プロレスでシェイクスピアの『リア王』をやる・・・いったい何なの!?どうやるの?!疑問と好奇心が爆発しました。
出演者の中に役者さん、ダンサーさんがいるのを知って、すぐチケットをゲット!行ってまいりましたよ~、プロレス初体験!!上演時間は約2時間15分(途中休憩15分を含む)。
デスマッチって、本当に流血するんですね・・・写真撮影自由だったので、ちょこちょこ撮って来ました。あー凄かった。私はA指定席6,000円だったんですが、安いと思いますね。だってまたすぐに試合があるみたいで・・・体、治らないよねぇ・・・(汗)。
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シアターテレビジョンとサムライチャンネルの両方で放送決定!
⇒CoRich舞台芸術!『リア王 ~King Lear~』
≪あらすじ≫(シアターガイドより)
大日本プロレスを支配するグレート・リア王(グレート小鹿)は、高齢のため引退を決意する。そこで後継者となる選手3人に、団体を三分割し、それぞれのベルトを管理することを提案する。古株のゴネリル谷口(谷口裕一)とリーガンWX(シャドーWX) は快諾するが、団体の弱体化を危惧するコーデリア伊東(伊東竜二)は強烈に反対し……。
≪ここまで≫
美しいヴァイオリンのソロ演奏(松田麻由美)で開幕。スモークが焚かれてムーヴィング照明も効果的。BGMも荘厳です。前から4列目のほぼ中央という良席で全体を気持ちよく眺められました。
リア王が引退するため、タッグマッチで跡継ぎを選ぶという筋書き。なるほど、原作とうまくリンクしますね。明らかにプロレスラーな男たちが、演技なのか素なのか曖昧な状態でリング上にいることが、むずがゆいし奇妙なんだけど、それがスリリングで面白いんです。コング桑田さんのアナウンス(語り部?)もゴシックなムードを盛り上げます。
まずは2試合。まー・・・すごい迫力です。だって巨体が持ち上げられて、逆さに垂直になるんだもんっ。ロープの上から人が飛ぶんだもんっ。マットに体をぶつけるバチーン!って音が、体まで響いてくるしっっ!
どうやら試合自体にも筋書きがあることはわかりました。でも結果が決まっているとはいえ、生の体のぶつかり合いは見ごたえがあります。てゆーか、怖いッスっ!!
2試合終わったら、リア王が部下たちに足蹴にされてさまようシーンに。これがしっかり演出されていて、客席を狂いながら歩くグレート小鹿さんが戯曲「リア王」の世界と重なりました。ん~この感覚、初体験だ。
15分の休憩の間にリングに祭壇が現れました↓ リングサイドにはバラの束が山盛り。その下に 蛍光灯が隠されているようです。
コング桑田さんの迫力の歌↓ オリジナル・ソングのようです。一気に劇世界ができあがります。
花組芝居の谷山知宏さんと八代進一さん↓ プロレス・ファンの心もわしづかみのコミカルなシスター。私の背後から「この人たち面白いよ!」という若い女性グループの声が聞こえました。
私のお目当てボクデスさんが謎の牧師役として登場↓“悪魔”と呼ばれるレスラー"黒天使"沼澤邪鬼さんと縄でバトル。これも可笑しかった~。リング下でのエレキギターの生演奏(スカンク)もかっこ良かったです。
なぜかレフリーが縄跳びをさせられて↓ 最後は2人でレフリーを3カウントKO。ウケてました(笑)。
とうとうデスマッチ開幕↓ 始まるなり額に流血!(リング下で)
想像をはるかに上回る過激さっ↓ 蛍光灯がパーン!ガラスがバラバラバラっとマットに広がる!なぜかバラも投げ散らかす!もちろん生花だから棘がいっぱいっ!それも凶器に使う!血がっ!血がっ!!
祭壇になっていた蛍光灯↓も全部使う!最後は私の席にも破片が飛んできたっ!!(涙) 写真右の沼澤邪鬼さんの顔は血まみれ~(汗)。
マジで思いましたよ、「帰りたい・・・!」って。「もーかんべんして!やめてー!」って声に出して言っちゃってたし、うつむいて前を見ないようにした時もありましたし(苦笑)。でも「リア王」の結末が知りたいからがんばって最後まで席に居ました。
左側のレスラーさんの白い衣装に鮮血↓(見えづらいかと思いますが)。
いやー・・・人間、慣れるもんですね。「こういうものなんだ」と体ごと理解したら、徐々に観ていられるようになりました。そしてリング上(下にもいっぱい)にいらっしゃるレスラーさんたちのことを、ある特殊な能力に異常なほど秀でている人々に見えてきたんです。肉体的にも、精神的にも。
肝心の「リア王」ですが、デスマッチのあまりの衝撃に、私の頭の中の劇世界は吹っ飛んでしまいました(笑)。でも全然オッケーっす。だって終演直後に血まみれのままロビーで物販をしているレスラーさんを見たら、どうでも良くなったんです、ストーリーなんて。
観客へのサービス精神、エンターティナー精神がここまで徹底された世界だったんですね。大日本プロレス以外にも多くのプロレス団体があるそうですので、この1度の体験だけで断言できることではないですが。
レスラーさんたちの「プロレスが大好きだ!!」っていう気持ちを受け取って、かなりの元気をもらいました。ありがとうございました。レスラーさん、どうぞお体を大切になさってくださいね(いらぬおせっかいかと思いますが)。
≪公演情報≫(シアターガイドウェブサイト、公演パンフレットより)
序章 バイオリン(松田麻由美)
第一幕 グレート・リア王より開催のご挨拶
第二幕[第1試合]ドランカープリンスタッグマッチ30分一本勝負
バッカス宮本王子&アプロディタ忍 vs ゴネリル谷口&オールバニ弁慶withオズワルド勘九郎
第三幕[第2試合]200ポンドマッスルハードコアタッグマッチ30分一本勝負
マルス関本&ハーデス黒田 vs リーガンWX&コーンウォール小林
第四幕 狂気(出演:グレート小鹿)
第五幕 追悼バトルロイヤル(出演:コング桑田/八代進一/谷山知宏/ボクデス/沼澤邪鬼/スカンク)
第六幕[メインイベント]ローズ&蛍光灯祭壇デスマッチ時間無制限一本勝負
エドガー葛西&エドマンド佐々木(貴)&X vs コーデリア伊東&フランス帝王&X
出演:グレート小鹿/伊東竜二/谷口裕一/大黒坊弁慶/シャドーWX/アブドーラ小林/井上勝正/星野勘九郎/宮本裕向/忍/関本大介/黒田哲広/葛西純/佐々木貴/沼澤邪鬼/大橋篤/MEN’Sテイオー/ボクデス/八代進一/谷山知宏/松田麻由美(ヴァイオリン)/コング桑田/李日韓/森島孝浩/新土裕二
原作=ウィリアム・シェイクスピア 演出=八代眞奈美 芸術監督=佐々木記貴 舞台監督=登坂栄児 照明=岩井哲也 音響=横山欣也 音楽監督=稲葉佳正 作・編曲=小川類 ヘアメイク=野本滋代 衣裳=堀金紀子 大道具=福田和彦 小道具:杉山あづみ コスチューム=豊島祐司 花き=斉藤陽子 デジタル出力=佐々木光敬 記録班=名和憲進 千田和敬 制作=池須ゆたか 企画実行部=山口優子 劇場担当=菊池健一 応援制作=三浦仁 小林ちあき ケータリング=大谷伸樹 企画協力=秋山想 遅塚勝一 演出助手見習い=佐々木征真 印刷=がん治郎's house 舞台美術=佐々木記貴
【発売日】2008/06/01 ロイヤルシート15.000円(安齋肇デザイン・特製Tシャツ+1ドリンク付き) 限定24席 特別リングサイド9.000円(安齋肇デザイン・特製Tシャツ) 限定36席 A指定席 6,000円(当日6.500円) 126席 B指定席 5,000円(当日5.500円) 132席 立ち見 2.500円(当日販売のみ) 小学生立ち見 500円(当日先着10名)
http://sasakitty.blog.shinobi.jp/Category/11/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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