メルマガ3月号でご紹介しました、シリーズ・同時代【海外編】のスペシャルイベントの1つ、番外連続リーディングの1本目『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』の、初日を拝見しました。開演10分前ぐらいからパフォーマンスが始まっていましたね。
「シリーズ・同時代【海外編】」の3演目(『昔の女』(⇒レビュー)『シュート・ザ・クロウ』『タトゥー』)のいずれかのチケットがあれば入場可(無料)。チケット1枚で複数作品が観られます。
つまり『昔の女』のチケットがあれば、『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』、『最後の炎』、『タロットカードによる五重奏のモノローグ』の3本のリーディングが観られることになります。超~お得!
今思いついたんですが、5月上演の『タトゥー』のチケットで3月&4月のリーディングを観れば、『昔の女』と『シュート・ザ・クロウ』の舞台装置がタダで観られるますよね。←演劇オタクならではの発想かしら(笑)。
⇒CoRich舞台芸術!『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
英劇界の今四半世紀において最も重要な実験作との評価もある『Attempts on Her Life』(1997)は、マーティン・クリンプ(1956 -)の代表作。アン(あるいはアニー、アーニャ…?)という女性を軸にしつつも、一貫性のある登場人物やプロットが存在しないバラバラの17の断片は、グローバル化した資本主義経済下の世界を丸ごと描出しようとする果敢な試みだ。
≪ここまで≫
2008年4月から新国立劇場で月1回のペースで開催されてきた「現代戯曲研究会」の成果ということで、計6本の海外戯曲が紹介されます。ありがたいことです。
カジュアルな衣裳の若者たち。舞台中央奥の壁に映像が映されます。上下にはモニターも。イスに座って脚本を読むだけにとどまらず、歌ったり踊ったり楽器を演奏したり、演出は盛りだくさん。
1本とおったストーリーがあるわけではないし、登場人物も固定ではなさそうだしい、自分で戯曲本を読んでも全然わからないだろうな~と思いました。こういう形で上演されるのは助かります。
アンという1人の女が現代人全体を表す存在となっていくように感じました。「ポルノ」が面白かったです。
ここからネタバレします。
1.すべてのメッセージを消去しました。
開演前から留守番電話のメッセージが劇場内で放送されている。アンに向けた言葉。
2.愛とイデオロギーの悲劇
3.我等自身の信条
4.ご契約のお客様
5.カメラはあなたを愛している
ラップで驚いた(笑)。アクセントになって楽しかったですが、楽器の音でセリフが聞こえないことがあったのは残念。
6.ママとパパ
7.ニュー・アニー
ギター弾き語り(竹田桂)とフランス語(吉田紗和子)。エスプリが効いていて面白かった。
8.素粒子物理学
9.国際テロリズム(登録商標)の脅威
ある単語について「登録商標!」と機械的な声で言うのが笑える。
10.笑える感じ
11.無題(百の単語)
映像、ギター(竹田桂)、手話など。
12.奇妙なことに!
13.エイリアンと交信する
14.隣の女の子
ラップ。だったような。
15.供述
16.ポルノ
キャスターらしき女(熊坂理恵)が語る。日本語、フランス語(吉田紗和子)、韓国語(金成均)が混ざる。井上陽水の「最後のニュース」がすごく合ってる(ギターの弾き語り:竹田桂)。“1人の女”が、世界中の誰かになって、地球全体がぐっと舞台に凝縮された感じ。とても面白かった。グっときた。
17.新鮮/?
どの短編だったか忘れましたが、金成均さんの1人語りが素晴らしかったです。
声が澄んでいて、何をしゃべっても耳が嬉しくなったのは若菜大輔さん。
辻村優子さんの太い声が素敵。歌(?)が良かった。できればもっとセリフが聞きたかったですね。
長元洋さんが三味線(?)、岸田茜さんがバイオリンを演奏。他にも楽器が多用されていて、3期生の方々はとても芸達者だなと思いました。
新国立劇場2008/2009シーズン
3月18日(水)7:00 20日(金・祝)6:00 21日(土)6:00
出演:新国立劇場演劇研修所研修生3期生(岸田茜/熊坂理恵/鈴木良苗/辻村優子/野村真理/吉田紗和子/渡邉樹里/宇髙海渡/金成均/香原俊彦/竹田桂/長元洋/米川貴久/若菜大輔
脚本:マーティン・クリンプ 演出:北澤秀人 映像:鳥井真央 手話指導:田中文 舞台・照明・音響操作:新国立劇場技術部 シアターコミュニケーションシステムズ レンズ 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
※「シリーズ・同時代【海外編】」『昔の女』『シュート・ザ・クロウ』『タトゥー』のいずれかのチケットで入場可。シリーズ公演のチケット1枚で複数作品をご覧いただけます。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000180_play.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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