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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2009年04月14日

東京ノーヴイ・レパートリーシアター スタジオ旗揚公演『イワーノフ』04/13-19東京ノーヴイ・レパートリーシアター

 下北沢でレパートリー上演をし続けている東京ノーヴイ・レパートリーシアターが、2008年春に新たにスタジオ(研究所)を設立したそうで、その旗揚げ公演に伺いました。⇒ワークショップレポート

 チェーホフの初期作品『イワーノフ』をスタンダードな演出で観てみたいとも思ってたので、いい機会でした。上演時間は約2時間20分(途中休憩15分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『イワーノフ

 ≪あらすじ≫
 ニコライ・イワーノフは憂鬱に取り付かれている。お金はないし、妻は病気だし。
 ≪ここまで≫
 
 『イワーノフ』は4幕劇。3幕と4幕の間に休憩がありました。どんなお話なのかがわかって良かったです。次はコメディとして観たいですね。
 
 スタジオ所属の役者さんは昨年春からお稽古を始められたとすると、アニシモフさんの演技指導を受けてまだ1年ですよね。レパートリーシアターの役者さんと比べるのは酷なことだとは思いますが、やはり見劣りするのは否めず。

 ただ、今作品については演技よりも、演出が私には合わなかったですね。ささやき声が小さすぎて大げさだし、自分の内面を忠実に語っているのだとしても、あんなに大勢の人がいる前で、みんながみんな自分だけに語りかけるのはおかしい気がしました。
 全体的に内側へ、内側へと向かっていて、観客(私)は無理やりその中を除き見しなければいけない状態でした。誘導してくれるのではなく、致し方なく。

 演技がおぼつかない部分は演出でカバーすることもできると思います。美術、照明、音楽、衣裳、振付など、手立てはあるんじゃないかしら。でもそれは、劇団が目指すものとは違うのかもしれませんね。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 最後の最後、ウェディングドレスを着た娘が父親に向かって「自分は自分の道を行くから放っておいて」というシーンで、初めて笑えました。向こう見ずで自分のことしか見えていない、愚かな若者像がリアルでした。

 転換の時にメイド2名がゆーーーっくりと家具を動かすのが不快。短いフレーズを延々と繰り返す音楽が何より苦痛でした。

TNRT the 1st STUDIO旗揚げ公演
出演【14日の19:00】イワーノフ:横田拓伸 アンナ:金井裕子 シャベリスキー:竹内浩一 ボールキン:山本悠生 レーベジェフ:柿沼慶典 サーシヤ:南早希 ジナイーダ:岡崎朋代 リヴオーフ:久保直也 ババーキナ:川田朗子 アヴドーチャ:滝浪陽子 召使:槐奏子 召使:長尾雅世
脚本:アントン・チェーホフ 日本語訳:松下裕 演出:レオニード・アニシモフ
前売2500円 当日3000円
http://www.tokyo-novyi.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年04月14日 23:25 | TrackBack (0)