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2008年04月12日

【写真レポート】劇団四季『ミュージカル李香蘭』03/20-05/18四季劇場[秋]

 『ミュージカル李香蘭』は劇団四季のオリジナル・ミュージカルです。 1991年の初演から通算公演回数800回を達成した、4/12(土)のステージを拝見しました。上演時間は約2時間40分(休憩20分を含む)。舞台写真をいただきましたので、どうぞご覧下さいませ。
 
 劇団四季創立55周年を記念して、「李香蘭」の次には「異国の丘」「南十字星」と、劇団四季のオリジナル・ミュージカル“昭和の歴史三部作”が一挙上演されます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「李香蘭」

 四季劇場[秋]へは浜松町駅から徒歩7分。北口を下りて右に曲がってしばらく直進します。これで道は合ってるかしら・・・と少々不安になったところで、レストランの前に親切な看板が↓「四季まで3分」。
3minutes.JPG

 大きな信号を渡ってまだ真っ直ぐ。すると左側に「ライオンキング」の看板が見えました↓
lionking.JPG

 フラッグが見えてもう安心↓ 左に曲がって信号のない横断歩道を渡ります。
frag.JPG

 四季劇場[秋]は四季劇場[春]、自由劇場と隣同士なんですね↓
kanban.JPG

 左が「李香蘭」、右が「ライオンキング」です↓
entrance_AKI_HARU.JPG

 『ミュージカル李香蘭』の舞台は1920~1945年の中国と日本、そして満州国。日本人でありながら中国の歌姫“李香蘭”として活躍した、山口淑子さんの半生を描いた作品です。実話を元にしたフィクションなんですね(⇒あらすじ)。
 2つの敵対する国の間で翻弄されたあるトップスターを軸に、戦争の事実を追っていきます。こんなにど真ん中の“戦争もの”だとは全く予想していなかったので少し驚きましたが、わかりやすいセリフ・歌とともに日本の激動の時代をたどっていくことができたのは貴重な体験でした。

 誰も止めることができない圧倒的な勢いで、日本が軍国主義に染められていきます。テンポ良く弾むようなミュージカルならではの軽やかな展開が、軍部が独走していく様にマッチしており、戸惑いを感じながらもぐっと引き込まれました。

 李香蘭の大ヒット曲「蘇州夜曲」は私も聴いた覚えがあり、懐かしい心持がしました。李香蘭をはじめ戦時中を生きた人々の物語が現在に通じていることを、ライブの歌を聴くことで体から実感できます。日本の戦争を遠い昔の歴史上の出来事にしてしまわず、自分自身に引き寄せて考える、大切なきっかけになるのではないでしょうか。

 『ミュージカル李香蘭』通算公演回数800回記念 特別カーテンコール(写真提供:劇団四季)
20080412_rikoran_stage.JPG

 役者さんは自ら個性を出さないように努めて演技されているように見えました。劇団四季作品のクオリティを保つための徹底した方法論なのかもしれません。それは見事に達成されていると思いました。

 四季劇場[秋]はとても見やすい劇場でした。客席数は900席で2階席もあるのですが、舞台の横幅があまり大きくないので、端の席で観づらいということがありません。舞台が近く感じるのも嬉しいです。専用劇場って凄いですね。

 ここからネタバレします。

 南方戦線に送られる兵士や特攻隊の若者がひとことずつ語るシーンで落涙。家族宛てに書いた最期の手紙の内容を読み上げるのです。手紙は実物だそうです。
 白黒の記録映像が流れたのには驚きました。軍艦に突っ込むゼロ戦、原子爆弾の被害を受けた街、死体の山・・・。つらくても、やはり何度でも見なければいけないと思います。

出演(メインキャスト)=李香蘭:野村玲子/川島芳子:濱田めぐみ/李愛蓮:五東由衣/杉本:芝清道/王玉林:芹沢秀明 
出演(アンサンブル)=維田修二 山口嘉三 青木朗 岡本隆三 川地啓友 林和男 中村伝 川原信弘 星野光一 深水彰彦 川口啓史(劇団俳優座) 上田亮 青山祐士 田島康成(劇団昴) 池田英治 朝隈濯朗 大橋伸予 佐和由梨 石路 平田郁夫 村沢智弘 渡邊今人 前田順弘 高城将一 花沢翼 小松陽子 佐藤夏木 王堃 勝又彩子 畠山馨 村上智 松尾美惠子 今彩乃 谷口あかり 蒼井蘭 オーケストラ指揮:平田英夫 ※キャストはステージによって変わることがあります。
原作:山口淑子・藤原作弥の共著「李香蘭 私の半生」(1987年出版) 企画・構成・演出:浅利慶太 作曲:三木たかし 作詞:浅利慶太・岩谷時子・高橋由美子 振付:山田卓 振付協力:加藤敬二 装置:土屋茂昭 照明:沢田祐二 衣裳:森英恵・李艶萍 編曲:佐橋俊彦・直居隆雄  音楽監督:鎮守めぐみ
会員料金=S8,400円 A7,350円 B5,250円 C3,150円 バルコニー4,200円 バルコニー学生2,100円 一般通常料金=S9,450円 A7,350円 B5,250円 C3,150円 バルコニー4,200円  バルコニー学生2,100円 ウィークデイマチネ料金(会員・一般共通料金)=S8,400円 A6,300円 B4,200円 C2,100円 バルコニー3,150円 バルコニー学生2,100円
http://www.shiki.gr.jp/applause/rikoran/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年04月12日 19:09 | TrackBack (0)