チェーホフの「かもめ」を栗山民也さんが演出。沼野充義さんによる新訳です。トレープレフに藤原竜也さん、トリゴーリンに鹿賀丈史さん、アルカージナは麻実れいさんという豪華キャスト。ニーナ役の美波さんが良かったです。
※腱鞘炎で執筆をお休み中だったため後日加筆(2008/07/19)。
⇒CoRich舞台芸術!『かもめ』
2階席だったので、ステージの奥行きを上から眺める状態でした。んー、そもそもこの劇場は『かもめ』をやるには大きすぎるのでしょう。
気軽な笑いが多い演出でした。私はチェーホフの有名な作品の中で『かもめ』が一番のお気に入りでして、スタンダードなものや実験的なものなど、いろんな種類の上演を観てきています(⇒1、2、3、4、5、6、7、8)。なのでどうしても細かいところまで気になってしまいました。
ここからネタバレします。
芸術についての考えをトレープレフ、トリゴーリン、ドールンらがそれぞれに語りますが、チェーホフの考えとして伝わってきて、じっくり味わうことができました。
トレープレフが作った前衛劇をニーナが演じるシーンで、本当に数十万年後の世界に行ったような気がしました。女優になったニーナがトレープレフの部屋に帰ってきて、2人で前衛劇のことを思い出して語る場面でも、劇場全体で異世界へとトリップしたように感じられました。
でも、ニーナが最後に明るい表情で(あからさまに未来に希望を持って)退場したことで、トレープレフの自殺が失恋のせいに見えたのは残念。
銃声が誰にも銃声とわかる(トレープレフが自殺したとわかる)音だったのは意外でした。最後のドールンのセリフ(トリゴーリンにアルカージナをどこかへ連れて行くよう伝える)で、初めて銃声だとわかる方が、個人的には好みです。
≪東京、大阪、広島、愛知≫
出演:藤原竜也、鹿賀丈史、美波、小島聖、中嶋しゅう、藤木孝、藤田弓子、たかお鷹、勝部演之、麻実れい、、野口俊丞、二木咲子、茶花健太
脚本:アントン・チェーホフ 翻訳:沼野充義 演出:栗山民也 美術:島次郎 照明:勝柴次朗 音響:山本浩一 衣装:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:坂本聖子 舞台監督:小林清隆 企画・製作:ホリプロ 主催:TBS/ホリプロ
【休演日】6/23(月) 6/30(月) 7/7(月) 【発売日】2008/04/12 S席10,000円 A席7,000円
http://hpot.jp/kamome/
http://blog.e-get.jp/kamome/
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=107
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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