2008年08月31日
【インタビュー】ロバート・アラン・アッカーマンさん(the company『1945』演出)08/22都内某所
アッカーマンさん
the companyの演出家ロバート・アラン・アッカーマンさん(通称:ボブさん)に、新作・世界初演『1945(イチ・キュー・ヨン・ゴー)』について、お話を伺いました。
しのぶの演劇レビュー内・関連記事⇒1、2
⇒イープラス特集
⇒CoRich舞台芸術!『1945』
ボブさんはアメリカ、イギリスでも活躍されている演出家で、テレビドラマや映画の監督もされています。日本語と英語の両方で読めるブログも人気ですよ!
■the company world premiere『1945』
原作:芥川龍之介「藪の中」
脚本:青木豪 ロバート・アラン・アッカーマン
演出:ロバート・アラン・アッカーマン
【東京公演】10/25-11/03世田谷パブリックシアター
【新潟公演】11/05りゅーとぴあ劇場
■戦争は嘘にはじまり、嘘に終わる
しのぶ「芥川龍之介の小説『藪の中』をもとに、舞台を1945年・終戦直後の日本に置き換えて書かれた新作戯曲ですね。青木豪さん(グリング)とボブさんの共作であることも非常に興味深いです。」
ボブ「第二次世界大戦の戦勝国の人間と、敗戦国の人間とが、一緒にあの戦争について1つの作品を作るということに、大きな意義があると思う。」
ボブ「戦争は嘘によって始まり、嘘によって継続され、終わった後はもっともっと嘘にまみれる。嘘、嘘、嘘!! まったく嘘ばかりなんだ、『1945』の登場人物が語ることも実は嘘ばかり。誰にも真実はわからない。まさに『藪の中』だね。」
ボブ「イラクで大量破壊兵器は見つかりましたか?答えは『NO(いいえ)』だよね。真珠湾攻撃の数日後、日本軍の上層部はこの戦争に絶対勝てないことがわかっていたのに進軍し続けた。そして膨大な、本当に膨大な数の人間が死んだ。戦争が終わったら、天皇は神じゃなくて人間だったなんて言うじゃないか。ひどい裏切りだ。日本人はあの戦争で、筆舌しがたい心の傷を受けたんじゃないかと思う。」
■ヒロインは中村ゆりさん
ボブ「彼女の舞台は観たことがないんだけど(今回が初舞台なので)、映画『パッチギ!LOVE&PEACE』での演技が素晴らしかった。彼女は美しくて、強い。そしてオーディションの時に見せてくれた演技では、彼女は“今、何をしているのか”がわかっていた。とても賢い女優だと思う。」
しのぶ「私も『パッチギ!LOVE&PEACE』は拝見しました。きれいで、すごく芯が強そうな女優さんですよね。舞台で(実物に)お会いできるなんて嬉しいです。」
■1940年代の映画をイメージ
しのぶ「チラシは昔の映画を思い起こさせるデザインですね。今の東京の劇場ではあまり見ないタイプのチラシで、パっと目を引きます。」
ボブ「おっしゃるとおり1940年代の映画、主にイギリスのものをイメージしてるんだよ。あの頃の日本映画もこういうビジュアルが多かったんだ。舞台美術のデザインも映画のスタッフにお願いした。今村力さんは私の映画『THE RAMEN GIRL(ラーメンガール)』で一緒に仕事をしたとても有能な人。期待していてください。」
ボブ「『1945』はシリアスなだけじゃなくて、あの時代のgangsterたち(日本語だと“ギャング”、いわゆるところの“ヤクザ”だね)が登場する、エンターテインメントにもなっているんだ。セクシーなロマンスもあるサスペンス・スリラー。最後には政治的なメッセージも届けられると思っている。このチャレンジングな意欲作をぜひ観に来てほしい。」
■日本の演劇について
しのぶ「日本の演劇について、ご覧になった感想やお考えをお聞かせください。」
ボブ「日本で(日本人のオリジナルの)演劇を観ると、悲しい気持ちになることがある。戯曲を簡単に捨ててしまっている気がするんだ。戯曲とは、劇作家がそこに命を吹き込むように書くもの。一度上演されたらそれで死んでしまうのではない。再演されてまた息を吹き返し、生まれた国から外に出て色んな国で上演されることで、劇作家の手を離れて世界中で生き続けるものなんだ。日本の劇作家は多作すぎるんじゃないかな。」
ボブ「若い日本の俳優は向上心があって、演技に対してとても真面目。これからもワークショップを続けて彼らと出会っていきたい。」
ボブさん's BLOG:http://ameblo.jp/ackerman/
the company:http://www.thecompany-t.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【写真レポート】the company「Robert Allan Ackerman Workshop 3rd」08/12都内某所
アッカーマンさん
the companyが主催するロバート・アラン・アッカーマンさん(通称ボブさん)のワークショップを見学させていただきました。⇒第1回の写真レポート ⇒第2回情報 ⇒『バーム・・・』稽古場レポート
参加者の年齢層は17歳~50歳と幅広く、昼間と夜間の2クラスに約50名ずつ(合計101名)という編成でした。これまでで最も多人数ですね。関係者によると「応募が集まるのも今までで一番早いペースでした」とのこと。
ワークショップのテキストは『橋からの眺め(A VIEW FROM THE BRIDGE)』。アメリカの劇作家アーサー・ミラーの戯曲です。今回は「本を読む」ことに重点を置いて、最初の数日間は戯曲を読み解くことにじっくり取り組まれました。その後、2人1組または3人1組のチームごとの実技指導に入ります。
8/12(火)の前半を1時間、後半を3時間見学させていただきました。第1回、第2回に比べると今回は、会場が違うのもあるかもしれませんが、ずいぶんと雰囲気が違いました。一見、静かで穏やかな稽古場に、参加者の熱意がひたひたと満ちています。わいわい、がやがやとしていないんですよね。その場に腰をすえて、じっくりと耳を澄ませる方が多いのではないかと思いました。参加者が工夫を凝らして作ってきた数分間の対話シーンをいくつも拝見し、その密度の高さを実感。
ボブさんはいつもより早口で、通訳の珠麗さんの日本語とほぼ一体になったような進め方でした。2人で1人の人物のように見えてきて(すごい!)、それもまた稽古場の密度を高くしていたように思います。
ボブさんが語った言葉で、私にとって特に大切だったものを下記にご紹介します。※写真は稽古場風景です。文章とは特に関係ありません。
■役を甘やかしてはダメ
ボブ「日本人の俳優は、感傷の方に気持ちが行きやすいようだ。登場人物を醜くみせたり、嫌われたりすることから救いたい、役を愛されるものにしてあげたいと考える傾向がある。人物を甘やかしてはダメ。」
ボブ「例えば『奇跡の人』のサリバン先生を思い浮かべてみてください。彼女は非常にタフ(強い)な人物ですよね。ヘレンに教育するシーンなんて、とても激しい。でも彼女のことを愛情のないひどい先生だと思いますか?むしろ厳しい方が愛情深い人物に見えるはず。だから、あなたの『こう見られたい』という欲望から、シーンを決め付けないで欲しい。」
■自分の芝居にほだされるな
ボブ「芝居をすることに恋をするな("Don't fall in love with your acting.")。自分の芝居にほだされるな。場面の中に居て下さい("Stay in the scene.")。コメディーでもシリアスでも、作品へのアプローチは同じ。演じる自分に酔うことなく、そのシーンの中に居続けた結果、可笑しい(悲しい)だけだ。」
参加者「アネット・ベニングの言葉があります。『最も可笑しな瞬間は、最もシリアスなシーンでできている』と。」
ボブ「その通りだね。俳優が一度『このシーンは笑えるんだ』と知ったとたんに、危険になる。笑いが来るはずのシーンで、全く笑いが起こらないことはよく起こる。それは俳優が『ここで観客が笑うぞ!』と準備をしてしまうから。」
■力ではなく、言葉を使って相手と関わる
ボブ「今、(手をひっぱって)相手をイスに座らせる演技をしていましたね。自分の力を使って相手をねじふせる演技はしない方がいい。まず、現実でやっている人を見たことがないから。人は小道具じゃない。それに、相手役のイマジネーションを奪うことにもなる。言葉を使って相手と関わることができるように(なりましょう)。」
講義終了後、閉館までの空き時間にそれぞれに稽古をする参加者たち↓
★ボブさんへのインタビュー
しのぶ「今回は今までのワークショップの中で、一番(指導が)厳しいですね。発表を途中で止められて、翌日に再度発表になったチームもいくつかありました。」
ボブ「ああ、そうだよ。同じシーンについて何度も同じことを言う必要はないからね。参加者の人数も多いから、繰り返しは避けたい。the companyでのワークショップは今回で3度目。今までに何度も私のワークショップに来てくれていたり、いっしょに仕事をしたメンバーも増えたから、よりスムーズになったんだ。」
しのぶ「参加者全体のカラーも前回までとは違いますよね。大人の、経験豊かな役者さんが多い気がします。」
ボブ「参加者の約85%が『バーム・イン・ギリヤド』を観た人たちだったんだよ。『BENT』『Angels in America』を観たという人もいたね。the companyがどんな団体なのか(どういう作風なのか)を知っていて、それをやりたいと思ってる人が増えたからじゃないかな。今回は洗練された演技をする人が多いと思う。」
しのぶ「今回のワークショップから次回作『1945』に出演される方はいらっしゃるんでしょうか?」
ボブ「まだわからないけど、なるべく多く出てもらいたいと思ってるよ。」
ボブ「今回も充実したワークショップになっていると思う。ワークショップが終わる度にとても残念な気持ちになるんだ。時間が足りない。定期的に、もっと長い時間が取れたらと、心から願っているよ。」
10月に開幕する『1945』のメディア掲載情報が貼られたパネル↓ ワークショップが実際の公演と強くつながっていることが伝わってきます。⇒イープラス特集 関連記事⇒1、2
2008年8月4日(月)~15日(金)※9日(土)、10日(日)の両日は休み
Class.1: 13:00~16:00 (8/4~8/15)/Class.2: 17:00~20:00 (8/4~8/15) ※これら二つのクラスは同一内容。参加費:100,000円 テキスト:『橋からの眺め』 著:アーサー・ミラー
講師:ロバート・アラン・アッカーマン 通訳:薛珠麗 スタッフ:斎藤努 ほか 主催:ゴーチ・ブラザーズ
http://www.thecompany-t.com/workshop.php
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月30日
韓国演出家協会・アジア演出家展『ロミオとジュリエット』04/07-09アルコ芸術劇場小劇場(韓国)
※ずいぶん遅くなってしまいましたが、2008年9/15(月・祝)の上映会に合わせてアップしました。このエントリーは後ほど過去の記事として移動させます(2008/08/30)。
多田淳之介さん(青年団演出部・東京デスロック)が韓国で『ロミオとジュリエット』を演出される、しかも出演者は全員韓国人ということで、韓国はソウル・大学路(テハンノ)まで観に行って来ました!
多田さんのブログに韓国での創作の日々をまとめた動画(約7分間)がアップされています。舞台写真が超~かっこいいですよ!!(4:30ぐらいから始まります) 実は私もチラっと写ってます(笑)。
⇒CoRich舞台芸術!『ロミオとジュリエット』
≪メルマガ2008年5月号 先月のベスト3より≫
1.韓国演出家協会・アジア演出家展『ロミオとジュリエット』
04/07-09アルコ芸術劇場小劇場(韓国)
☆演出は多田淳之介さん(東京デスロック/青年団演出部)。
燃えて震える汗だくの身体に、生死を繰り返し、つながる命がありました。
韓国人の役者さんが立っている姿を見ているだけで落涙。
韓国、インド、日本の3カ国から演出家が参加し、韓国人俳優とシェイクスピアの作品を共同制作する企画だったようです。私は多田さんの『ロミオとジュリエット』を2回鑑賞(4/9、4/10のマチネ)。
『ロミジュリ』を3人の演出家が演出する『大恋愛』で、多田さんは第3、4、5幕を演出されましたが、今回は全幕が多田演出。客席は舞台を挟んで劇場入り口側と奥側の2面。両方の側から2回とも最前列で観ました。真紅の四角いマットレスの上で、喪服の男女が踊り、走りまくります。つま先のすぐ近くにマットレスがありますので、目の前を役者さんが走る度に、風が体に届きました。
セリフはほぼ全て韓国語(ほんの一部が日本語)なので意味はわからないのですが、意味なんて考える余裕は全くありませんでした。ただ、目の前にいる人間(役者)と彼らの関係性から自然と立ち上がってくる何か(目には見えないもの)を、食い入るように、あるいは吸い込まれるように、見つめ続けました。
70人の中からオーディションで選ばれた韓国人俳優10人は、どう表現したらいいのか・・・とにかくめっちゃくちゃカッコイイんです。立っている姿を見るだけで、涙がこみあげてきました。この分厚い、重い、ぎらぎらと鮮やかな存在感は一体どうやって生まれるのでしょうか。彼らが居る舞台の空気は、張りつめているというよりは、そこに人が居ることで自ずと温度が、密度が上がっているような状態でした。
■舞台写真(こちらより転載許可をいただきました)
ここからネタバレします。
『ロミジュリ』を脚本の時系列どおりに上演しながら、演出は、人類が誕生して、群れを成して、対立が生まれ、戦争が起こるという、人間が繰り返す歴史をたどっているようでした。
愛して求めて、憎しみ合って、戦って死んで、再び生を受ける、無数のロミオとジュリエットたち。走って、踊って、取っ組み合って、これでもかと言わんばかりに役者さんは動き回ります。ハアハアと息が上がって、汗の湯気が立って燃える身体から、ばくばくと鳴る心臓の鼓動が聞こえてきそう。奥の奥まで深く輝く役者さんの目を見ると、自分の後頭部が熱くなるのを感じました。
韓国語で歌われている日本のポップスが流れたり、尾崎豊の曲(オリジナル)が流れると、くすぐったいような、むずがゆいような心地がしました。観客の中には笑っている人もいれば、ムスっと口をつぐんでいる人もいます。黒と赤のシャープな色彩に染められた劇場で、韓国と日本の歴史がザザーっと脳裏に浮かび、それが今、ここに至っていることを体で実感しました。2つの異なる国の人間をつないでいるのが、イギリスの古典戯曲であることも非常に面白いと感じました。
『大恋愛』と同様、四角い舞台を客席と平行方向に使った“だるまさんがころんだ”がありました。鬼に指差された者はその場にばったりと死んだように倒れ込みます。『ロミジュリ』のセリフを話しながら、やってるのは“だるまさん・・・”(笑)。韓国の観客にも大いに笑いが起こっていました。
鬼に指された者は、まだ生きている者にタッチされると次々とよみがえって、再び走り始めます。やがて鬼がいなくなったことに気づいて、「おかしいな」と思いながらも繰り返しぐるぐると走り続けるのは、『大恋愛』とは違った演出。最後は冒頭のシーンに戻ってリプライズの効果がありました。
マットレスを四角くパーテーションしていく照明がかっこ良かったです。シビれた~。
■R&J IN KOREA
千秋楽の後の打ち上げで、出演者の方々にお話を伺うことが出来ました。10人中6人が演劇大学の卒業生。韓国の俳優の層は厚いです。
「2年前に鄭義信(チョン・ウィシン)さん演出の『二十世紀少年少女読本』を観て、日本人も同じことに悩んで、同じことを目指して、作品作りをしているということがわかった。だからオーディションに応募した。多田さんにはセンスがある。独自の世界がある。」
「最後のステージが終わった時、はじめて多田さんに褒められた。嬉しかった。」
「言葉の壁はやはり厚い。でも通訳が良かった。いい作品になったので満足。」
「世界一かっこいい『ロミオとジュリエット』に出演することが出来た。そのことが誇らしい。」
出演:Kim You Le(最初に登場するマッシュルームカットの女)/Kang Cheong In(歌い上げて「ナイチンゲール!」と叫ぶ女)/Lee Yoon Jae(2人のジュリエットをおんぶする男)/Jo Jae Ryong(ヒンズースクワットをする短髪の男)/Kim Shong Il(ヒンズースクワットをする長髪の男)/Oh Min Jung(最初に踊りだす笑顔が優しい女)/E Soo Hyun(目力が強いエリート風の短髪の男)/Kwon Teak Ki(立ち姿に哀愁のある大人の男)/Choi Sho Young(ピン止めで前髪をまとめた女)/他1名(“だるまさんがころんだ”の鬼)
脚本:W.シェイクスピア 演出:多田淳之介(東京デスロック/青年団演出部)
入場料15,000ウォン(1700円ぐらい?)
http://www.tdak.or.kr/
http://artstheater.arko.or.kr/performance/performance_view.asp?id=306&menu=L
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月29日
【出演団体募集】世田谷区芸術アワード”飛翔”アーティスト募集・応募期間09/14-20(面接あり)
世田谷区が新たに創設した「世田谷区芸術アワード”飛翔”」の公募情報です。
舞台芸術部門の受賞者には、2010年1月の「シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.2」(今年のフリーステージ演劇部門のレビュー⇒1、2)への出場権が与えられます。
⇒公式サイト
⇒<舞台芸術>部門(募集対象分野:現代演劇、現代舞踊)について
■応募期間
2008年9月14日(日)~9月20日(土)
※応募書類提出の際に20分程度のヒアリングあり
2008年08月28日
劇団競泳水着『真剣恋愛』08/28-09/03王子小劇場
上野友之さんが作・演出・出演される劇団競泳水着の新作。王子小劇場が主催する佐藤佐吉演劇祭2008参加作品です。2枚組みのチラシが素晴らしい!
見目麗しい若い役者さんたちがつむぎだす爽やかな恋愛模様。劇団競泳水着の作品はいくつか拝見しておりますが(過去レビュー⇒1、2、3)、その中でも全体的に大人しい目の印象でした。上演時間は約1時間50分。
⇒演劇祭公式ブログ(飛鳥高校演劇部感想リレーあり!)
⇒シアターガイド賞選考ブログ
⇒CoRich舞台芸術!『真剣恋愛』★CoRichから簡単予約!
レビューは2008/09/07にアップ。
≪あらすじ≫
不倫の恋に陥っている保健室の先生(細野今日子)と彼女に恋心をいだく男子高校生(篠崎大悟)、人気女子アナウンサー(黒木絵美花)と彼女の元カレである売り出し中の男優(西山宏幸)を中心とした、青春胸きゅん恋愛群像劇。
≪ここまで≫
舞台は共学高校の保健室、職員室、女子アナの自室、男優の自室、コンビニ、喫茶店などなど多岐にわたります。保健室部分を上部に作り、その下に女子アナと男優の自室を隣り合わせにして、全体をコンパクトかつ上手くまとめた美術でした。
10人以上が登場する群像劇で、テレビドラマのように次々とシーンが切り替わります。その場面転換の方法が少々単調に感じました。拝見したのは初日でしたので、その後きっと改善されたことと思います。
トレンディードラマのお約束のような恋のときめきシーンを、美男美女がさりげなさを装いながら実は意図的にデフォルメさせて演じるという、凝った脚本・演出がこの劇団の魅力であり個性だと思っています。でも今作は“不倫”に重きを置いたせいか、全体的にしんみりとした暗い空気が漂っており、恋にまつわる人間の可愛らしい愚行(ときめき、妄想、暴走、バカぢからなど)のふり幅が小さく、期待していたようなむずがゆいクスクス笑いや、わかっていてもハマってしまう胸きゅんはあまり得られず。
別れた恋人を美化する感覚って、もしかしたら男性らしい性質なのかもと思いました。女は「はい、次!」ってところありますよね(笑)。
ここからネタバレします。
保健室の先生(養護教諭)と親しい男性教師(和知龍範)は、誰にでも手を出すプレイボーイだと思っていたんですが、新任教師(清水那保)との恋が芽生えるエピソードでは、彼は好青年ということになっていました。セリフと演技・演出のギャップを感じました。これも初日だったからかも。いや、教師を演じた和知さんが美形だったからかもしれません(見た目だけでプレイボーイ合格だから・笑)。
女子アナと男優が携帯で何度も連絡を取り合って、もしかしたら上手く行っちゃうのかも・・・と思わせておきながら、男優の恋人(堀川炎)にローソンの店員(菅野貴夫)という新たな恋のお相手を見つけさせるところが、意地悪でいい!
女子アナの不倫騒動のエピソードは山本モナさん報道と重なりますが、当日パンフレットによると今作の構想はずっと前からあったものだそうです。
第二期・トレンディードラマシリーズ三部作 第二弾
佐藤佐吉演劇祭2008参加作品
出演:梅舟惟永(ろりえ) 大川翔子 菅野貴夫 窪田道聡(世界名作小劇場) 黒木絵美花 清水那保(DULL-COLORED POP) 西山宏幸(ブルドッキングヘッドロック) 細野今日子(カカフカカ企画) 堀川炎(世田谷シルク) 和知龍範 篠崎大悟 上野友之
【脚本・演出】上野友之 【舞台監督】藤田有紀彦 【舞台美術】坂亨宣(ソマリ工房) 【照明】島田雄峰(lighting staff Ten-Holes) 【音響】高橋秀雄(SoundCube) 【演出助手】会沢ナオト / 陶山浩乃 【衣装】川村紗也 【宣伝美術】立花和政 【宣伝写真】菊池麻美 【写真モデル】細野今日子(カカフカカ企画) / 篠崎大悟 【WEB】Atelier.Logic+box. 【制作】塩田友克(クロムモリブデン) 【制作協力】福田宏実 / 山並洋貴 【アソシエイトプロデュース】武藤博伸(フォセット・コンシェルジュ) 【プロデュース】劇団競泳水着 【製作】2008「第二期・トレンディードラマシリーズ三部作」製作委員会
【発売日】2008/07/20 前売(予約):2,500円 当日券:2,800円 ペアチケット:4,600円(要予約) 早期予約割引:2,000円(7月31日24時までに予約された方) 大学生・専門学校生:2,200円(要予約・要学生証) 中高生:1,500円(要予約・要学生証・各ステージ枚数限定・メールまたは電話のみで受付致します)
http://www.k-mizugi.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】桃園会『電波猿の夜』大阪・東京公演の出演者募集・10/04郵送必着
深津篤史さんが作・演出される大阪の劇団・桃園会のオーディション情報です(CoRich舞台芸術!掲示板より)。
深津さんといえば、私にとっては『屋上庭園/動員挿話』の演出家。今年9月も新国立劇場「近代能楽集『綾の鼓』『弱法師』」で、『弱法師』の演出をされます。
お稽古が大阪市内で行われますので、関西在住の方向けですね。
■桃園会・新作『電波猿の夜』
作・演出/深津篤史
大阪公演:08年12月18日~23日 於/ウイングフィールド
東京公演:09年2月6日~11日 於/ザ・スズナリ
全16ステージを予定。
※書類審査(一次)・ワークショップオーディション(二次)を経て数名の出演者を選出
★桃園会とは
1992年、主宰・作・演出の深津篤史を中心に旗揚げ。
現在までに関西を中心に、幅広く活動中。
1998年、主宰・深津が「うちやまつり」にて第42回岸田國士戯曲賞を受賞。
2005年、新国立劇場製作「屋上庭園/動員挿話」・クラシックルネサンス「父帰る/釣堀りにて」の演出において、第13回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。
また近年には代表作「うちやまつり」「のたり、のたり、」などが英訳され英国、米国でリーディング公演が行われている。
公式サイトより↓
■第36回公演『電波猿の夜』出演者募集オーディション(2008年8月10日)
桃園会では次回第36回公演『電波猿の夜』における出演者を募集致します。
桃園会劇団員と共にウイングフィールド、そしてザ・スズナリの舞台に立てるチャンスを掴んでみませんか!?
☆公演参加の流れ☆
1・応募書類提出
2・書類審査により、ワークショップオーディションへの選抜
3・書類審査合格後、面接・ワークショップに参加
4・ワークショップにより演技審査を行い、合格者を最終選抜
5・公演稽古への参加・本番
☆公演予定日
大阪公演:08年12月18日(木)~12月23日(火・祝)
東京公演:09年2月6日(金)~2月11日(水・祝)
上記日程で全16ステージを予定。
☆応募資格
過去に桃園会作品、もしくは深津作品(作・演出不問)を観ていること。
過去に舞台出演経験があること。
年齢、性別は問いません。
☆参加条件
書類審査、ワークショップオーディションにより選抜されたうえ、08年10月20日頃から大阪公演本番までの約45日間の稽古、09年1月から東京公演本番終了までの稽古に必ず参加できること。
稽古場は大阪市内(野江・庄内・正雀付近)、稽古時間は基本19:00~22:00となります。
また、公演期間中の食費、東京公演移動への交通費・宿泊費は劇団が負担致します。
(但し、劇団指定の交通機関・宿泊場所となります)
☆ワークショップオーディション参加費
5,000円
☆公演参加費
20,000円
☆チケット買取
56,000円(買取分を超えた売り上げは、1枚につき半額分を返金)
☆ワークショップオーディション日程
1日目:08年10月8日(水)18:00~面接・ワークショップ
2日目:08年10月15日(水)19:00~ワークショップ
☆応募方法
市販の履歴書に必要事項を記入のうえ、
芸歴・舞台出演歴
写真2枚(バストアップ・全身)
400字以内の自己アピール
以上を同封し下記劇団事務所までご送付ください。
☆締め切り:08年10月4日必着
☆書類送り先
〒535-0002 大阪市旭区大宮1-16-19 リベラル大宮103
桃園会オーディション係まで
☆オーディションに関するお問い合わせは下記メールアドレス、もしくはお電話にて
TEL:06-6955-7866
MAIL:office(アットマーク)toenkai.com
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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NPO法人じぶん未来クラブ『ヤングアメリカンズ・ミーツ・アジアンキッズ2008』08/27国立オリンピック記念青少年総合センター
アメリカのNPO団体“ヤングアメリカンズ”の、アジアの子供たち向けのワークショップ・プログラムの発表会に伺いました。前半に40分ほどヤングアメリカンズのショーがあり、後半は子供たちも一緒のパフォーマンスが披露されました。
アメリカ文化が手放しに大好きで、運動好きな方は楽しめるかもしれません。私個人としては、“子供向けの教育プログラム”としては誰にもお勧めしたくない企画でした。
前半の“ヤングアメリカンズ”のショーはアメリカの音楽・娯楽文化(モータウン/賛美歌/ポップス/ミュージカル/ディズニー/等)のざっくりとした紹介です。驚いたことに、開幕前に暗転するやいなや、舞台間近の席に座った子供たちが歓声を上げ始めました。はじまる前からいきなりノリノリ。私はドン引きでした。
参加者から聞いたところによると、上演プログラムは毎回ほぼ同じだそうです。中には「今回が6回目」という常連の子供たちもいて、ヤングアメリカンズのメンバーとも親しい様子。
“ヤングアメリカンズ”は本格的なプロのダンサーやシンガーではないようで、踊りや歌がブロードウェイ・ミュージカルの出演者のように見事なわけではありません。でも無料のショーとしては不満なく鑑賞できました。約40人もの若者が一生懸命歌って踊るんですから、それだけで圧巻です。
でも、アメリカ人お得意の「カモン、ジョインナス!」な態度には、私は慣れることができませんでした。演技も感極まった振りをして、悦に入っているように見えてしまって・・・。
後半の子供たちのパフォーマンスはダンスも歌も凝ったもので、初心者がたった2日で覚えるのは大変だろうなと思いました。案の定、“デキない子”たちは大きくまとめられてガヤ状態。でも“デキる子”はクラシックバレエのソロを踊ったり、ピアノを弾いたり、朗々とソウルフルに歌い上げたり、どんどん中央に出てきて技を披露する時間をもらえます。まさにショウ・ビジネスの弱肉強食の世界でした。※プロのパフォーマーを目指す方にとっては良い体験になるかもしれません。
ソロで歌っている最中に個人的に誰かへの感謝の気持ちを英語で述べて、勝手に涙する子がいました。まるで何かの賞を受賞したかのような一人感無量状態(汗)。その後でヤングアメリカンズのメンバーと抱き合ったりして、心底げんなりでした。アメリカ文化を間違った方向から真似してしまっているんじゃないかと、おこがましいとは思いつつ心配になります。
舞台を鑑賞する前の段階から私が大きくつまづいたのは、日本人、中国人、韓国人の子供が参加しているのに、言葉は全て英語で、通訳がないことでした。英語がわからない子供たちは置いてきぼり。観ていてその差が明らかにわかりました。常連およびバイリンガルの子たちは自分から飛び込んで楽しんでいますが、そうじゃない子たちは無理やりやらされてる感が満面に。痛々しかったです。しかも子供に英語で「We are one」とか歌わせて・・・(涙)。パフォーマンス中に観客に語りかけるのも英語のみですから、英語がわからない保護者も置いてきぼりでした。
パフォーマンスの最後に主催者の挨拶がありまして、男性が「英語が下手なので申し訳ないんですが、日本語で」とおっしゃったことに驚愕しました。ここは日本だし、観客は大半が日本人です。韓国人、中国人にとっては日本語と英語ばかりが飛び交うわけで、とても失礼だと思いました。募集パンフレットに、参加者も観客も英語が理解できる人が対象だと明記していただきたいです。
※ただ、これも参加者(日本人)から聞いたことですが、中国人と韓国人の子供たちはほとんどが英語がわかるバイリンガルだったそうです。客席を見渡したところ、ブランドもののお洋服やアクセサリーに身を包んだ保護者が多数。つまり富裕層ですね。
「The Young Americans Meets Asian Kids 2008」 8/25~27の3日間。3日目のお昼に発表会。帰宅は8/28午前中。
アジアと日本の子どもたちとの交流を深める、宿泊付きの特別プログラム
NPO法人じぶん未来クラブ アジアンキッズ交流プロジェクト実行委員会
http://www.jibunmirai.com/ya/asian/index.html
http://www.youngamericans.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月27日
柿喰う客『真説・多い日も安心』08/21-31吉祥寺シアター
中屋敷法仁さんが作・演出(出演も)される柿喰う客の再演もの。ついこの間、佐藤佐吉演劇祭2008に出場していたかと思ったら、今度は吉祥寺シアターで13ステージ公演という、大忙し劇団です。人気はうなぎのぼりですね。
上演時間は約1時間55分。
⇒CoRich舞台芸術!『真説・多い日も安心』
AV女優サラサーティ(深谷由梨香)が支配する国、のお話。下ネタのオンパレード。それでも結構さわやか目に観られてしまうのは、私が慣れたからなのか(苦笑)。
出演者が膨大ですが、ムリなく楽しく観られました。ただ、やはり初めて観た『性癖優秀』が今も一番好きですね。
出演:高木エルム、七味まゆ味、玉置玲央、半澤敦史、深谷由梨香(以上、柿喰う客)、浅見臣樹、浅利ねこ(劇団銀石)、伊佐美由紀、石黒淳士、石橋宙男、伊藤淳二、今永大樹、大石憲、小川貴大(ハイベビ)、加藤諒、川村紗也、斉藤マッチュ(劇団銀石)、佐藤みゆき(こゆび侍)、佐野功、佐野木雄太(劇団銀石)、色城絶(エビビモpro.)、須貝英(箱庭円舞曲)、高橋戦車、出来本泰史(劇団SevenStars)、永島敬三、中林舞(快快)、野上真友美、野田裕貴、迫律聖、花戸祐介、舞香、松本隆志(Mrs.fictions)、丸山紘毅、武藤心平(7%竹)、村上俊哉、村上誠基、八木菜々花、矢鋪あい
脚本・演出:中屋敷法仁 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:泉真 音響:上野雅(SoundCube) 照明:富山貴之 殺陣:佐野功 演出助手:今城文恵(メタリック農家) 加藤槙梨子 当日運営:塩田友克 票券:田畑諭 制作補佐:吉澤和泉 清水建志 制作:田中沙織
【発売日】2008/07/19 ※日時指定・全席指定席 前売券 2,500円 当日券 2,800円 学生券 2,300円(要予約・要学生証提示) 団体券 6,300円(要予約・3名様でご来場のお客様対象)
※「早期割引」実施の回は、料金は一律 前売1,800円/当日2,000円です。※「昼ギャザ」実施の回は、学生券・団体券のお取り扱いはございません。
http://kaki-kuu-kyaku.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月26日
G-up『ペガモ星人の襲来』08/22-31駅前劇場
後藤ひろひとさんの昔の脚本を関秀人さん(元・立身出世劇場)が演出。関西出身の作・演出家コンビになりますね。東京の小劇場周辺で活躍する役者さんがいっぱい。
⇒CoRich舞台芸術!『ペガモ星人の襲来』
役者さんの個性披露の場になっていることが多く感じました。自分の演技の時間をゆったり取りすぎなんじゃないかな。そういう演出意図なのかもしれませんが。
小椋あずきさんと岩井秀人さんの新劇俳優コンビが凸凹すぎて可笑しかった。
ここからネタバレします。
そら恐ろしい最後だったので(宇宙人が出てくるのはご愛嬌ですが)、中盤からもっとサスペンス・タッチな演出があっても良かったんじゃないかと思いました。
≪東京、兵庫≫ G-up presents vol.6
出演:大内厚雄(演劇集団キャラメルボックス) 吉岡毅志(演劇集団スプートニク) 小椋あずき 有川マコト(絶対王様) 柿丸美智恵(毛皮族) 岩井秀人(ハイバイ) 瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ) 町田カナ 森啓一郎(東京タンバリン) 後藤飛鳥(五反田団) 森下亮(クロムモリブデン) 板倉チヒロ(クロムモリブデン) 黒岩三佳(あひるなんちゃら) 赤星昇一郎
【脚本】後藤ひろひと(piper) 【演出】関秀人 【舞台美術】秋山光洋 【舞台監督】スズキサオリ 【音響効果】末谷あずさ(OFFICE my on) 【照明】藤田典子 【衣裳】名村多美子 【大道具製作】浦野正之(アーティスティックポイント)【演出助手】森田祐吏(北京蝶々) 【アンダースタディ】経塚祐弘 【演出部】佐々木智史 【写真】鏡田伸幸 【宣伝美術】岩根ナイル(mixed) 【web制作】岩根ナイル(mixed) 【制作】東京公演:G-up 大阪公演:宮崎由美(スタッフステーション) 【プロデューサー】赤沼かがみ 企画・製作:G-up
【発売日】2008/07/06 前売・当日共 3980円
http://www.g-up.info/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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芸団協セミナー『劇場をめぐるラウンドテーブル Vol.2「劇場と劇団と観客と~東京の公立劇場」』08/25芸能花伝舎1-1

ラウンドテーブル2
芸団協が主催するセミナーです(過去記事→1、2)。ゲストは崎山敦彦さん(あうるすぽっと チーフプロデューサー)、箕島裕二さん(吉祥寺シアター支配人)、矢作勝義さん(世田谷パブリックシアター制作部)という、東京の有名公共ホールの方々。
参加者は劇場関係者、芸術団体所属のアーティストなど40名ぐらい。こういったセミナーでよくお見かけする方も多く、芸能花伝舎が人と人とをつなぐ場として成熟しているのを実感しました。私も今年は何度もお邪魔しています。
公共ホールって、そのホールの所在地の地方自治体によって運営方針が全然違うんですね。税金で運営されている施設ですから、その地域の方々に貢献することが大前提。色んな制約がある中で、プロデューサーの方々が工夫を凝らしていらっしゃるのがよくわかりました。
参加者のある方から心に響く言葉が聞けました。
「演劇がやるべきことは、(観客に)“人間は信じることができる(信じるに足る存在である)”と信じてもらうこと。」
「劇場と劇団と観客と~東京の公立劇場」
ゲスト:崎山敦彦(あうるすぽっと チーフプロデューサー)/箕島裕二(吉祥寺シアター支配人)/矢作勝義(世田谷パブリックシアター制作部)
【日時】2008年8月25日(月)19:00-21:00【参加費】2,000円 (茶菓代を含む) ※要事前申込み
※昨年の矢作さんのトークの記録:http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/seminar_net.html
お問合せ:芸団協 芸能文化振興部 米屋・日比谷 TEL.03-5909-3060 FAX.03-5909-3061
e-mail:seminar(アットマーク)geidankyo.or.jp
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijyo_rt08.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月23日
スパンドレル/レンジ『地獄のKiosk』08/21-25王子小劇場
スパンドレル/レンジは松本淳市さんが作・演出される劇団です。王子小劇場が主催する佐藤佐吉演劇祭2008参加作品。
レビューはほぼ記録のみ。上演時間は約1時間45分。
⇒演劇祭公式ブログ(飛鳥高校演劇部感想リレーあり!)
⇒シアターガイド賞選考ブログ
⇒CoRich舞台芸術!『地獄のKiosk』
脈絡なく叫んだり泣いたり笑ったり。発語されるキーワードは散らかったまま集約されず。
上手奥の上部にコントラバスとアコーディオンの生演奏スペースあり。音楽は聴き応えのあるものでした。
これまでの作風とは違うらしいです。
ここからネタバレします。
地下世界。海も空もない。エンペラさんが支配している(?)。
水がずっと流れていたり、装置は凝っていたようです。アングラ風。
佐藤佐吉演劇祭2008参加作品
出演:藤井びん、北島佐和子、篠原里枝子、さとりさとる、宇鉄菊三(tsumazuki no ishi)、橋本直樹(劇団離風霊船)、佐藤リョースケ、佐藤健、多賀友紀、久保田綾子、松本衣実、小松留美
脚本・演出:松本淳市 音楽:catsup 熊坂義人(コントラバス) 熊坂るつこ(アコーディオン) 照明:野中千絵(RYUCONNECTION) 美術:art-pine 舞台監督:松本淳三郎 演出助手:多賀友紀 舞台写真:嶋村秀人 映像記録:根来祐 宣伝美術・ウェブデザイン:東ヨーコ 制作:大津幸子
前売 2,500円 当日 2,800円 中高生割引 1,500円(各回10枚限定・要学生証・事前予約)
http://spandrel.pupu.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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サスペンデッズ『MOTION & CONTROL』08/19-24 OFF OFFシアター
新国立劇場への書き下ろし戯曲『鳥瞰図』が好評だった、早船聡さんが作・演出(時に出演も)されるサスペンデッズの第五回公演です。またまた新作ですね。
自分の学生時代の気持ちと重なることが多々あり、同時に襲ってくる懐かしさと胸の傷みにむせそうになりつつ何度も落涙。コンパクトでスピーディーな転換が気持ちいいです。上演時間は約1時間30分弱。
『「しのぶの演劇レビュー」の紹介で観に来た』というお客様がいらしたそうです。ありがとうございます!明日までまだ残席あるそうです。
⇒CoRich舞台芸術!『MOTION & CONTROL』
レビューはあらすじのみ。加筆できるかどうか未定。すみません、月末が近くなり時間がなくなってきました・・・。
≪あらすじ≫ 少々ネタバレしていますが、読んでから観に行っても問題ないと思います。
黒いスーツの男が2人(佐野陽一、伊藤聡)、列車に乗っている。旧知の仲らしい。ゴトゴトと揺られながら学生時代の話を始める。
某大学の映画研究部。年齢不詳の先輩・倉田(白州本樹)と部員の川原(伊藤聡)は、PFFに応募する映画を撮影しようか相談中。でも一番映画の才能があるのは、やる気のない村瀬(佐野陽一)なのだ。ある日、可愛い新入生の女子(松本理奈)が入部してきて・・・。
≪ここまで≫
サスペンデッズ第五回公演「MOTION & CONTROL」
出演:佐野陽一、伊藤聡、佐藤銀平、白州本樹(スターダス・21)、松本理奈、早船聡
脚本・演出:早船聡 美術:近藤麗子 照明:工藤雅弘(fantasista?ish) 音響:平井隆史(末広寿司) 音響操作:はらことり 衣裳:大野典子 舞台監督:大友圭一郎 大道具:松澤紀昭 イラストレーション:木村タカヒロ 宣伝美術:野島敏光 制作協力:石川はるか(ハイリンド) 制作:上田郁子(オフィス・ムベ)
前売り2,800円 当日3,000円
http://suspendeds.jugem.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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サンプル『家族の肖像』08/22-31アトリエヘリコプター
松井周さんが作・演出されるサンプル。初日に伺いました。
現代日本人の日常の断片がぬるぬる、ずるずると重なり、接合して、世界は混濁する。そんな印象の約1時間50分。いっぱい考えて、感じて、全身で鑑賞。刺激的で官能的な体験でした。
特殊な客席になっています。公式サイトより引用↓。
『本公演は客席の構造上、開演後の入場が難しくなっています。時間に余裕をもってお越しくださいませ。また、スカート・ヒール以外の動き易いお召し物がお勧めです。』
⇒CoRich舞台芸術!『家族の肖像』
松井さんは私たちが生きる上で行っているコミュニケーションについて、とてもシビアな視点をお持ちだと思いました。冷静で、緻密。賛成・反対などの個人の意思を前面に出すことなく、“サンプル(sample)”を並べていくんですね。その並べ方に松井さんの視点が投影されています。
観客は現代人の生態についての例証を高見から見物して、徐々に登場人物(=サンプル)に共感をおぼえたりする内に、自分もそのサンプルたちの隣に並んでいることに気づきます。共犯関係を結んだような、SMの両方を同時体験するような、快・不快が同時に起こり、小さな罪悪感もともなう、ぬめぬめした肌触り。
この作品全体についての感想をひとことで言うと、「アメーバ」でした。
オーディションで選ばれた役者さんも、サンプル・青年団の役者さんとの差を感じさせることなく、作品の中に溶け合うように存在していました。松井さんは俳優の導き手としても有能な方なのかもしれないと思いました。
ここからネタバレします。
ごみが散乱する舞台を四方から客席が囲みます。客席はすべて2階にあり、観客は舞台を上から覗き込む状態で鑑賞します。
売れ残りの弁当が床を這うように次々と他の人の手に渡ります。人も食べ物もゴミも、何もかもが平面に並べられた空虚なイメージ。ただただ平坦で、だだっ広い、不毛の荒野。
決して交わりあうことがない下等生物同士が、むやみに合体しようとぶつかり合っているよう。でも衝突したらサっと身を引いて、逆ギレして孤立します。その浅はかな行為の繰り返し。
スーパーの店長(古屋隆太)が万引き娘(野津あおい)に、「俺をののしれ!」と命令のような懇願をするのが私のNo.1萌えポイント(笑)。
フランス語教師(辻美奈子)が出すことがないラブレターを歌ったり読み上げたりするのが可笑しい。最後にその手紙をスーパーの店員(村上聡一)に勝手に託して、それが引きこもりの息子(古舘寛治)の手に渡ったところで暗転・終幕しました。
ぐるりと一周回ったような感触があり、あなぐらの舞台を上から見下ろして、食物連鎖、輪廻転生、無駄の無限サイクルなどを想像しました。胎内の生ぬるい濁水の中にごぼごぼと溺れながら沈んでいくような、息苦しさと悦びが混ざった恍惚の闇でした。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ メモしたことの覚え書き程度です。
出演:松井周
松井「タイトルは“家族の肖像”ですが、家族とは程遠いものを重ねるように作りました。いくつもレイヤーを重ねるような。それが重なっていくと、まるで家族であるかのように錯覚することもあるのではないか。」
松井「役者が不思議な動きをしながら登場するシーンは、“体を引き裂いて歩く”という演出をしています。」
松井「俳優と個人との切り替えはどこでもいい。キャラになりきるのではなく、俳優個人(俳優の身体)と地続きではないかと考えている。それが自分は好き。」
松井「“(役が)憑依する”ということもあると思う。“役作り”もあるでしょう。でも僕はそれにコスプレを感じる。言ってみれば社会的役割もコスプレだと思うんです。」
松井「(舞台は)圧縮している場所で人がうごめいているイメージ。ひとつの場所なのか、それが重なっているのか、バラバラなのか。ごちゃまぜの鍋の中のような。上から眺めるのは、圧縮して上から押さえつけるイメージです。」
出演:辻美奈子(サンプル・青年団)、 古舘寛治(サンプル・青年団)、古屋隆太(サンプル・青年団)、羽場睦子、木引優子(青年団)、江原大介、岡部たかし、中川鳶、成田亜佑美、西田麻耶(五反田団)、 野津あおい、村上聡一(中野成樹+フランケンズ)
脚本・演出:松井周 舞台美術=杉山至+鴉屋 照明=西本彩 音響=野村政之 衣裳=小松陽佳留(une chrysantheme) 舞台監督=小林智 ドラマターグ・演出助手=野村政之 宣伝美術=京 宣伝写真=momoko japan 記録写真=青木司 記録映像=深田晃司 制作補佐=有田真代(背番号零) 制作=三好佐智子 企画・製作=サンプル・(有)quinada
【発売日】2008/06/22 整理番号付(全席自由) 前売り2,500円 当日2,800円
http://www.samplenet.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月22日
NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)『子どもに見せたい舞台 vol.2「少年探偵団~怪人二十面相を追え!!~」』08/20-26にしすがも創造舎 特設劇場
NPO法人アートネットワーク・ジャパンがプロデュースする“子どもに見せたい舞台”の第2弾。演出は倉迫康史さん(Ort-d.d)です。関連作のレビュー⇒1、2
3人の子役はA、Bのダブルキャストで、私が拝見したのはBキャスト。上演時間は約1時間10分。短時間に凝縮されていて快適でした。これからご覧になるお子様は、チラシで作れる二十面相の仮面をお忘れなく!
⇒CoRich舞台芸術!『少年探偵団~怪人二十面相を追え!!~』
≪あらすじ≫ 公式サイトより (役者名)を追加。
マンホールに電柱、アドバルーンに丸い郵便ポスト、公衆浴場の高い煙突に古びた三角屋根の洋館…。昭和の街並みを神出鬼没・縦横無尽に駆けるは二十の顔を持つと呼ばれる男、怪人二十面相(三村聡)!人は殺さず、愛する美術品を予告しては盗み集めトリックスターが仕掛ける奇想天外な事件。事件の謎に挑むのは、二十面相の終生のライバル、名探偵・明智小五郎(山田宏平)と少年探偵団。美しい未亡人の住む洋館に二十面相からの予告状が届く。明智探偵事務所の黒電話が鳴り響けば、夜のレトロTOKIOを舞台に、怪人二十面相と少年探偵団の知恵くらべと追いかけっこが今、始まる!!
≪ここまで≫
中央に3階ぐらいまで続くまっすぐの階段。怪盗と探偵の追いかけっこを高さのある装置でダイナミックに見せます。体も言葉もかちっと決める形式美を生かした演技で、子供たちの集中力を切らせませんでした。地に足の着いた力強い演技は、ただじっと動かなかったり、ゆっくり歩いたりするだけでも絵になります。それは子供にもわかるんですよね。
ライブの迫力や演劇的な演出などについては、前作の方が私は楽しめたかも。暗転中の転換がもうちょっとスムーズになってくれたらな~と思うことが時々ありました。
少年探偵団は子役3人が演じます。本当の子供が少年探偵団だというだけで、ちょっと嬉しい。
チラシ美術はいつもながら素晴らしいデザインだと思います。配布されるパンフレットも内容が充実していて気分が盛り上がりました。
ここからネタバレします。
舞台中央奥の階段の上から降りていく明智と、客席側から階段に続く通路を歩いていく二十面相が、ちょうど舞台中央ですれ違います。セリフと音楽もタイミングが合っていてかっこ良かった。
二十面相の黒マスクをお子様にかぶってもらって、大勢の黒マスクの観客の中に二十面相が隠れるという、お子様むけのお楽しみシーンがありました。警部役の方が楽しく道化を演じてらっしゃって子供たちにも好評。でもマスクを持っていない子供たちが多かったのは残念でしたね。会場入り口で開演前に配ったらいいんじゃないかしら。たしか前回も旗(?)を持っている子と持っていない子がいて、可哀そうだと思った覚えがあります。
明智に追い詰められるものの、二十面相はユリ子人形とともに命からがら逃げ延びます。それは追う側の人物たちが最後まで追いかけなかったから。なぜ二十面相をつかまえないのかを警部が語りますが、たくさんの言葉で説明しすぎな気がしました。立教大学の中の“幻影城”(江戸川乱歩の著書やコレクションを保管している蔵)で、二十面相は今も活躍しているんだと伝わればそれでいいと思います。素人考えですが、もっと言葉をシンプルにして、あとは演出で表現してもいいんじゃないかと思いました。
にしすがもアート夏まつり‘08江戸川乱歩とにしすがも少年探偵団 子どもに見せたい舞台vol.2
出演:村上哲也 三村聡 山田宏平 牧山祐大 平佐喜子 杉村誠子 藤谷みき ※出演を予定しておりました三橋麻子は本人の事情により降板し、代役として藤谷みきが出演いたします。
≪Aキャスト≫井上一郎役:内藤義明 野呂一平役:三澤康平 花崎マユミ役:樋口めぐみ
≪Bキャスト≫井上一郎役:木村武翔 野呂一平役:白木光一 花崎マユミ役:若山茉由
原作:江戸川乱歩 構成・演出:倉迫康史(にしすがも創造舎レジデント・アーティスト) 照明:佐々木真喜子(ファクター) 音響:相川晶 舞台美術:伊藤雅子 衣装:ROCCA WORKS 舞台監督:弘光哲也 宣伝美術:種市一寛(FLATROOM) 広報:宮崎あかり 票券:堤久美子 当日運営:岩渕文 制作:武田知也 竹岸実夏 プロデューサー:蓮池奈緒子 制作協力:(株)インターキッズ 企画・製作:NPO法人アートネットワーク・ジャパン
【発売日】2008/07/25 おとな 1,000円 中高生(中学生~18歳未満) 500円 子ども(3歳以上~小学生) 無料
http://sozosha.anj.or.jp/index.html
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2008年08月21日
ヨーロッパ企画『あんなに優しかったゴーレム』08/19-25 あうるすぽっと
上田誠さんが作・演出されるヨーロッパ企画の“やったね10周年ツアー”です。
東京公演は早々と前売り完売でしたが、当日券が出ています。上演時間は約1時間50分。
公演パンフレット“ヨロッパ通信”第5号の記事「10周年記念パーティー」は、重みのある内容でした。劇団が存続して10年経つのは凄いことですね。
⇒CoRich舞台芸術!『あんなに優しかったゴーレム』
≪あらすじ≫
あるプロ野球選手のドキュメンタリー撮影現場。選手が出身地にある思い出の空き地で、土でできた大きな像をさわりながら「このゴーレムとキャッチボールをしたのが僕のルーツです」と言い出す。変な妄想を放送するわけにいかないと困り果てる撮影スタッフは、なんとか“ゴーレム”から話題をそらそうとするが、選手は“ゴーレム”にこだわり続ける。“ゴーレム”って本当にいるの?
≪ここまで≫
2階立てになったセットは、土の像“ゴーレム”も含めリアルな作りです。地上のドタバタが地下とがつながっていくのが楽しいですね。
ヨーロッパ企画を観に行く時は、脚本や演出、出演者を楽しみにするというより、“ヨーロッパ企画に会いに行く”気持ちが大きいです。前回も幸せでしたが、今回も観ている最中から嬉しさがこみ上げてきました。劇団全体の空気感やコンビネーションが魅力なんですよね。ヨーロッパ企画のように劇団員だけで全国的に活躍している小劇場団体って、他にあまり思い浮かばないです。
ここからネタバレします。
空き地の地下はゴーレムに育てられているみなしごの家でした。ゴーレムは土と一体化した生き物なので、壁がゴーレムそのものであり、少女と一緒に暮らしていることになります。ゴーレムが土に埋めたスーパー・ファミコンのコントローラーで“ぷよぷよ”をプレイするのが可笑しい。
テレビ・クルーが徐々にゴーレムの存在を信じ始めた頃、音声担当スタッフがペガサスを目撃します。必死でペガサスの存在をアピールする音声担当に向かって、他のメンバーがぶつけるセリフが滑稽です。
「ペガサスは架空だよ」「ゴーレムと同じにしないで欲しい」「ゴーレムまでは本当。何だ、その線引き!?」
とうとうゴーレムと選手のキャッチボールの撮影に成功したクルーですが、ペガサスを追って撮影した時、誤ってキャッチボールの映像を上書きしてしまいます。全員であれだけ「ゴーレムはいる」と確認しあったものの、証拠はなくなってしまいました。この瞬間の無力感が良かったな~(笑)。何が本当か嘘か。曖昧なものですね。
~やったね10周年ツアー~
≪滋賀、京都、愛知、大阪、広島、福岡、東京≫
出演:石田剛太、酒井善史、諏訪雅、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力 松田暢子・山脇唯が体調不良により降板。
脚本・演出:上田誠 美術:長田佳代子 照明:葛西健一(GEKKEN staff room) 音響:小早川保隆(GEKKEN staff room) 衣裳:中嶋祐一(artburt) 舞台監督=筒井昭善×大鹿展明 脚本協力:松居大悟 大歳倫弘 演出部・演出助手:柳原暁子 演出部・小道具製作:中川有子 小道具:酒井善史 松田直樹 大道具:俳優座劇場舞台美術部 ゲーム音源製作:伊藤忠之(ロボピッチャー) 宣伝美術:井上能之 宣伝写真:成田直茂 舞台写真:清水俊洋 映像収録:ドットオフィス 宣伝映像:大見康裕 山口淳太 WEB:樫木由子 柏敏行 片岡二郎 中路まり絵 制作:井神拓也 諏訪雅 本多力 吉田和睦 吉永祐子 東京公演制作協力:サンライズプロモーション東京 ゴーチ・ブラザーズ 共催:(財)としま未来文化財団 ニッポン放送 企画・製作:ヨーロッパ企画
【発売日】2008/05/31前売3,300円/当日3,500円(全席指定・未就学児入場不可)
★8/20 14:00の回、8/21 14:00の回 終演後、ヨーロッパ企画メンバーによる「おまけトークショー」あり。
http://www.europe-kikaku.com/projects/e26/main.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【写真レポート】渡辺源四郎商店『修学旅行』鑑賞ツアー08/18-19②
弘前公園のお堀
渡辺源四郎商店『修学旅行』鑑賞ツアーの写真レポート②です(→レポート①)。2日目は劇団の方々に青森・弘前のおすすめスポットをご案内いただきました。
緑が多くて、しっとりと雨が降るのも心地よかったです(後に大雨になったんですが)。
↓10時に青森グリーンパークホテルをチェックアウトして、工藤千夏さん(うさぎ庵)と純喫茶マロンへ。工藤さんは渡辺源四郎商店のドラマターグ・演出助手でもいらっしゃいます。
↓こだわりにこだわったレトロな内装で、まるで映画のセットみたい!
↓時間が止まったような子一時間を堪能しました。ココアが美味しかった。
↓JR青森駅から各駅停車にゆらゆらゆられて約50分で弘前駅へ。
↓標語(笑)。「標語にするぐらい、青森県ではりんごを食べなくなっているのかも」というお話も。
↓津軽塗(つがるぬり)のお店でお土産にお箸を購入。
↓おとなりは「元祖手焼津軽路せんべい」。美味しいっ!!店頭で若い職人さんが1枚ずつ焼いてらっしゃいます。
↓家に帰って袋を開けました。左が落花生で右がピスタチオ。
↓畑澤聖悟さんと合流。車でお蕎麦屋さんへ。弘前は城下町なので古い日本家屋や蔵がいっぱいあります。
↓海老天など豪華に入った冷たいおそば。
↓弘前・最勝寺の日本最北端の五重塔。畑澤さんは車を運転しながら、その土地の歴史や豆知識(笑)など沢山お話しくださいました。博識な方だわ~と感服。
↓本日のメインイベント(笑)。JR五能線・木造(きづくり)駅の巨大な遮光器土偶フィギュア「シャコちゃん」です。
↓横から見た図。なんと列車が駅に来ると目が光るんです!こわっ!(笑)
↓すぐ近くに小さな公園がありまして、レンガの形までシャコちゃん。体をよじらせて爆笑しました。えーもん見せてもらいました。
↓青森ならではの電話ボックス。雪が積もるので階段で底上げされています。
空港で甘塩うにを購入し、帰路につきました。畑澤さん、工藤さん、お心づくしのおもてなしをありがとうございました!
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【写真レポート】渡辺源四郎商店『修学旅行』鑑賞ツアー08/18-19①
青森県立美術館
渡辺源四郎商店の『修学旅行』中学生ワークショップ版、渡辺源四郎商店版を拝見しに青森まで旅をしてまいりました。
劇団の方々におもてなしいただき、幸せすぎる1泊2日でございました。ありがとうございました!
下記、簡単な写真レポートです。青森はもうすっかり秋でしたね。食べ物が美味しかった!そういえば水道の水も問題なく飲めました。⇒写真レポート②
↓飛行機で早朝に青森到着。青森グリーンパークホテルに荷物をあずけたらすぐに青森県立美術館へ。「大ナポレオン展」と「常設展」を鑑賞。
めちゃくちゃきれいでモダンな美術館でした。シャガールのバレエ「アレコ」背景画3点は圧巻。開いた口がふさがらない感動でした。シャガールに三方から囲まれたアレコホールの椅子に座るために、青森に行ってもいいぐらいです。また行きたい。今度は家族連れで。
↓青森県立美術館内の展示物で唯一撮影可能な「あおもり犬」。目に憂いがあっていいです(笑)。
↓渡辺源四郎商店の拠点・アトリエ・グリーンパークへの道のり。海!波止場!
↓アトリエ・グリーンパークでは中学生版『修学旅行』の観客が開場待ち中。大人気で初日は劇場に入れない方もいらしたとか。
↓マチネ鑑賞後は歩いて青森駅へ。駅前の新しいビル・アウガの地下は商店街。
↓噂の三色丼をいただきました。美味しかった~♪
>
↓またまた歩いてアトリエ・グリーンパークに戻り、渡辺源四郎商店版『修学旅行』を拝見。その後ひと仕事済ませてから、劇団スタッフの方々およびお客様(秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場版『修学旅行』出演者)とホテル近くの居酒屋さんへ。電飾がねぶた!地酒「富盃」が美味しかったです。
↓青年劇場の方々と屋台が並ぶ通りで2次会へ。涼しすぎて寒いぐらい。こちらでは地酒「田酒」をいただきました。
↓渡辺源四郎商店・照明の浅沼昌弘さん(左前)と青年劇場の方々です(時計回りに田代晋太郎さん、本間理恵さん、平井光子さん、髙山康宏さん、永田江里さん)。青年劇場の方には学校公演の生徒の反応など、面白いお話をたくさん伺いました。とっても真面目な方々でした。
写真レポート②に続く。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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渡辺源四郎商店『修学旅行(中学生版・渡辺源四郎商店版)』08/16-24アトリエ・グリーンパーク
畑澤聖悟さん作『修学旅行』は、2005年全国高等学校演劇発表会にて最優秀賞を受賞した作品です。加筆して約1時間30分になった作品を秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場が全国で上演しています。
中学生がなんと1週間で作った無料マチネ公演と、渡辺源四郎商店(なべげん)メンバーによるソワレ公演を拝見しました。上演時間は約65分。
⇒『修学旅行』鑑賞ツアーの写真レポート①、写真レポート②
⇒CoRich舞台芸術!『修学旅行』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
舞台は沖縄県内のとある旅館。青森の県立高等学校の一行が、平和学習も兼ねて沖縄に修学旅行にやって来たが……。
≪ここまで≫
■中学生演劇ワークショップ版
「ココロとカラダの平和教育・中学生演劇ワークショップ ~7日で作る『修学旅行』」という夏休みの企画で、青森の中学生が演劇創作・発表に取り組みました。7日といっても最初の2日間はオーディションやディスカッションなので、実質の稽古期間は5日間なんですよね。
中学生のワークショップ発表会はこれまでに2度拝見していまして(⇒1、2)、今作は驚愕の完成度でした。セリフも完璧ですし(プロンプ無し)、何より観客に見せる姿勢が堂々としていることに驚かされました。実はなべげん版の俳優が同じ役を演じる中学生に、マン・ツー・マンで指導したそうです。なんて贅沢なワークショップ!
「戦争とはなにか?」を問いかけるこの作品に取り組むに当たり、参加者は脚本に出てくる言葉について調査・発表をしています。戦争について語るセリフが軽々しくなかったのはこの成果なのでしょうね。あぁうらやましい。私が中学生だったら絶対受けたかった・・・。会場ロビーに展示された中学生のレポート↓
会場にはテレビカメラが入っていました。なんと5つのテレビ局から取材されたそうです。10月中旬以降に全国ネットで放送されるそうですので、ぜひご覧ください(詳細は劇団ウェブサイトで発表)。
【お芝居の感想】ネタバレあり。
たたみの部屋に5つの布団。修学旅行中の女子中学生たちのケンカが、地球上で起こっている戦争に重なります。ソフトボール部のカキザキが振り回すバットはテポドンであり、大量破壊兵器であり。布団をばらばらに離して妥協案を出し合うのは国連の会議みたい。
国の名前をひとつずつ言っていくシーンでやはり落涙。
■渡辺源四郎商店版
青年劇場版、中学生版につづき3種類目の『修学旅行』。中学生版は部分的にセリフがカットされていることがわかりました。
キャラクターがはっきりと際立っていて、人物の背景もわかりやすかったです。ただ、マチネの中学生のパワーに比べるとおとなしめだったかも。
工藤由佳子さんの殺気だったお色気テロにクギづけ(笑)。
終演後に主宰・作・演出(出演も)の畑澤さんにお話を伺いました。
畑澤「マン・ツー・マンの指導は、いわば生徒一人ずつに師匠ができた状態でした。この方法じゃなきゃ5日間ではできなかったでしょう。」
畑澤「青森に劇団アトリエを構えたということは、青森に根付いて活動していくという意思表明。地元の方々と演劇体験をいかに分かちあえるかが勝負だと思っています。目指すのは地域密着の姿の体現ですね。」
≪青森県内3箇所≫
中学生版出演:千鳥杏美 中島愛佳 浦実奈子 上打田内恵美 鹿内千由紀 古川里奈 大阪果夢 宮川彩音 岡田真実 津島有香 渡邊太朗 山口知美 坂本有美華 石田子聖 小笠原七海
渡辺源四郎商店版出演:工藤由佳子 高坂明生 工藤静香 三上晴佳 山上由美子 工藤良平 葛西大志(劇団夢遊病社) 柿崎彩香 工藤貴樹 秋庭里美 寺田雅代 畑澤聖悟
脚本・演出:畑澤聖悟 照明:浅沼昌弘 音響協力:藤平美保子 舞台美術:畑澤聖悟 装置:萱森由介 プロデュース:佐藤誠 ドラマターグ・演出助手:工藤千夏 宣伝美術:木村正幸 制作:渡辺源四郎商店 制作補:西後知春 おりゅう 主催・企画制作:渡辺源四郎商店 共催:NPO法人アートコアあおもり
※=8月16日(土)~8月18日(月)の15:00開演の回は、「中学生演劇ワークショップ ~7日で作る『修学旅行』」の発表公演となります。(入場無料)
全席自由・日時指定・税込 前売・予約 一般 2,200円/学生(高校生以下も含む) 1,000円 当日 一般 2,500円/学生(高校生以下も含む) 1,200円
http://xbb.jp/wgs
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【演劇教育】芸団協セミナー2008『特別シンポジウム「子どもたちの鑑賞体験を100倍楽しくするために~その方法論と求められる人材について」』08/20芸能花伝舎

特別シンポジウム
講師の中に平田オリザさんのお名前を見つけ、シンポジウムを拝聴してきました。80名余の参加者で会場は満席。
■「イギリスの経験から芸術教育普及プログラムを計画するときに考えるべきこと」
マイク・スペンサー氏 基調講演
マイク「実際に参加してプロセスを経験することで、鑑賞力も深まる。」
マイク「芸術は美しいだけではない。本物で刺激的。」
マイク「南アフリカ共和国でのワークショップ経験談。子供たちが演劇にするトピックを選んだ(子供のレイプ、教師が教室で酔っ払っていることなど)。
マイク「語られることがなかったことにを声にする手段を得て、大人も学んだ。」
ドイツ銀行が主催したオーケストラと子供たちの企画の映像が感動的でした。「ありがとうドイツ銀行!」と客席の親子がみんなで合唱。
■日本の伝統歌舞伎保存会の実践をめぐって
中村時蔵氏(歌舞伎俳優)/浅原恒男氏(社団法人日本俳優協会事務局長)
子供たちが本物の衣裳、道具を使って、本物の歌舞伎俳優の指導のもと、歌舞伎の舞台に立つという、非常にうらやましい(笑)歌舞伎体験ワークショップについてのお話でした。
■教育普及プログラムを担う人材について 討議
平田オリザ氏/浅原恒男氏/マイク・スペンサー氏
平田「こまばアゴラ劇場は100人しか入らない小さな劇場。中学生向けの劇場見学会をしたりしている。全国に二千数百ある公共ホールができるプログラム。なぜやらないのかに問題がある。」
平田「小さいことを繰り返すことで、固定客が生まれる。(アーティスト側から)少人数で出向くことです。大きなことはいくらやっても効果はない。子供は自分が思ってるより大人になる。15歳の男の子は5年後に彼女を連れて劇場に戻ってくるんです(笑)。」
平田「ワークショップは市議会議員にもやってもらいましたし、校長先生にもやってもらった。とにかくやってみせるしかない。魔法はない。」
平田「イタリアの劇場では子供たちにおやつを用意した。クリームを口の周りにいっぱいつけた子供が、劇場を走り回る光景がある。子供にはなりふりかまわず楽しい体験をさせることも大切。」
表現教育関連シリーズ/2008夏の講座『ワークショップ指導者のためのワークショップ~こころと、カラダと、アタマをつなぐ』特別シンポジウム
8月20日(水) 13:00-17:00
講師:マイク・スペンサー(クリエイティブ・アーツ・ネット主宰)/平田オリザ(劇作家・演出家)/中村時蔵(歌舞伎俳優)/浅原恒男(社団法人日本俳優協会事務局長) 主催: 社団法人日本芸能実演家団体協議会 共催:社団法人日本オーケストラ連盟/日本自動・青少年演劇団体協同組合
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/hyogen/sympo.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月20日
【情報】the company『1945』プレミア特典つき特別先行インターネット抽選販売★8/20(水)24:00まで
the company『1945(イチ・キュー・ヨン・ゴー)』の予約情報です。公式サイトより。
なんと『バーム・イン・ギリヤド』DVD(非売品)とパンフレットがもらえます!
★8/20(水)24:00まで
☆プレミア特典つき!『1945』特別先行インターネット抽選販売のご案内☆
期間中にご購入いただきますと、もれなく
the company オフブロードウェイシリーズ 『バーム・イン・ギリヤド』
(2008.4.4-20@新宿シアターモリエール)
公演DVD(非売品)&パンフレットを無料で進呈いたします!
○受付日時:2008年8月18日(月)12:00~20日(水)24:00
○受付方法:WEBでの受付(PCのみ)。
○受付URL:http://www.gorch-brothers.jp/modules/ichTicket/
○受付対象公演:東京公演のみ
○日程:2008年10月25日(土)─11月3日(月・祝)
○会場:世田谷パブリックシアター
○受付席種:S席(1階&2階最前列)のみ 7,000円(指定・税込)
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月17日
タカハ劇団『ボクコネ ボクはテクノカットよりコネチカット』08/14-17駅前劇場
高羽彩さんが作・演出されるタカハ劇団。早稲田の学生会館を拠点にしていたかと思ったら、もう駅前劇場へ。
旗揚げ公演の再演だそうです。上演時間は約1時間45分。
⇒CoRich舞台芸術!『ボクコネ』
≪あらすじ≫ 少々ネタバレしています。
ボケはじめた大家さん(田中沙織)が管理するオンボロアパートの住人たちは、自称ひきこもりの男(西尾友樹)の部屋にたむろして今日も今日とて貧乏談義。突然見知らぬスーツの男女(川島潤哉&鈴木麻美)が入り込んできて叫んだことには、「皆さんに、宇宙旅行が当たりました!」・・・。
≪ここまで≫
学生会館でやってそうなお芝居だな~というのが第一の感想でしたね。緊張感が増すシーンのすぐ後に、笑いのアクセントが効く演出が面白いなと思います。
高羽さんと同じ20代前半の劇作家・黒川陽子さんの『ハルメリ』との共通点を感じました。キーワードは周囲の評判、多数決などでしょうか。ネット社会の今を敏感にとらえてらっしゃるのだと思います。
ここからネタバレします。
アパートごと宇宙へと飛び出した後に地球が真っ二つになって崩壊したため、アパートの住人たちと旅行会社社員らが最後に残された人類ということになります。
宇宙人と仲良くなるための準備では、好感度を高める(と予想される)案が採用されます。なるべく多くの人に好かれようと頑張る姿は、明らかに空回りしていて滑稽です。
長く生き延びるための冷凍睡眠に入るには、その装置の外で冷凍開始のスイッチを押す人が必要です。ただしその人は、装置の中に入れないため死ぬことになります。
誰がスイッチを押すのかを議論した結果、全員がボケた大家さんにその役目を果たしてもらうことに同意します(大家さん不在の会議で)。「みんなで幸せに」「我々は仲間です」などと声高に言っておきながら、仲間を1人殺すことは「仕方ない」「やむをえない」「理性的に考えたら妥当」と考えるんですね。この矛盾は実社会でもよく目にすることだと思います。
大家さんと、仲良しの宇宙人(酒井杏菜)が、宇宙の闇の中で星を眺めるラストシーンが美しかったです。客席にも星の明かりをつけてくださいました。
納涼番外企画公演
出演:異儀田夏葉 川島潤哉(コマツ企画) 酒井杏菜(メタリック農家) 鈴木麻美(北京蝶々) 田中沙織(柿喰う客) 西尾友樹 森戸宏明(動物電気)
脚本・演出 高羽彩/舞台監督 藤田有紀彦/舞台美術 稲田美智子/照明 吉村愛子(Fantasista?ish.)/音響 角張正雄(SoundCube)/小道具 田畑美穂/衣装 佐藤愛/作詩・作曲 高羽彩/編曲 松谷友香/フライヤーデザイン サノアヤコ/運営 安田裕美/制作協力 赤沼かがみ(G-up)/企画協力 嶌津信勝(krei.inc)/製作 タカハ劇団/
【発売日】2008/07/07 前売 2500円/ペアチケット4600円(要予約) 当日 2800円
http://takaha-gekidan.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月16日
メルマガ号外 こまつ座『闇に咲く花』
こまつ座『闇に咲く花』
08/15-31紀伊國屋サザンシアター
≪東京、山形、千葉、九州の演劇鑑賞会ツアー≫ ※山形公演を追加(2008/09/04)
※公演詳細はこちら。
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⇒CoRich舞台芸術!『闇に咲く花』
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“しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.35 2008.8.16 1,329部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こまつ座『闇に咲く花』
08/15-31紀伊國屋サザンシアター
≪東京、山形、千葉、九州の演劇鑑賞会ツアー≫
※山形公演を追加(2008/09/04)
☆出演:石母田史朗 浅野雅博 辻萬長 小林隆 石田圭祐 他
作:井上ひさし 演出:栗山民也
一般5250円 学生割引3150円
http://www.komatsuza.co.jp/
1987年初演の井上ひさしさんの戯曲を栗山民也さんが演出。
フレッシュなキャストを迎えて7年ぶり4度目の再演。↓過去の感想
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0819134804.html
◎観劇後のコメント◎
21年前に書かれた戯曲の5演目です。
これまでに何度もこまつ座作品を観てきましたが、
今回は格別の感動がありました。
過去の出来事として、学校でサラリと教えられてきたわが国の戦争を、
ふたたび自分の心と体に刻むことができました。
ギターのソロ演奏が時に優しく、時に厳しく胸に迫ります。
自ずと顔がほころんだり、涙がとめどなく流れたりもしました。
氾濫する情報に惑わされ、不安とあせりを感じて生きざるを得ない昨今ですが、
このお芝居を観て、たった1人の人間の美しさ、尊さを実感できれば、
一番大切なものを澄み切った気持ちで選べるようになるのではないでしょうか。
演劇作品として、目新しさや奇抜さがあるわけではないかもしれません。
でも、大らかな笑いと、役者さんのこの上なくはつらつとした姿は、
こまつ座にしかないオリジナリティだと思います。
前回から7年経ってキャストがほぼ一新され、
若い役者さんが大勢名をつらねています。
上演を重ねる度に若者が受け継いでいくべき、演劇界の財産だと思います。
東京公演は今月末までです。どうぞお見逃しなく。簡単なレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0816151504.html
※上演時間:約3時間(途中15分の休憩を含む)
【チケット情報】
全席指定5,250円 学生割引 3,150円
・こまつ座オンラインチケット
http://www.komatsuza.co.jp/tickets/onlineticketspurchase.html
・電子チケットぴあ http://t.pia.jp/
0570-02-9999[Pコード386-027]
・ローソンチケット http://l-tike.com/
0570-00-0407[Lコード 33818]
・イープラス http://eplus.jp
・JTBエンタテインメントチケットデスク
0570-03-0311
・キノチケットカウンター
紀伊國屋書店本店5階(店頭販売のみ)
【お問い合わせ】
こまつ座
TEL 03-3862-5941
http://www.komatsuza.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎今年3月14日以来のメルマガ号外です。前回はこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0314111041.html
◎8月18日は青森に観劇遠征します♪
渡辺源四郎商店『修学旅行』
http://xbb.jp/wgs/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
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◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
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◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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今回の配信は“号外”です。
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このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
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◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
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メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
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こまつ座『闇に咲く花』08/15-31紀伊國屋サザンシアター
井上ひさしさんが21年前に書かれた戯曲の5演目です。演出は栗山民也さん。⇒過去レビュー
ギター(演奏:水村直也)のやわらかな音色に身を任せると、今日(昨日)が終戦記念日であることが自然と頭に浮かんできて、開幕から落涙。それからほとんど泣きっぱなしでした。
上演時間は約3時間(途中休憩を含む)。必見です。
⇒CoRich舞台芸術!『闇に咲く花』
レビューはアップできるかどうか不明。感動しすぎると筆が進まないのです・・・すみません。
≪あらすじ≫
時は終戦2年後、東京・神田にある愛嬌稲荷神社。神主(辻萬長)と戦争未亡人5人は、細々とお面工場を営みながら、時には闇市でこっそりと米を手に入れて、明るくたくましく生きていた。戦死したはずの宮司の息子(石母田史朗)が突然帰ってきて、皆で大喜びするが・・・。
≪ここまで≫
≪東京、山形、千葉、九州の演劇鑑賞会ツアー≫
第八十六回公演・紀伊國屋書店提携
出演:石母田史朗 浅野雅博 辻萬長 小林隆 石田圭祐 北川響 水村直也(ギター) 増子倭文江 山本道子 藤本喜久子 井上薫 髙島玲 眞中幸子
作:井上ひさし 演出:栗山民也 美術:石井強司 音楽:宇野誠一郎 照明:服部基 衣裳:宮本宣子 音響:深川定次 宣伝美術;ペーター佐藤 演出助手:保科耕一 舞台監督:菅野郁也 プロンプター:吉野実紗 背景美術(雲):妹尾太郎 制作:井上都 瀬川芳一
5,250円 学生割引 3,150円
http://www.komatsuza.co.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月15日
【演劇教育】【読書】北川達夫×平田オリザ「ニッポンには対話がない」(三省堂)
平田オリザさんと、フィンランド国語教科書(日本語版)を手がけられた北川達夫さんの対談をまとめたものです。コラム↓もあって充実。
「謝ることは義務ではなく、チャンスである」(北川達夫)
「『本当の自分』なんてどこにもない」(平田オリザ)
三省堂
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私は学校教育に演劇のワークショップを取り入れて欲しいと望んでいます。この本を読んでさらにその気持ちが強くなりました。また、国際化社会という言葉がすでに陳腐化するほど国際化している今の世界で、これから日本人としてどうやって生き延びていくのか。その手がかりを見つけられた気がします。
平田さんのあとがきより引用。
「わたしは現在の状況は、二つの意味で、戦前の日本に似ていると思います。
一つは、本文中でも述べたように、世界のルールか変わったことに、日本だけが気かついていないということ。世界のルールは「多文化共生」です。しかし日本だけか、政財界のあり方も、教育の方針も一国鎖国主義です。
それは、一九二〇年代、すでに世界のルールは「民族自決」に傾いていたにもかかわらず、植民地を拡張していった日本の姿と相似形をなします。もちろん、日本の側にもいろいろと言い分はあるでしょう。しかし、ここはひとつ、我慢のしどころなのではないか。(中略)」
「ニッポンには対話がない~学びとコミュニケーションの再生~」(三省堂)1500円+税
北川達夫(元外交官・フィランド教材作家)×平田オリザ(劇作家・演出家)
http://www.sanseido-publ.co.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月14日
庭劇団ペニノ『星影のJr.』08/14-20ザ・スズナリ
タニノクロウさんが作・演出される庭劇団ペニノの新作です。テーマは「教育」とのことでしたが、学校教育に限ったことではなかったですね。パンフレットに「観劇の手引き」が挟み込まれていますので、読んでからご覧になってください。
上演時間は約1時間45分。初日は開場25分遅れ、開演15分遅れでしたが、上演時間が短かったので気になりませんでした。ペニノ新作へのわくわく感が増して、かえって良かったかも(笑)。
⇒CoRich舞台芸術!『星影のJr. 』★CoRichからカンタン予約!
子供が五感で受け取った情報はどのように蓄積されるのか、つまり子供はどうやって成長するのか。デフォルメされたある家庭の中で、その実験を観ているようでした。
いつもながらの凝った装置で、転換するごとに気を引き締めて凝視しちゃいました。時々、具象に近い西洋絵画を見ているような心持ちになりました。絵画の解釈で「奥に描かれた鏡は~~を表している」とか、よく言われますよね。舞台に現れる人物や大道具、小道具をじっくり眺めて、そのシーンに込められた意味を探して楽しみました。
下記は私個人の感想・解釈です。この作品が本当のところ何を表していたのかは、私にははっきりとはわかりませんでした。
ここからネタバレします。
「観劇の手引き」によると主人公の少年を演じるラヴェルヌ拓海くんは、演劇経験のない小学生。2年前にフランスから日本に来たばかりなので、日本語の読み書きは勉強中だそうです。
冒頭は黒スーツに身を包んだ大人たちが紙とペンを手にして相談している中、タニノさんご自身が登場し、少年につきそって何やら指示をしている様子。「観劇の手引き」にあるように、拓海くんの教育プログラムのための「擬似家族」の演技が始まります。
1限目『社会のじかん「大人とふれあおう」』、2限目『家庭科のじかん「食べ物を大切にしよう」』、3限目『体育のじかん「心と身体をきたえよう」』、4限目『道徳のじかん「自由な心をもとう」』というように、学校の時間割のようにシーンが進みます。
古きよき昭和の平凡な生活風景が、シーンが進むごとに変化していきます。父(久保井研)は妻を犬として扱い始め、若い愛人を囲い込み、非道徳的な行為がどんどん行われて家庭が崩壊していくのは、少々グロテスクだし胸が傷みます。でも7歳の少年にとっては、赤ウィンナの妖精(マメ山田)との戯れも、屋根裏に勝手に住み着いたババア(瀬口タエコ)との戦いも、犬になった母親への餌やりも、夏休みの絵日記の題材となる楽しい思い出なんですね。
大人には見えないはずの赤ウィンナを、父親役の久保井さんがはっきりと認識しており、最後のシーンでは花が咲き誇るはしごに登る少年を、黒スーツの久保井さん1人が見つめていました。もしかしたらこの世界は、久保井さん演じる男の幼少時代の回想だったのかも?
子供の目から見た世界は、子供の想像力によって彩られた秘密の花園。大人になってからそれを眺めると、本当は草さえ生えない荒野だったことに気づいてしまいます。父と母と一緒に線香花火で遊んだ、本当に幸せだった出来事が挟まれているのがせつないですよね。いつも肌身離さず持っていた水鉄砲を、少年がはしごの緑の茂みの中に置く演技は、子供時代との決別を意味しているように見えました。
庭劇団ペニノ16th
出演:久保井研(唐組)/飯田一期/五十嵐操/熊谷美香/ラヴェルヌ拓海/瀬口タエコ/マメ山田/タニノクロウ
脚本・演出:タニノクロウ 構成:タニノクロウ 玉置潤一郎 山口有紀子 吉野明 舞台監督:矢島健 美術:田中敏恵 映像:玉置潤一郎 照明:今西理恵(LEPUS) 音響:中村嘉宏 特殊メイク:井上悠 演出助手:森隼人(無頼我~BURAIGA~) 宣伝美術:タニノクロウ デザイン:高市由香里 WEB:定岡由子 写真撮影:田中亜紀 制作:對馬静子 企画制作:庭劇団ペニノ
【発売日】2008/07/04 全席指定 一般3800円・学生2,500円(要学生証・劇団のみ取扱い)*未就学児童入場不可。
http://www.niwagekidan.org
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【美術展】TBS「フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~」08/02-12/14東京都美術館

フェルメール展
久しぶりに美術館に行きました。開館時刻(9:30AM)に合わせて行ったのに、お目当ての「対決―巨匠たちの日本美術」には長蛇の列。待ち時間0分の「フェルメール展」にササっと移動しちゃいました。
11時過ぎに美術館を出たら、今度は「フェルメール展」にも列ができていました。夏休みでお盆だからかしら。これだから東京では美術館に行く気が沸かないんだよな~・・・。でも行って良かったです。絵と静かに語る充実の時間でした。
イヤホンガイドが進化してて面白かった。BGMのサービスもあるんですね。
当日 一般1,600円 学生1,300円 高校生800円 65歳以上900円/金曜限定ペア得ナイト券 2,500円/フェルメール展限定プレミアム券(引換券) 9,800円 イヤホンガイド500円
フェルメール展:http://www.tbs.co.jp/vermeer/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月13日
田上パル『そうやって云々頷いていろ』08/08-12こまばアゴラ劇場
こまばアゴラ劇場 夏のサミット2008のトップバッター。田上豊さんが作・演出される田上パルは、男子の熱い(物理的に熱い・笑)芝居がその魅力です。高校生シリーズを経て、登場人物の年齢設定を社会人にしたという第5回公演に伺いました。
あー熱かった。あーバカだった(笑)。面白かった♪
⇒CoRich舞台芸術!『そうやって云々頷いていろ』
≪あらすじ≫
ある神社の和室。ダムに沈むことが決まった村で、今こそ村おこしをしようと若者たちが集会を開いている、はず、だったが・・・。
≪ここまで≫
スタイルは現代口語演劇ですが、描いている世界はいわばファンタジーで、サーカスの見世物のようでもあります。若い、血気盛ん(そうに見える)な男子が、飛んだり跳ねたり、殴ったり殴られたり、大胆に転んだり。やんちゃな男の子同士ならではの友達関係が可愛らしいし可笑しいし。
田上パル劇団員(というか常連さん?)以外の出演者にも惹かれて観に行きました。植村宏司さん(パラドックス定数)は期待通りの怪演。土田祐太さんは観る度にセクシーになっている気がします。
ここからネタバレします。
ケンカのシーンは、演技だとわかっているのに、はらはらしちゃうほどリアル。人形に操られて踊らされるシーンが馬鹿馬鹿しく成立しているのは、とても見ごたえがありました。霊能者(菅原直樹)と踊らされる男(土田祐太)の存在に説得力があったからだと思います。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:田上豊/多田淳之介(東京デスロック)/木元太郎(夏のサミット2008実行委員会)
田上さんは25歳だそうです。若いですね~。とても爽やかな方。
田上パルというと熊本弁のお芝居ですが、東京で旗揚げした劇団で、埼玉県のキラリンク☆カンパニーなんですね。
田上さんも多田さんも、高校時代の原風景が今の作品に大きな影響を与えているとのこと。
こまばアゴラ劇場 夏のサミット2008 田上パル第5回公演
出演:星野秀介 松高義幸 菅原直樹 安村典久 土田祐太 鶴川春男(タテヨコ企画) 平岩久資 堀善雄(ザ・プレイボーイズ) 植村宏司(パラドックス定数)
脚本・演出:田上豊 舞台美術:青木拓也 照明:伊藤泰行 音響:泉田雄太 舞台監督:熊谷祐子 当日運営:宮永琢生(ZuQnZ) 宣伝美術:ドラゴン・ヤー 制作:尾形典子 企画制作:田上パル/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【発売日】2008/06/15 [一般]前売2,000円/当日2,300円 [平日マチネ割引]前売・当日共1,800円
http://tanouepal.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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松竹『幕末純情伝』08/13-27新橋演舞場
つかこうへいさんご自身が18年ぶりに演出を手がける、つかさんの代表作。『幕末純情伝』を観るのは初めてです。すごい昔に牧瀬里穂さんが主演されたんじゃなかったかしら。
主演は石原さとみさんと真琴つばささん。残念ながら入りこめず、前半(1時間強)だけ観て帰りました。
⇒CoRich舞台芸術!『幕末純情伝』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
明治、ただでは開けさせん―沖田総司
こん天下の坂本龍馬が斬れるか―坂本龍馬
時は新しい時代の夜明け前―。
新撰組の沖田総司が女だったという大胆な設定で、
19年前に初演されたあの傑作『幕末純情伝』が新橋演舞場に初登場!!
さらに今回は作者つかこうへい自身が18年ぶりに演出する決定版!!
沖田総司を演じるのは石原さとみ、坂本龍馬には真琴つばさ。
そして幕末の志士たちさながらに強烈な個性を帯びた出演陣が、
舞台上で華やかに無限の火花を散らす―
≪ここまで≫
石原さとみさんが沖田総司役で、真琴つばささんが坂本龍馬役だとはいえ、幕末の史実に沿ったストーリーではありません。乱暴に言ってしまうと、歴史的人物がキャラとして同人誌に出てるような感じです。
石原さとみさんは体ごとつか作品の世界に飛び込んでいるようで、彼女を観ている分には退屈しませんでした。でも真琴さんは・・・。
山崎銀之丞さんが出てくると安心しました。武田義晴さんも安定。春田純一さんが休演されているのはちょっと残念。
前半だけでも石原さんのなまめかしい濡れ場が頻繁にありますので、ファンの方にとっては生唾ごっくんモノかもしれません。
ここからネタバレします。
前半終了間際にタキシード軍団のダンスが観られたので満足。そこで緞帳が下りて欲しかった・・・。なぜまだ続いたんだろう。しかも歌の途中で暗転って(笑)。ある意味斬新かもしれませんが、後半を観たい気持ちが沸かなかったですね~。
【観劇途中で席を立つことについて】
野田秀樹さんが、イギリス留学から帰国された頃のインタビューで、
「日本の観客はつまらなくても最後まで観て拍手までしちゃう。それが日本の演劇が育たない理由(のひとつ)だ。イギリスの観客はつまらなかったら途中で帰るよ。」
という意味のことをおっしゃっていました(どこかの雑誌で読んだおぼえがあります)。
それまで私は「どんな作品も最後まで観るのが礼儀だ」と思っていたのですが、野田さんの言葉に衝撃を受け、自分の考えを改め、イギリスの観客のようになろうと決めました。
※「途中で帰りました」と公表しているレビューは私が観たところまでの感想です。
≪東京、京都≫
出演:石原さとみ 真琴つばさ 吉沢悠 舘形比呂一 宇津宮雅代 橘大五郎 矢部太郎 武田義晴 赤塚篤紀 岩崎雄一 とめ貴志 小川岳男 トロイ 若林ケン 早坂実 山崎銀之丞 清家利一 古賀豊 川畑博稔 小川智之 杉山圭一 松本有樹純 北田理道 遠藤広太 尋由帆 高野愛 ほか 春田純一は都合により休演。代役は武田義晴。
脚本・演出:つかこうへい 装置:中村知子 作曲・編曲:からさき昌一 音響:内藤勝博 照明:林順之 衣裳:宮本宣子 殺陣:清家利一 舞踊振付:花柳鶴寿豊 タップダンス振付:古賀豊 演出助手:森和貴 舞台監督:福本伸生 下柳田龍太郎 平石尚子 演出部:多部直美 制作助手:神保愛子 制作:高橋夏樹 村上具子 吉田実加子 製作:松竹株式会社
1等席:9,000円 2等席:6,800円 3階:3,500円
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0808/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ジェイ.クリップ/JAM SESSION/赤坂RED/THEATER『夏の夜の夢』08/07-12赤坂RED/THEATER
JAM SESSIONの西沢栄治さんがシェイクスピアの『夏の夜の夢』の演出をされるとのことで、赤坂RED/THEATERに伺いました。
上演時間は約1時間40分、休憩なし。『夏の夜の夢』が短くまとまっていました。
⇒CoRich舞台芸術!『夏の夜の夢』
演出家の手法や世界観に強い個性がある場合、その演出家のもとで長年一緒に創作をしている役者さんが多ければ多いほど、観客としては安心できます。今公演は16人の出演者のうち、西沢作品への出演経験がある方は半分以下のようですね。
どんな公演でも、役者さんの技術はあるに越したことはないですが、技術がなくてもカンパニーに熱があれば、公演が成功する可能性は高くなります。残念ながら私が観た回ではその熱を受け取れず。
照明や美術、衣裳などのスタッフワークについても、まだ上を目指せるんじゃないかと思いました。特に照明については、舞台の空気の密度を上げる役割をもっと担ってもいいんじゃないかと思います。
ここからネタバレします。
村人たちの御前芝居のエピソードを冒頭に持ってきて、劇中劇「ピラマスとシスビーの悲劇」を男女の対比をあらわす全体のモチーフにしたり、森でさまよう4人の恋人たちに、パックがバケツの水をぶっかけるなど、オリジナリティが感じられる演出がありました。最後にパックが客席に向かってバケツの水をかける(演技をする)のも良かったです。
出演:京極圭、佐川大輔、鈴木幸二、芹沢秀明、田子天彩、田中しげ美、田邉淳一、塚本淳也、藤井悠平、山口森広、江原里実、花澄、新堀真澄、野口聖古、琵琶弓子、山崎薫 (五十音順)
脚本:シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:西沢栄治(JAM SESSION) 美術:吾郷順治(A.G.O) 照明:湯山和山(ライトシップ) 音響:ワンダースリー 舞台監督:井関景太(るうと工房) 衣装:藤井百合子(東京衣裳) 美術助手:久松史乃 大道具:ステージファクトリー ヘア・メイク:生駒雅子 チラシデザイン:いちのへ宏彰 制作:有賀美幸 企画・製作:ジェイ.クリップ/JAM SESSION/赤坂RED/THEATER
【発売日】2008/07/08 全席指定3,500円
http://www.j-clip.co.jp/JCLIP_HP/onair.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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劇26.25団『生憎(あいにく)』08/07-12王子小劇場
劇26.25団(ゲキ・ニジュウロク・テン・ニーゴー・ダン)は、杉田鮎味さんが作・演出される劇団です。王子小劇場が主催する佐藤佐吉演劇祭2008参加作品。
上演時間は約1時間40分。前に観た『博愛』がかなり好きだったので、それよりはパワーダウンだったかも。『博愛』はNot in serviceという劇団で10月上旬に上演予定(@早稲田大学学生会館B202)です。
⇒演劇祭公式ブログ(飛鳥高校演劇部感想リレーあり!)
⇒シアターガイド賞選考ブログ
⇒CoRich舞台芸術!『生憎』★CoRichから簡単予約!
≪あらすじ≫
へんぴな場所にある、とある企業の工場。社員たちは外界からはほぼ切り離された生活を送っており、ある種の隔離されたコミュニティーが成立しているようだ。
≪ここまで≫
劇場に入って右側が客席、左側が舞台になっていました。劇場備え付けのロフトも組み込んだ大掛かりな美術は、建物の屋上や喫茶店なども上手に表現していて、天井が高いブラックボックスである王子小劇場の利点を生かしていました。
設定を説明して、物語の核となる部分の外枠を埋めていく時間が長かった気がします。核心に触れる事件が起きたところで終わってしまったような印象でした。
ここからネタバレします。
ワールド・フレーバーの工場で働いて3ヶ月もすれば、日に焼けるわけでなくとも皮膚が黒くなるという設定でした。工場ではカラス肉の加工をしながら、実は人体実験(人肉を食肉用に加工?)をしていることがほのめかされます。また、工場で働く社員には鬱患者を躁状態にする効用がある(?)薬がこっそり投与されており、皆が工場を楽園だと思って暮らしています。
ワールド・フレーバーで暮らしている孤児(林佳代・親泊義朗)が、どうしても子供には見えず。子供らが舞台を走り回るシーンはもっと少なくてもいいんじゃないかしら。工場が幸せな居場所であることを表そうとしたのかもしれませんが、それは伝わって来なかったですね。
所長のアザミ(赤荻純瞬)は婚約が破談になったショックで(?)家族と疎遠になり、3年間ずっと実家には帰らずワールド・フレーバーで働いていました。妹のすみれ(須藤真澄)が何度も工場を訪れますが、アザミは外に出ようとしまえん。アザミは社員が薬漬けになっていることを知りながらも、工場を守ろうとします。彼女がそこまでする理由がわからなかったな~。
外部からやって来る体操のお兄さん(長尾長幸)が、拡声器で「工場で働く人間の目が死んでいるのは、何らかの薬を飲まされているからだ」と暴露するあたりから、ようやく空気が動いたようでした。アザミとその妹すみれが口論する、最後のシーンが見どころだったかも。
奥さんのお腹にいる赤ん坊に胎教をしているという幸福そうな男性社員が、医者の「この薬を飲んだら何もかもどーでもいい!ってなれるよ」という言葉にそそのかされて、わはわは笑いながら薬を受け取ります。そうはしないだろうと思っちゃいましたね。男性社員は子供のことを本当に大切にしているように見えたので。
佐藤佐吉演劇祭2008参加作品
出演:赤荻純瞬、渡邉香林、田島冴香(東京タンバリン)、林佳代、親泊義朗(ファンカスキャンパーズ009)、柏村信(安全品)、杉元秀透、須藤真澄、上松頼子(風花水月)、駒木根隆介(赤堤ビンケ)、長尾長幸
脚本・演出:杉田鮎味 舞台監督:弘光哲也 舞台美術:袴田長武+鴉屋 音響 :島貫聡 / 内野智子 照明 :井関直美 演出助手:メトロ=サスケ (ポリタン煉瓦亭) 宣伝美術:小向美実 宣伝写真・舞台撮影:鵜戸庚司 宣伝写真オブジェ製作:征矢杏子 衣装:杉田鮎味 制作 :つがわん 企画製作:劇26.25団
【発売日】2008/07/05 日時指定・全席自由 前売 2,500円 当日 2,625円 中高生割引(前売・当日共) 1,800円 要学生証 平日昼割引(前売・当日共) 2,000円
http://25dan.com
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グリング『ピース-短編集のような・・・』07/30-08/11ザ・スズナリ
青木豪さんが作・演出されるグリングの短編集。ゆるやかに全体がつながっており、1つの作品として味わえる構造になっていました。
青木さんが他の公演に書き下ろした脚本の、グリング版が観られて良かったです。上演時間は失念。おそらく2時間弱かと。
⇒CoRich舞台芸術!『ピース-短編集のような・・・』
≪あらすじ≫ チラシより。
そこは基地の町だ。
といって米英の問題を起こすわけでもなく、
人々はそこでピースな日々を過ごしている。
ある日曜日。
夫婦は友人夫婦とバーベキューに出かけた。夫は友人の妻に惹かれていた。
原子力船入港に反対する女は、近所か疎ましがられていた。
不動産屋の若い社員は、マンションが売れなくて困っていた。
下半身不随になったには、介護する弟夫婦とうまくいかなくなっていた。
入港半からデモ見物に出かけた男は、来るはずのない女を待っていた。
五つピースからなる、平和そうに見える日曜日の話。 青木豪
≪ここまで≫
ごく普通の市民の何気ない生活風景・・・のようですが、普段は表面に見えてこないどろどろした部分が、日常会話のふとした隙間からひょいっと顔を出します。そのどろどろがトコトンどろどろなところが良いです。私にはリアルに映ります。
白い壁に囲まれた装置は可動式になっています。ところどころ動きのぎこちなさが気になるところもあり。短編集とはいえ、できれば全体が1つの世界として受け止められたら、なお良かったんじゃないかと思いました。これは好みによると思いますが。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
蝶々と呼ばれる昆虫の9割が蛾というのは、ちょっと衝撃。私は蝶々も蛾も苦手ですが、どちらかというと蛾の方が出会いたくない昆虫です。人間も9割が蛾のように疎ましい存在なのかもしれないですよね。「所詮おいら蛾だよ」という気持ちと「蛾だけど蛾なりにがんばってるよ」という気持ちが混ざります。大量発生した蛾のりん粉をウェットティッシュで拭く演技が何度も出てきます。私も周りを汚して迷惑をかけて生きているな~と思いました。
0.「Episode 0」
病院の喫煙コーナーで、導入。
1.「花火の約束」
バーベキューにやって来た既婚の2カップル(中野英樹&星野園美、二階堂智&佐藤真弓)。長年の夫婦(家族)生活から生まれるひずみ。不妊の問題は深刻ですよね。
友達同士なのにひどいよな~と思いながらも、こんなもんだよとすんなり受け入れている自分がいました。大人になったのか、何かをあきらめたのか・・・自分の変化を見つめることになりました。
2.「僕の好きな先生」
不動産屋の社長(林和義)が、息子の担任だった先生(萩原利映)のことを本当に好きなのかどうかが、少々わかりづらかった気がします。それが良いのかもしれませんが。
3.「朝顔」(Oi-SCALE『オムニバス of OiOi vol.2』への書き下ろし)。
まさか車椅子の兄が弟の妻を本当に刺すとは思わなくて・・・戦慄。エレベーターの中で兄が垂れ流した尿を掃除していたという設定も、容赦ない。
4.「北向きの女」(パルコ『LOVE 30 vol.2~女と男の物語~』への書き下ろし)
このお話が一番好きでした。パルコ版があっさりし過ぎな気がしていたので、どす黒さ、痛さに納得。
不動産屋の社長と不倫関係だった女(鬼頭典子)は「(人生において)自分は本気になったことがなかった」と、元部下の後輩(黒川薫)に告白することになります。女があまりに情けなくて、かっこ悪くて、その痛々しさが胸にしみて涙が出てきました。ラストの打ち上げ花火を見つめる2人の姿に、ある種の救いようがない状況に陥った時こそが、人間が変わるチャンスなんじゃないかと思えました。
5.「ピース」
英語の“ピース”にはpiece、peaceの両方の意味があるんですね。そしてカメラを向けられた時にするピース・サインでもある。
元女教師(萩原利映)がお腹の子供に託す「誰も殺さない、誰にも殺されない、普通に生まれて普通に死ぬ人間に」という願いは、ほんの数年前だったら奥ゆかしい願望だと思ったかもしれません。でも今は、「せめてそうあって欲しい」と強く願う気持ちがよくわかります。
出演:中野英樹 黒川薫 萩原利映 杉山文雄 佐藤真弓(猫のホテル) 鬼頭典子(文学座) 星野園美 遠藤隆太 二階堂智 林和義
脚本・演出:青木豪 照明:清水利恭 照明オペレーター:葛生英之 美術:田中敏恵 舞台監督:筒井昭善 効果:青木タクヘイ 音楽:DubRIN'=峯岸信太郎 映像制作:岸建太郎(黒子ダイル) 服部剛 市川愛名 演出助手:松倉良子 演出部:伊倉真理恵 栗原由佳 宣伝美術:高橋歩 宣伝写真:中西隆良 記録映像:トリックスターフィルム 舞台写真:鏡田伸幸 制作:菊池八恵 制作助手:かなざわさち 高橋絵梨佳 制作協力:嶌津信勝 企画制作・主催:グリング
【発売日】2008/06/28 特割3,300円 7/30(水) 7/31(木) 19:30 のみ 前売3,800円 当日4,300円(全席指定/税込)
http://www.gring.info/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面』08/08-24彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
美内すずえさんの漫画「ガラスの仮面」の舞台化です。演出は蜷川幸雄さん。2人のヒロインをオーディションで選抜したことも話題になった、今年の夏の注目公演です。⇒製作発表の写真レポート ⇒イープラス ⇒ぴあ
開演前のバックステージツアーにも参加させていただきました。てゆーかバックじゃないよ、思いっきりフロント!(笑) 初日は鳴り止まない拍手にカーテンコールが6回!?上演時間は約3時間(途中休憩1回を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇 ガラスの仮面』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
幻の名作と謳われる舞台『紅天女』の主役という同じ目標に向かって、二人の対照的な少女が女優として切磋琢磨し合う成長物語。二人の演技へのひたむきな情熱、『紅天女』の公演を巡る策略など、様々な人物の思いが交錯する。二人の少女が追い続けた夢の行方は・・・。
≪ここまで≫
劇中劇の仕組みを生かして、劇場への、演劇への愛情を表現するという、彩の国さいたま芸術劇場が打ち出す“ファミリーシアター”というテーマにふさわしい演出だったと思います。大ホールに備わっている機能をわかりやすく紹介して、目の前の俳優の体を使って、今ここで息づいている劇場を観客に感じ取らせてくれました。そんな大胆な試みにチャレンジしつつ、原作に非常に忠実だったことも素晴らしいと思います。
きっと初めてこの劇場に来たお客様は、「もう一度ここに来たい」って思うんじゃないかしら。厳かなシェイクスピア、アーティスティックなダンス公演などを観てきた私は、この大ホールの新しい姿を観られた気がしました。劇場は役者さんとスタッフ、そして観客とが一緒に作り出すものですね。
気になったのは、演技と歌の境目があまりスムーズでないように感じたところでしょうか。これは『道元の冒険』でも思ったことです。
姫川亜弓役の奥村佳恵さんは迫力の存在感。ソロの歌は、聞き惚れたというよりぎらりと光る目の力と、熱が感じ取れる声に圧倒されて目が離せませんでした。
この大人気コミックのどの部分を舞台化したのかは、ぜひ実際にご覧になって確かめてください♪
ここからネタバレします。
バックステージツアーに参加して開演直前の舞台の上に乗ることができたのもありますが、役者さんたちのバーレッスンで始まるオープニングで早くも落涙。
大ホールの奥までが、だだっ広い演技スペースになっています。雨を何度も降らせてモップでふき取るのも、ベッドなどの家具を黒子が動かすのも(「若草物語」の劇中劇で)、すべて人が目の前で体を動かしてやることです。自分の真横で普段着の役者さんが「舞台では一人じゃない」と歌っている、この状態が「私も生きてるし、あなたも生きてる」って実感させてくれるんですよね。
ベタだとか、わかりやす過ぎるとか思う方もいらっしゃるかもしれませんが、原画が大きく印刷されたパネルが多数出てくる演出は、「ガラスの仮面」という漫画の世界を出演者も観客も一緒に楽しもうという、作品を外から眺める視点を持ち込むことに成功していたと思います。客席の通路に役者さんが大勢出てきて、そこで大きな声を出して歌いますので、観客は体ごとメタ構造の中に入っていくことができます。おそらく気づかない内に。
描かれたのはコミックの1巻から5巻まで。劇団一角獣の人たちのパフォーマンス(赤いひもを使ったアクロバティックなもの)がかっこ良かったな~。彼らが出てくると元気がもらえました。
奥村佳恵さんのバレエ(サロメ役として)がきれいでした。
≪埼玉、大阪、北九州≫
出演:大和田美帆 奥村佳恵 川久保拓司 横田栄司 立石涼子 月影瞳 原康義 月川悠貴 黒木マリナ 岡田正 夏木マリ 花田佳子 妹尾正文 清家栄一 飯田邦博 祐輝薫 松田まどか 難波真奈美 井面猛志 篠原正志 荒川將人 澤魁士 田村真 沓沢周一郎 山名孝幸 町田正明 桜木涼介 多岐川装子 鈴木智香子 森野温子 下塚恭平 小林遼介 川﨑誠司 宮田幸輝 西村篤 中村裕香里 斉藤智史 畑中研人 荻野美香 岡芹翔 高井良彦 大山裕子 渡辺るみ
原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄 音楽:寺嶋民哉 美術:中越司 照明:室伏生大 衣装:宮本宣子 音響:井上正弘 音楽監督:井上知嘉子 振付:広崎うらん ヘアメイク:佐藤裕子 歌唱指導:泉忠道 演出補:石丸さち子 井上尊晶 舞台監督:白石英輔 企画・製作:日本テレビ、(財)北九州市芸術文化振興財団、(財)埼玉県芸術文化振興財団
【発売日】2008/05/17 S席6000円 A席4000円
http://www.saf.or.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月12日
【映画】宮崎駿原作・脚本・監督作品「崖の上のポニョ」
「ポ~ニョ、ポ~ニョ、ポニョ」の歌は公開してから耳にした、鈍なしのぶです。宮崎駿監督の作品はなるべく劇場で観ている私。「崖の上のポニョ」を新宿ピカデリーに観に行ってまいりました。
・・・号泣!終わってしばらく席を立てなかった。
"Ponyo on the Cliff by the Sea" is excellent!!
宮崎監督、グルっと旅して回って、帰ってきたような。らせん状に進化したような。えらそうに、そんなことを想像しました。ぜひ劇場の大画面でご覧くださいませ~♪
2008年08月11日
Bunkamura『女教師(じょきょうし)は二度抱かれた』08/04-27シアターコクーン

「女教師は二度抱かれた」パンフとチラシ
市川染五郎さん、大竹しのぶさん、阿部サダヲさんら豪華キャストを迎えた、松尾スズキさんの新作、シアターコクーン公演です。
松尾さん的ナンセンスな笑い全開で、でもぐっと切なくなる悲喜劇でした。歌がとっても素敵!最後は涙しました。上演時間は約3時間30分(休憩20分含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『女教師は二度抱かれた』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
演劇界の風雲児と呼ばれる劇団の演出家(市川染五郎)は、歌舞伎界の異端児と注目されている女形(阿部サダヲ)とタッグを組み、新しい現代の歌舞伎を創造しようと、威勢よく狼煙を上げている。そんな前途洋々の彼の前に、高校時代の演劇部の顧問である女教師(大竹しのぶ)が突然現われる・・・。
これは、壊そうと思っても壊れないものと、壊れてほしくないのに壊れていくものの物語である。
≪ここまで≫
染五郎さんが演技などまったくできない演出家役で、阿部サダヲさんがその隣りで歌舞伎役者を演じること自体が、まずとんでもない面白さです。染五郎さんが・・・たまらなく魅力的っ!!歌舞伎役者とは思えない、あの、なよなよした立ち姿(笑)!!高校生男子を演じる時なんて、もう恥ずかしいし胸きゅんだし、一人客席でもだえたよっ!(笑)
現行シーンに夢や回想のシーンがザクザクと挟み込まれます。突然、歌とともにやってきたりするものだから何度も驚かされるし、舞台から気持ちをそらすことができないんですよね。そして体にズドンと届くギャグが次々と繰り出されますから、長時間でも集中して楽しむことができました。
オリジナルの歌がとても良かったです。舞台奥ではバンドの生演奏あり。役者さんは歌手ではないので特に歌唱力があるわけではないですが、歌詞(松尾スズキ)が面白いし、音楽(星野源)はどこかおどけていて、でも切なくて、歌が始まる度にその曲独特の世界が生まれるのをじっくり味わいました。
松尾さんの作品は、お芝居が終わった後も登場人物の人生は続くんだと強く示していますよね。だから、悲惨さを笑い飛ばす、この夢のひとときを信じられるのだと思います。
ここからネタバレします。
天久六郎(市川染五郎)は高校時代に、演劇部顧問の山岸諒子(大竹しのぶ)と動物園で肉体関係を持ってしまいます。それが世間にバレて山岸は精神を病んでしまいました。天久は高校を卒業し、「僕が演出家になったら、先生に出演してもらうよ」という約束をすっかり忘れて、18年が経ってしまいます。その間、山岸は夫・鉱物(浅野和之)とともに心の病と闘いながら生きてきて、とうとう有名演出家になった天久のところにやってきたのです。あの約束を守ってもらおうと。
お芝居が始まったら、その瞬間からそこは現実世界ではなくなります。稽古場は想像力でいかようにも変化する小宇宙です。借金まみれになった天久と、精神を病みながらもやはり女優を目指す山岸が、稽古場で演技の練習を始めるシーンで泣けてきました。最後は頭上に日本国旗をはためかせた松尾さん(「お子様ランチSHOW」の人?)が登場し、ゆっくり歌います。しょっぱい現実の中の夢に酔いました。
前半最後に客席通路をぐるりと回って歌った、あの、「ヘソの歌」(?)は何?!(笑) めちゃくちゃ可笑しかったです。
浅野和之さん(山岸の夫・鉱物役)の「猟銃に撃たれた鹿」の演技に悩殺されました。笑いすぎて苦しいよっ!「インド人」も凄かった~。
出演:市川染五郎 大竹しのぶ 阿部サダヲ 市川実和子 荒川良々 星野源 池津祥子 皆川猿時 村杉蝉之介 宍戸美和公 平岩紙 少路勇介 菅原永二 ノゾエ征爾 浅野和之 松尾スズキ 赤地忠訓
荒野のバンド:門司肇 伊藤靖浩 伊賀拓郎 田中馨 佐藤えりか BIC 前田卓次 高良久美子 藤井理佳 清水直人
脚本・演出:松尾スズキ 美術:二村周作 照明:大島祐夫 音楽:星野源 音楽監督:門司肇 振付:振付稼業air:man 音響:山本浩一 衣裳:戸田京子 映像:ムーチョ村松 ヘアメイク:大和田一美 演出助手:大堀光威 佐藤涼子 舞台監督:枡田勝敏 宣伝イラスト:河合克夫 宣伝美術:永石勝(トリプル・オー) 営業:加藤雅広 票券:小瀧香 制作助手:市川美紀 制作:松井珠美 プロデューサー:加藤真規 製作:山崎浩一 主催・企画・製作:Bunkamura
【発売日】2008/06/08 S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_onnakyoushi.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月10日
松竹『八月納涼大歌舞伎 第三部「紅葉狩」「愛陀姫」』08/09-27歌舞伎座
野田秀樹さんが作・演出される『愛陀姫(あいだひめ)』目当てで久しぶりに歌舞伎座へ。劇場にはきれいな着物のマダムがいっぱい。大向こうもかっこいいし、やっぱり歌舞伎座は特別ですね~。オペラを思いおこさせるビジュアルもあって、バカンス気分の銀座を味わえました。
上演時間は『紅葉狩』が約1時間5分、30分の休憩をはさんで『愛陀姫』が約1時間25分。
※歌舞伎初心者の方にはイヤホンガイドがお勧め!(1台1500円。終演後の機具返却時に1000円は返してもらえます) わかりやすいし、歴史や見どころも教えてもらえます。休憩時間に中村七之助さんのインタビューが流れるのもオトク♪ ただ、『愛陀姫』の上演時は聴きませんでした(セリフがわかりやすい日本語なので)。
⇒CoRich舞台芸術!『八月納涼大歌舞伎』
2008年9月のメルマガより
3.松竹『八月納涼歌舞伎』
08/09-27歌舞伎座
第三部「新歌舞伎十八番の内 紅葉狩」「野田版 愛陀姫」
☆「愛陀姫」はオペラ「アイーダ」未見の私でも存分に楽しめました。
隅から隅まで行き届いた面白い仕掛けにわくわくします。
何より歌舞伎役者さんの心が通った独白に感動。
一、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり) ※ネタバレします。
紅葉の朱色が華やかな美術。衣裳の着物も美しい彩りです。あぁ歌舞伎に来て良かったと心底思いました。
中村勘太郎さん演じる鬼と、中村橋之助さん演じる将軍・平維茂(たいら の これもち)の戦いがめちゃくちゃかっこ良かったです。
二、野田版 愛陀姫(あいだひめ)
2人組のニセ祈祷師(中村扇雀&中村福助)が現代のスピリチュアル・ブームを風刺。
濃姫(中村勘三郎)、愛陀姫(中村七之助)、駄目助左衛門(中村橋之助)が互いに心情を独白するシーンは、オペラの三重奏のよう。
凱旋パレードで象の風船が可愛らしかった。
松竹歌舞伎座百二十年
【出演】濃姫:中村勘三郎 愛陀姫:中村七之助 木村駄目助左衛門:中村橋之助 鈴木主水之助:中村勘太郎 高橋:尾上松也 多々木斬蔵:片岡亀蔵 斎藤道三:坂東彌十郎 祈祷師荏原:中村扇雀 祈祷師細毛:中村福助 織田信秀:坂東三津五郎 他
作・演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 照明:勝柴次朗 衣裳:ひびのこづえ 振付:藤間勘十郎 音楽・作詩:田中傳左衛門 補曲:今藤長龍郎 補曲:田中傳次郎 音響:内藤博司 立師:渥美博 演出助手:田尾下哲 舞台監督:藤森條次 狂言作者:竹柴徳太朗
【発売日】2008/07/15 1等席 12,000円 2等席 8,400円 3階A席 3,500円 3階B席 2,000円 1階桟敷席 14,000円
第三部 一、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり) 二、野田版 愛陀姫
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2008/08/post_29.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【情報】ベニサン・ピットが2009年1月に閉鎖されます
ベニサン・ピットが来年1月に閉鎖されるそうです。
→「玉三郎も出演 下町の極小劇場、23年で幕」(asahi.com)
私が初めて訪れたのは、tpt『long after love』(2000年)を観た時。この場所で何にも代えがたい劇場体験を何度も味わいました。
tptが8月に1本、10月~11月に2本上演します。9月には鐘下辰男さんの作品も。一度も行った事がない方も、何度もあの隠れ家の悦楽にひたった方も、もう一度訪れてみてはいかがでしょうか。
2008年08月09日
ペンギンプルペイルパイルズ『審判員は来なかった』08/02-03西鉄ホール
倉持裕さんが作・演出されるペンギンプルペイルパイルズの本公演です。東京公演に行けなくて、福岡の大千秋楽に滑り込みました。
色んな笑いが詰め込まれた、非常に満足感の高いコメディーでした。あ~見逃さずに済んで本当に良かったっ!!上演時間は約2時間。
⇒CoRich舞台芸術!『審判員は来なかった』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
戦いの末、帝国から独立を果たした新生国家。グラグラの内政とピリピリの外交に身を削る首脳陣と、まだ誰もプレイしたことのない《国技》のルールに苦しむ審判団・・・。異なる階層に生きる人々が共通して見る夢は、無血で行き着く国家の末路。
≪ここまで≫
ある国の4つの場所で起こる出来事を、役者さんがどんどん着替えて何役も演じながら表現します。舞台上であわただしく着替えたり、前のシーンの人物が次のシーンの人物と顔を合わせて慌てたり、わかりやすい笑いとしても、メタ演劇的な演出としても大いに楽しめました。
回り舞台には大きく分けて3つの面があり、1面で2つの場所を表す面が1つあるので、全部で4場面。わざと斜めに歪ませた線がかっこいいし、色合いもシック。
建て込まれた装置の周囲の舞台床に、まるでバスケットボールのコートのような白いラインが引かれています。演技をしていることが同時に“新しいスポーツ”を競技しているようにも受け取れる、演劇の多重・多層感覚を巧みに組み合わせた美術でした。
今回のゲストはラーメンズの片桐仁さんと安藤聖さん。片桐さんは大きく遊んで、空気を盛り上げてくださっていました。安藤さんのことはポツドール公演(→1、2)で拝見していましたが、可愛らしいだけじゃなくてこんなに演技の幅が広いなんて新たな発見でした。
若手の劇団員の方々(近藤智行さんと吉川純広さん)も要所々々でビシっと決めてくださっていましたね。もちろん小林高鹿さん、ぼくもとさきこさん、玉置孝匡さんは期待以上のパフォーマンスでした。出演者全員に大満足。初日好きの私ですが、こんなに充実した演技を観られるなら終盤に行きたい気持ちもわかりますね~。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
オープニングからシビれる面白さ!スーツ姿の男女3人(小林、ぼくもと、玉置)が立っていて、男(小林)が女の背中を見つめて「光ってるね」と言うんです。女自身が美しく光り輝いているのかと思いきや、それは女の後頭部に仕込まれたきらきら輝く銀色(かな?)のテープのことだったんです。ぴ~っとひっぱると頭からテープがつるつるーっと伸び出てくる!なんともいえない可笑しさでした。
新たに生み出した国技「ハンティング・ボール」のルールがどんどん変わっていきます。一番初めのひらめきが、良くも悪くも、あれよあれよと言う間に歪んでいくのは世の常ですよね。それを笑いいっぱいに痛快に見せてくれます。
有名なテニス選手だった大統領(小林高鹿)は、自分が審判に激しくクレームをぶつけたあるテニスの試合を思い出します。反対側のコートで退屈そうにしていた相手選手のことなど省みず、自分は熱くなってずっと怒鳴っていたことを。そういえば4つの世界の人々は彼らなりに一生懸命でしたが、周囲のことを考えていない行動を取っていましたね。みんな自分のことで精一杯。
ハンティング・ボールは大統領の意に反して、自国内ではなく隣の帝国で大人気になります。最後に審判長(片桐仁)が大統領と会う約束をキャンセルしたことが、タイトルの『審判員は来なかった』につながっているのかしら。ハンティング・ボールがまだ世に出ていない時は、あんなに大統領に会いたがっていたのにね。人間はすれ違い、同じことを繰り返すってことかなと、軽やかに紙ふぶきが舞うステージを見ながら考えました。明るくも、暗くもあるエンディングでした。
≪東京、大阪、福岡≫ ペンギンプルペイルパイルズ#13
出演:小林高鹿 ぼくもとさきこ 玉置孝匡 近藤智行 吉川純広 安藤聖 片桐仁
脚本・演出:倉持裕 舞台監督:橋本加奈子(SING KEN KEN) 舞台美術:中根聡子 照明:清水利恭(日高照明) 音響:高塩顕 衣装:今村あずさ(SING KEN KEN) 音楽:野村田中と風林火山【田中馨(サケロック)、野村卓史(グッドラックヘイワ)】 ヘアメイク:栗原由佳 演出助手:松倉良子 宣伝美術:坂村健次(C2デザイン) チラシイラスト:横山裕一 宣伝写真:相澤心也 宣伝ヘアメイク:山本絵里子、浅沼靖 舞台写真:引地信彦 制作助手:寺地友子 制作:土井さや佳 企画・製作・お問い合わせ:ペンギンプルペイルパイルズ
【発売日】2008/05/24 料金(全席指定) 前売4,300円/当日4,500円
http://www.penguinppp.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【情報】the company『1945』プロモーションムービー
ロバート・アラン・アッカーマンさん(通称ボブさん)が演出を手がけるthe companyの新作『1945(イチ・キュー・ヨン・ゴー)』のプロモーションムービーがYouTubeにアップされています。
昔のアメリカ映画のようなイメージの本チラシも、そろそろ出回り始めましたね。雑誌Weeklyぴあには『1945』プレリザーブのはがきが付いていました(ネットからも応募可能!)。
ボブさんはただいま「Workshop 3nd」真っ最中ですね(→公式ブログ)。ここから『1945』への出演者も出てくるのかしら。世田谷パブリックシアターにどんな世界が生まれるのか、今から楽しみです。
大日本プロレス『リア王 ~King Lear~』08/07横浜赤レンガ倉庫1号館
大日本プロレス『リア王』
プロレスでシェイクスピアの『リア王』をやる・・・いったい何なの!?どうやるの?!疑問と好奇心が爆発しました。
出演者の中に役者さん、ダンサーさんがいるのを知って、すぐチケットをゲット!行ってまいりましたよ~、プロレス初体験!!上演時間は約2時間15分(途中休憩15分を含む)。
デスマッチって、本当に流血するんですね・・・写真撮影自由だったので、ちょこちょこ撮って来ました。あー凄かった。私はA指定席6,000円だったんですが、安いと思いますね。だってまたすぐに試合があるみたいで・・・体、治らないよねぇ・・・(汗)。
⇒シアターガイドの特集が充実!!
シアターテレビジョンとサムライチャンネルの両方で放送決定!
⇒CoRich舞台芸術!『リア王 ~King Lear~』
≪あらすじ≫(シアターガイドより)
大日本プロレスを支配するグレート・リア王(グレート小鹿)は、高齢のため引退を決意する。そこで後継者となる選手3人に、団体を三分割し、それぞれのベルトを管理することを提案する。古株のゴネリル谷口(谷口裕一)とリーガンWX(シャドーWX) は快諾するが、団体の弱体化を危惧するコーデリア伊東(伊東竜二)は強烈に反対し……。
≪ここまで≫
美しいヴァイオリンのソロ演奏(松田麻由美)で開幕。スモークが焚かれてムーヴィング照明も効果的。BGMも荘厳です。前から4列目のほぼ中央という良席で全体を気持ちよく眺められました。
リア王が引退するため、タッグマッチで跡継ぎを選ぶという筋書き。なるほど、原作とうまくリンクしますね。明らかにプロレスラーな男たちが、演技なのか素なのか曖昧な状態でリング上にいることが、むずがゆいし奇妙なんだけど、それがスリリングで面白いんです。コング桑田さんのアナウンス(語り部?)もゴシックなムードを盛り上げます。
まずは2試合。まー・・・すごい迫力です。だって巨体が持ち上げられて、逆さに垂直になるんだもんっ。ロープの上から人が飛ぶんだもんっ。マットに体をぶつけるバチーン!って音が、体まで響いてくるしっっ!
どうやら試合自体にも筋書きがあることはわかりました。でも結果が決まっているとはいえ、生の体のぶつかり合いは見ごたえがあります。てゆーか、怖いッスっ!!
2試合終わったら、リア王が部下たちに足蹴にされてさまようシーンに。これがしっかり演出されていて、客席を狂いながら歩くグレート小鹿さんが戯曲「リア王」の世界と重なりました。ん~この感覚、初体験だ。
15分の休憩の間にリングに祭壇が現れました↓ リングサイドにはバラの束が山盛り。その下に 蛍光灯が隠されているようです。
コング桑田さんの迫力の歌↓ オリジナル・ソングのようです。一気に劇世界ができあがります。
花組芝居の谷山知宏さんと八代進一さん↓ プロレス・ファンの心もわしづかみのコミカルなシスター。私の背後から「この人たち面白いよ!」という若い女性グループの声が聞こえました。
私のお目当てボクデスさんが謎の牧師役として登場↓“悪魔”と呼ばれるレスラー"黒天使"沼澤邪鬼さんと縄でバトル。これも可笑しかった~。リング下でのエレキギターの生演奏(スカンク)もかっこ良かったです。
なぜかレフリーが縄跳びをさせられて↓ 最後は2人でレフリーを3カウントKO。ウケてました(笑)。
とうとうデスマッチ開幕↓ 始まるなり額に流血!(リング下で)
想像をはるかに上回る過激さっ↓ 蛍光灯がパーン!ガラスがバラバラバラっとマットに広がる!なぜかバラも投げ散らかす!もちろん生花だから棘がいっぱいっ!それも凶器に使う!血がっ!血がっ!!
祭壇になっていた蛍光灯↓も全部使う!最後は私の席にも破片が飛んできたっ!!(涙) 写真右の沼澤邪鬼さんの顔は血まみれ~(汗)。
マジで思いましたよ、「帰りたい・・・!」って。「もーかんべんして!やめてー!」って声に出して言っちゃってたし、うつむいて前を見ないようにした時もありましたし(苦笑)。でも「リア王」の結末が知りたいからがんばって最後まで席に居ました。
左側のレスラーさんの白い衣装に鮮血↓(見えづらいかと思いますが)。
いやー・・・人間、慣れるもんですね。「こういうものなんだ」と体ごと理解したら、徐々に観ていられるようになりました。そしてリング上(下にもいっぱい)にいらっしゃるレスラーさんたちのことを、ある特殊な能力に異常なほど秀でている人々に見えてきたんです。肉体的にも、精神的にも。
肝心の「リア王」ですが、デスマッチのあまりの衝撃に、私の頭の中の劇世界は吹っ飛んでしまいました(笑)。でも全然オッケーっす。だって終演直後に血まみれのままロビーで物販をしているレスラーさんを見たら、どうでも良くなったんです、ストーリーなんて。
観客へのサービス精神、エンターティナー精神がここまで徹底された世界だったんですね。大日本プロレス以外にも多くのプロレス団体があるそうですので、この1度の体験だけで断言できることではないですが。
レスラーさんたちの「プロレスが大好きだ!!」っていう気持ちを受け取って、かなりの元気をもらいました。ありがとうございました。レスラーさん、どうぞお体を大切になさってくださいね(いらぬおせっかいかと思いますが)。
≪公演情報≫(シアターガイドウェブサイト、公演パンフレットより)
序章 バイオリン(松田麻由美)
第一幕 グレート・リア王より開催のご挨拶
第二幕[第1試合]ドランカープリンスタッグマッチ30分一本勝負
バッカス宮本王子&アプロディタ忍 vs ゴネリル谷口&オールバニ弁慶withオズワルド勘九郎
第三幕[第2試合]200ポンドマッスルハードコアタッグマッチ30分一本勝負
マルス関本&ハーデス黒田 vs リーガンWX&コーンウォール小林
第四幕 狂気(出演:グレート小鹿)
第五幕 追悼バトルロイヤル(出演:コング桑田/八代進一/谷山知宏/ボクデス/沼澤邪鬼/スカンク)
第六幕[メインイベント]ローズ&蛍光灯祭壇デスマッチ時間無制限一本勝負
エドガー葛西&エドマンド佐々木(貴)&X vs コーデリア伊東&フランス帝王&X
出演:グレート小鹿/伊東竜二/谷口裕一/大黒坊弁慶/シャドーWX/アブドーラ小林/井上勝正/星野勘九郎/宮本裕向/忍/関本大介/黒田哲広/葛西純/佐々木貴/沼澤邪鬼/大橋篤/MEN’Sテイオー/ボクデス/八代進一/谷山知宏/松田麻由美(ヴァイオリン)/コング桑田/李日韓/森島孝浩/新土裕二
原作=ウィリアム・シェイクスピア 演出=八代眞奈美 芸術監督=佐々木記貴 舞台監督=登坂栄児 照明=岩井哲也 音響=横山欣也 音楽監督=稲葉佳正 作・編曲=小川類 ヘアメイク=野本滋代 衣裳=堀金紀子 大道具=福田和彦 小道具:杉山あづみ コスチューム=豊島祐司 花き=斉藤陽子 デジタル出力=佐々木光敬 記録班=名和憲進 千田和敬 制作=池須ゆたか 企画実行部=山口優子 劇場担当=菊池健一 応援制作=三浦仁 小林ちあき ケータリング=大谷伸樹 企画協力=秋山想 遅塚勝一 演出助手見習い=佐々木征真 印刷=がん治郎's house 舞台美術=佐々木記貴
【発売日】2008/06/01 ロイヤルシート15.000円(安齋肇デザイン・特製Tシャツ+1ドリンク付き) 限定24席 特別リングサイド9.000円(安齋肇デザイン・特製Tシャツ) 限定36席 A指定席 6,000円(当日6.500円) 126席 B指定席 5,000円(当日5.500円) 132席 立ち見 2.500円(当日販売のみ) 小学生立ち見 500円(当日先着10名)
http://sasakitty.blog.shinobi.jp/Category/11/
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2008年08月08日
【情報】新国立劇場演劇研修所2期生 試演会2『テネシー・ウィリアムズの世界』08/29-31新国立劇場 小劇場
2005年に開講した新国立劇場演劇研修所の2期生の第2回目の試演会情報です(過去レビュー⇒1期生の試演会1、試演会2、卒業公演1回目、卒業公演2回目、2期生の試演会1)。
テネシー・ウィリアムズの3本立て(「バーサよりよろしく」「しらみとり夫人」「ロング・グッドバイ」)、ダブルキャスト公演。
岸田國士に続いてテネシー・ウィリアムズ!う~ん、すごいな~っ。戯曲本を読みましたが、若い役者さんにはハードルが高いものだと思います。特に「ロング・グッドバイ」がすごく楽しみ!3本ともあまり上演されない演目ですので、無料はオトクでしょう。
早川書房
売り上げランキング: 246578
・入場料:無料(予約申込制)
・予約方法:申込用紙(公式サイトでダウンロード)をファックス。先着順で8月20日必着。
公式サイトより。
■新国立劇場演劇研修所2期生 試演会2『テネシー・ウィリアムズの世界』
8月29日(金)7:00開演 Aキャスト
30日(土)2:00開演 Aキャスト
30日(土)7:00開演 Bキャスト
31日(日)2:00開演 Bキャスト
各回開演の30分前より開場いたします。
*やむを得ない事情により配役が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
入場無料(予約申込制)
◇観覧をご希望の方は、申込用紙をダウンロードして必要事項を記入の上、ファックスにて下記までお申し込みください。(1回の申し込みにつき3名様まで、8月20日必着)折り返し確認の連絡をさせていただきます。
◇申し込みが多数の場合は、先着順のご案内とさせていただきますので、予めご了承ください。
申し込み先:新国立劇場 演劇研修所 試演会②『テネシー・ウィリアムズの世界』係
FAX 03-5352-5776
※「テネシー・ウィリアムズの世界」配役表より
■「バーサよりよろしく」
【Aキャスト29日19時/30日14時】ゴールディ(女主人):滝香織 バーサ(年増の娼婦):佐々木抄矢香 リーナ(バーサの同僚):吉田妙子 若い女:熊澤さえか
【Bキャスト30日19時/31日14時】ゴールディ(女主人):岩澤乃雅 バーサ(年増の娼婦):熊澤さえか リーナ(バーサの同僚):保可南 若い女:佐々木抄矢香
■「しらみとり夫人」
【Aキャスト29日19時/30日14時】ハードウィック=ムーア夫人:藤井咲有里 ワイア夫人(下宿屋の女主人):岩澤乃雅 作家:角野哲郎
【Bキャスト30日19時/31日14時】ハードウィック=ムーア夫人:深谷美歩 ワイア夫人(下宿屋の女主人):滝香織 作家:阿川雄輔
■「ロング・グッドバイ」
【Aキャスト29日19時/30日14時】ジョー(小説家志望の青年):宇井晴雄 マイラ(ジョーの妹):保可南 母(ジョーの母):深谷美歩 シルヴァ(ジョーの友人):遠山悠介 ビル(マイラの男友達):阿川雄輔 運送屋1:角野哲郎 運送屋2:西村壮悟 運送屋3:西原康彰 運送屋4:米川貴久(3期生)
【Bキャスト30日19時/31日14時】ジョー(小説家志望の青年):西原康彰 マイラ(ジョーの妹):吉田妙子 母(ジョーの母):藤井咲有里 シルヴァ(ジョーの友人):西村壮悟 ビル(マイラの男友達):角野哲郎 運送屋1:阿川雄輔 運送屋2:遠山悠介 運送屋3:宇井晴雄 運送屋4:米川貴久(3期生)http://www.nntt.jac.go.jp/training/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月05日
【写真レポート】こりっち福岡オフ会・福岡観劇旅行08/02~03
新天町の大時計
昨年に続いて、夏の福岡に一泊二日の旅行に行ってまいりました。まだたったの2度目ですが、「福岡は私の好きな街なのよ♪」と声高に言わんばかりにリラックスして過ごしました。
観劇したのは風三等星『ピンスポ!』とペンギンプルペイルパイルズ『審判員は来なかった』(大千秋楽)の2作品。
CoRich舞台芸術!の九州地域のユーザーさんと一緒に、こりっち福岡オフ会で大いにおしゃべりしました。
こりっち福岡オフ会のお声掛けをしてくださっているFPAPの高崎大志さんとは、PmP2006からのお付き合い。FPAP主催「観劇ディスカッションツアー」(⇒1、2)のアドバイザーもさせていただいています。FPAPが指定管理者として運営するぽんプラザホール↓ のぼりがいいですね!
ぽんプラザホールで『ピンスポ!』鑑賞後、ホール近くの居酒屋「味処 びっくり魚食堂」でこりっち福岡オフ会が開かれました。一番人数が多かった時で20人ぐらいだったかしら。大勢来てくださって嬉しかったです。ありがとうございました♪ 記念写真↓
観たばかりの作品についてそれぞれに感想を話し合って盛り上がりました。さすがたくさん観劇されている方々、目の付け所に個性があって、意見もはっきりおっしゃいます。福岡演劇界について一観客として思うことなど、かなり突っ込んだお話も聞くことができました。どんな芸術でもそうなのかもしれないですけど、ジャンルそのものへ愛情を持った消費者(観客)同士が集まって、前向きに語り合えることはすごく幸せです。
北九州芸術劇場で『舞台版ドラえもん「のび太とアニマル惑星」』を観て来た方が、折込でゲットした『音楽劇 ガラスの仮面』本チラシ。↓ 月影先生(夏木マリさん)のヴィジュアルに歓声が上がりました(笑)。
観客の方々だけでなく、藍色りすと、劇団ホームワーカホリック、万能グローブガラパゴスダイナモスという若手劇団の方々も集まってくださいました。藍色りすとの太田美穂さんとはPmP2006で初めてお会いして、昨年の西鉄ホール公演を拝見しました。劇団ホームワーカホリックの高野啓雅さん、万能グローブガラパゴスダイナモス(通称ガラパ)の川口大樹さんとは、昨年の観劇ディスカッションツアーでお会いしていたので再会が嬉しい。お二方の作品も観てみたくなりました。
もつ鍋の締めはラーメンで↓ 美味しい!
二次会は少人数で「焼鳥居酒屋 しんちゃん」へ。ほぼ明け方まで話し込んでしまいました。長時間お付き合いくださってありがとうございました♪
2日目はお昼から株式会社ピクニックの堀英明さんとお会いしました。ピクニックは大規模な演劇公演をはじめ、さまざまなイベントをプロモートしている会社で、堀さんは福岡を代表する劇団ギンギラ太陽'sのプロデューサーでもあります。
会社の前に貼られたポスター↓
ピクニック主催の直近のイベントはスクリーン&トーク『阿佐ヶ谷スパイダース「少女とガソリン」』(8/9@福岡市民会館)。地震で公演中止になった『悪魔の唄』のビデオ上映会があったことを思い出しました。福岡の観客と阿佐ヶ谷スパイダースとのつながりは強いですね。
堀さんはパワフルでポジティブ、優しい笑顔が素敵です。「これが面白いんだよね~」と明るく話しながら、次々と新しい仕事のアイデアが出てくるような方でした。堀さんに「ギンギラ太陽’s『BORN TO RUN』、ガラパ『ひとんちで騒ぐな』、飛ぶ劇場『有限サーフライダー』が重なっている10月下旬に、また来たらどう?」と言われて、ちょっとその気になっちゃったな~。
ランチでいただいた明太子オムライス。美味しかった~♪やっぱり福岡といえば明太子やね。
福岡では基本的に地下鉄&徒歩で移動。ランチをした赤坂から西鉄ホールまではバスに乗りました。降りるべき駅を通り過ぎてしまっておろおろしていたら、運転手さんがその場で私のために一時停車してくれたの!あったかいわ~西鉄バス!うっかりヤクザなイメージを持ってたんだけど、違ってたね!(笑)
西鉄ホールで『審判員は来なかった』マチネ(大千秋楽)を観た後は、ふらふらとしばらく散歩してから空港へ。天神にはきれいな商業ビルがいっぱいあるんですよね。四方から新しいビルに挟まれた交差点が「きらめき通り中央」という名前でした~(笑)↓ たしかに光ってましたよ、あの道は。
旅行の締めは空港でとんこつラーメン↓ 来年も楽しみにしていま~す。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月04日
風三等星『ピンスポ!』08/01-03ぽんプラザホール
風三等星は広瀬健太郎さんが作・演出(出演も)される福岡の劇団です。1990年結成ということは18年目ですか、すごいですね~。
劇場の調整室を舞台にしたシチュエーション・コメディでした。上演時間は約1時間50分。
⇒CoRich舞台芸術!『ピンスポ!』
≪あらすじ≫ CoRichより
十人十色のパフォーマー(表現者)達を支える、裏方スタッフ。彼らは、いつものように、照明を取り付け、音響をチェックし、舞台を管理し、チケット状況を確認していた。それぞれがそれぞれの役割をはたしていく中、今回のパフォーマーが調整室にやってきて、スタッフ達へ昨日のダメだしを行う。そして、気まぐれの演出変更。さらに、大事件。裏方スタッフ達は無事、幕を開けることが出来るのだろうか?
≪ここまで≫
私、お芝居の舞台裏を描く演劇ってちょっと苦手なんです・・・。昔、作り手だったこともあるし(役者と制作)、観客としても「それはありえないでしょ」と言いたくなっちゃうことが多いので。でもこの作品については、大げさ過ぎたり、ご都合主義なエピソードがなかったわけではないですが、ぽんプラザホールの客席を作品中の客席とみなした演出が効果的で、臨場感のあるものだったので、最後までしっかり拝見できました。
ワンシチュエーションとはいえ、調整室のあるスペース(舞台面側)を舞台下手袖(だったかな)として使ったり、修羅場を空想するシーンを赤い照明で派手に演出したり、演劇ならではの工夫があって面白かったです。
役者さんの演技は「こういう時はこういう顔をするはずだ」という紋切り型な思い込みをなぞっているようでした。「演技はこういうものだ」と決めて疑わずに、ずっと継続されているのかも・・・と思いました。
ここからネタバレします。
振付・演出・主演の白塗りダンサーのペット(フェレットのパンチャムチャイ君)が逃げ出して、パン君捕獲のために大わらわになります。客席に逃げ出したパン君を追うという設定で、役者さんが実際の客席を歩くのが面白いです。
公演中止の可能性が出たら、まず制作は払い戻しの準備(おつりの両替とか)に走るはずだよな~・・・。お客様を1時間待たせるとか、ムリだよな~・・・。などなど、気になるところはやっぱり気になっちゃいました。
出演:岩倉里会(照明)、梶川竜也(舞台監督)、今村ムネノリ(ダンサー)、広瀬健太郎(ホール管理)、矢野真由美「(劇)池田商会」(制作) 声の出演:冨永枝里
脚本・演出:広瀬健太郎 舞台監督:横山剛志 照明:横山剛志(ACT ONE) 音響:塚本彩乃 森貴史 大道具:井上章紀 K3S 小道具:佐藤哲誠 衣装:梶川真由美 制作:安河内由香 松本友美 記録:横山良輔
[一般]前売り1,500円 当日 1,800円 [高校生以下]前売り1,200円 当日 1,500円
http://members.jcom.home.ne.jp/kazesantosei/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年08月01日
メルマガ 2008年8月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2008年8月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 51 2008.8.1 1,320部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎おかげさまで手首の調子は少しずつ回復しています。
夏の東京は冷房が大敵!長袖に手袋で防寒です~。
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→俳優座劇場プロデュース『東京原子核クラブ』
08/30-09/07俳優座劇場
http://www.haiyuzagekijou.co.jp/produce/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→松竹『羊と兵隊』
07/05-27本多劇場
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0712135505.html
◆3【王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2008」開催中! 】
◎見巧者の劇場職員が厳選した8団体が集結!とうとう祭りも終盤へ!
http://www.en-geki.com/
◆4【編集後記】
◎8月は福岡と青森に遊びに行きます♪
◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
1.東宝/東宝芸能『宝塚BOYS』
08/01-31シアタークリエ
≪東京、兵庫、愛知≫
☆出演:葛山信吾 吉野圭吾 柳家花禄 山内圭哉 猪野学
瀬川亮 森本亮治 初風諄 山路和弘
脚本:中島淳彦 演出:鈴木裕美
9,500円
http://www.takarazuka-boys.jp/
実在した宝塚歌劇団「男子部」にスポットを当てた音楽劇。
昨年好評だった作品の再演です。一部新キャスト。
★2.Bunkamura『女教師(じょきょうし)は二度抱かれた』
08/04-27シアターコクーン
☆出演:市川染五郎 大竹しのぶ 阿部サダヲ 市川実和子
荒川良々 池津祥子 浅野和之 ほか
脚本・演出・出演:松尾スズキ
S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_onnakyoushi.html
松尾スズキさんの新作。豪華キャストです。
『欲望という名の電車』の続編という物語の位置づけにも興味津々。
3.劇団M.O.P.『阿片と拳銃』
08/06-18紀伊國屋ホール
≪大阪、松山、高知、須崎、東京(新宿)、王子≫
☆出演 キムラ緑子 三上市朗 小市慢太郎 ほか
脚本・演出:マキノノゾミ
5,500円 ※8月6日(水)、7日(木)は割引価格4,500円
ハーフプライス・チケット(当日半額券)あり※東京公演のみ
http://www.g-mop.com/
あと3回で活動を終了すると発表した↓劇団M.O.P.の、
http://www.g-mop.com/history/43kouen/press/makino.html
ファイナル・カウント・ダウン開始公演。
4.彩の国ファミリーシアター『音楽劇 ガラスの仮面』
08/08-24彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
≪埼玉、大阪、北九州≫
☆出演:大和田美帆 奥村佳恵 川久保拓司 横田栄司 夏木マリ ほか
原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄
S席6000円 A席4000円
http://www.saf.or.jp/
大人気マンガ「ガラスの仮面」が音楽劇に。親子連れも、
原作を知らない人も、みんなで楽しめる作品になるようです。
制作発表記者会見の写真レポート↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0716140127.html
★5.松竹『八月納涼大歌舞伎 第三部』
08/09-27歌舞伎座
☆出演:中村勘三郎 坂東三津五郎 中村福助 中村勘太郎 中村七之助 他
1等席12,000円 2等席8,400円 3階A席3,500円
3階B席2,000円 1階桟敷席14,000円
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2008/08/post_29.html
第三部・二「野田版 愛陀姫」は、野田秀樹さんが
オペラ「アイーダ」を歌舞伎に翻案・演出。
6.松竹『幕末純情伝』
08/13-27新橋演舞場
≪東京、京都≫
☆出演:石原さとみ(沖田総司役)、真琴つばさ(坂本龍馬役)、他
脚本・演出:つかこうへい
1等席:9,000円 2等席:6,800円 3階:3,500円
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0808/index.html
つかこうへいさんの代表作をご本人が18年ぶりに演出。
7.こまつ座『闇に咲く花』
08/15-31紀伊國屋サザンシアター
≪東京、市川≫
☆出演:石母田史朗 浅野雅博 辻萬長 小林隆 石田圭祐 他
作:井上ひさし 演出:栗山民也
一般5250円 学生割引3150円
http://www.komatsuza.co.jp/
1987年初演の井上ひさしさんの戯曲を栗山民也さんが演出。
フレッシュなキャストを迎えて7年ぶり4度目の再演。↓過去の感想
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0819134804.html
8.Theater Harmony East『ホロー荘の殺人』
08/20-24俳優座劇場
☆出演:宮本裕子 池田有希子 ほか
作:アガサ・クリスティ 翻訳:鈴木小百合 演出:グレッグ・デール
4,500円
http://www.haiyuzagekijou.co.jp/schedule/
アガサ・クリスティのミステリーを豪華キャストで。
9.音楽座ミュージカル・Rカンパニー『七つの人形の恋物語』
08/23-31赤坂ACTシアター
≪東京、大阪、神奈川≫
☆出演:Rカンパニー
原作:ポール・ギャリコ 脚本・演出:ワームホールプロジェクト
一般:S席:9870円 席7770円 B席5670円
WEB予約:S席9450円 A席7350円 B席5250円 ※5歳未満入場不可
http://www.ongakuza-musical.com/
オリジナル・ミュージカルに定評のあるRカンパニーの新作。
★10.俳優座劇場プロデュース『東京原子核クラブ』
08/30-09/07俳優座劇場
☆出演:田中壮太郎、石井揮之、若杉宏二、小飯塚貴世江、西山水木、
田中美央、二瓶鮫一、檀臣幸、佐川和正、渡辺聡、外山誠二、佐藤滋
脚本:マキノノゾミ 演出:宮田慶子
一般 5600円 ハーフチケット(1日と2日) 2800円
グリーンチケット(学生) 2800円
http://www.haiyuzagekijou.co.jp/produce/
1997年に読売文学賞を受賞した戯曲です。
おととし好評だった作品の再演で、12人中3人が新キャスト。
●お薦めポイント●
泣いて笑って、考えられる。どなたにでもお薦めしたいお芝居です。
前回はメルマガ号外↓を出しました!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0707005444.html
戯曲本↓も購入しました♪
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0714141424.html
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
前売3000円台の気になる作品を3本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
【1】庭劇団ペニノ『星影のJr.』
08/14-20ザ・スズナリ
☆出演:久保井研(唐組) マメ山田 他
脚本・演出:タニノクロウ
一般3800円 学生2,500円
インターネット特別割引価格3600円
http://www.niwagekidan.org ↓CoRichから簡単予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=7301
タニノクロウさんの新作。
※8/17(日)19:00の回に追加公演決定!
【2】ヨーロッパ企画『あんなに優しかったゴーレム』
08/19-25 あうるすぽっと
≪滋賀、京都、愛知、大阪、広島、福岡、東京≫
☆脚本・演出:上田誠
前売3,300円 当日3,500円 未就学児入場不可
8/20 14:00の回、8/21 14:00の回の終演後におまけトークショーあり。
http://www.europe-kikaku.com/projects/e26/main.htm
ヨーロッパ企画の10周年ツアー最終地です。残席わずか!
【3】G-up『ペガモ星人の襲来』
08/22-31駅前劇場
≪東京、兵庫≫
☆出演:小椋あずき 大内厚雄 吉岡毅志 柿丸美智恵
岩井秀人 瀧川英次 町田カナ ほか
脚本:後藤ひろひと 演出:関秀人
前売・当日共 3980円
http://www.g-up.info/
東京の小劇場周辺で活躍する役者さんがいっぱい。
関西仕立ての脚本・演出とのコンビネーションはいかに?
☆☆☆――――――――――――――――――――――――――――――
前売2000円台の気になる作品を3本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆
《1》岡崎藝術座『三月の5日間』
08/03-05上野広小路亭
≪川崎、上野≫
☆脚本:岡田利規(チェルフィッチュ) 演出:神里雄大
前売2,000円(全席自由・日時指定) 当日2,500円
新百合ヶ丘公演と上野公演共通チケットは3500円
http://okazaki.nobody.jp
川崎公演が話題になり↓、上野公演は完売日も出ています。
http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_id=6499
《2》サスペンデッズ『MOTION & CONTROL』
08/19-24 OFF OFFシアター
☆脚本・演出:早船聡
全席自由 前売り2,800円 当日3,000円
http://suspendeds.jugem.jp/
新国立劇場『鳥瞰図』脚本が好評だった、早船聡さんの劇団新作公演。
《3》サンプル『家族の肖像』
08/22-31アトリエヘリコプター
☆脚本・演出:松井周
整理番号付(全席自由) 前売り2,500円 当日2,800円
http://www.samplenet.org/
松井周さんの新作。曲者実力派キャストが揃っています。
≪憲法9条関連イベント≫
○俳優座9条の会&みなと・9条の会
「憲法9条を守る一点で手をつなごう」
08/01俳優座劇場
☆講演:井上ひさし ほか
一般1000円
http://www.haiyuzagekijou.co.jp/schedule/
○非戦を選ぶ演劇人の会『ピースリーディングVol.11
「9条は守りたいのに口べたなあなたへ」』
08/25-26全労災ホール/スペース・ゼロ
☆作・構成:永井愛 演出:永井愛 西川信廣
全席指定 一般1500円 中高生1000円 小学生以下500円
http://hisen-engeki.com/
≪ダンス・その他≫
○珍しいキノコ舞踊団『珍しいキノコ大図鑑』
08/08-10ル テアトル銀座 by PARCO
☆演出・振付:伊藤千枝
前売4,000円/当日4,500円
http://www.strangekinoko.com/kinoko/
○イデビアン・クルー『排気口』
08/22-24世田谷パブリックシアター
☆出演:井手茂太 安藤洋子(ザ・フォーサイス・カンパニー) ほか
演出・振付:井手茂太
前売券¥4000 当日券¥4500
http://www.idevian.com/
○大日本プロレス『リア王 ~King Lear~』
08/07横浜赤レンガ倉庫1号館
☆脚本:シェイクスピア 演出:八代眞奈美
ロイヤルシート15.000円 特別リングサイド9.000円
A指定席6,000円(当日6.500円) B指定席5,000円(当日5.500円)
立ち見2.500円(当日販売のみ) 小学生立ち見500円(当日先着10名)
http://www.bjw.co.jp/vm/game-sec_2284.html
http://sasakitty.blog.shinobi.jp/Category/11/
○にしすがもアート夏まつり‘08 子どもに見せたい舞台vol.2
アートネットワーク・ジャパン『少年探偵団~怪人二十面相を追え!!~』
08/20-26にしすがも創造舎 特設劇場
☆原作:江戸川乱歩 演出:倉迫康史
一般1,000円 中高生(中学生~18歳未満)500円 子供(3歳以上~小学生)無料
http://sozosha.anj.or.jp/
◎しのぶの今月の全予定(28本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
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◆2 【先月のベスト3】
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1.松竹『羊と兵隊』
07/05-27本多劇場
☆絶望とおかしみが共に舞台にあって、出来事は唐突に起こって、
満足な説明はないままに全てが通り過ぎ、消えていきました。
このお芝居のように、愛する人も、人生の一大事も、
ぼんやり息をしてヘラヘラ笑っている内に、すり抜けて消えるのでしょう。
もう1度観たくてチケットも買ったけど行けずじまい(涙)。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0712135505.html
2.パルコ『SISTERS』
07/05-08/03パルコ劇場
≪東京、北九州、新潟、大阪≫
☆長塚圭史さんと有名俳優が作り上げた、重厚な会話劇。
観客との緊密な距離も贅沢です。8/3まで上演中!他地域公演あり!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0706002702.html
3.劇団☆新感線『SHINKANSEN☆RX「五右衛門ロック」』
07/06-28新宿コマ劇場
☆求めていた以上のものを、心行くまでプレゼントしてもらった気分♪
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0710211146.html
岡崎藝術座『三月の5日間』ではまさかの野外劇にどぎまぎ。
再び劇場内に戻った時、その演出効果の大きさに衝撃を受けました。
上野公演は8/3から。→ http://okazaki.nobody.jp/
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2008年7月(観劇数25作品)は残念ながら発行しませんでした。
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◆3 【王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2008」開催中! 】
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◎「佐藤佐吉演劇祭2008」は、東京都北区にある王子小劇場が
“注目すべき作品・才能が集まった時にのみ”開催する演劇祭です。
開催期間:2008年6/18~9/3 http://www.en-geki.com/
「“佐藤佐吉演劇祭2008”記者発表」写真レポート
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0531145539.html
5.空想組曲『僕らの声の届かない場所』
07/31-08/04王子小劇場
☆脚本・演出:ほさかよう
http://www.k-kumikyoku.com ↓CoRichから簡単予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=7436
6.劇26.25団『生憎(あいにく)』
08/07-12王子小劇場
☆脚本・演出:杉田鮎味
http://25dan.com ↓CoRichから簡単予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=7189
7.スパンドレル/レンジ『地獄のKiosk』
08/21-25王子小劇場
☆脚本・演出:松本淳市
http://spandrel.pupu.jp/
8.劇団競泳水着『真剣恋愛』
08/28-09/03王子小劇場
☆脚本・演出:上野友之
http://www.k-mizugi.com/ ↓CoRichから簡単予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=6446
公演終了:柿喰う客、smartball、reset-N
※elePHANTMoonは劇団の事情により公演中止。
CoRich舞台芸術!に観客の感想が多数載っています。
http://stage.corich.jp/special/tatakau.html
こりっち賞、シアターガイド賞、ロボット賞などの受賞団体は、
9/9(火)に王子小劇場で開催される後夜祭で発表!
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◆4 【編集後記】
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◎8月は福岡と青森に観劇遠征します♪
福岡⇒CoRich福岡オフ会
http://stage.corich.jp/bbs/detail.php?sure_id=391&sv=
青森⇒渡辺源四郎商店『修学旅行』
http://xbb.jp/wgs/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2008年7月は下記の4作品を拝見しました。
・「銀色のシーズン」←瑛太さんが素敵だから満足。
http://www.g-season.jp/
・「蟻の兵隊」←自国の戦争について知らないことが多い私。
http://www.arinoheitai.com/
・「KIDS」←小池徹平さん目当て。原作とはかなり変わってましたね。
http://www.kids-kiz.com/
・「歓喜の歌」←歌声に泣いた~っ。
http://www.kankinouta.com/
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
※フォームが故障中のようです。ごめんなさい。
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
メンバー登録はこちら↓
http://www.corich.jp/stage/user_register.php
携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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◆5 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
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このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪
☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
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☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪
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◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。
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