朝日新聞(火)夕刊に「たまには手紙で」というコーナーがあります。2人の著名人が相手に出す手紙を、1週間置きに交互に掲載するのです。
今は『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』で一緒に仕事をされた女優・白石加代子さんと演出家・長塚圭史さんの往復書簡。お2人が今、感じていることを、これまでの経験を踏まえて語られています。
白石さんの女性らしいやわらかな言葉には、文字を見ながらじんわりと感じ入るものがあります。前衛演劇をされていた若い頃のことは、易しくさらりと書かれているものの、白石さんが積み上げてきたものの重みがずっしりと伝わってきます。
若くして日本演劇界の第一線で活躍する演出家となった長塚さん。おっしゃることに深く共感するところがありました。以下、2008年8月26日(火)夕刊の一部抜粋です。
長塚『僕らは大笑いしながら、観客と舞台との間に優しい関係を築き上げようとしてきたんです。まるでテレビとお茶の間の関係のような。当然、一過性の笑いの渦は舞台からも客席からも「思考」を取り上げてしまいました。表現に対して全身で思考し続けねばならない。当たり前のことですが、これこそ薄まった微熱の世代が取り戻すべき第一歩なのです。』
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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