北村有起哉さん、黒谷友香さん主演のラブ・コメディーです。上演時間は約2時間30分(途中20分の休憩を含む)。
久しぶりにシアタークリエに伺いまして、快適に過ごさせていただきました。場内案内の女性がとても親切でほがらかですし、休憩時間は外に出てスターバックスでゆったり(笑)。2度目にしてシアタークリエの楽しみ方がわかったかも。雨が降ったらどうなるかわかりませんが・・・。
⇒CoRich舞台芸術!『青猫物語』
≪あらすじ≫
昭和8年の築地。カフェ青猫に住み込む自称ダンサーのそら(黒谷友香)と、築地小劇場で演出をしている新劇青年・八起静男(北村有起哉)の恋の行方は?
≪ここまで≫
舞台はレトロなカフェ。マスター(きたろう)が観客に話しかけるタイプのとても親しみやすい構造です。
すんなりうまく行くかと思いきや、悪いタイミングが重なってなかなか結婚できない2人。北村さんの細やかな演技の七変化が面白いです。年配のお客様の心もしっかりつかんだようですね。
北村さんと黒谷さんは背の高さもいいバランスで、恋人同士にはぴったりでした。今さら言うことじゃないですが、黒谷さんは本当にスタイル抜群ですよね!お顔もきれいだし、演技も可愛らしい。眺めてるだけでプチ幸せ気分。カーテンコールの挨拶でもひたむきさが伝わってきました。
S席8,800円とお高い公演ですが、こういうのもたまにはいいなと思えました。初日ということもあり、出演者の必死さが表に出ていたのも私好みだったのだろうと思います。
ここからネタバレします。
八起が東郷平八郎に変装している時間がけっこう長くて、一体どうなるのかな~と少し不安に。なるほど、この役は演技派でコメディーのセンスがある方じゃないとできないですね。
そらの弟のチンピラ(橋本淳)が女学生に本気でホレてしまい、「本当は帝大の学生じゃない」と告白します。それが東郷元帥に変装している八起にも重なるのが上手い仕掛けになっていました。
演劇の上演台本に検閲が入り、突然俳優が特高にしょっぴかれる、言論の自由がない昭和初期。赤紙が来たら若い男たちは召集されていきます。そんなエピソードがサラっと挿入されていて、胸が傷みました。今、こんなことが起こったらと想像するとぞっとします。
黒谷さんの衣裳は基本的にスタイルがよくわかるドレスやネグリジェで、眼福。ただ、最後に着る巨大な青いリボンを胸につけた白いドレスはちょっと・・・意図がわかりませんでした(笑)。
出演:北村有起哉 黒谷友香 きたろう 近江谷太朗 岸博之 小須田康人 橋本淳 北村岳子 富田麻帆 山下裕子 荒井正樹 小椋毅 佐藤淳 本田誠人 石田佳名子 岡村さやか 関谷春子 羽柴真希
脚本:マキノノゾミ 演出:山田和也 音楽: 川崎晴美 美術: 中根聡子 照明: 宮野和夫 衣裳: 木村猛志 ヘアメイク: 宮内宏明 音響: 本間俊哉 演出助手: 福原麻衣 プロデューサー: 横田優希 製作: 東宝
【発売日】2008/06/28 S席:8,800円/青猫シート:6,800円(全席指定・税込)
http://www.tohostage.com/aoneko/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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