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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年09月25日

テアトロフィーア『HERE WE ARE -テアトロフィーアがやってくる!-』09/24-28こまばアゴラ劇場(キスフェス5)

 メルマガ2008年9月号でご紹介しておりました、青年団こまばアゴラ劇場国際演劇月間「キスフェス」の5作品目です(関連レビュー⇒)。これがフェスティバルの最終作品ですね。

 スペインのカナリア諸島からやってきたテアトロフィーアは、サイレント・クラウン、つまりセリフなしの道化を演じる劇団です。上演時間は約50分。終演後は毎回トークがあります。初日のゲストは柴幸男さん(toi/青年団演出部)でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『HERE WE ARE

 ほぼ素舞台のアゴラ劇場で、大人の男3人が、体の芯から道化(クラウン)になりきって笑わせてくれます。エッチだったり軽く下品だったり、まさに“誰にでもわかる”ギャグの連続。
 素材は空港・飛行機にまつわるあれこれでした。飛行機に乗ったことがある人なら誰もが「あぁ、アレね」と共感して、クスッと笑えるんじゃないかしら。

 1人1人が自立した俳優として堂々と立っています。徹底的におまぬけさん(道化)になりきるところが素敵だなと思いました。ただ、繰り返しが多く感じたところは少々退屈だったかも。

 ここからネタバレします。

 飛行機の機内の3人並びの席でのドタバタが好きでしたね。閉じ込められた中で、それぞれの欲望のままにくつろぐ姿が可笑しかったです。

 大きな爆弾を空港に持ち込んだテロリストのシーンでは、かなりの客いじりがあります。爆弾ごとテープでぐるぐる巻きにされたり(笑)。観客も安心してノっていけるのはさすがですね。でも客席に向けての水鉄砲はNGなんじゃないかな~(笑)。常夏の国から来た人たちならではなのかしら。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:ファン・レジュス/柴幸男さん(toi/青年団演出部)/多田淳之介(フェスティバル・ディレクター)/通訳の男性

 レジュス「テアトロフィーアは1996年に結成されました。2000年(もしくは2002年)から国外でもツアーをしています。メンバーは役者3人にスタッフ1人の合計4人。言葉を使わずに創作することは最初から決めていました。」
 レジュス「一番大切にしているのは、自分たちが楽しむということ。楽しむことが演劇の前提ではないかと思っています。」

 観客「日本の観客の反応は、他の国とは違いますか?違うとしたら、どのように違うでしょうか?」
 レジュス「(柴さんに靴紐をほどいて結ばせる。自分の靴の紐もほどいて結ぶ。)靴紐の結び方は2人とも同じですよね。このように人間は同じだと思います。」

 柴「スーツケースはいくつ持ってこられたんですか?」
 レジュス「全部で13個かな。」

 レジュス「テロリストが爆弾を観客の1人に渡すシーンは、インプロ(即興)の要素が多分にあります。チェコスロバキアでは観客が次々と他の観客に手渡しして、爆弾が会場で回されました。中国では、舞台間近の客席から後方上部の客席へと投げられました(笑)。」

 観客「女装はしないのですか?」
 レジュス「女装はしません。役者は自分自身の“クラウン”を作り上げて、クラウンを演じる時はいつもそのクラウンになりきるのです。」

こまばアゴラ劇場国際演劇月間「キスは何回?」フェスティバル 愛称「キスフェス」!!!
出演:ファン・ルイス・モレノ、ファン・レジェス、アントニオ・コネホ
脚本:テアトロフィーア 演出:ファン・レジュス 照明:エレナ・ラモス 舞台:パズル 構成:ファン・レジェス 音楽:ヘロニモ 撮影:リノ・ロッシ 映像:フェイム・ベルトラン 衣装:エレロス 製作総指揮:ファン・レジェス 製作助手:アントニオ・コネホ 製作:テアトロフィーアプロダクション 監督:ファン・レジェス
【発売日】2008/07/19 予約・当日共=3,000円 KISSセット券=8,000円(電話予約のみ)(日時指定・全席自由・整理番号付) ◎サイレントクラウン・台詞なし/字幕なし
http://www.komaba-agora.com/line_up/2008_09/teatrofia.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年09月25日 00:43 | TrackBack (0)