REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2009年02月28日

モダンスイマーズ『トワイライツ』02/19-03/01吉祥寺シアター

 蓬莱竜太さんが作・演出されるモダンスイマーズの新作です。蓬莱さんはこちらの作品で岸田國士戯曲賞を受賞されたばかり。

 鶴田真由さん、山本亨さんら豪華客演陣を迎えた、少し大人向けのロマンティックなお芝居でした。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『トワイライツ

 ≪あらすじ≫
 年上の歌子(鶴田真由)にほのかな恋心をいだく富田(津村知与支)。歌子の家庭環境は複雑で、彼女の腹違いの凶暴な兄(山本亨)は、誰からも恐れられていた。
 ≪ここまで≫

 ゆるやかに円を描く白くて高い壁が、ほぼ円形の抽象舞台を囲みます。床から天井に向けて当たる照明がきれい。 
 歌子を中心に数通りの恋が描かれます。彼女に恋する男たちそれぞれの性格や感情が、セリフだけではなく役者さんの体、表情から鮮やかに伝わってきました。兄役の山本亨さんは声色やリズムに意外性があり、常に目を引きました。

 蓬莱さんの作品を観るといつも思うのですが、情報の出し方(隠し方)が絶妙で、構造もすごく上手く組み立てられていて、「あぁ、このセリフはあのシーンの流れを汲んでるんだな」「このシーンは前のあのシーンと対になっているのね」などと、何度も感心させられます。今回も漏れずにそうでした。
 ただ、そういった技術以上に、(私の)心や体に激しく訴えかけるものが欲しいなとも思いました。

 ここからネタバレします。

 実は、歌子と腹違いの兄とが愛し合っていたとわかるのが切ないですね。最初のエピソードの終盤の富田(津村知与支)のセリフから、妹が兄のことを好きなことがわかるようになっていました。できれば演技で気づきたかったな~とも思いました。

 3人の富田と兄とが1人の人間としてつながっている気がして、その曖昧さが良かったです。

≪東京、福岡、鎌倉≫
出演:古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、山本亨、菅原永二(猫のホテル)、梨澤彗以子、鶴田真由
脚本・演出/蓬莱竜太 美術/伊達一成  照明/森脇清治(東京舞台照明) 音楽/上田亨 音響/今西工 舞台監督/原田恵子 大道具/俳優座劇場舞台美術部 小道具/高津映画装飾 宣伝写真/引地信彦 記録写真/Yoshizo Okamoto 宣伝ヘアメイク/二宮ミハル・西澤環 宣伝美術&衣裳協力/小原敏博・小林由香 衣裳協力/坂東智代 制作/神野和美 制作協力/オフィスPSC 重留定治 広川由季  Habanera 松尾由紀
【発売日】2008/12/10 全席指定 【前売】¥4,000- 【当日】¥4,500- 
http://www.modernswimmers.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2009年02月28日 00:26 | TrackBack (0)