東京都北区にある王子小劇場にて、劇場が主催する「佐藤佐吉演劇祭2008」の記者発表が催されました。
金屏風も用意されて本格的な記者会見!・・・かと思いきや、やっぱり王子小劇場ならではの和気あいあいムード。大丈夫かしらと本気で心配になる場面もありましたが(笑)。⇒休むに似たり。に動画あり!
佐藤佐吉演劇祭は“(劇場職員が選ぶ)注目すべき作品・才能が集まった時にのみ”開催される演劇祭です。前回(2006年開催)は劇場公式レビュアーとして全作品を鑑賞させていただきました。
※シアターガイド7月号「プロデューサーの視線 第3回」(取材・文:徳永京子)に王子小劇場の記事が掲載されています。
登壇者(敬称略):後列左から、七味まゆ味(柿喰う客※中屋敷法仁の代理)、夏井孝裕(reset-N)、ほさかよう(空想組曲)、上野友之(劇団競泳水着)/前列左から、名執健太郎(smartball)、マキタカズオミ(elePHANTMoon)、杉田鮎味(劇26.25団)、松本淳市(スパンドレル/レンジ)。
■佐藤佐吉演劇祭2008『劇視力3.0「たたかう劇場」』06/18~09/03 全8作品ラインナップ
1.柿喰う客「俺を縛れ!」06/18(水)~06/30(月)
2.smartball「“Kiss me, deadly”」07/04(金)~ 07/14(月)
3.elePHANTMoon「心の余白にわずかな涙を」07/16(水)~07/21(月・祝)
4.reset-N「閃光」07/24(木)~07/28(月)
5.空想組曲「僕らの声の届かない場所」07/31(木)~08/04(月)
6.劇26.25団「生憎」08/07(木)~08/12(火)
7.スパンドレル/レンジ「地獄のKiosk」08/21(木)~08/25(月)
8.劇団競泳水着「真剣恋愛」08/28(木)~09/03(水)
■質問「あなたにとっての王子小劇場とは?」
七味「第二の家です。」
上野「ホームグラウンドです。ヤクルトスワローズにとっての神宮球場、ウッディー・アレンにとってのニューヨークのような。」
杉田「最初は劇場職員さんたちがヤクザみたいで怖かったんですが(笑)、今ではとてもいいアニキたちだと思っています。」
■団体主宰者のトークより
名執「男女がいいムードになってベッドルームへとはける(退場する)という芝居がよくありますけど、僕はむしろベッドルームに入った後が見たい。」
マキタ「(死の表現について)舞台上で本当に死んだんじゃないかと観客に錯覚させたい。」
松本:「(死の表現について)チェーンソーは出してもそれほど生々しい描き方はしていません。死は演じることができない。だからこそ表現したい。」
ほさか「作風はダーク・ファンタジーですが、基本的にはお客さん全員にわかって欲しい。ぼーっと観てても輪郭をとらえられるぐらいには作るつもりです。」
夏井「いかにして世界唯一のものにするか。キャッチコピー“新東京標準”は大胆に打ち出しましたけれど、謙虚な姿勢で挑みます。メッセージを色んなレベルで届けたい。問題作になりそうです。」
■賞・企画 ※詳細は劇場公式サイト、チラシ等でご確認ください。
●こりっち賞
ホームページをはじめWeb上のプロモーションを総合的に審査。優れた広報活動を行った1団体は、CoRich舞台芸術!に次回公演バナーが掲載される。
審査員:株式会社ジョブウェブ代表取締役 佐藤孝治(佐藤佐吉の孫)
協賛:こりっち株式会社
※参加団体の内、希望者はCoRichチケット!(CoRich連携機能含む)を無料で使用できます。
●シアターガイド賞
シアターガイド編集部が全作品を鑑賞し、次回公演を取材したい団体を選出。受賞団体は次回公演の記事がシアターガイトに掲載される。
審査員:シアターガイド編集部
協賛:有限会社モーニングデスク シアターガイド
●ゴールデンフォックス賞
劇場支援会員で全公演観劇された方、15万円キャッシュバック企画で全公演を観劇された方が1人1投票。最多得票の団体に賞としてトロフィー、副賞として10万円を進呈。
協賛:東京コカコーラボトリング株式会社
●シルバーフォックス賞
全公演の出演者、スタッフの中から特に優れた舞台成果を残された数名を表彰。
審査員:劇場支援会員数名と演劇祭実行委員
○15万円キャッシュバック
全作品を有料鑑賞した観客で現金15万円を等分する。
協賛:Fantasista?ish
○ブロガー招待
開設1年以上の観劇中心のブログのオーナーを全公演に招待。
条件:ブログへのレビュー執筆
○高校演劇部招待 ※全公演中高生料金あり!
条件:劇場ブログへのレビュー執筆
※これらの賞の発表と表彰は9/8(月)開催の後夜祭にて行われます。
※キャッシュバック・招待企画は事前登録必要。
■王子小劇場は2007年4月から、劇場の審査を通過した団体だけが王子小劇場を使えるシステムを採用しています。王子小劇場で上演される作品および劇団への安心感とその品質への信頼感は、この1年で小劇場ファンの間にかなりの早さで浸透し始めている気がします。
最後に公式チラシに書かれた玉山悟さんの文章をそのまま引用いたします。
『劇場は演劇祭を必要としている』
「劇場はプログラムを通して、その劇場の考える演劇のカタチを世に問う責任がある」と王子小劇場は考えます。
小規模の民間劇場にとって、費用・労力の負担は大変厳しいものです。しかし、その役割を放棄した劇場から、真の演劇文化が育つことはないでしょう。
王子小劇場が存在すること、王子小劇場が演劇祭を開催することが日本の演劇に寄与していると信じます。(王子小劇場代表 玉山悟)
演劇祭実行委員長・フェスティバルディレクター:玉山悟 実行委員:松本謙一郎 遠山浩司 黒澤世莉 平井隆史 登米裕一 宣伝・クリエイティブディレクター:遠山浩司 アートディレクター・デザイナー:太田創(01Ga Graphics Co.,Ltd) カメラマン:山本尚明 モデル:絢子 アシスタント:田中沙織 増田加奈 協力:にしすがも創造舍 佐藤電機株式会社 東京コカ・コーラボトリング株式会社 Fantasista?ish CoRich舞台芸術! シアターガイド 文化服装学院 駒込駅前スタジオ 主催:佐藤佐吉演劇祭実行委員会
http://www.en-geki.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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