REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2008年04月01日

時間堂『三人姉妹』03/13-23王子小劇場(3/12プレビュー)

 ワークインプログレスに続いてプレビュー(Bキャスト)に伺いました。
 公式ブログの演出ノートと稽古場記録から、作品にかける思いがひしひしと伝わってきます。役者さんの日記を読んで、パソコンの前で感動して涙してしまったぐらい(苦笑)。
 上演時間は3時間強(休憩10分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『三人姉妹

 演出家がブログでおっしゃる通り、ワークインプログレスでの演出はほぼ違う作品になったと言えるほど変わっていました。衣裳は様変わりで、作品全体の色を決めていた身体表現もなくなっており、「初日前に観客の前で上演してみる」ことに大きな意義があることを証明してくれました。

 『三人姉妹』関連作品はいくつか観てまして(過去レビュー⇒、2001年岩松了演出版、2000年松本修演出版)、中でも一番感動したのがつい先日のアルゼンチンの演出家による『溺れる男』、今の私たちの話としてフレッシュな気持ちで感じ取れたのがロバート・アラン・アッカーマン演出版でした。地点版ではバスタブのシーンの衝撃が今も記憶に鮮やかです。
 このように、『三人姉妹』に個人的な思い入れがあるからだと思いますが、今回の時間堂『三人姉妹』については、作品の表面をさらりと触りながら通り過ぎているように感じて作品に深く入り込むことができませんでした。

 でも、役者さんが見せる生き生きとした表情にドキリとさせられることは何度もありました。また、オープニングの合唱が素晴らしかったです。心をひとつにするってこのことだなと感じられました。
 プレビューでしたので、劇中曲の生演奏や転換時の身体表現および出はけなども、まだ完成していないようでしたが、どんどん改善していかれたことでしょう。公式ブログに詳しく書かれています。

 ここからネタバレします。

 白い小さな板(?)を携帯電話のように使ったり、ゲーム(NINTENDO DSなど)とみたてて遊ぶシーンなど、現代の要素を組み込んでいることに必要性があると思えませんでした。

 “舞台の上で生きる”ことができている(と感じられる)役者さんと、そうはしていない役者さんが会話をする時に、違和感を感じました。

追加公演決定:3月22日(土)19:00開演
「現実」を受け入れて、ただ前へと進む「覚悟」<cinema price theater project>
出演:木内貴大(アーノルド・S・ネッガーエクスプロージョンシステム)/大野洋範/堀奈津美(DULL-COLORED POP)/星野奈穂子/雨森スウ/境宏子(リュカ.)/原田優理子((通称)トリのマーク)/石田潤一郎/菅野貴夫/鈴木浩司/玉置玲央(柿喰う客)/山田宏平(山の手事情社)/瀬尾卓也/松葉祥子
作:アントン・チェーホフ 翻訳:神西清 演出:黒澤世莉 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 演出助手:佐伯風土 谷賢一 宣説写真:松本幸夫  宣伝美術:村山泰子 企画・製作:時間堂2007計画実行委員会 主催:時間堂 協力:駒込駅前スタジオ
1月23日(水)発売開始 前売/当日 2,500円(全席自由) シネマプライスシアター 1,800円 *13日(木)、14日(金)、15日(土)、16日(日)の公演 学生/北区在住者/シニア(60歳以上) 1,800円 *当日券のみ、要証明
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2008年04月01日 14:28 | TrackBack (0)