約30分の新作戯曲6本をリーディング上演し、全作品を鑑賞した観客の人気投票で、9月に上演する2本を決定する「4x1h project(フォーバイワンエイチ・プロジェクト)」。
group Aに続いてgroup Bを拝見。全部観られる方はぜひご投票を!発表は6/1(日)です。
⇒CoRich舞台芸術!『4x1h project Reading #0』
9月公演はギャラリーLE DECOで、黒澤さんの演出で、今回の出演者の中から選出されたキャストで上演されます。今さっき観ていて面白かった作品を選ぶのではなく、そういった状況を踏まえて、私が観たいと思う作品を選ぶことにしました。う~ん発表が楽しみだ!
ここからネタバレします。
■「喫茶店」
脚本:マキタカズオミ (elePHANTMoon)
出演:足立由夏(InnocentSphere) / 長瀬良嗣 / 星見陽介 / 大竹悠子(ユニークポイント)
【あらすじ】常連がつどう喫茶店。奥で男のうめき声が聞こえる。それもいつものことのようだ。
タクシーの運転手も徹夜マージャン明けの女も、うっぷんを晴らすために喫茶店の奥(?)である男を殴っていました。どうやらその男は女の息子を殺してしまったらしく、つぐないのために殴られているようです。この儀式を取り仕切っているのが男の兄で、兄も彼に暴力を振るっています。
ある作品の予告編みたいでした。喫茶店のママのとぼけた感じが良かった。
■「ひとさまにみせるもんじゃない」
脚本:中屋敷法仁 (柿喰う客)
出演:山本真由美 / 太田幸絵 / 三嶋義信/ 菊地奈緒(elePHANTMoon) / 酒巻誉洋(elePHANTMoon) / 長瀬良嗣
【あらすじ】痴漢が横行する地下鉄・極楽メトロで、女子高生の理名は人目を気にせず女性のおっぱいを触りまくっている男に遭遇。しかし自分のおっぱいは思いっきりスルーされてしまった。理名がその男を追う内に、極楽メトロに巣くう変態たちの生態が明らかになる。
相変わらず下ネタばっかりで(笑)、柿喰う客らしい爆発力もあって、言葉遊びも面白いし、しかも爆笑できました。本公演ではあまり笑えなかったりするのに(笑)。
「おっぱいをタッチング」と冷静に連呼するおっぱい触り魔役の三嶋義信さん、テンションの上がり方が的確な(笑)お尻専門の痴漢役の酒巻誉洋さんが面白かったです。
中屋敷さん以外の演出による中屋敷戯曲の上演を観られて良かったです。ぜひ黒澤さんの演出で観てみたいと思いました。
■「ソバージュばあさん」
脚本:谷賢一 (DULL-COLORED POP)
出演:上野友之(劇団競泳水着) / 菊池美里(トリコ劇場) / 坂口辰平(ハイバイ) / 酒巻誉洋(elePHANTMoon)
【あらすじ】ドイツ軍に占拠されたフランスの町。若いドイツ兵3人がフランス人のソヴァージュばあさんの家で暮らした日々。
モーパッサンの短編『ソヴァージュばあさん』を元に書かれた戯曲です。とても文学的で、6本の中で最も、物語の世界に浸って味わうことができた1本でした。キャスティングが良かったことも大きいと思います。
ソヴァージュばあさんは息子ビクトールがドイツ軍の銃弾によって即死したことを知ると、自宅に火をつけてドイツ兵を殺してしまいます。生き残った1人のドイツ兵が語り手になるという構造。
本格的に上演する際は、役柄の年齢に近い、技術のあるキャストで観てみたいです。
演出:黒澤世莉 (時間堂) 衣装協力:juno-rii 映像撮影:マキタカズオミ スチール撮影:堀奈津美(DULL-COLORED POP/*rism) 制作:塩田友克(クロムモリブデン) プロデューサー:菊地奈緒
脚本:マキタカズオミ(elePHANTMoon)/谷賢一(DULL-COLORED POP)/上野友之(劇団競泳水着)/冨士原直也/中屋敷法仁(柿喰う客)/篠田千明(快快)
【発売日】2008/05/12 1,000(1drink付き)
http://blog.livedoor.jp/project4x1h/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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