男優集団Studio Life(スタジオ・ライフ)が、萩尾望都さんの漫画『マージナル』を舞台化します。原作者の萩尾さん、心理占星術研究家の鏡リュウジさんら豪華ゲストを迎えた製作発表に伺いました(Studio Lifeの製作発表⇒1、2)。
メインの出演者が登場した時は、そのスラリとした姿に圧倒されちゃいました。今や大ブームのイケメン演劇は、Studio Lifeが元祖かもしれませんよね。写真をアップしていますので、どうぞ覗いてください♪
2種類のチラシが素敵!手に取って見るのがちょっと恥ずかしい(笑)メイン出演者のサービスショット版と、『マージナル』原画版。ぜひ両方ゲットしてくださいませ~。
⇒CoRich舞台芸術!『マージナル』
文芸耽美作品や少女マンガの名作など、原作を生かした舞台を作り出してきたStudio Life。これまでに舞台化した萩尾作品は、『トーマの心臓』『訪問者』『メッシュ』の3作です。再演を含めると全9公演を行ってきたことになります。
『マージナル』は小学館の少女漫画誌「プチ・フラワー」で1985年から2年間連載されていた、萩尾さんの初めてのSF大作です。私の『マージナル』との初めての出会いは、大学時代に友達から借りた萩尾望都全集でした。今は2000年に文庫化された単行本3冊を持っています。
■上演記念トークイベント「女性と運命…翻弄するモノされるモノ~マージナルなこの地球に生きる~」
↓トークイベント登壇者:萩尾望都(原作)/鏡リュウジ(心理占星術研究家・翻訳家)/倉田淳(脚本・演出)
倉田「萩尾先生が『マージナル』を描かれた動機(きっかけ、発端)を教えて下さい。」
萩尾「テレビか何かで見たんですが、35億年前の“藻”が初めて酸素を作り出したそうなんです。それで今の地球がある。海と雲と空と、太陽でひとくくりの生命の輪のイメージから『マージナル』が生まれました。」
鏡「原作を読ませていただいて、掛け値なしに圧倒されました。ハードなSFですね。SFは今の世界観、自然観、宇宙観を、別のポイントから見せてくれるチャンネルになると思います。」
↓司会は曽世海司さん。メインの出演者でもあります(uterusチームのグリンジャ役)。
倉田「『マージナル』をはじめ、萩尾先生の傑作漫画はどのようにして生まれるのでしょう?」
萩尾「(アイデア・構想は)堤防が決壊するみたいにやってきてくれる。決壊場所を探すのが難しいんです。でもそれが見つかると、考えなくてもどんどんとお話ができていく。」
鏡「(萩尾)先生には才能の泉があるのだろうと思います。」
倉田「どういう時に、その(決壊)場所が見つかるんですか?」
萩尾「・・・お風呂に入ってる時とか(笑)。考えてる時は筋肉を使っているみたいで。力を抜いた時にトンと(アイデアが浮かんで)来てくれる。」
■Studio Life『マージナル』製作発表
↓メイン出演者(左から):三上俊、青木隆敏、松本慎也、岩﨑大、笠原浩夫、荒木健太朗、仲原裕之、渡部紘士(客演)
舞台『マージナル』は劇団初の2部構成で、「砂漠編」「都市(シティ)編」の2バージョン公演になります。片方だけ観ても楽しめるし、2つとも観る場合はどちらから観ても大丈夫だそうです。
テーマは「翻弄するモノとされるモノ」。前者が「都市(シティ)編」、後者が「砂漠編」で描かれます。メインの3役が“womb(ウーム)”と“uterus(ジュテレス)”の2チームでダブルキャストになっていますので、全種類観るなら4回通うことになりますね。
↓アシジン役(uterus)の岩﨑大さんと、グリンジャ役(womb)の笠原浩夫さん
↓キラ役(uterus)の松本慎也さん
↓キラ役(womb)の荒木健太朗さんと、アシジン役(womb)の仲原裕之さん
↓ミカル役の三上俊さんと、メイヤード役の青木隆敏さん
↓フェロペ役の渡部紘士さん(客演)。Studio Lifeっぽくない方がいらっしゃるな~と思たら、客演さんでした。ワイルドな色気ムンムンなんですもの!「テニミュ」出演者だったんですね。司会の曽世さんがおっしゃる通り、新しい風を起こしてくれそうです。
プレス向けに質疑応答の時間が設けられました。★少々ネタバレあり
●質問「舞台化されるにあたって、漫画の中のどのシーンが気になりますか?」
萩尾「Studio LifeのSF作品は『月の子』と『OZ』を拝見しました。きれいにイメージが再現されてたと思います。『マージナル』にはキラとセンザイ・マスターが、地下水脈をもつれながら泳いでいくシーンがあるんですが、いったいどう表現されるのかしら。センザイ・マスターはどんどん痩せていくし(笑)。」
倉田「今、悩んでいるところです。象徴的に表現できたらと思っております。」
鏡「最初のマザ暗殺シーンがとてもショッキングでした。自分が男性だからかもしれませんが、“母”をあんなにシワシワで、ぼろぼろに描くなんて・・・これは女性にしか書けないじゃないかと。少女漫画の世界は生やさしいものではない、とてもハードなものだと思い知りました。」
倉田「老いさらばえた、しわくちゃのマザは必須だと思っています。誰が演じるかはまだ決まっていませんが(笑)」
曽世「劇団一同、非常に気になっているところでございます(笑)。」
●質問「Studio Lifeの魅力について教えてください。」
萩尾「Studio Lifeの劇団員はピュアで不思議な雰囲気を持っている。倉田さんの演出とうまくかみ合っていて、倉田さんの求める世界がバランスよく表れているように感じる。演出もきれいで深くて、雰囲気が好き。」
萩尾「お芝居は好きで他にもよく観ますが、Studio Lifeのような作風はそんなにない。独特の面白さがあると思います。それがハマっている理由(笑)。」
●質問「配役について気になることは?」
萩尾「Studio Lifeには背の高い役者さんが多くて(今回の出演者陣をチラっと見る)、圧倒されちゃいます。誰がどの役をやるのか・・・ちょっとこのへん(頬からあごのラインを手で触って)が、うふふって感じです(笑)。」
↓写真:前列左から曽世海司、河内喜一朗(劇団代表)、萩尾望都(原作)、倉田淳(脚本・演出)、笠原浩夫。後列左から三上俊、青木隆敏、松本慎也、岩﨑大、荒木健太朗、仲原裕之、渡部紘士。
Studio Life『マージナル』は8月28日(木)~9月28日(日)まで、紀伊國屋ホール(東京都・新宿)で上演されます。チケットは発売中です。
Studio Life『マージナル』上演記念トークイベント「女性と運命…翻弄するモノされるモノ~マージナルなこの地球に生きる~」
登壇者:萩尾望都(原作)/鏡リュウジ(心理占星術研究家・翻訳家)/倉田淳(脚本・演出) 司会:曽世海司
Studio Life『マージナル』製作発表
登壇者:テレビ東京プロデューサー 劇団代表:河内喜一朗 倉田淳(脚本・演出) 萩尾望都(原作) 司会:曽世海司 登壇俳優⇒グリンジャ:笠原浩夫/曽世海司 アシジン:仲原裕之/岩﨑大 キラ: 荒木太朗/松本慎也 メイヤード: 青木隆敏 ミカル:三上俊 フェロペ: 渡部紘士(客演) センザイ・マスター:河内喜一朗
http://www.studio-life.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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