先日に続き、【キレなかった14才♥りたーんず】を拝見。『少年B』は青年団演出部の柴幸男さんの作・演出作品です。
男優4人の他に、本物の14歳(厳密には15歳?)の女優さんが出演されていました。上演時間は約1時間15分。
⇒シアターガイドWEBの特集
⇒CoRich舞台芸術!『少年B』
≪あらすじ≫
男が中学生の頃を回想する。お笑いコンビを組んでいた友人、ちょっと気になるクラスメートの女子、合唱の練習・・・。
≪ここまで≫
色んな演出が施されているので、単純な回想劇にはなっていませんでした。中学生男子の生態が可愛らしく、滑稽に、そしてリアルに描かれていて(実体験に基づいてそうだし)、女子の私には新鮮(笑)。でもそんなに興味は持てなかったですね~。これまた私が年を取ってるからかしら。女子だからかしら。
企画名にもなっている“14才”が、作劇の大事な要素になったのでしょうね。今企画に参加している6人の作・演出家は、自分自身について掘り下げていく方向に進んだ方が多かったのでしょうか。できれば他の4作品を観て確かめたいです。
ここからネタバレします。
大人になった姿(ローソンの店長)で不良だった中学時代の演技をするなど、過去と現在とが重なっていきます。
玉井くん(玉井勝教)の、「宇宙人は人間の皮を被って地球に生息しており、徐々に自分が宇宙人であることを忘れていく。すっかり忘れてしまった時、宇宙人である中身と人間の皮がくっついて、普通の人間になる」という考え方が面白かったです。だったらずっと宇宙人のままでいたいな~。
最後は合唱曲をみんなで歌って終幕。岡部くん(岡部たかし)と井上さん(井上みなみ)が並んで歌う様子は、リアルに30代と10代の男女にも見えるので、可笑しいような苦々しいような。幕が下りる時の暗転の長さが心地よかったです。でも岡部くんが自室のふとんの中で考えているシーンの暗転は、私には長すぎました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演(下手より):篠田千明 柴幸男 白神ももこ
柴さんの「女子が不良と仲良く話すのはルール違反だ」発言は可笑しかった。でも女子は、かっこいい男子なら誰でもいいんじゃないかな(笑)。そっか、だからルール違反なのか。不公平ですね、人生は。
合唱された曲は松井孝夫さん(Wikipedia)作詞・作曲の「明日へ」だそうです(「はばたこう明日へ」じゃないのかな)。柴さんが最初に使おうと考えていた「マイバラード」も、有名な合唱曲なんですね。私は合唱コンクールなんてなかった世代だからか(地域の問題?)、全然知らなかったです。
※企画全体の上演期間:4/16~5/6
【出演】女子:井上みなみ ラーメン屋:大柿友哉(害獣芝居) ぼく:岡部たかし 宇宙人:玉井勝教 お母さん・不良:山田宏平(山の手事情社)
作・演出:柴幸男(青年団演出部) 企画:柴幸男(青年団演出部)・篠田千明(快快)・中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:伊藤泰行 富山貴之 音響:星野大輔 高橋真衣 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/kr-14web/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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