飛ぶ劇場は泊篤志さんが作・演出を手がける北九州を代表する劇団です。私は数年前から東京公演のいくつかを拝見しております(⇒1、2、3、4)。
作風がすっかり変わった?・・・のに付いていくのが大変でしたが、最後はなるほどと納得もしました。
⇒CoRich舞台芸術!『有限サーフライダー』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
肌寒い秋のビーチに…テレビゲームを作っている少しオタクな会社員たちが
体験サーフィンをしにやってくる。
ところが太平洋のどこかで海底地震があったとかで、津波警報発令中。
天気はいいのに海に出れず、海の家でやさぐれる面々。
そんな中、小さな津波第一波に乗って、一人の女が流れ着き、担ぎこまれる。
海の家に居住む、伝説のサーファーと自称する男がつぶやく。
「でかいのが来るぜ、とびっきりでかいのが」
でかいのって、それ津波でしょ?
中年一歩手前の会社員たちのちょっとアツくもお寒い物語。
≪ここまで≫
テレビゲームを製作する零細ベンチャー企業に勤める、自称オタクな若者たち。男性社員が紅1点の女性社員にひどい罵声を放ったり、暴力を振るうのに閉口しました。演じている女優さんはブスじゃないと思うのですが・・・(ブスブス言われてた)。
“九州男児”のイメージもあるので、「やはり福岡の男性って女性蔑視の傾向があるの??」などと考えが止まらない。後で一緒に観劇した方々と話したところ、「それは偏見です」と言われました。きっとそうなのでしょう。私が神経質すぎたかも。エッチな言葉や演技についても私好みではなかったんですよね
体験サーフィンを指導してくれる海の家の経営者とその妻、娘の奇行は、少々安易な気がしました。でも最後の盛り上がりにつながったのは納得。
海の家の出入り口についていた貝殻ののれんが可愛かったです。
ここからネタバレします。
決して終わらないゲーム「ぐるりんRPG」という発想は面白いと思いました。終わる時はキャラが死ぬ時だなんて、ほんとにスッキリしない(笑)。
流れ着いた右足を触って二次元から三次元の世界へと出てくることができた社員たちですが、結果的にはあの足は作り物だったということになりますよね(海の家の娘は生きていたから)。だとすると、勝手に「本物の足だ」と思い込んだことで目が覚めたわけです。良かったね(笑)。
「35歳にもなると、新しいことなんてもう出来ない気がする。でもこの波に乗ってみよう」と、イタコまがいの演技にだまされて乗り気になってしまう社員たち。どんなひどい嘘にでも、自分から飛び込んでいこうとする姿はすがすがしいです。失敗だとしても(苦笑)。
飛ぶ劇場 vol.28
≪福岡、大阪、東京≫ 10日(土)のゲストを拝見しました。
出演:内山ナオミ 寺田剛史 木村健二 葉山太司 大畑佳子 宗像秀幸 加賀田浩二 米倉沙衣子 上野詩織
現地ゲスト:8日(木) 明石修平(picoLoop%)/ 深見七菜子 9日(金)池田義太郎 / 北村加奈子 10日(土)松高義幸(田上パル) / 川西佑佳(扉座) 11日(日)田上豊(田上パル) / 松田弘子(青年団) 12日(月祝)永井秀樹(青年団) / 坂田恭子(東京タンバリン)
脚本・演出:泊篤志 美術:柴田隆弘 照明:乳原一美 音響:杉山聡 音楽:泊達夫 衣裳:内山ナオミ(工房MOMO) 舞台監督:森田正憲(F.G.S.) 宣伝美術:トミタユキコ(ecADHOC) 制作:北村功治(北中)・藤原達郎 協力:北九州芸術劇場 企画・製作:飛ぶ劇場
【発売日】2008/11/01 *日時指定・全席自由 前売り 一般2800円・学生(大学生以下)2000円 当日 一般3000円・学生(大学生以下)2200円 【1月9日(金)15:00】昼割り公演 一律2000円
http://www.tobugeki.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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