「ポップ化する演劇」をテーマに活動する若手演劇制作チーム“快快(ファイファイ)”。2005年初演の『MY NAME IS I LOVE YOU』を全編英語で再演する今回は、2009年のブダペスト公演のプレ公演という位置づけのようです。
いっそのこと字幕付き上演で観たかったかも。上演時間は1時間弱だったと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『MY NAME IS I LOVE YOU』
舞台は渋谷ハチ公前。体を売る女の子たちと、その周囲の男の子たち。金儲けのためのセックス、愛のあるセックスなどなど、若者ならではのセックスについての素朴な疑問。・・・私が受け取れた筋道はそれぐらいでしょうか。
海外上演のためにストーリーを英語で伝えたいという気持ちはわかります。でもそれを作品へと昇華するのは、そんなに手軽なことではないんですよね。日本語、英語を同時に使う演劇はもちろん、手話、日本語、英語を同時に舞台に乗せて成功させる舞台もあります。快快はそこにダンスなどの身体表現も加えたスタイルを生み出そうとしたのかな~。そうだとしても、最初のステップを間違ったんじゃないかと思います。言葉の意味を英語訳してそれを日本語と重ねるだけでは、作品としては成立しづらいですよね。残念ながら、快快作品の大きな魅力であるグルーブ感やリズムが失われていました。
野上絹代さんの存在感およびダンスが目を引きました。やはり大舞台を経験すると、俳優(ダンサー)としての何かが一気に変わるのかしら。きれいだった~。
ここからネタバレします。
OLGAさんがマイクを使ってセリフを英語で話し、それに合わせてキャストが体を動かします。時に日本語を交えながら。
ハチ公像とハチ公像(2体あるのがヘンなのですが)の間がタイムトンネルになっていて、未来から女の子(中林舞)がやってきます。そのダサイ(?)女とオタク男(天野史朗)の恋のシーンは可愛かった。
※私が拝見したのは初日前日の公開ゲネプロです。
「MY NAME IS I LOVE YOU」(英語版リマスター) 東京芸術見本市2009参加・ハンガリープレ公演
出演:天野史朗/大道寺梨乃/中林舞/野上絹代/山崎皓司/NAGY OLGA
作:北川陽子 演出:篠田千明 舞台監督:佐藤恵 美術/映像:佐々木文美 音響/照明:快快 衣装:藤谷香子 振付:野上絹代 宣伝美術:天野史朗 写真:加藤和也 会場デコレーション:佐々木文美/KANATIN+rinoooooooooo faifaiせーさく/ウィンドウディスプレイ:山本ゆい 協力:株式会社A.C.O
【発売日】2009/02/01 前売¥2,500/当日¥2,800
http://www.faifai.tv/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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