙~な心境になりました(苦笑)。
ここからネタバレします。セリフは完全に正確なわけではありません。
退職したサクラバ先生(登場しません)が校門前でビラ配り※をしていると、警察がやってきてつかまってしまいます。サクラバ先生のもとへ行こうとする拝島先生(日本史の教師・近藤芳正)を、校長先生(大谷亮介)と片桐先生(英語科教師・中上雅巳)が取り押さえるシーンで、なぜか、ぼっろぼっろと涙が流れました。なんてみっともないんだろう、なんて醜いんだろうって思ったんです。客席は笑いの渦でもあったんですが。
拝島「どんな言葉も追いつかない」
拝島「本当のことが聞きたい、本当の気持ちが聞きたい、僕にはもうそれだけだ!」
最後の校長先生の「内心の自由」についての演説に爆笑!初演では笑えなかったんですけどね、も~~~痛快!でした(笑)。
※サクラバ先生が撒いていたビラは「内心の自由」についての文章で、校長先生が若い頃に書いたものでした。ものすごい皮肉です。でも、そうやって人は180度変わります。変わらざるを得ない状況に、無理やり追い詰められることってありますものね。それが国家権力によるものだから問題なのです。
≪東京・新宿、埼玉、富山、滋賀、大阪、東京・亀有、愛知県、静岡、神奈川、鹿児島、福岡、山口、北海道≫
出演:戸田恵子、大谷亮介、小山萌子、中上雅巳、近藤芳正
作・演出:永井愛 美術=大田創 照明=中川隆一 音響=市来邦比古 衣裳=竹原典子 舞台監督=菅野将機 演出助手=鈴木修 宣伝美術=マッチアンドカンパニー 宣伝写真=ノニータ 宣伝ヘアメイク=武井優子 制作担当=弘雅美・安藤ゆか
【発売日】2008/01/26 一般5,000円 学割3,000円
http://www.nitosha.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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時間堂「『三人姉妹』ワークインプログレス」02/25駒込駅前スタジオ
黒澤世莉さんが演出(時には脚本も)を手がける時間堂のワークインプログレスに伺いました。演出家も出演者も30代以下の方々ですよね。チェーホフの『三人姉妹』に挑戦するって凄いことだと思います。
第1幕と第4幕を拝見。まさに創作途中という感じでした。公式ブログによると、ワークインプログレス以降、演出を大々的に変更されているようです。本番が楽しみ!
⇒CoRich舞台芸術!『三人姉妹』
出演:木内貴大(アーノルド・S・ネッガーエクスプロージョンシステム)/大野洋範/堀奈津美(DULL-COLORED POP)/星野奈穂子/雨森スウ/境宏子(リュカ.)/原田優理子((通称)トリのマーク)/石田潤一郎/菅野貴夫/鈴木浩司/玉置玲央(柿喰う客)/山田宏平(山の手事情社)/瀬尾卓也/松葉祥子
作:アントン・チェーホフ 翻訳:神西清 演出:黒澤世莉 演出助手:佐伯風土 谷賢一 制作:時間堂2007計画実行委員会 主催:時間堂 協力:駒込駅前スタジオ
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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新国立劇場演劇研修所1期生修了公演『リハーサルルーム』(2回目)02/27-28アルテリオ小劇場
東京公演から客席数700席以上の福岡公演を経て、今度は約200席以下の小劇場へ。千秋楽を拝見しました。
同じ作品なのに全然違う味わい!新しい気持ちで退屈することなく拝見しました。
これで一期生の研修はすべて修了なんですね。彼らの今後の活動には要注目です!
⇒修了生の今後の活動情報 いきなり話題の舞台に出演されますよ♪
⇒CoRich舞台芸術!『リハーサルルーム』
初めて観た回では、俳優1人1人のつぶだった輝きが前面に出ていたように感じたのですが、千秋楽では作品全体としてのまとまり感がアップしていたように思いました。俳優全員が作品のためにぐっと集中して、慎重に言葉を交わしていたように感じたんですよね。こんな風に簡単な一言で表現しきれることではないのかもしれませんが。
俳優1人1人が客席に向かって発していたものが、千秋楽では作品の中に向かっていたような。だから私個人としては、千秋楽よりも最初に観た回の方が好きだったかも。
作品のクオリティが上がったことで、脚本のことが気になってしまったのもあると思います。15人全員が主役というような群像劇って難しいですよね。「この役のためにこのシーンを付け加えたのかな・・・」とか、邪推してしまうことが何度かありました。
でももちろん、じーんと感動して涙しちゃったシーンもいっぱい♪
萩原大(古川龍太)「郵便です。」はやっぱり名セリフです。
≪東京、福岡、神奈川≫
出演:内田亜希子、野口俊丞、岡野真那美、河合杏奈、小泉真希、高島令子(髙島玲)、二木咲子、眞中幸子、北川響、窪田壮史、古河耕史、古川龍太、前田一世、三原秀俊、山本悠一(山本悠生)
作:篠原久美子 演出:栗山民也 美術:長田佳代子 衣裳:宇野善子 音楽:後藤浩明 照明:田中弘子 音響:河原田健児 演出助手:田中麻衣子 舞台監督:三上司 演出部:浅沼一彦 田中光子 菅野郁也 制作助手:馬場順子 スチール:落合高仁 宣伝:デザイン倶楽部 木下勝弘 小道具:高津瑛が装飾 烏城清 大道具:俳優座舞台美術部 瀬尾元保 衣裳:チャコット 三浦将起 ヘアメイク:スタジオAD 林節子 舞台・照明・音響操作:新国立劇場技術部 シアターコミュニケーションシステムズレンズ 研修所長:栗山民也 主催:川崎アートセンター(技術監督:小林裕二 機構:下元史朗 照明:(株)ファクター 佐々木真喜子 音響:(株)サウンドウィーズ 相川晶 企画・制作:大久保聖子 村上健太)
【発売日】2007/12/12 A席3,000円 B席2,000円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000051.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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劇団衛星『ブレヒトだよ!』02/23-03/02東山青少年活動センター
会場の看板
「CoRich舞台芸術まつり!2008春」審査員として京都まで観に行きました。劇団衛星は蓮行(れんぎょう)さんが作・演出される京都の劇団(⇒応募内容)。「自転車操業」と謙遜されていますが、プロとして活動している団体です。「演劇で学ぼう!」プロジェクトには興味津々!
公演公式サイトにあらすじなどが詳しく書かれています。劇団衛星のおもしろ略歴がホントに面白くって大変(笑)。2000年のスフィアメックスを思い出してしみじみしちゃう。
⇒舞台写真(あえて誤解されそうな写真・笑)
⇒CoRich舞台芸術!『ブレヒトだよ! 』
※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。こちらには旅の記録をアップ。
観劇後は、おじいさんが独自の美意識で経営されてるっぽい喫茶店↓でゆったり談笑タイム。色んな意味で“京都”を満喫(爆笑)。
京都はよく行ってるはずなのに、JR京都駅のここ↓には初めて入ったワ。
タクシーの運転手さんが「京都らしくない」って関西弁でブーブーと、面白おかしくおっしゃってましたけど(笑)、たしかに「京都らしい」というイメージは私にも浮かばなかったかも。でも一度行ったら忘れられない空間ですね。
出演:ファックジャパン、紙本明子、黒木陽子、蓮行、小林真弓、河合宏友、中村菜穂(日替わりギャング)
作・演出:蓮行 舞台監督:小島聡太 演出補:植村純子 舞台美術:川上明子 照明:川島玲子 音響:松野智美 作曲:高橋岳信 Web制作:梶原志乃 写真:石原和子(WADERING PARTY) 撮影:竹崎博人 宣伝美術:紙本明子 黒木陽子 制作:植村純子 清水加奈子 プロデューサー:吾郷賢
【発売日】2008/01/10 前半日程 2/23(土)13:00/19:00 24(日)14:00 料金 一般1500円・学生1000円(当日一般1800円・学生1300円) → 先行販売特価:一般1000円・学生500円 後半日程 2/29(金)19:00 3/1(土)13:00/19:00 2(日)14:00 料金 一般2000円・学生1500円(当日一般2300円・学生1800円) → 先行販売価格:一般1500円・学生1000円
http://www.eisei.info/brecht/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年03月01日
メルマガ 2008年3月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2008年3月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 46 2008.3.1 1,279部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎じわじわと地面から暖かくなってきた気がしますよね!
嬉しい気持ちとうらはらに、花粉も舞い始めちゃいました・・・。
マスク必携で今月も話題の舞台に通いま~す♪
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→チェルフィッチュ『フリータイム』
03/05-18 SuperDeluxe
≪東京、海外≫
http://chelfitsch.net/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→新国立劇場演劇『屋上庭園/動員挿話』
02/26-03/09新国立劇場 小劇場
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0229012217.html
◆3【東京国際芸術祭2008・海外作品など豪華ラインアップ!】
◎先月から東京国際芸術祭(TIF)が開催中!
http://tif.anj.or.jp/
◆4【お薦め芝居の前売情報 the company『バーム・イン・ギリヤド』】
◎演出家ロバート・アラン・アッカーマンさんの新作!
http://balm.thecompany-t.com/
◆5【「CoRich舞台芸術まつり!2008春」ネット審査結果発表! 】
◎第一次(ネット)審査通過の10団体を発表!
http://stage.corich.jp/festival2008/result.html
◆6【編集後記】
◎「劇場へ行こう!~駅前劇場編~」チケット申込み受付中!
◎3月8日(土)夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL・コメント
▽座種の記述がない公演は全席指定。
★1.チェルフィッチュ『フリータイム』
03/05-18 SuperDeluxe
≪東京、海外≫
☆出演:山縣太一/山崎ルキノ/下西啓正/足立智充/安藤真理/伊東沙保
作・演出:岡田利規
日時指定 入場整理番号付き自由席
前売¥3,500 当日¥4,000 学生前売¥3,000
セット券(フリータイム+特別イベント3/11)¥5800
http://chelfitsch.net/
岡田利規さんの2年半ぶりの新作。
●お薦めポイント●
『三月の5日間』↓で岸田國士戯曲賞を受賞した岡田利規さんの新作。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1212150053.html
『三月・・・』はヨーロッパ、アメリカ等での上演で高く評価され、
今作『フリータイム』はベルギー、ウィーン、パリ(の団体)との
国際共同制作です。日本の現代演劇の最先端と呼べるかもしれません。
チェルフィッチュの作風は決して万人受けするタイプだとは思いませんが、
今の“東京”を全身で感じられる希有な機会になる気がします。
2.tpt『ある結婚の風景』
03/05-17ベニサン・ピット
☆出演:村岡希美/天宮良/鬼頭典子
作:イングマール・ベルイマン 台本:広田敦郎 演出:鈴木裕美
全席指定6,000円 学生3,000円
http://www.tpt.co.jp/
もともとは人気テレビシリーズだったベルイマンの作品を
鈴木裕美さんが演出。大人が満足できる充実の小空間になりそう。
★3.MONO『なるべく派手な服を着る』
03/06-16ザ・スズナリ
≪大阪、東京≫
☆出演:水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生、
亀井妙子(兵庫県立ピッコロ劇団)、本多力(ヨーロッパ企画)、
松田暢子(ヨーロッパ企画)、山本麻貴(WADERINGPARTY)
作・演出:土田英生
一般3,800円 学生2,800円 (当日券は各200円UP)
※3/6・3/7は割引→一般3,300円 学生2,300円 (当日券は各200円UP)
※未就学児童入場不可
http://www.c-mono.com/
土田英生さんの新作。客演俳優を迎えたMONOの空気を味わいたい。
4.ホリプロ/メジャーリーグ『身毒丸 復活』
03/07-04/10彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
≪海外、愛知、大阪、東京≫
☆出演:藤原竜也、白石加代子、ほか
脚本:寺山修司、岸田理生 演出:蜷川幸雄
S席 9,000円 A席 7,000円 B席 5,000円
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=99
『身毒丸』は藤原竜也さんのデビュー作。
今回も海外公演が大絶賛だったようです。
5.Bunkamura『さらば、わが愛 覇王別姫』
03/09-31シアターコクーン
☆出演:東山紀之、木村佳乃、遠藤憲一、ほか
脚本:岸田理生 演出:蜷川幸雄 原作:李碧華 音楽:宮川彬良
S席11,000円 A席9,000円 コクーンシート6,000円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_haou.html
『身毒丸』同様、岸田理生さんの脚本を蜷川幸雄さんが演出。
チェン・カイコー監督の同名映画も大好きなので楽しみ!
★6.赤坂RED/THEATER『東京』
03/13-23赤坂RED/THEATER
☆出演:オーディションで613名の中から選ばれた15名
作・演出:赤堀雅秋(THE SHAMPOO HAT)
前売4,200円 当日4,500円
http://www.tokyo-red.net/
全ての出演者を完全公募のオーディションで選ぶ、
“赤坂レッドレボリューション”企画の第一弾!
最終オーディションの写真レポート↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0115014255.html
7.燐光群『だるまさんがころんだ』
03/20-31笹塚ファクトリー
☆出演:燐光群メンバーほか
作・演出/坂手洋二
前売3300円 当日3600円 ペア6000円(前売・予約のみ)
大学・専門学校生3000円 高校生以下2000円
http://www.alles.or.jp/~rinkogun/daruma2008.html
多数の賞を受賞した坂手洋二さんの代表作のひとつです。
2004年初演のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0322234107.html
8.G2プロデュース/パルコ・リコモーション
『MIDSUMMER CAROL~ガマ王子VSザリガニ魔人~』
03/21-04/06パルコ劇場
≪東京、新潟、宮城、大阪、広島、福岡、愛知≫
☆出演:吉田鋼太郎/志村玲那/笠原浩夫/新妻聖子/山内圭哉/
中山祐一朗/戸次重幸/月船さらら/楠見薫/春風亭昇太/岡田浩暉
作:後藤ひろひと 演出:G2
全席指定8500円 ※未就学児の入場不可
http://www.g2produce.com/parco/msc2008/index.html
後藤ひろひとさんの脚本をG2さんが演出。人気作品の再演です。
『パコと魔法の絵本』として映画化決定! 初演レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0721234311.html
9.tpt『ウラジミール・マヤコフスキー「ミステリア・ブッフ」』
03/22-31ベニサン・ピット
☆出演:ワークショップオーディションで選ばれた若手を含む27人
台本・演出:木内宏昌
全席指定5,000円 学生3,000円
http://www.tpt.co.jp
詩人・劇作家マヤコフスキーの祝祭劇を木内宏昌さんが演出。
脚本も新たに書かれるようで、大人数の若い俳優とのコラボが楽しみ。
10.TBS『祝祭音楽劇「トゥーランドット」』
03/27-04/27赤坂ACTシアター
≪東京、大阪、愛知≫
☆出演:アーメイ、岸谷五朗、中村獅童、早乙女太一、安倍なつみ、
北村有起哉、小林勝也、ほか多数
原案:ジャコモ・プッチーニ「トゥーランドット」より
演出:宮本亜門 音楽:久石譲 衣装:ワダエミ 脚本:鈴木勝秀
S席13,500円 A席9,500
http://www.tbs.co.jp/act/event/turan/
赤坂ACTシアターこけら落とし公演です。
豪華キャストに豪華スタッフ。チラシも超豪華でめまいがしそう(笑)
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
前売3000円以下のお薦め作品を3本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
【1】reset-N『黎明』
03/05-09相鉄本多劇場
☆脚本・演出:夏井孝裕
前売り・当日とも3,000円 学生2,000円 日時指定・全席自由
http://www.reset-n.org/jp/reimei08/index.html
夏井孝裕さんがフランス留学から帰国し、再起動したreset-N。
ロンドンでも上演されたことのある作品の再演です。
【2】あなざーわーくす『2010年のエレクトラ』
03/06-09遊空間がざびぃ
☆出演:髙木雅代、髙橋美貴、油絵博士、岩井秀人(ハイバイ)、
中島美紀(ポかリン記憶舎)、西田麻耶(五反田団)、大西智子
作・演出:わたなべなおこ
日時指定・全席自由 前売2,000円 当日2,500円 高校生以下1,500円
http://www.anaza.c-o.jp/
大胆な観客参加型演劇です。観客も出ずっぱり?!(笑)
【3】五反田団『偉大なる生活の冒険』
03/06-16こまばアゴラ劇場
☆出演:安倍健太郎、石橋亜希子、内田慈、中川幸子、前田司郎
作・演出:前田司郎
予約・当日とも1500円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
前田司郎さんの岸田國士戯曲賞受賞後、第一作。
≪ダンス≫
●吾妻橋ダンスクロッシングpresents
『康本雅子単独公演「チビルダ ミチルダ」』
03/13-16アサヒ・アートスクエア
☆出演:康本雅子ほか 振付:康本雅子
前売3,500円/当日4,000円(整理番号付き自由席)
http://azumabashi-dx.net/
●Bunkamura『ヤン・リーピンの「シャングリラ」』
03/14-22オーチャードホール
☆芸術監督・構成・主演:ヤン・リーピン
S席10,500円 A席8,400円 B席5,250円
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/08_y_liping/index.html
●ピナ・バウシュ ヴッパダール舞踊団『パレルモ、パレルモ』
03/20-23テアトロ ジーリオ ショウワ
☆振付・演出:ピナ・バウシュ
S=13,000円 A=11,000円 B=9,000円
※2演目Sセット券=25,000円 未就学児童の入場不可。
http://www1.ocn.ne.jp/~ncc/
●ピナ・バウシュ ヴッパダール舞踊団『フルムーン』
03/27-30新宿文化センター
≪東京、滋賀≫
☆振付・演出:ピナ・バウシュ
S=13,000円 A=11,000円 B=9,000円 C=7,000円 D=5,000円
※2演目Sセット券=25,000円 未就学児童の入場不可。
http://www1.ocn.ne.jp/~ncc/
≪その他・しのぶが気になる作品≫
○東京室内歌劇場『流刑地から』
03/14-16新国立劇場 小劇場
☆作曲:フィリップ・グラス 演出:三浦基 指揮:中川賢一
S席10000円 A席8000円 B席5000円 ※学生割引:各席種30%割引
http://www.chamber-opera.jp/
地点(京都)の演出家・三浦基さんがオペラを演出。
○劇団山縣家『こたつカフェライブ』
03/29 BankART Studio NYK 2F/ギャラリーA
☆出演:やまがたひろとも、山縣太一、山縣恵子+α
2000円(自由) 1ドリンク付き
http://www.bankart1929.com/
山縣さんご一家の劇団。面白いんです~。
◎しのぶの今月の全予定(29本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.新国立劇場演劇『屋上庭園/動員挿話』
02/26-03/09新国立劇場 小劇場
≪東京、兵庫、岐阜≫
☆初演につづいて再演でもメルマガ号外を発行しました!
3/9(日)まで上演中です。どうぞお見逃し無く!
東京の後は兵庫、岐阜公演もありますよ。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000035.html
2.富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
『キラリ☆ふじみで創る芝居「大恋愛」』
02/07-11富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
☆徐々に、でも過激に抽象化されていく『ロミオとジュリエット』。
若者が演劇の可能性を大胆に示してくれました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0211200509.html
3.HAMMER-FISH『パイドラの愛』
02/08-14サイスタジオコモネAスタジオ
☆危険だと思いつつ、松井周さんの描くサラ・ケインの世界に共感。
苦手な人は吐きそうになるほど苦手かも。私はとっても感動(笑)。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0214000915.html
新国立劇場演劇研修所の研修生による『リハーサルルーム』と
『朗読劇「リトル・ボーイ、ビッグ・タイフーン」』を拝見し、
教育を受けた若手俳優が毎年輩出されていくことに心から感謝しました。
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2008年2月(観劇数23作品)は『屋上庭園/動員挿話』で発行!
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◆3 【東京国際芸術祭2008・海外作品など豪華ラインアップ!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎先月から東京国際芸術祭(TIF)が開催中です。
東京国際芸術祭2008:http://tif.anj.or.jp/
3月は海外からの来たカンパニーの公演など豪華ラインアップ!
●TIFパフォーマンス
・『溺れる男』(アルゼンチン)
03/06-09にしすがも創造舎 特設劇場
【スペイン語上演/日本語字幕付き】
☆原作:A.チェーホフ『三人姉妹』 演出:ダニエル・ベロネッセ
一般4,000円/学生2,000円 全席自由・日時指定
http://tif.anj.or.jp/hombre/index.html
・『ムネモパーク』(スイス)
03/14-17にしすがも創造舎 特設劇場
【ドイツ語上演/日本語字幕付き】
≪東京、川崎≫
☆構成・演出:シュテファン・ケーギ
一般4,000円/学生2,000円 全席自由・日時指定
http://tif.anj.or.jp/mnemo/index.html
・『スリー・スペルズ』(ベルギー)
03/21-23にしすがも創造舎 特設劇場
☆「アレコ」「ヴェナリ」「毛皮のヴィーナス」の3本(ダンス)
振付:ダミアン・ジャレ/シディ・ラルビ・シェルカウィ
一般4,000円/学生2,000円 全席自由・日時指定
http://tif.anj.or.jp/aleko/index.html
●TIFツアーパフォーマンス
・PortBツアーパフォーマンス『東京/オリンピック』
03/08、09巣鴨→原宿・代々木→上野→秋葉原→にしすがも創造舎
【日本語公演/英語通訳付き】
☆ツアーガイド:及川光代(元はとバスガイド)/
現役のはとバスガイドさん/暁子猫
構成・演出 高山明
受付開始13:30 出発時間14:00 終了予定時間19:30
一般4,000円(全席自由・日時指定) 各回定員40名様
http://tif.anj.or.jp/tour/index.html
☆チケット情報はこちら↓ 色んな種類が揃っています。
http://tif.anj.or.jp/ticket/index.html
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◆4 【お薦め芝居の前売情報 the company『バーム・イン・ギリヤド』 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎the company(ザ・カンパニー http://www.thecompany-t.com/ )とは、
演出家ロバート・アラン・アッカーマンさんと舞台製作を続けてきた
俳優・スタッフで構成された演劇プロジェクトです。
『BENT』(2003年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0106212542.html
『三人姉妹』(2004年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1225121256.html
『Angels in America 第二部(再演)』(2007年)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0325172903.html
昨年から新たな枠組みになり、今年、新シーズンの幕が開きます。
小空間で実験的なものを上演するオフ・ブロードウェイ・シリーズの
第一弾が、4月開幕の『バーム・イン・ギリヤド』です。
●the company/オフ・ブロードウェイ・シリーズ
『バーム・イン・ギリヤド』
04/04-20新宿シアターモリエール
☆出演:中嶋しゅう 中川安奈 深貝大輔 斉藤直樹 矢内文章
パク・ソヒ チョウソンハ 宮光真理子 町田マリーほか
作:ランフォード・ウィルソン 翻訳:薛珠麗
演出:ロバート・アラン・アッカーマン
料金:前売6,000円/当日6,500円/学割4,000円(全席指定)
ただいま発売中!
http://balm.thecompany-t.com/
the companyのメンバーにワークショップで選ばれた若い俳優を加え、
総勢30名が200席未満の小劇場に集結します。
「ワークショップ・レポート」(2007年11月)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1115133647.html
『バーム・・・』の舞台はニューヨークのスラム街。
登場するのは若いジャンキー、ゲイ、男娼、娼婦、ギャングなど。
描かれる世界は日本人にとっては少々過激かもしれませんね。
the companyのスローガンである"breaking the borders"、つまり
「境界を破ること」が、この作品できっと体験できることでしょう。
アッカーマンさん(通称ボブさん)ご本人のブログも要チェック!
“ボブさん's BLOG”⇒ http://ameblo.jp/ackerman/
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◆5 【「CoRich舞台芸術まつり!2008春」ネット審査結果発表!】
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◎昨年に引き続き、グランプリ受賞団体に100万円が支援される
「CoRich舞台芸術まつり!2008春」の審査員をさせていただきます。
http://stage.corich.jp/festival2008/index.php
日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバルです。
白熱の議論の末、応募された83作品(81団体)の中から
10団体を選ばせていただきました! ※下記、初日の早い順
【3月】
■劇団衛星(京都府)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4031
■MCR(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=3802
■ポかリン記憶舎(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4240
■黒色綺譚カナリア派(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=2421
【4月】
■劇団競泳水着(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4696
■柿喰う客(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4780
■JAM SESSION(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4686
■パラドックス定数(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4080
【5月】
■渡辺源四郎商店(青森県)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4615
■劇団サーカス劇場(東京都)
http://stage.corich.jp/festival2008/detail.php?stage_main_id=4525
これから審査員が作品を鑑賞し、6月中旬にグランプリを発表します。
ぜひ皆さんも観に行って、一緒に感想をクチコミしましょう!
CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
メンバー登録:http://www.corich.jp/stage/user_register.php
携帯サイト:http://corich.jp/m/s
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◆6 【編集後記】
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◎2月はちょっと働きすぎたかも・・・3月はお休みを取りたいな。
「CoRich舞台芸術まつり!2008春」審査員はがんばりますよ!
http://stage.corich.jp/festival2008/result.html
◎「劇場へ行こう!~駅前劇場編~」チケット申込み受付中!
http://stage.corich.jp/goto_theater/
参加劇団のDMがあれば、割引価格でチケット予約できますよ!
最後は劇団フライグステージ『新・こころ』です。
http://www.flyingstage.com/
◎3月8日(土)夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
http://takegaki.k-free.net/
※PodCastingブログに↓アップされます(放送終了数日後)。
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2008年2月は下記の4作品を拝見しました。
・「クワイエットルームにようこそ」
http://quietroom-movie.com/
・「サウスバウンド」
http://southbound-movie.com/
・「サクゴエ」
http://www.sakugoe.com/
・「めがね」
http://www.megane-movie.com/
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
メンバー登録はこちら↓
http://www.corich.jp/stage/user_register.php
携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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