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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年02月09日

オリガト・プラスティコ『しとやかな獣(けだもの)』01/29-02/08紀伊國屋ホール

 川島雄三監督の同名映画(1962年公開)をケラリーノ・サンドロヴィッチさんが演出されます。オリガト・プラスティコはケラさんと広岡由里子さんのユニットです。

 紀伊國屋ホールで観るのにとてもしっくりくるお芝居でした。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『しとやかな獣

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより。改行を一部変更。
 強欲な一家としたたかな悪女の壮絶バトル- 川島雄三監督の名作に鬼才・KERAが挑戦!
 オリガト・プラスティコは私と広岡由里子のユニットであり、この度とりあげる「しとやかな獣」は、1962年の正月映画として公開され、大コケした、川島雄三監督最後から二番目の超傑作映画である。これまでに(私が知っているだけでも)二度ほど舞台化されている。団地の一室を舞台に、呆れるにも程がある四人家族と、彼らを取り巻くクズ人間どもが織り成す真性ブラック・コメディ。既にこんなにも面白い脚本が用意され、加えてキャストがご覧の通りとくれば、公演の成功はこれ、約束されたも同じじゃないか。 (演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ)
 ≪ここまで≫

 昭和の団地の1室であることがよくわかる美術でした。舞台の中心になるのは居間で、その上部に灰色の外壁や、廊下が建てられています。
 脚本は新藤兼人さん(wikipedia)が書かれたもので、しっとりと懐かしい日本語でした。「わたくしは~~~ですのよ」とか。衣裳もレトロなムードでちょっとタイムスリップした気分。妹役のすほうれいこさんの赤いドレスが可愛かった~!

 東京公演は終わっていますが新潟、大阪公演があります。映画を観てからでも(内容を知っていても)問題なさそうですが、何も知らなくてもストーリーは楽しめるのではないでしょうか。
 残念ながら私は役者さんの演技に硬さを感じて少々退屈で、存分に楽しめたとは言えないのですが。近藤公園さんが面白かったです。

 ここからネタバレします。

 メインとなる四人家族(父・母・長男・長女)は詐欺師集団でした。でも長男(近藤公園)が肉体関係を持った勤め先の会計係の女(緒川たまき)は、どろぼう一家よりも一枚上手のようで・・・。

 上手のふすまが照明で透けて、向こうの部屋にいる役者さん(盗み聞きしている妹など)が見えたり、「そんなところには普通はカーテンなんかないよ!(笑)」って突っ込みたくなる位置にある、大きなカーテンを使った演出が楽しかった。照明を暗くした独白シーンも演劇らしかったです。上手上部に作られた階段部分(飛び降り自殺しようとする税務署員の演技などが見られる)も良かった。

≪東京、新潟、大阪≫
出演(役…役者):浅前田時造…浅野和之 前田よしの…広岡由里子 香取一郎(芸能プロ社長)…佐藤誓 三谷幸枝…緒川たまき ピノサク…山本剛史 前田実・‥近藤公園 前田友子…すほうれいこ 吉沢駿太郎(作家)…大河内浩 ゆき(パーのママ)…吉添文子 神谷栄作(税務署員)…玉置孝匡
脚本:進藤兼人  演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 美術:中根聡子/照明:漬水利恭/音響:藤田赤目/衣裳:前田文子/舞台監督:久保勲生/ヘアメイク:大和田一美(APREA)/演出助手:相田剛志/音響オペレーター:富田聡/衣裳助手:山本有子、森田恵美子(東京衣裳㈱)/映像:荒川ヒロキ(&FICTI0N!)/振付:金崎敬江(picoLoop%) 大道具:C-COM舞台装置/小道具:高津映画装飾 宣伝美術:坂本志保/宣伝写真:三浦憲治/宣伝スタイリスト:兼田サカエ/宣伝ヘアメイク:大和田一美(APREA)、倉田正樹 制作助手:岩波信江、寺地友子/制作・プロデューサー:大矢亜由美 主催・製作:(株)森崎事務所M&Oplays
http://www.morisk.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年02月09日 09:54 | TrackBack (0)