青年団演出部の西村和宏さんがチェーホフの『桜の園』を演出されます。FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介さんが楽曲提供し、振付も担当されています。
意外な組み合わせでどんな音楽劇(?)になるのかを楽しみに、初日に伺いました。上演時間は約2時間5分。
⇒CoRich舞台芸術!『桜の園』
客席と地続きの状態のシンプルな舞台。ゆるやかな階段が舞台を丸く囲むように設置されています。奥には白いカーテン。
『桜の園』を1幕から4幕まで。ノっていける部分はあったけれど、全体はバラバラな印象。激しい歌とダンスで盛り上がっても、その次の静かな演技のシーンで流れが途切れてしまうように感じました。シーンごとに何を見せたいのかはある程度汲み取れるのですが、全体でどんな作品にしようとしているのかが、私にはわかりませんでした。
第3幕が面白かった。糸井さんの楽曲、振付はとても楽しいです。エロが入ってなくても問題なく素敵じゃないですか!(笑)
おおげさではない日常会話のシーンでは、自然な状態でいる“振り”をしているように見えました。歌のシーンと会話のシーンの差が激しいので、どういうバランスにするのかがまだ決まっていないのか、つかめていないのか。役者さんは大変そうでした。
先日のトークで銀粉蝶さんがおっしゃっていたことを思い出しました。尋常じゃない歌、踊り、セリフ、演技方法には、尋常じゃない身体で挑まないと成立しづらいんじゃないかと思います。青年団の役者さんは演出部にさまざまな演出家がいるので、いわゆる“静かな演劇”ではない演劇に出演する機会が増えているんでしょうね。その境を越えている人と、越えていない人との差が、自ずと見えてきてしまいます。
ラネーフスカヤを演じた石村みかさん、ラネーフスカヤの兄ガーエフ、その他を演じた髙橋智子さん、大学生トロフィーモフ、その他を演じた堀夏子さんに目が行きました。
青年団若手自主企画vol.41
出演:島田曜蔵 鈴木智香子 髙橋智子 長野海 堀夏子 村田牧子(以上青年団) 石村みか(ノックアウト)
脚本:チェーホフ 演出:西村和宏 音楽・振付:糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣) 照明:岩城保 舞台美術:濱崎賢二 衣装:兼松光 制作:木元太郎 音響協力:泉田雄太 映像:深田晃司 演出助手:伊達紀行 ドラムス録音:日髙啓介 芸術監督:平田オリザ企画 制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【発売日】2009/01/29 一般:2300円 学生:2000円(予約・当日共)
http://www.komaba-agora.com/line_up/2009_04/nishimura.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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