HIGH LIFEは、劇団青年座に縁のある男優さんたちが結成したユニットです。今回は福島三郎さんの新作書き下ろし&演出ということで、もうすぐ閉館してしまうTHEATER/TOPSに伺いました。
気持ちよくワハワハ笑って、胸打つイイ話にホロリときて、すっかり心が温まりました。上演時間は約1時間45分。誰でもリラックスして楽しめるコメディーだと思います。
HIGH LIFEのメンバーで出演者でもある網島郷太郎さんは、はしのえみさんとの入籍発表をされたばかり。セクスィ~でした(役柄も)♪
⇒CoRich舞台芸術!『アケミ』
≪あらすじ≫
舞台は東京にある小さな喫茶店。若いマスター(蟹江一平)が1人で経営しているようだ。大晦日に訪れる男性客が2人(猪野学、網島郷太郎)。どうやら2人とも携帯に夢中の様子・・・。
≪ここまで≫
登場人物全員が30代で、それぞれがその世代ならではの生活をして、悩みを持っていて・・・って、思いっきり私も同じ世代なんですけど(苦笑)。「あぁ、そうだよな~、そうなるよな~、へぇ~男の人はそうなんだ~」と、ふむふむセリフを聞きながら、少々ベタでしつこい目かもしれないギャグに(笑)、大笑いさせていただきました。
そして、一見ちゃらんぽらんだったり、ダサかったりする男たちが思いっきりバカをやった後で、彼らの純情や募らせている想いがズシンと伝わってくるエピソードが用意されていました。私はやっぱり福島さんの作品が好きですね。この年になって“胸キュン”(←今だに私の中では頻発ワード)とか言ってる場合じゃないよね~とも思うんだけど(笑)、それでも恋は素晴らしいって思わせてくれます。ビバ恋!
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
“アケミ”という女と出会い系サイトで待ち合わせの約束をした男たちが、目印に赤いジャケットを着て、神社の矢を持っている図はほんとにみっともない(笑)。でも、誰もが赤い服を着て並んでいると、可愛いな~とも思ってしまう。
西川(猪野学)を探しに来た栗原(鈴木浩介)が、実は幽霊だった・・・かもしれないというシーンは、お芝居だとわかっていながらもハラハラしました。事故に遭った栗原が既に死んでいるのかどうかわからない状態だったのが、このドキドキ感の仕掛けだったのかも。いや~すっかり脚本にヤられたな~。
栗原のセリフにぐっと来ましたね。「人生は出会いです。出会う人で人生は変わります。」
アケミの正体は喫茶店のマスター(蟹江一平)の母親でした。息子の喫茶店にお客さんがたくさん来るように、出会い系サイトでひっかけた男との待ち合わせ場所に、その喫茶店を指定していたとは。むむ~、腑に落ちました。
喫茶店が心霊スポットで、神社のそばにあり、その神社が伊勢神宮と縁のあるものだという設定が憎い!
ゲストの宮地雅子さんが本当に来ちゃったアケミ役。北村有起哉さんはアケミ(←マスターの母親)と待ち合わせた6番目の男役で、最後にチラっと登場。「パイパー」の脚本を持って「パイパーパイパー」と繰り返していたような。カーテンコールでは、持っていた大きな花束を網島郷太郎さんに贈呈。
出演:小林正寛(37歳の整体師。できちゃった結婚をして4人の子持ち)、蟹江一平(アメリカ兵と日本女性との間に生まれたが、母は幼い頃に離婚し、最近になって日本人男性と再婚。新しい父親が持つ喫茶店でマスターをしている)、猪野学(文房具屋の息子。ビッグになるために東京に出てきたが、30歳で脱サラして小劇場の役者になった36歳。幼なじみのアケミをずっと好きだった)、網島郷太郎(歯医者の息子。バンドをやっていてちやほやされていたが挫折。今は小さな広告会社の社員)、鈴木浩介(もともと引きこもり?だったが、金物屋の娘アケミと見合い結婚。商店街の年末恒例行事・伊勢参りの帰りにバスが転落事故に遭い、生死をさまよっている) ゲスト:宮地雅子(役者と待ち合わせをしたアケミ) 北村有起哉(アケミ〔実はマスターの母親〕と待ち合わせをした6番目の男)
脚本・演出:福島三郎 舞台美術:阿部一郎(劇団青年座) 照明:佐藤公穂 音響:大久保友紀 舞台監督:石井香織 演出助手:小林章一 宣伝美術:本庄崇 宣伝写真:長澤元樹 WEBデザイン・管理:長野景一 宣伝:吉田プロモーション 制作:浅井美衣・河口礼志・杉浦亜紀 制作協力:株式会社ケイファクトリー 企画・製作:HIGH LIFE
【発売日】2008/11/22 料金 4,000円 全席指定/税込
http://www.high-life.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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