ゴジゲンは松居大悟さんが作・演出(出演も)される、2006年に旗揚げした劇団です。第5回目の公演でこまばアゴラ劇場「冬のサミット2008」、「北九州演劇フェスティバル2009」に参加しているなんて、勢いがありますよね。複数の人からの噂も耳にしたので、伺いました。
若々しい、フレッシュなコメディーでした。上演時間は約1時間45分。
⇒CoRich舞台芸術!『たぶん犯人は父』
≪あらすじ≫
足の不自由な広末君(松居大悟)のために募金活動をするボランティア団体の事務所。募金がとうとう目標額に達成したので、お祝いのパーティーをすることに。そんな大事な日とは知らず、団体の長である金子(山本禎顕)をたずねて、金子の息子・茂(奥村徹也)とその友人(本折智史・斉藤めぐみ)も事務所にやって来た。こともあろうに親子ゲンカを始めてしまい・・・。
≪ここまで≫
スタイルとしてはどたばたのシチュエーション・コメディーですが、ある事件の犯人捜しがストーリーの主軸になっています。今どきの若者らしいギャグを下品にならない程度に散りばめつつ、実は社会風刺もちょっと効いており、楽しんで観ていられました。
演出や役者さんの演技については学生劇団っぽさがぬぐえない印象。でも将来に期待したいな~という気持ちが沸いてくる作風でした。ギャグの方向性は個人的に好みです。
松居さんは20代前半なんですね。今の20代の演劇の作り手は、公演の体裁をしっかり整えられていて立派だと思います。自分がその年の頃は、本当にいい加減だったなぁと反省するばかりです。
ここからネタバレします。
銀行からおろして来た1000万円を入れた鞄が盗まれ、お祝いムードは一転し、犯人探しの修羅場に。といっても基本的にはお気楽ムード。ドタバタするシーンはわざとらしさが目に付いて集中しづらかったです。
茂はラップのグループを組んでおり、「俺たちの音楽で世界にラブ&ピースをもたらそう!」と勢い良く叫んでいますが、仲間は金に目がくらんで簡単にグループ解散の決心をしたりもします。夢が大事なのか、金こそ全てなのか。どことなくのどかなムードの中に、登場人物それぞれのジレンマも描かれていました。
結局、純粋な気持ちで広末君のための募金活動をしていた者はおらず、最終的には広末君も仮病だったことがわかります。それぞれの嘘がバレて、本音がポロポロとはがれるように暴かれていく展開は、うまくできてるな~と思いました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:本田誠人(ペテカン)/松居大悟/青木直也
本田さんと松居さんが2人でエチュード(即興演劇)を始めたのですが、青木さんが突然参加したのがすごく面白かった。
≪東京、福岡≫
第5回公演 <こまばアゴラ劇場「冬のサミット2008」・北九州演劇フェスティバル2009参加作品>
出演:青木直也 安積友恵 奥村徹也 斉藤めぐみ 目次立樹 本折智史(青春事情) 山本禎顕 松居大悟 目次立樹
作・演出/松居大悟 演出助手/飯田紘子、村上淳也 舞台監督/並木拓巳+久保大輔 舞台美術/高良真秀 装置/青木栄介 照明/佐野由希子、田中丸桜子、松本望 音響/森優太 音楽/GosenfuStudio 演出部/藤岡理絵 衣裳/本間圭一 映像/橋爪知博 宣伝美術/小西朝子 チラシデザイン/谷口崇 WEB/飯塚美江 スチール/村田まゆ 外野/北川隆来 宿舎/喜久田邸 広報/門田佐和子、城野舞子、矢野薫 制作/半田桃子、安部未知子、熊野由香里、武藤香織 角山紗代子 企画制作/ゴジゲン、(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 東京公演主催/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
前売 2,000円 当日 2,300円 学割 1,500円(要学生証提示)
http://www.5-jigen.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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