講師の中に平田オリザさんのお名前を見つけ、シンポジウムを拝聴してきました。80名余の参加者で会場は満席。
■「イギリスの経験から芸術教育普及プログラムを計画するときに考えるべきこと」
マイク・スペンサー氏 基調講演
マイク「実際に参加してプロセスを経験することで、鑑賞力も深まる。」
マイク「芸術は美しいだけではない。本物で刺激的。」
マイク「南アフリカ共和国でのワークショップ経験談。子供たちが演劇にするトピックを選んだ(子供のレイプ、教師が教室で酔っ払っていることなど)。
マイク「語られることがなかったことにを声にする手段を得て、大人も学んだ。」
ドイツ銀行が主催したオーケストラと子供たちの企画の映像が感動的でした。「ありがとうドイツ銀行!」と客席の親子がみんなで合唱。
■日本の伝統歌舞伎保存会の実践をめぐって
中村時蔵氏(歌舞伎俳優)/浅原恒男氏(社団法人日本俳優協会事務局長)
子供たちが本物の衣裳、道具を使って、本物の歌舞伎俳優の指導のもと、歌舞伎の舞台に立つという、非常にうらやましい(笑)歌舞伎体験ワークショップについてのお話でした。
■教育普及プログラムを担う人材について 討議
平田オリザ氏/浅原恒男氏/マイク・スペンサー氏
平田「こまばアゴラ劇場は100人しか入らない小さな劇場。中学生向けの劇場見学会をしたりしている。全国に二千数百ある公共ホールができるプログラム。なぜやらないのかに問題がある。」
平田「小さいことを繰り返すことで、固定客が生まれる。(アーティスト側から)少人数で出向くことです。大きなことはいくらやっても効果はない。子供は自分が思ってるより大人になる。15歳の男の子は5年後に彼女を連れて劇場に戻ってくるんです(笑)。」
平田「ワークショップは市議会議員にもやってもらいましたし、校長先生にもやってもらった。とにかくやってみせるしかない。魔法はない。」
平田「イタリアの劇場では子供たちにおやつを用意した。クリームを口の周りにいっぱいつけた子供が、劇場を走り回る光景がある。子供にはなりふりかまわず楽しい体験をさせることも大切。」
表現教育関連シリーズ/2008夏の講座『ワークショップ指導者のためのワークショップ~こころと、カラダと、アタマをつなぐ』特別シンポジウム
8月20日(水) 13:00-17:00
講師:マイク・スペンサー(クリエイティブ・アーツ・ネット主宰)/平田オリザ(劇作家・演出家)/中村時蔵(歌舞伎俳優)/浅原恒男(社団法人日本俳優協会事務局長) 主催: 社団法人日本芸能実演家団体協議会 共催:社団法人日本オーケストラ連盟/日本自動・青少年演劇団体協同組合
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/hyogen/sympo.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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