メルマガ5月号でもご紹介しました、近現代の日本の名作戯曲を若手新鋭演出家9人が演出する、世田谷パブリックシアターの大胆な企画です。1演目2ステージずつで計9演目、そしてキャストがとても豪華なんですよね。
先週は伺えず、やっと2週目の1本を鑑賞。reset-Nの夏井孝裕さんがチャレンジした『太郎の屋根に雪降りつむ』は、1982年に文学座アトリエで初演された別役実作品です。
上演時間は約1時間45分。終演後のトークのある回に伺うと楽しいですね。
⇒CoRich舞台芸術!『太郎の屋根に雪降りつむ』
※2008/05/08より体調不良で休息中。レビューは覚え書き程度です。
別役さんならではの穏やかで不条理な会話も紡がれますが、二・二六事件にリアルに迫る激しいシーンもあります。あまり上演されない演目を選んでくださっているのはありがたいですね。この作品は初演以来上演されていないみたいです。
夏井さんらしい照明、音響(音楽)でクール&スタイリッシュ。「叫ぶ」こともあって新鮮。ただ、リーディング公演で約1時間45分というのはちょっと長いかな~と思いました。
おままごとをする内田淳子さんと中村彰男さんの淡々とした会話がおもしろ怖い。
立石凉子さんの言葉、声はやっぱりうっとりするほどに優しくて美しいですね。
ここからネタバレします。
トークで夏井さんがおっしゃっていたことの覚書↓
・客席を正面から見て読むのがリーディング上演には適していると思う。
・ト書きを読む人が非常に大切。ト書きは作者自身のことを伝える役。言ってみれば作者と同じぐらいか、それ以上に賢い人が読むのが相応しい。今回は鶴牧万里さんにお願いしました。
お年を召した男性が質問ではなく意見をされていました。
「“日本語を読む”という企画なんだから、私は美しい日本語が聴きたかった(だから音響は邪魔だった)。」などなど。
“美しい日本語”って、今の時代だと何に当たるのかなと考えました。ちょうど先日のこの公演で「100年前の言葉が面白い(可笑しい)」という話も聞いたところなので、良いタイミングでした。
「日本語を読む」~リーディング形式による上演~
D 『太郎の屋根に雪降りつむ』[作]別役実 [演出]夏井孝裕(reset-N)
[出演] 内田淳子/久保田芳之(reset-N)/佐藤拓之(双数姉妹)/杉山文雄(グリング)/高田恵篤/立石凉子(演劇集団円)/鶴牧万里(reset-N)/中村彰男(文学座)/日高勝郎(InnocentSphere)
【休演日】月火休演 【発売日】2008/04/06 一般2,000円 TSSS1,000円 高校生以下1,000円(劇場チケットセンター店頭&TELのみ取扱い、要証明書提示)3公演セット券4,500円(異なる3公演を同時購入、劇場チケットセンターのみ取扱い) 友の会会員割引 1,500円 世田谷区民割引 1,800円 ※水・木・金曜日は演出家によるポストトークあり
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2008/05/post_120.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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