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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年05月20日

シス・カンパニー『瞼の母(まぶたのはは)』05/10-06/08世田谷パブリックシアター

 草彅剛さんが主演するシス・カンパニー公演。演出は渡辺えりさん(渡辺えり子改め)。目をひんむくほどの豪華キャストです。 

 サラサラと超あっさりとした時代劇。世田谷パブリックシアターっぽくないムードでした。上演時間が1時間半弱で良かった。

 ⇒CoRich舞台芸術!『瞼の母

 ≪あらすじ≫公式サイトより
 ものがたり~二幕六場
 江州番場の生まれで天涯孤独の渡世人・忠太郎は、5歳で生き別れた母親恋しさの一念から、その面影を捜し求め、彷徨う流転の月日を送っていた。その恋焦がれた母親が生きている・・・・・そんな風の便りに、会いたさ一念で、江戸へと流れ着く。
 だが、探し当てた母・おはまは、今では江戸でも名のある料理屋「水熊」の女将に納まり、忠太郎にとっては異父妹にあたる娘・お登世をもうけていた。そして、お登世の祝言も近いある日、遂におはまの目の前に現われる忠太郎・・・・。
 しかし母は、どうせ金目当てで名乗り出たヤクザな渡世人、としか取り合わず、あくまでも息子は死んだと突き放す。必死にすがりつく忠太郎だったが、30年近く思い描いた母の面影を、無情にも母親本人に打ち砕かれ、怨みの捨て台詞を残し、よろめくように去って行く。
そして、母への思いを断ち切るように、白刃を光らせ、股旅の路へと身を躍らせる忠太郎。
 その耳に忠太郎の名を叫ぶ必死の声が届くが・・・・。
 ≪ここまで≫

 具象美術が場面転換ごとに変化し、悲しい時は悲しげな音楽が鳴り、役者さんはセリフに忠実な演技をされます。オーソドックスな演出のお芝居だと思いました。
 ただ、『瞼の母』は1930年(昭和5年)初演の作品で、「歌舞伎、新国劇、新派、剣劇、映画、テレビドラマ、講談に浪曲、歌謡曲と、その表現や見え方は実に様々」(公式サイトより)だそうですので、サラっとし過ぎなのかもしれないなと思いました。

 ここからネタバレします。

 前半は忠太郎(草彅剛)に助けられる長男(高橋一生)の母役の三田和代さんにほれぼれし、中盤では30歳ぐらいの悪い若者を生き生きと演じる高橋長英さんにうっとりして、夜鷹役の神野三鈴さんが下手袖にはけるのを悲しくなるほど見つめました。普段の舞台では主役級の方々がカメオ出演みたいにどんどこ登場します。ここまでくると、豪華キャストの無駄遣いのような気持ちにも・・・。

出演:春海四方、草彅剛(草なぎ剛)、大竹しのぶ、三田和代、篠井英介、高橋長英、高橋克実、高橋一生、市川ぼたん、梅沢昌代、冨岡弘、神野三鈴、西尾まり、福井博章、野間口徹、塚本幸男、ひがし由貴、岸昌代、遠山俊也
作:長谷川伸 演出:渡辺えり 美術:金井勇一郎 照明:小川幾雄 音響:井上正弘 衣装:前田文子 ヘアメイク:河村陽子 演出助手:坂本聖子 舞台監督:瀧原寿子 プロデューサー:北村明子 提携:世田谷パブリックシアター/企画・製作:シス・カンパニー
【休演日】水曜休演【発売日】2008/03/29 一般 S席8,500円/A席6,500円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2008/05/post_110.html
http://www.siscompany.com/03produce/19mabuta/index.htm

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年05月20日 17:53 | TrackBack (0)