篠井英介さん、深沢敦さん、大谷亮介さんの3人芝居を G2さんが演出する3軒茶屋婦人会の第3回公演です(⇒第1回、第2回)。脚本は赤堀雅秋さんの書き下ろし。
上演時間は約1時間45分。東京公演は追加席があるそうです。
⇒CoRich舞台芸術!『ウドンゲ』
≪あらすじ≫ 少々ネタバレあり。でも読んでから観に行っても問題ないと思います。
クラスメートのお葬式で約30年ぶりに会った高校時代の同級生3人。1人暮らしの澄子(大谷亮介)の家に集まって50代の女たちが語る、今と懐かしい青春時代の秘密。
≪ここまで≫ 詳しいあらすじはこちら。
3軒茶屋婦人会は男優さんが女を演じる企画ですが、女性キャストでも観たいな~と思いました。もっとじめじめ、ぐつぐつしてもOKな気がします。
深沢さんの「おなかすいちゃった!」というセリフがとても可愛いです。
ここからネタバレします。
絵美のあこがれだった“加藤くん”が酔いつぶれたので、澄子の家にかつぎ込んだ。奥の部屋で加藤が寝ている。死んだのは加藤の親友の男だった。死因は自殺。
絵美(篠井英介):埼玉の奥地の一軒家で夫婦で暮らす。息子2人は大学生で家を出て一人暮らし中。毎晩夜の生活あり。
薫(深沢敦):高校を出てすぐに就職し、結婚。夫の転勤で関西に引っ越す。離婚して一人になってから阪神・淡路大震災に遭う。白いご飯の美味しさを知る。
澄子(大谷亮介):カツサンドを作る仕事をする1人暮らし。通勤時間は片道2時間。食べたり食べなかったり。ルールどおりの生活をすることにしか興味がない。生きる気力を無くしている。
沢田研二のコンサートに一緒に行けなかったことが、親友だった2人(絵美と澄子)を引き裂く事件となったのは、この作品(演出)だとちょっと腑に落ちない感覚もあり。でも若い頃ってそういうものですよね。些細なことが人生を決めてしまいます。
ジュリーのテープを聞いて盛り上がる3人を見て、個人の幸せな思い出ぐらいしか、人間にとって確かなものはないのかもしれないと思いました。建物は壊れるし、故郷はなくなるし、友達も家族もずっと一緒だとは限らないし。何の曇りもなく楽しいと思える瞬間って、本当に幸せな時(例えば美味しいものを食べた時とか)と、幸せだったことを思い出す時ぐらいなんじゃないかしら。だとしたら、今、存分に楽しく生きたいと思いました。
日記に食べたものを記録するのは『その夜の侍』にも出てきましたね。「カップラーメン」が「最高にまずいカップラーメン」になるのは、動物から人間に変わることだと思います。
≪東京、福井、大阪、福岡≫
出演:篠井英介, 深沢敦, 大谷亮介
脚本:赤堀雅秋 演出:G2&3軒茶屋婦人会 美術:古川雅之 照明:高見和義 音響:井上正弘 衣装:前田文子 ヘアメイク:馮啓孝 演出助手:長町多寿子 舞台監督:青木義博・木村力 宣伝美術:鳥井和男 宣伝写真:野口博 宣伝衣装:遠藤百合子 WEB:川村公一・千葉博実・酒井元舟 プロデューサー:大西規世子 制作:尾崎裕子・藤田早苗 製作総指揮:G2
【発売日】2008/05/24 全席指定 前売り¥5,000 当日¥5,300
http://www.g2produce.com/3cha/udonge/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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