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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年07月03日

劇団一跡二跳『流れる庭 ーあるいは方舟ー』07/03-13 THEATER/TOPS

 古城十忍さんが作・演出される劇団一跡二跳のファイナル公演です。劇団最後のオリジナル公演ということで初日に伺いました。でもよく似たメンバーの新しいユニットがすでに動き出しているんですね⇒GaiaDaysFunctionBand。ちょっと騙されたような気持ちにも(笑)。

 言葉でわかりやすく説明する社会派演劇であるだけでなく、異なる2つの場所を1つの空間で同時に表現したり、象徴的な演出も巧みで見ごたえがありました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『流れる庭 ーあるいは方舟ー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 集中豪雨が続く日本列島各地で災害が起こる中、とある地方の市が交通網が寸断され、完全に陸の孤島となってしまう。市役所の1階は既に水に浸かってしまい、その2階の一室にある記者クラブにはさまざまな人が閉じこめられた状態になっていた。各マスコミの記者たち、市役所の職員、いち早く市役所に避難してきた市民……。災害対策をテーマにした新作。
 ≪ここまで≫ 

 ここからネタバレします。

 THEATER/TOPSで水をいっぱい使って大迫力。「びしょ濡れだ~」と言いながら全然体が濡れていない記者と、本当に黒いスーツが濡れている記者がいることで、当事者としての自覚があるかないかを表現していました。これは身にしみます。

 バスの屋根の上で「上を向いて歩こう」を歌って耐えた老人たちの話と同じことが、市役所内でも起こります。守ろうとしていたパソコンを放って、2つ重ねにしたデスクの上にすし詰め状態で立っておびえる人々。みんなで「上を向いて歩こう」を歌おうとした時に、坂本九さんのオリジナル曲が流れ始めて暗転し、終幕。かっこ良かったですね~。

 ≪アフター・トークセッション≫
 出演:古川タク(イラストレータ・アニメーション作家)・古城十忍

劇団一跡二跳 60 ファイナル公演
出演:奥村洋治・松浦光悦・山下夕佳・関谷美香子・重藤良紹・高久慶太郎・水戸部千希己・長田典之・増田和・溝渕康裕・村田麗香・日暮一成
作・演出:古城十忍/美術:礒田ヒロシ/ 照明:磯野眞也 / 音響:黒澤靖博 / 衣裳:宮本尚子 / 舞台監督:尾崎裕/宣伝美術[イラスト:古川タク/デザイン:西英一/スチール:富岡甲之]/舞台写真:中川忠満/制作:岸本匡史
【発売日】2008/05/19 前売 4000円 [全席指定・税込] 学生 2500円 ※要学生証提示・一跡二跳でのみ取扱い
http://www.isseki.com/Top.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年07月03日 23:43 | TrackBack (0)