『親の顔が見たい』は鶴屋南北戯曲賞の最終候補になった戯曲です。渡辺源四郎商店の畑澤聖悟さんが『猫の恋、昴は天にのぼりつめ』に続いて、劇団昴に書き下ろされました。2008年の初演から数えて早くも3演目。2演目は「NHKシアター・コレクション'09」に選ばれた公演でした。
上演時間は1時間40分。なんと開演時刻を1時間まちがえて(涙)、40分遅れての入場になってしまいました・・・ごめんなさい。
⇒「教師しながら劇作家 畑澤聖悟作品、東京で相次ぎ上演」(朝日新聞)
⇒CoRich舞台芸術!『親の顔が見たい』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。
都内カトリック系私立女子中学校会議室。そこに集まる保護者達。彼らは、いじめを受けて自殺した生徒の遺書に名指しされた、加害者の親たちである。
それぞれ、年齢も、生活環境も、職業も違う親達は、真実の究明をよそに我が子を庇護することに終始する。怒号飛び交う会議室。子供達のいじめを通して、それぞれの親達の「顔」が浮き彫りになる。
青森を拠点に活動を続ける、気鋭・畑澤聖悟。現役高校教師が描く渾身の意欲作、待望の再演!
≪ここまで≫
後半の1時間ぐらいしか観てないのですが、一応感じたことを。
いじめの加害者の親たちを描いているのが、まずとても面白いですよね。親は子供を守ろうとする。では、どうすれば子供を守れるのか。
本当のことを正直に認めればいいのでは・・・という結論に達するのかと思いきや、そこにもまた疑問が生まれるのがいいなと思いました。
映画『トウキョウソナタ』を観た時と同じ感想なんですが、親と子のコミュニケーションがなさすぎますよね。もっと仲良くなってもいいのにな~と、舞台の上の人たちをふんわり眺めていました。もっと笑えるシーンを増やしてもいいのでは、と思いました。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
自殺した生徒の通夜に行くかどうかを話すシーンで終幕。「いずれ行くだろうけど、まだ行けない。裁判になるだろうから(罪を認めたり謝ったりすると、裁判で不利な証拠になりかねないから)」という判断は、なんとも息苦しいですよね。
≪トークショー≫
出演:畑澤聖悟 永井誠(新聞配達所の職員を演じた役者さん)
観客の質問に面白おかしく答えてくださった畑澤さんのおかげで、楽しいトークでした。でも司会が何も準備してないのって良くないですよね。ゲストに頼りっきりのように見えました。
畑澤「いじめの原因は人間の悪意ではないと思う。いじめとは誰かを自分よりも下位に置き、そのことを大人数(いじめる側)のコンセンサスにして、自分のことを守ろうとする行為ではないか。」
劇団昴ザ・サード・ステージ
出演=西本裕行 小沢寿美恵 姉崎公美 宮本充 林佳代子 大坂史子 田村真紀 金房求 星野亘 落合るみ 市川奈央子 永井誠 ※北村昌子が急病で降板。4/15より代役は小沢寿美恵。
脚本=畑澤聖悟 演出=黒岩亮 美術=柴田秀子 照明=古宮俊昭 衣装=竹原典子 音響=藤平美保子 舞台監督=井上卓 演出助手=河田園子 宣伝美術=真家亜紀子 写真=梅原渉 制作=演劇企画JOKO/劇団昴 協力=渡辺源四郎商店/劇団青年座 主催=劇団昴 協賛=(財)現代演劇協会
3月5日(木)前売開始 一般=5500円 大学生以下=3500円 ペアチケット(男女不問)=10000円 ※14日初日はオープニングチケットデー(一律3500円)となります。 ※学生・ペアチケット・オープニングチケットは劇団のみ取扱い。
http://www.theatercompany-subaru.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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