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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2009年06月04日

新国立劇場演劇『タロットカードによる五重奏のモノローグ』5/20、5/23、5/27新国立劇場小劇場

 『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』『最後の炎』に続いて、新国立劇場の無料リーディング公演『タロットカードによる五重奏のモノローグ』を拝見しました。演出は芸術監督の鵜山仁さん。客席はかなり埋まってました。上演時間は約1時間30分。

 4つの短編を劇場内・ロビーを移動しながら鑑賞するという、新国立劇場では初めて味わうスタイル。しかも演目は観客それぞれがくじ引きを引いて選びます。私は3回公演の内、2回伺いましたので、計12作品中の8本を観た計算になります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『タロットカードによる五重奏のモノローグ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 感性も文体も、そして世代も異なる5人の作家によって書かれた旅立ち、喪失、出会い、届かぬ星。4つのテーマからなるモノローグ。すべてはタロットカードの寓意から着想されて無数のヴァリエーションを構成する。はたして今回の舞台ではどんなヴァージョンが実現するのか。あなたの意味への旅が始まる。
 ≪ここまで≫

 新国立劇場が新しい企画を連発して、劇場の印象をどんどん新しいものにしてくださっていることが、1ファンとしてとても嬉しいです(私はThe Atreの会員です)。

 ただ、私はイスに座って観るのが好きなんですよね。演目ごとに場所を移動することには、全く抵抗はないのですが、出演者に誘導されつつ、立ったままで(時には歩きながら)一人芝居を観るのは苦手でした。これは好みでしょうね。

 きっと面白い現代戯曲ばかりだったのだろうと想像しますが、研修2年目に入ったばかりの4期生のモノローグは・・・観てる方もガッチガチに緊張しちゃいました。声や表情はきれいだな~と思っても、言葉の意味が伝わってこなくて、作品自体を味わえないことが多かったです。

 本当はリーディングのはずですよね。でも台本を持たずにしっかり演技をされていました。たった1人で、ロビー中を観客を誘導しながらしゃべったり・・・。難易度が高すぎたのではないでしょうか。
 できれば『アテンプツ…』『最後の炎』と同様に、3期生にやって欲しかったな~。※3期生は6/5~7に試演会①があるので、スケジュール的に無理だったのかもしれませんね。


■第一幕 旅立ち
プロローグ【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:田島真弓 土井真波)
 「出発します!」とか。(「出発します!」はプロローグの前かも?)

[戦車]『戦車』【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:扇田森也 田島真弓 土井真波)
 車イスに座った、大金持ちの男の独白。女優2人が数役演じる。

[節制]『ジェレミー』【見ました】
 (作:ジャン=イヴ・ピック 出演:安藤大悟)
 黄色い半そでシャツ。セリフを間違ってやり直しても、心が折れないのがスゴい(笑)。

[運命の輪]『マトロック』
 (作:シルヴァン・ルヴェ 出演:日沼さくら)


■第二幕 喪失
プロローグ【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:田島真弓)

[教皇]『教皇』【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:趙栄昊)
 社会の底辺にいる、キャンピングカー暮らしの男。他の役も見てみたい。

[隠者]『もうひところりん』【途中から見ました】
 (作:フランソワーズ・ピレ 出演:白川哲司) 
 『ジェレミー』の続編的な。

[太陽]『太陽』【見ました】
 (作:ジャン=イヴ・ピック 出演:仙崎貴子)
 白いドレス。“蛍光灯の街”への批判。とてもユーモラス。


■第三幕 出会い
プロローグ
 (作:ミシェル・アザマ 出演:土井真波)【見ました】
 朗読。「僕の・・・」というセリフの連続。

[正義]『ころりん、そしてわきへころりん』【見ました】
 (作:フランソワーズ・ピレ 出演:木原梨理子)
 “ブランコに乗ったお嬢さん”に訴えかける。舞台を1人で走りまわる姿は魅力的だけど、話はわからなかった。

[月]『若い男が池のなかをさまよっている』【見ました】
 (作:ナタリー・パパン 出演:竹田雄大 田島真弓 土井真波 他、男性1名)
 純白のウェディングドレスを着た男(竹田雄大)が、劇場の外から登場。

[力]『カ』(作:ジャン=イヴ・ピック 出演:原一登)


■四幕 届かぬ星
プロローグ
 (作:ミシェル・アザマ 出演:田島真弓 土井真波)

[女教皇]『女教皇』【最後の少しだけ見ました】
 (作:ジャン=イヴ・ピック 出演:佐藤真希)

[吊られた男]『吊られた男、あるいは西洋世界のセイレーン』【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:斎藤麻里絵)
 空港で暮らす41歳の女。「ここでは何でも手に入るけど、飛行機にだけは乗れない」「死ぬときは障害者用のトイレの隅で」。一番面白かった。

[悪魔]『ヘーゼル・ナッツ』【見ました】
 (作:シルヴァン・ルヴェ 出演:今井聡)
 自転車(床に固定)に乗って暴走。正視できず。演出が私には合わなかったんだと思います。

シリーズ・同時代【海外編】スペシャルイベント 番外連続リーディングvol.3
出演:新国立劇場演劇研修所4期生(木原梨里子/斎藤麻理絵/佐藤真希/仙崎貴子/田島真弓/土井真波/日沼さくら/安藤大悟/今井聡/白川哲司/扇田森也/竹田雄大/趙栄昊/原一登)
作:ミシェル・アザマ シルヴァン・ルヴェ ナタリー・パパン ジャン=イヴ・ピック フランソワーズ・ピレ 翻訳:佐藤康 演出:鵜山仁 舞台監督:増田裕幸 舞台・照明・音響操作:新国立劇場技術部 シアターコミュニケーションシステムズ レンズ 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000180_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年06月04日 16:49 | TrackBack (0)