古城十忍さんが作・演出されるGaiaDaysFunctionBandの三人芝居です。チラシの写真が素敵なのですごく気になっていました。
初演は2005年。中原中也と小林秀雄、そして彼らが愛した女のお話。女1人、男2人の役者さんが約1時間50分しゃべりっぱなしでした。
⇒CoRich舞台芸術!『中也が愛した女』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。
二人の文学青年、中原中也と小林秀雄。
そして一人の女優志願の女、長谷川泰子。
波乱に満ちた三人の人生は、
文学史に残る「奇怪な三角関係」で幕が開く……。
≪ここまで≫
時代は大正末期から昭和初期の数年間。史実にもとづいた男女3人の激しい愛を描きます。
客席を向いての説明ゼリフあり、内面を吐露する独白あり、役柄同士で対話するシーンあり。とにかく膨大なセリフが語られていきます。その分、セリフのない時間の豊かさや色っぽさが際立ったように思いました。
熱い恋愛の話だけれど、性的なことを露骨に描くのは、敢えて避けた脚本・演出のようでした。でも、これは個人的な好みなのかもしれないですが、2人の文豪に愛された女には、もっとエロティックな魅力を漂わせてもいいんじゃないかと思いました。死の匂いさえまとったような、抗いがたい妖艶さとか、好きなんですよね~(←やっぱり自分の好みなだけかも)。
中也の詩ってやっぱりかっこいいですね。頭の中でひらがなや漢字を思い浮かべて味わいました。
ここからネタバレします。セリフは完全に正確ではありません。
長谷川泰子は父が吐血死した現場、母親の自殺未遂現場も目撃した、不幸な幼少時代を過ごしています。彼女が潔癖症になったり、中也に猛烈に愛されたりするのは、彼女の体からそういった経験がにじみ出ているからなんじゃないかと思います。そのあたりが感じられなかったのは残念。
「いけるとこまで、いきますか」っていいですね。昔の人も自由に生きてたんだよな~と、思い出したような気分になりました。私だって「とりあえず、いけるとこまで」という気持ちで、飛び込んでいいんですよね。
出演:山田キヌヲ(長谷川泰子役) 池上リョヲマ(中原中也役) 溝渕隆之介(小林秀雄役)
脚本・演出:古城十忍 美術:礒田ヒロシ 照明:磯野眞也 音響:角張正雄 衣裳:宮本尚子 舞台監督:今井聰 宣伝写真:馬場龍一郎 宣伝デザイン:GaiaDaysFunctionBand 制作:岸本匡史、佐藤優子 プロデューサー:宮本尚子 企画製作:GaiaDaysFunctionBand 後援:中原中也記念館
【発売日】2009/02/14 全席指定 4,000円 学生 2,500円(要学生証)※未就学児童はご入場いただけません。
http://www.chuyagaaishitaonna.com/
http://www.gaiadaysfunctionband.com/gdfb/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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