工藤千夏さん(青年団リンク・うさぎ庵)の脚本を水下きよしさん(花組芝居)が演出されます。出演は花組芝居の方々。“ハナオフ”は「OFFのやつらが集まって、ひとつ舞台をやってしまおう!」という花組芝居のOFFシアター・シリーズです。
「いい天気だわ~♪」と関内の東京ガス横浜ショールームまでゆったり歩いていったら、なんと開演時刻を1時間まちがえていました・・・(涙)。半分は観られたかしら・・・ほんとにすみません。パンフレットが脚本付きで800円だったので終演後に購入。帰りの電車で読んで溜飲が下がる思いでした。面白い!
⇒公演ブログ
⇒CoRich舞台芸術!『男たちのお料理教室』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
ガス会社のショールームで夜間に行われている男性向けの料理教室。その晩も、男達はクッキング・スタジオにやってきたが……。
≪ここまで≫
本物の料理教室を舞台にした料理教室のお話でした。“借景芝居”とはうまいネーミングですね。それぞれの目的をもって教室に集まる男たち。お芝居の設定上、料理の手際がすこぶる悪い男性が数名いて、それを女性客が暖かく見守っている会場の雰囲気が、まず微笑ましくて、楽しいです。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
ガス会社の社員・加藤(各務立基)と生徒として教室にやってきたハンバーガー屋の店長・カトウ(桂憲一)が、実は同一人物だという仕掛けが見事です。加藤は部下・ミキちゃんと不倫デートの約束を取り付けて、今にも教室を出て行きたいと思っています。カトウは不倫がバレて会社をクビになり、3年ぶりに再会する6歳ぐらいの娘のために、親子丼を作ってあげたいと必死です。つまり加藤の成れの果てがカトウというわけです。
てんやわんやの末に親子丼を完成させて、全員で一緒に食べようとしたところで、加藤とカトウ以外の人物はストップ・モーションに。カトウは加藤に「今日ミキちゃんとデートしなかった君と、これから妻と娘のために親子丼を作る僕の時間は、もうつながらないから」と告げます。そして加藤とカトウが入れ替わるのがクール!カトウは約束(過去の運命)どおりミキちゃんとのデートに出かけますが、加藤はそのまま家に帰るのです。照明も音響も何の助けもなしに、立派なファンタジーになっていました。
桂憲一さん演じるカトウはお料理が特に下手という設定で、見よう見まねでがんばっても失敗するドジなキャラが可愛いらしかったです。でも最後は男の色気ムンムンのサラリーマンに変身!見とれました。
親子丼にかけて母と娘と肉体関係をもつエピソードが出てきましたが、あまり場にそぐわない気がしました。キッチンで話すにはちょっと・・・ね(苦笑)。女性視点ですが。
出演:溝口健二、山下禎啓、桂憲一、大井靖彦、各務立基、美斉津恵友、水下きよし
脚本:工藤千夏(青年団リンク・うさぎ庵) 演出:水下きよし(花組芝居) 制作:井上啓子、山藤貴子、植村ケイ子 宣伝美術:Griff inc.(工藤規雄+村上和子) 企画製作:BoroBon企画、青年団リンク・うさぎ庵 後援:東京ガス株式会社
【発売日】2008/05/18 予約3500円、当日4000円
http://usagi-an.com/jikai.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。