平田オリザさんと、フィンランド国語教科書(日本語版)を手がけられた北川達夫さんの対談をまとめたものです。コラム↓もあって充実。
「謝ることは義務ではなく、チャンスである」(北川達夫)
「『本当の自分』なんてどこにもない」(平田オリザ)
私は学校教育に演劇のワークショップを取り入れて欲しいと望んでいます。この本を読んでさらにその気持ちが強くなりました。また、国際化社会という言葉がすでに陳腐化するほど国際化している今の世界で、これから日本人としてどうやって生き延びていくのか。その手がかりを見つけられた気がします。
平田さんのあとがきより引用。
「わたしは現在の状況は、二つの意味で、戦前の日本に似ていると思います。
一つは、本文中でも述べたように、世界のルールか変わったことに、日本だけが気かついていないということ。世界のルールは「多文化共生」です。しかし日本だけか、政財界のあり方も、教育の方針も一国鎖国主義です。
それは、一九二〇年代、すでに世界のルールは「民族自決」に傾いていたにもかかわらず、植民地を拡張していった日本の姿と相似形をなします。もちろん、日本の側にもいろいろと言い分はあるでしょう。しかし、ここはひとつ、我慢のしどころなのではないか。(中略)」
「ニッポンには対話がない~学びとコミュニケーションの再生~」(三省堂)1500円+税
北川達夫(元外交官・フィランド教材作家)×平田オリザ(劇作家・演出家)
http://www.sanseido-publ.co.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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