関根信一さんが作・演出・出演される劇団フライングステージの、同一美術での2本立て公演。新作『ジェラシー ~夢の虜~』は『ミッシング・ハーフ』の前日譚とのこと。
『ミッシング・・・』初演がすごく面白かったので(2006年サンモールスタジオ最優秀作品賞・同女優賞受賞〔関根信一〕受賞作です)、両方伺いました。
⇒CoRich舞台芸術!『ジェラシー ~夢の虜~』
■『ジェラシー ~夢の虜~』(1/26夜)
汚しを入れた白い壁と、濃い茶色の柱と扉。シックな装置です。ピンクのソファが可愛い。座わってみたい(笑)。
私は『ミッシング・ハーフ』と比べる視点にならざるを得ないのもあって、いろんな面での粗さが目に付いてしまい、「2本立て公演って大変なんだろうな~・・・」と、観てる最中に気になっちゃいました。作・演出・ほぼ主演をこなす関根さんが、ものすごいセリフ量。
男装の麗人・川島芳子を高山奈央子さんが堂々と演じ、長いセリフにも余裕が感じられました。美しい上に男性にも見える人じゃないとできないので、選ばれた人の役ですよね。チャイナドレスがセクシーで、駅前劇場が狭く感じました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:小林靖弘(現シアターガイド編集長)、鈴木理映子(前シアターガイド編集長)、関根信一
例えば男が女を演じていることがあきらかにわかるので、果たして観客はどのように受け取るのか、など。「見られる」ということについてのお話が面白かった。
■『ミッシング・ハーフ』(2/1夜)
再演千秋楽は円熟味を感じさせる完成度でした。大門伍朗さんが何役も演じるのを観客もすすんで楽しむムードで、お芝居の幸せを実感。再演っていいですね~。
初演の森川佳紀さんも素敵でしたが、日下部そうさんも個性があって面白かったです。ひょうひょうとしながらも弱弱しい空気が漂い、女心(母性本能?)をそそるのかも(笑)。
映画「モロッコ」が観たい。こんなに愛される映画は幸せだし、そんな映画を心の中に持っている人(関根さん)がうらやましくもなりました。
劇団フライングステージ第33回公演
『ジェラシー ~夢の虜~』出演:高山奈央子(KAKUTA)、日下部そう(ポかリン記憶舎)、関根信一(フライングステージ)、石関準(フライングステージ)、岸本啓孝(フライングステージ)、相楽満子(青年劇場)、加藤裕(クロカミショウネン18)、遠藤祐生、岡田梨那、藤あゆみ
『ミッシング・ハーフ』出演:日下部そう(ポかリン記憶舎)日下部そう(ポかリン記憶舎)、関根信一、大門伍朗
作・演出:関根信一 美術/小池れい 照明/黒尾芳昭(Azure) 音響/はらことり 舞台監督/イワヲ 衣裳/中西瑞美 振付/清水美弥子 中国語指導/シム チュン キャット 宣伝美術/宝田朝(office regina) 舞台写真/サトウカオル 大道具/王様美術 小道具/高津装飾美術株式会社 印刷/東京書籍印刷株式会社 撮影/TRICKSTAR FILM 助成/芸術文化振興基金 制作協力/早瀬知之・水月アキラ 制作/坂田厚子 制作統括/樺澤良 企画・製作/劇団フライングステージ
【発売日】2008/12/14 前売3,500円/当日3,800円
http://www.flyingstage.com
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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